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13話 シュゴシン、ポンデュガール
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シーラー街から出る時、昨日の衛兵さんに感謝を伝えた。
すると狩りをするなら、コーンラビットが生息しているシリア森に途中下車の荷馬車に乗せてもらうといいと教えてもらえた。
すぐに通り掛かった荷馬車にお願いして、大銅貨一枚で乗せてくれて、僕達がやってきたシリア森に逆戻りという形で向かうことになった。
森の前を走る荷馬車から飛び降りて感謝を伝える。通常馬車よりもずっとゆっくりなので飛び降りるのはそう大変でもなかった。
「じゃあ、今日は思う存分にコーンラビットを狩ろう。もちろん、僕達の昼飯と夕飯にもなるけど、当面の生活費も稼ぎたい」
「分かった。私、ノアのためにも頑張って捕まえてくるから」
「そ、そっか。あまり無理はしないでな? セレナがケガしたら元も子もないからね」
セレナは大きく首を縦に振った。
セレナは両手でポンちゃんの頭をわしゃわしゃと撫で始めた。
「ポンちゃん。お願いがあるの」
『どうしたのニャ?』
「あのね。私はこれからコーンラビットを捕まえてくる。ポンちゃんにはできれば狩りではなくて、ノアを守って欲しいの。私達の守護神になって欲しい」
『シュゴシン?』
首を傾げるポンちゃんにセレナは笑顔を浮かべて小さい声で何かを話した。小さくて何を話しているか聞き取れない。
『分かったニャ。僕がノアを守るニャ!』
「よろしくね!」
ポンちゃんの言葉は受け取れないはずのセレナだけど、表情で大体掴んでいるみたいだ。ポンちゃんって表情豊かだからね。
「ノア。私、行ってくるね」
「気を付けてね」
「任せておいて」
昨日からほんの少しだけ大人びた顔になったセレナが、森の中に走っていった。
こう……男として生まれて、狩りを女性に任せるのは心苦しいものがある。男女差別と言われるかも知れない。でも違うんだ。そういう意味ではなく、自分が守ると決めた女の子に危険な狩りをさせてしまうのが辛いのだ。
『どうしたニャ? ノア』
「すまん。ちょっと暗い気分になってな」
『ん~よくわからないけど、セレナは大丈夫ニャ』
「ん?」
『セレナは強いニャ。それに僕は匂いが嗅げるから、セレナが危なくなったらすぐ分かるニャ。だから心配いらないニャ』
「そっか。ポンちゃんにはそういう力もあったんだな。ありがとう」
ポンちゃんの頭をわしゃわしゃと撫でてあげると、気持ちよさそうに尻尾を振った。
「では僕も少しは狩ろうかな」
『それなら僕が――――』
「ううん。僕にやらせて欲しい。ちょっと理由があるんだ」
『分かったニャ。危なそうなら助けに入るニャ。セレナに僕が怒られるからニャ!」
「ふふっ。よろしく頼む」
ポンちゃんをなだめて、腰にかけてあるショートソードを抜く。
「ポンちゃん。コーンラビットの匂いで探してくれ」
『ん~あっちニャ!』
ポンちゃんと共に走って行くと、コーンラビット一匹が姿を見せた。
こちらに向かって走ってくるコーンラビットを軽々と避けながら、ショートソードで斬りつける。
たった一撃でコーンラビットが倒れた。
異世界では【クリティカルヒット】という概念があって、稀に一撃が三倍の威力になる場合がある。前世ではダメージとかそういう概念はなかったのに、異世界ならではの不思議な体験だ。
倒したコーンラビットをその場で血抜きを行う。
それからポンちゃんにコーンラビットを探してもらい、六体を倒した。
その時、
《レベルが3になりました。才能【アプリ】の最大容量が1GB上昇しました。》
久しぶりのレベルアップ! それに伴ってGBが増えてくれた!
丁度太陽が真上に上る頃で、狩りを午前中の狩りを終えたセレナが大量のコーンラビットを捕まえて帰ってきた。
すると狩りをするなら、コーンラビットが生息しているシリア森に途中下車の荷馬車に乗せてもらうといいと教えてもらえた。
すぐに通り掛かった荷馬車にお願いして、大銅貨一枚で乗せてくれて、僕達がやってきたシリア森に逆戻りという形で向かうことになった。
森の前を走る荷馬車から飛び降りて感謝を伝える。通常馬車よりもずっとゆっくりなので飛び降りるのはそう大変でもなかった。
「じゃあ、今日は思う存分にコーンラビットを狩ろう。もちろん、僕達の昼飯と夕飯にもなるけど、当面の生活費も稼ぎたい」
「分かった。私、ノアのためにも頑張って捕まえてくるから」
「そ、そっか。あまり無理はしないでな? セレナがケガしたら元も子もないからね」
セレナは大きく首を縦に振った。
セレナは両手でポンちゃんの頭をわしゃわしゃと撫で始めた。
「ポンちゃん。お願いがあるの」
『どうしたのニャ?』
「あのね。私はこれからコーンラビットを捕まえてくる。ポンちゃんにはできれば狩りではなくて、ノアを守って欲しいの。私達の守護神になって欲しい」
『シュゴシン?』
首を傾げるポンちゃんにセレナは笑顔を浮かべて小さい声で何かを話した。小さくて何を話しているか聞き取れない。
『分かったニャ。僕がノアを守るニャ!』
「よろしくね!」
ポンちゃんの言葉は受け取れないはずのセレナだけど、表情で大体掴んでいるみたいだ。ポンちゃんって表情豊かだからね。
「ノア。私、行ってくるね」
「気を付けてね」
「任せておいて」
昨日からほんの少しだけ大人びた顔になったセレナが、森の中に走っていった。
こう……男として生まれて、狩りを女性に任せるのは心苦しいものがある。男女差別と言われるかも知れない。でも違うんだ。そういう意味ではなく、自分が守ると決めた女の子に危険な狩りをさせてしまうのが辛いのだ。
『どうしたニャ? ノア』
「すまん。ちょっと暗い気分になってな」
『ん~よくわからないけど、セレナは大丈夫ニャ』
「ん?」
『セレナは強いニャ。それに僕は匂いが嗅げるから、セレナが危なくなったらすぐ分かるニャ。だから心配いらないニャ』
「そっか。ポンちゃんにはそういう力もあったんだな。ありがとう」
ポンちゃんの頭をわしゃわしゃと撫でてあげると、気持ちよさそうに尻尾を振った。
「では僕も少しは狩ろうかな」
『それなら僕が――――』
「ううん。僕にやらせて欲しい。ちょっと理由があるんだ」
『分かったニャ。危なそうなら助けに入るニャ。セレナに僕が怒られるからニャ!」
「ふふっ。よろしく頼む」
ポンちゃんをなだめて、腰にかけてあるショートソードを抜く。
「ポンちゃん。コーンラビットの匂いで探してくれ」
『ん~あっちニャ!』
ポンちゃんと共に走って行くと、コーンラビット一匹が姿を見せた。
こちらに向かって走ってくるコーンラビットを軽々と避けながら、ショートソードで斬りつける。
たった一撃でコーンラビットが倒れた。
異世界では【クリティカルヒット】という概念があって、稀に一撃が三倍の威力になる場合がある。前世ではダメージとかそういう概念はなかったのに、異世界ならではの不思議な体験だ。
倒したコーンラビットをその場で血抜きを行う。
それからポンちゃんにコーンラビットを探してもらい、六体を倒した。
その時、
《レベルが3になりました。才能【アプリ】の最大容量が1GB上昇しました。》
久しぶりのレベルアップ! それに伴ってGBが増えてくれた!
丁度太陽が真上に上る頃で、狩りを午前中の狩りを終えたセレナが大量のコーンラビットを捕まえて帰ってきた。
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