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6.推理する男
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しおりを挟むその実験ルームは、眞木や坂浦の研究部屋とはずいぶん様子が違った。
重々しい扉にスイッチを入れるとゴオゴオと激しい音を立てて動き出す巨大な換気扇。
「一太の呪いだとかいうこの土が、パズルを完成させるピースになる」
強固なマスクにゴーグルに手袋に完全武装の眞木がいうのを、同じく武装した湖南は黙ってうなずいた。
眞木は花壇で採取した少量の土を試験管に入れ、そこに謎の試薬を垂らした。
だが何の変化も現れない。
完全武装を解きながら、眞木は呆れたような表情を湖南に向けた。
「すぐに結果が出るわけないだろう。12時間はかかる」
「じゅ、12時間も!?」
湖南は頑丈なゴーグルの下で目を見開いた。
明日の15時には幽霊が見える薬の効果も消えてしまう。
それまでに一太の自殺の真相にたどり着くことができるのだろうか。
「やることはたくさんあるぞ。ひとまず事件を整理しよう」
どこか楽しげな眞木は「いつまでかぶってるんだ」と湖南のゴーグルを取り上げた。
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