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第二章 宝如寺の賊
最終回 一殺多生の誇り
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抵抗が止んだ。
殺したのは、ざっと数えただけでも結局五十余にも及んだ。算段した数より、かなり多かった事になる。
残った十余名の賊徒は武器を捨てて降伏し、仙次に縛り上げられている。
その様子を、小弥太は山門の傍に腰掛けて見ていた。何かしなければならないと思っても、全身に覆い被さる疲労感で、立ち上がる事すら出来ない。
目の前には、骸の山。腕や首が無いものや、垂れ落ちた臓腑が散乱し、えも言えぬ悪臭が立ち込めている。
本当に自分でした事なのだろうか。無我夢中だった。どう動き、どう斬ったのか、はっきりと思い出せない。思い出そうとしても、頭に白い靄が掛かっているかのようで、はっきりとしない。
「これはまた……」
伊平治が、鼻を抑えて現れた。顔を青くしている。五人の若者も同じようなもので、手傷を負った者もいるが、全員無事な様子だった。
「裏に井戸がある」
清記が、歩み寄って言った。いつもと変わらない口調だが、流石に返り血を浴びていた。父が着物を血で穢すのは珍しい。それほどの激戦だったのだ。
父に手を引かれ、起こされた。
「血を落としてこい」
小弥太は頷き、血に染まった単衣を脱ぎ捨てると、境内の井戸で水を浴びた。流石に秋も中頃になると行水も苦になる所だが、闘争の余熱を放つ身体には、水の冷たさが心地良くもある。
血糊を洗い流しながら、身体に傷が無いか入念に調べた。戦っている事に夢中で、致命傷を受けている事に気付かない者もいるという。だが、小弥太の身体には掠り傷一つもなかった。
(臆病なのだ、俺は)
勇気が無い。だから相手の剣先ばかりに目が行き、躱す事に長けてしまう。一度、藩の剣術奉納試合で笑われた事がある。逃げてばかりだと。確かに逃げてばかりだった。しかし、逃げて逃げて隙を突いて勝った。称賛はされず、忌むべき行為と侮蔑された。剣術に於いて、躱す術に長ける事は、臆病の証拠らしい。
だが、父はそれで良いという。理由は判らない。ただ、念真流には見切りの秘技があり、それに役立つと言っていた。少なくとも、傷が無い事を父は喜ぶはずだ。
水浴びを終えると、賊の長屋で着物を適当に見繕った。どの長屋も清潔に保たれていて、小弥太は意外に思った。不衛生は病を呼ぶ。賊の中にも、そこまで考えが及ぶ者がいたのだろう。
「終わったな」
全員を集めると、鏑木が言った。
二の腕と、左腿に傷を受けている。包帯を巻いているが、本人曰く薄皮を斬られただけらしい。
「平山さんと、小弥太君には礼を言わなきゃいけねぇな」
鏑木が、恭しく頭を下げる。
「礼を言うには及ばん。我々は責任を果たしただけに過ぎない。勿論、これで償えるとは思えぬが」
「いや、間違いなく救われました。これで、我ら百姓も安心して暮らせます。本当に、感謝します」
と、伊平治が清記の手を取り、何度も頭を下げた。小弥太にも同じ事をした。
伊平治の言葉に、小弥太こそ救われたのかもしれない。
人を殺した。相手が賊徒だとしても、殺人を犯した事に変わりはない。思い出すだけで、怖い。しかし、それが民の安寧に繋がる一殺多生ならば、胸に沈殿する黒い重石も少しは軽くなるというものだ。
「胸を張れ」
鏑木が、そう言って小弥太の背中を叩いた。
「お前の剣が、多くの命を救ったんだ。そこらの武士には出来ねぇ事だぜ」
「私の剣が」
鏑木が、力強く頷く。
「それを誇りにしてもいい」
そう言われ、小弥太の心に光明が射した。
確かに、鏑木の言う通りである。俺の剣が、百姓から厄災を取り除いた。命も奪ったが、相手は賊。無垢な命を奪った罪人の命である。死んでも仕方のなかったのだ。これは、御手先役としても誇りにしてもいいのではないか。
(俺でも出来る)
小弥太は、そう確信した。
藩主・栄生利景の命を受け、領民の為に剣を奮う。これは上には忠義を、下には武士たる責任を果たす事になる。もう自分は、その宿命から逃げない。悩みもしない。この業罪が、一殺多生となるならば。
伊平治が、村の若者を連れて生存者の確認を始めた。村から攫われた女がいるかもしれないというのだ。仙次もそれも付き合うように、鏑木が命じた。
父、鏑木、そして自分の三人になった。
「鏑木、あの賊徒はどうする?」
清記が、縛られた賊徒を一瞥した。
「放り出せば、また賊徒になる。いっその事、お前がこの山の頭領になるか?」
清記が真顔で言うので、鏑木が思わず吹き出した。
「御冗談を。花和尚や青面獣じゃあるめぇし」
「無論、冗談だ」
「賊徒の頭領になるのも魅力的ですがね、俺はこれから岩寂の虫を始末しなきゃならねぇんです。あいつらは、その大事な証人」
「内通者を裁くのだな」
「ええ。岩寂奉行、大槻嘉平を」
大槻。そう胸中で呟き、奉行所で会った四十過ぎの生真面目な男の顔を思い浮かべた。
(あの男が内通者だったか)
自ら内通者を断罪する、と言っていた気がする。どうも、人は見かけに寄らないらしい。
「奴が賊徒の犬でしてね。お目溢しをするように仕向けたのも大槻の仕業。俺と仙次はその尻尾を探っていたんです」
「ついでに、土鮫の壊滅もか?」
「それは、あなた方に出会ってから考えました」
「なるほど。しかし、お前達が本腰を入れれば壊滅は容易いのでは?」
「いやいや、幾ら俺でも無理ってもんです」
「隠しても判る。お前と仙次の剣は、柳生流。疋田流ではない」
「何の事やら」
鏑木が肩を竦めた。
「それに、剣の師匠は白石宗灼先生と言ったが、白石先生は疋田流ではなく、不知火流だ」
鏑木が、清記に目を向けた。睨み合う。そして、堪えるような低い笑いを見せた。
「平山さんには、勝てませんや。俺も仙次も柳生ですよ。しかも、裏の仕事を専門にした。珂府勤番に飛ばされたのは、俺の不行状が原因ではなく、大目付の命令なんです。内通者を炙り出し、内々に始末せよという。身内の恥ですから、おおっぴらには出来ねぇ」
清記が、得心したのか深く頷いた。
鏑木と仙次が柳生だからとて、小弥太は驚かなかった。この二人には底が読み切れない深さがあった。その原因が柳生であるとすれば納得である。
「こうした仕事は嫌いだが、大樹公への奉公とあらば仕方ねぇ」
「公儀隠密に好き嫌いもなかろう。しかし、それを口にしていいのか?」
「俺とお前さん達は、この城を共に落とした友達ってもんさ。友達を信じれねぇようじゃ武士じゃないね」
「相変わらず青臭い事を言う男だ」
そう言って、清記はその場を去った。井戸で身体を流すという。
「鏑木さん」
二人になると、小弥太は口を開いた。
「何だい?」
「乱戦の中、賊の銃手が仲間に殺されていました。そして、私が浪人と斬り結んでいた時、あわやの所で、その賊徒に助けられました」
「そいつらを知りたいのだな?」
小弥太は頷いた。
「あれも隠密さ。賊の中に忍び込ませていたんだ。ほら、俺が言ってだだろ? 『鉄砲には手を打っている。皆々心配なされずに』ってね」
小弥太は清記の言葉を思い出し、
「そうでしたね」
と、言った。
「礼でも言いたいのかい?」
「命を救われました」
「まぁ、今度会ったら酒でも奢ってやるといいさ」
「酒ですか」
「そうか、君は元服するまで飲めなかったなぁ。すまん、すまん」
そう言って笑った鏑木に釣られ、小弥太も思わず笑みを見せていた。
<第二章 了>
殺したのは、ざっと数えただけでも結局五十余にも及んだ。算段した数より、かなり多かった事になる。
残った十余名の賊徒は武器を捨てて降伏し、仙次に縛り上げられている。
その様子を、小弥太は山門の傍に腰掛けて見ていた。何かしなければならないと思っても、全身に覆い被さる疲労感で、立ち上がる事すら出来ない。
目の前には、骸の山。腕や首が無いものや、垂れ落ちた臓腑が散乱し、えも言えぬ悪臭が立ち込めている。
本当に自分でした事なのだろうか。無我夢中だった。どう動き、どう斬ったのか、はっきりと思い出せない。思い出そうとしても、頭に白い靄が掛かっているかのようで、はっきりとしない。
「これはまた……」
伊平治が、鼻を抑えて現れた。顔を青くしている。五人の若者も同じようなもので、手傷を負った者もいるが、全員無事な様子だった。
「裏に井戸がある」
清記が、歩み寄って言った。いつもと変わらない口調だが、流石に返り血を浴びていた。父が着物を血で穢すのは珍しい。それほどの激戦だったのだ。
父に手を引かれ、起こされた。
「血を落としてこい」
小弥太は頷き、血に染まった単衣を脱ぎ捨てると、境内の井戸で水を浴びた。流石に秋も中頃になると行水も苦になる所だが、闘争の余熱を放つ身体には、水の冷たさが心地良くもある。
血糊を洗い流しながら、身体に傷が無いか入念に調べた。戦っている事に夢中で、致命傷を受けている事に気付かない者もいるという。だが、小弥太の身体には掠り傷一つもなかった。
(臆病なのだ、俺は)
勇気が無い。だから相手の剣先ばかりに目が行き、躱す事に長けてしまう。一度、藩の剣術奉納試合で笑われた事がある。逃げてばかりだと。確かに逃げてばかりだった。しかし、逃げて逃げて隙を突いて勝った。称賛はされず、忌むべき行為と侮蔑された。剣術に於いて、躱す術に長ける事は、臆病の証拠らしい。
だが、父はそれで良いという。理由は判らない。ただ、念真流には見切りの秘技があり、それに役立つと言っていた。少なくとも、傷が無い事を父は喜ぶはずだ。
水浴びを終えると、賊の長屋で着物を適当に見繕った。どの長屋も清潔に保たれていて、小弥太は意外に思った。不衛生は病を呼ぶ。賊の中にも、そこまで考えが及ぶ者がいたのだろう。
「終わったな」
全員を集めると、鏑木が言った。
二の腕と、左腿に傷を受けている。包帯を巻いているが、本人曰く薄皮を斬られただけらしい。
「平山さんと、小弥太君には礼を言わなきゃいけねぇな」
鏑木が、恭しく頭を下げる。
「礼を言うには及ばん。我々は責任を果たしただけに過ぎない。勿論、これで償えるとは思えぬが」
「いや、間違いなく救われました。これで、我ら百姓も安心して暮らせます。本当に、感謝します」
と、伊平治が清記の手を取り、何度も頭を下げた。小弥太にも同じ事をした。
伊平治の言葉に、小弥太こそ救われたのかもしれない。
人を殺した。相手が賊徒だとしても、殺人を犯した事に変わりはない。思い出すだけで、怖い。しかし、それが民の安寧に繋がる一殺多生ならば、胸に沈殿する黒い重石も少しは軽くなるというものだ。
「胸を張れ」
鏑木が、そう言って小弥太の背中を叩いた。
「お前の剣が、多くの命を救ったんだ。そこらの武士には出来ねぇ事だぜ」
「私の剣が」
鏑木が、力強く頷く。
「それを誇りにしてもいい」
そう言われ、小弥太の心に光明が射した。
確かに、鏑木の言う通りである。俺の剣が、百姓から厄災を取り除いた。命も奪ったが、相手は賊。無垢な命を奪った罪人の命である。死んでも仕方のなかったのだ。これは、御手先役としても誇りにしてもいいのではないか。
(俺でも出来る)
小弥太は、そう確信した。
藩主・栄生利景の命を受け、領民の為に剣を奮う。これは上には忠義を、下には武士たる責任を果たす事になる。もう自分は、その宿命から逃げない。悩みもしない。この業罪が、一殺多生となるならば。
伊平治が、村の若者を連れて生存者の確認を始めた。村から攫われた女がいるかもしれないというのだ。仙次もそれも付き合うように、鏑木が命じた。
父、鏑木、そして自分の三人になった。
「鏑木、あの賊徒はどうする?」
清記が、縛られた賊徒を一瞥した。
「放り出せば、また賊徒になる。いっその事、お前がこの山の頭領になるか?」
清記が真顔で言うので、鏑木が思わず吹き出した。
「御冗談を。花和尚や青面獣じゃあるめぇし」
「無論、冗談だ」
「賊徒の頭領になるのも魅力的ですがね、俺はこれから岩寂の虫を始末しなきゃならねぇんです。あいつらは、その大事な証人」
「内通者を裁くのだな」
「ええ。岩寂奉行、大槻嘉平を」
大槻。そう胸中で呟き、奉行所で会った四十過ぎの生真面目な男の顔を思い浮かべた。
(あの男が内通者だったか)
自ら内通者を断罪する、と言っていた気がする。どうも、人は見かけに寄らないらしい。
「奴が賊徒の犬でしてね。お目溢しをするように仕向けたのも大槻の仕業。俺と仙次はその尻尾を探っていたんです」
「ついでに、土鮫の壊滅もか?」
「それは、あなた方に出会ってから考えました」
「なるほど。しかし、お前達が本腰を入れれば壊滅は容易いのでは?」
「いやいや、幾ら俺でも無理ってもんです」
「隠しても判る。お前と仙次の剣は、柳生流。疋田流ではない」
「何の事やら」
鏑木が肩を竦めた。
「それに、剣の師匠は白石宗灼先生と言ったが、白石先生は疋田流ではなく、不知火流だ」
鏑木が、清記に目を向けた。睨み合う。そして、堪えるような低い笑いを見せた。
「平山さんには、勝てませんや。俺も仙次も柳生ですよ。しかも、裏の仕事を専門にした。珂府勤番に飛ばされたのは、俺の不行状が原因ではなく、大目付の命令なんです。内通者を炙り出し、内々に始末せよという。身内の恥ですから、おおっぴらには出来ねぇ」
清記が、得心したのか深く頷いた。
鏑木と仙次が柳生だからとて、小弥太は驚かなかった。この二人には底が読み切れない深さがあった。その原因が柳生であるとすれば納得である。
「こうした仕事は嫌いだが、大樹公への奉公とあらば仕方ねぇ」
「公儀隠密に好き嫌いもなかろう。しかし、それを口にしていいのか?」
「俺とお前さん達は、この城を共に落とした友達ってもんさ。友達を信じれねぇようじゃ武士じゃないね」
「相変わらず青臭い事を言う男だ」
そう言って、清記はその場を去った。井戸で身体を流すという。
「鏑木さん」
二人になると、小弥太は口を開いた。
「何だい?」
「乱戦の中、賊の銃手が仲間に殺されていました。そして、私が浪人と斬り結んでいた時、あわやの所で、その賊徒に助けられました」
「そいつらを知りたいのだな?」
小弥太は頷いた。
「あれも隠密さ。賊の中に忍び込ませていたんだ。ほら、俺が言ってだだろ? 『鉄砲には手を打っている。皆々心配なされずに』ってね」
小弥太は清記の言葉を思い出し、
「そうでしたね」
と、言った。
「礼でも言いたいのかい?」
「命を救われました」
「まぁ、今度会ったら酒でも奢ってやるといいさ」
「酒ですか」
「そうか、君は元服するまで飲めなかったなぁ。すまん、すまん」
そう言って笑った鏑木に釣られ、小弥太も思わず笑みを見せていた。
<第二章 了>
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だが、運命は弁助を有馬喜兵衛との対決へ導く。とある事情から仕合を受ける事になり、弁助は有馬喜兵衛を観察する。当然だが、心技体、全てに於いて喜兵衛が優っている。圧倒的に不利な中、弁助は幼馴染みのお通や又八に励まされながら仕合の準備を進めていた。果たして、弁助は勝利する事ができるのか? 宮本武蔵の初死闘を描く!
備考
宮本武蔵(幼名 弁助、弁之助)
父 新免無二(斎)、武蔵が幼い頃に他界説、親子で関ヶ原に参戦した説、巌流島の決闘まで存命説、など、諸説あり。
本作は歴史の検証を目的としたものではなく、脚色されたフィクションです。
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