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「さあ、皆さん。こちらにどうぞ」
ガイア様に誘われて案内されたところに、真っ白なテーブルの上には金色の美しい刺繍の白いティーポットやカップ、皿が並んでおり、その上には美味しそうなクッキーやケーキが並んでいた。
「美味しそう~!」
すぐに目を光らせるエレナちゃんがテーブルの隣で微笑むガイア様のところに入っていく。
まだ皆さんはガイア様に少し遠慮している感じがあって、エレナちゃんが先に行ってくれるといいきっかけになってくれてすごくいいね。
ちゃんとアルトくんとカミラさん用のテーブルまで準備してくれて、カミラさんが食べやすいように小さく切ったものが並ぶ。
やっぱりガイア様ってちゃんと見ていたんだね!
「「「「いただきます!」」」」
みんなで手を合わせてから美味しそうなクッキーを食べてみる。
口の中にふんわりと甘みとともに、ハチミツとリンゴの香りがふんわりと鼻を抜けてくる。
「「「「美味しい~!」」」」
こんなにも美味しいクッキーは人生初めてと言って過言ではないくらい美味しい。しかも、クッキーを食べたら口の中の水分を全部奪われて喉が渇くはずなのに、こちらのクッキーはそうなることなく、クッキーから溢れた甘いみずみずしさが喉を潤す。
嬉しそうな笑みを浮かべたガイア様はすぐに茶を入れてくれる。色はミルクティーのような明るい茶色。
ミルクの香りがふんわりと広がり、続けて紅茶の独特な香りに、思わずつばを飲み込んだ。
「神界で取れるもので作ったクッキーと紅茶です。たくさんありますから遠慮なさらずに食べてくださいね」
そっとハンカチを持った手を伸ばして隣に座っていたエレナちゃんの口元を拭いてあげるガイア様。
美味しそうにパクパク食べていたエレナちゃんが「えへへ~」と満面の笑みを浮かべた。
段々ガイア様と打ち解けた皆さんは余裕のある表情を浮かべるようになった。
お茶会を楽しんでから、まだ時間があるってことで、ガイア様とステラさんはコテツと遊んでいて、エヴァさんとセレナさんは周りの景色に目を輝かせていた。
『ワタル~あそこの丘の上に行ってみようぜ!』
「離れていいのかな……? ガイア様~向こうの丘に行ってきてもいいですか~?」
「もちろん大丈夫ですよ~」
「ありがとうございます!」
僕はアルトくんの背中に、エレナちゃんはカミラさんの背中に乗り込んで、一気に駆け抜ける。
神界は虹色の不思議な光の波があっちこっちで見られ、植物や地面もいくつかの色に変化していったりする。
温かい追い風がとても気持ちよくて、走ってるアルトくんとカミラさんも気持ちよさそう。
丘の上に着いてので、高台から周りを見渡してみる。
そこから見えたのは――――無数の浮島。空を舞う虹色の生物達。虹色の光のうねり。神秘的な光景が広がっており、真っ青な空と流れる雲も見ているだけで時間を忘れてしまうほどだ。
丘にエレナちゃんと並んで座り、風景を堪能する。
「ガイア様、すごく優しかった!」
「お菓子も美味しかったもんね」
「うんうん。う~また食べたくなった」
「あはは~その時はまたお願いしたら作ってくださると思うよ」
「でも神界っていつも来れるわけじゃないでしょう?」
「そうだね。ガイア様も力をたくさん使うみたいだから。でも最近は力も貯まるようになったって仰ってたから、また来れると思うよ」
「そっか! また楽しみにしておこ~」
ボーっと吹いてくる優しい風に揺れていると、アルトくんが近付いてきた。
『ワタル。あの下って気にならないか?』
「下? この島の?」
『ああ! ここからだと空しか見えないからな! 下がどうなっているのか見てみたい!』
ここも浮遊島だから、周りは空ばかり見える。
アルトくんに言われた通り、島の下がどうなっているのか僕も見たことがない。
というか、神界にそこまで頻繁に来るわけじゃないし、今までだと時間も短かったからね。
「行ってみようか!」
『行こうぜ~!』
またアルトくんの背中に乗って走る。
そういえば、前回の戦いからアルトくん達がまた強くなったみたいで、走るスピードはまた一段と速くなった。
あの激しかった戦いも一か月が経っているんだよね……。
お茶会をした場所に戻り、その先にある崖の前に立った。
エレナちゃんとアルトくんとおそるおそる崖に近付いてうつ伏せになる。
ほふく前進のようにして、崖から落ちないように気を付けながら崖の端にたどり着いた。
島から下を覗いたところ――――広大な海が広がっていた。でも僕が知っているような海ではない。
何か巨大な――――水で作られた龍のような一体感のある動きをしている。しかも、見渡せる範囲では端が見えず、どこまでも青くて、何だか空が広がっているような。
空と海が逆転しているかのような錯覚を覚えるくらい綺麗な流れる海に目が奪われる。
「ワタル~綺麗だね」
「うん……! すごく綺麗!」
アルトくんとカミラさんも神秘的な光景に満足げに笑みを浮かべた。
楽しい時間はあっという間に終わり、僕達は神界から元の世界に戻る時間となった。
コテツはまたしばらく残ってガイア様と遊んでくるってことで、コテツを左腕で抱っこして右手を振るガイア様に見送られ、僕達は神界を後にした。
――――【あとがき】――――
本日、書籍版二巻が発売になりました~!
ぜひ本屋で手に取っていただけたら幸いです!(電子版の発売は来月のようです)
毎週更新していきますので、続きもお楽しみに~
ガイア様に誘われて案内されたところに、真っ白なテーブルの上には金色の美しい刺繍の白いティーポットやカップ、皿が並んでおり、その上には美味しそうなクッキーやケーキが並んでいた。
「美味しそう~!」
すぐに目を光らせるエレナちゃんがテーブルの隣で微笑むガイア様のところに入っていく。
まだ皆さんはガイア様に少し遠慮している感じがあって、エレナちゃんが先に行ってくれるといいきっかけになってくれてすごくいいね。
ちゃんとアルトくんとカミラさん用のテーブルまで準備してくれて、カミラさんが食べやすいように小さく切ったものが並ぶ。
やっぱりガイア様ってちゃんと見ていたんだね!
「「「「いただきます!」」」」
みんなで手を合わせてから美味しそうなクッキーを食べてみる。
口の中にふんわりと甘みとともに、ハチミツとリンゴの香りがふんわりと鼻を抜けてくる。
「「「「美味しい~!」」」」
こんなにも美味しいクッキーは人生初めてと言って過言ではないくらい美味しい。しかも、クッキーを食べたら口の中の水分を全部奪われて喉が渇くはずなのに、こちらのクッキーはそうなることなく、クッキーから溢れた甘いみずみずしさが喉を潤す。
嬉しそうな笑みを浮かべたガイア様はすぐに茶を入れてくれる。色はミルクティーのような明るい茶色。
ミルクの香りがふんわりと広がり、続けて紅茶の独特な香りに、思わずつばを飲み込んだ。
「神界で取れるもので作ったクッキーと紅茶です。たくさんありますから遠慮なさらずに食べてくださいね」
そっとハンカチを持った手を伸ばして隣に座っていたエレナちゃんの口元を拭いてあげるガイア様。
美味しそうにパクパク食べていたエレナちゃんが「えへへ~」と満面の笑みを浮かべた。
段々ガイア様と打ち解けた皆さんは余裕のある表情を浮かべるようになった。
お茶会を楽しんでから、まだ時間があるってことで、ガイア様とステラさんはコテツと遊んでいて、エヴァさんとセレナさんは周りの景色に目を輝かせていた。
『ワタル~あそこの丘の上に行ってみようぜ!』
「離れていいのかな……? ガイア様~向こうの丘に行ってきてもいいですか~?」
「もちろん大丈夫ですよ~」
「ありがとうございます!」
僕はアルトくんの背中に、エレナちゃんはカミラさんの背中に乗り込んで、一気に駆け抜ける。
神界は虹色の不思議な光の波があっちこっちで見られ、植物や地面もいくつかの色に変化していったりする。
温かい追い風がとても気持ちよくて、走ってるアルトくんとカミラさんも気持ちよさそう。
丘の上に着いてので、高台から周りを見渡してみる。
そこから見えたのは――――無数の浮島。空を舞う虹色の生物達。虹色の光のうねり。神秘的な光景が広がっており、真っ青な空と流れる雲も見ているだけで時間を忘れてしまうほどだ。
丘にエレナちゃんと並んで座り、風景を堪能する。
「ガイア様、すごく優しかった!」
「お菓子も美味しかったもんね」
「うんうん。う~また食べたくなった」
「あはは~その時はまたお願いしたら作ってくださると思うよ」
「でも神界っていつも来れるわけじゃないでしょう?」
「そうだね。ガイア様も力をたくさん使うみたいだから。でも最近は力も貯まるようになったって仰ってたから、また来れると思うよ」
「そっか! また楽しみにしておこ~」
ボーっと吹いてくる優しい風に揺れていると、アルトくんが近付いてきた。
『ワタル。あの下って気にならないか?』
「下? この島の?」
『ああ! ここからだと空しか見えないからな! 下がどうなっているのか見てみたい!』
ここも浮遊島だから、周りは空ばかり見える。
アルトくんに言われた通り、島の下がどうなっているのか僕も見たことがない。
というか、神界にそこまで頻繁に来るわけじゃないし、今までだと時間も短かったからね。
「行ってみようか!」
『行こうぜ~!』
またアルトくんの背中に乗って走る。
そういえば、前回の戦いからアルトくん達がまた強くなったみたいで、走るスピードはまた一段と速くなった。
あの激しかった戦いも一か月が経っているんだよね……。
お茶会をした場所に戻り、その先にある崖の前に立った。
エレナちゃんとアルトくんとおそるおそる崖に近付いてうつ伏せになる。
ほふく前進のようにして、崖から落ちないように気を付けながら崖の端にたどり着いた。
島から下を覗いたところ――――広大な海が広がっていた。でも僕が知っているような海ではない。
何か巨大な――――水で作られた龍のような一体感のある動きをしている。しかも、見渡せる範囲では端が見えず、どこまでも青くて、何だか空が広がっているような。
空と海が逆転しているかのような錯覚を覚えるくらい綺麗な流れる海に目が奪われる。
「ワタル~綺麗だね」
「うん……! すごく綺麗!」
アルトくんとカミラさんも神秘的な光景に満足げに笑みを浮かべた。
楽しい時間はあっという間に終わり、僕達は神界から元の世界に戻る時間となった。
コテツはまたしばらく残ってガイア様と遊んでくるってことで、コテツを左腕で抱っこして右手を振るガイア様に見送られ、僕達は神界を後にした。
――――【あとがき】――――
本日、書籍版二巻が発売になりました~!
ぜひ本屋で手に取っていただけたら幸いです!(電子版の発売は来月のようです)
毎週更新していきますので、続きもお楽しみに~
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