便利すぎるチュートリアルスキルで異世界ぽよんぽよん生活

御峰。

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1巻

1-2

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「コテツ、ありがとう! 一緒に木の実食べよう」
「ワンワン!」

 木の実の皮をいて、コテツの前に置く。

「コテツもお腹空いたでしょう。さあ、食べて~」

 コテツは尻尾を振りながらも木の実を食べずに、木の実と僕を交互に見続ける。

「あれ? お腹空いてないの?」
「ワンワンワン!」

 コテツが木の実を僕に向けて押してくる。
 そっか…………僕がお腹空いてるから先に食べていいと言いたいのね。

「じゃあ、一緒に食べよう!」

 僕も急いで木の実を一つ剥く。
 そして、コテツと顔を合わせて「いただきます!」と言って、木の実にかぶりつく。
 ん⁉ う、美味うまい!
 木の実の甘い匂いがふんわりと広がって、みずみずしくて丁度ちょうどいい歯ごたえで、パクパク食べれてしまう。
 どうやらコテツも気に入ったようで、嬉しそうに尻尾をぶんぶん回しながら木の実を食べる。
 それから僕とコテツは残りの木の実も全てたいらげた。
 お腹いっぱい木の実を食べ、コテツと一緒に森を散歩する。
 いつもはリードをつけて散歩をしていたけど、異世界だし、リードもないのでコテツは自由に歩かせている。

「あっ! コテツ!」
「ワン?」
「絶対に人をんだりしちゃダメだからね? リードもないからあまり遠くに行かないでよ?」
「くぅん…………」

 コテツをひと撫でしてあげると、理解してくれたようだ。
 なんとなくだけど、スキル【ペット召喚】で呼んだコテツは、前世より僕の言うことをちゃんと理解してくれるようになった気がする。
 その時。遠くで大きな音が鳴り響く。何かを吹き飛ばす音だ。

「ぐるぅぅぅ」

 コテツも緊張した表情で、音が鳴った方向をにらむ。
 間違いなく何かがいる。
 コテツを召喚した時に魔力を10使ったので、僕の残り魔力は0だ。
【武器防具生成】を行うには魔力が1以上必要なので、武器も出せない。

「コテツ! 逃げよう!」

 しかし、コテツは音がする方に向かってえ続ける。

「コテツ⁉ どうしたの⁉ 何か危ないことが起きるかもしれない! 逃げようよ!」

 それでもコテツはかたくなに僕の言うことを聞いてくれない。
 遠目に木々が倒れるのが見える。
 そして、その隙間すきまから大きな影が見え始めた。

「コテツ! お願い! 逃――――」
「ワンワン! ワンワン!」

 吠えたコテツが影に向かって走り出した。

「コテツ!!!!」

 自分の腕の中から消えた温もりが、やっと会えた家族が、僕の手からすり抜けることに、転生する前に感じた悲しさが込み上げてくる。
 ワタル!
 お前はやっと出会えた家族を失いそうになっても何もしないのか⁉
 なんのために転生して、なんのためにステータスやスキルがあるんだ!
 前世でイジメを受けて通わなくなった剣道。
 あの頃、剣道は愛する者を守るモノだと教わった。
 だから自分をイジメてくる相手に竹刀しないを向けることなどしなかった。
 あれ以来竹刀は握っていない。
 でも心のどこかで誰かを守りたいと、ずっと思っていた。
 今ここでコテツを守らなかったら、この先、ずっと後悔するかもしれない。
 いや、絶対後悔し続けるだろう。
 だから、僕は隣に落ちていた木の枝を拾い、コテツが向かった場所に走っていく。
 どうか……無事でいてコテツ。絶対に守ってみせる。
 すぐにコテツの鳴き声が聞こえ、その声とは別の大きな声が聞こえる。
 木々を抜けた先は少し広くなっており、素早く動き回るコテツ、そして――――自分が知っているものとはあまりにも違う大きさのいのししが見えた。
 コテツが巨大猪をつめで素早く切り裂きながら攻撃を続けている。猪の攻撃に決して当たることなく、頑張っている。
 けれど、体格の差を見るだけで分かるように、コテツなんて猪の一撃で吹き飛びそうだ。
 だから僕も拾った木の枝で応戦する。
 コテツほどじゃないけれど、AGI俊敏が11となっている僕は、そこそこ速く動けている。
 さらに巨大猪の動きが不思議と読めるようだ。
 前世で剣道をしていた頃、相手の動きを見極みきわめられる時があった。
 いわゆるゾーンに入るというやつかな?
 緊張感で研ぎ澄まされた感覚が、巨大猪の動きとコテツの動き一つ一つを冷静に把握する。
 コテツが右に跳ぶ。
 巨大猪が右を向くはずだ。
 1、2………よし。
 振り向いた巨大猪の大きなきばが生えた顔を目掛めがけて木の枝を叩き込む。
 木の枝とは思えないくらいの轟音ごうおんが響き、僕が叩き込んだ木の枝が巨大猪の目に刺さった。
 巨大猪の次の攻撃は――――――ける必要もない。
 なぜなら、コテツが極限まで猪の体力を減らしてくれたところに、最後の僕の攻撃がクリティカルヒットし、巨大猪がその場で倒れ込んだからだ。
 僕にまっすぐ跳び込んできたコテツと倒れ込むと、またコテツに顔を舐められる。

「あははは~コテツ~くすぐったいってば~!」

 僕は自分の手で家族を守った喜びと安堵あんど、そして幸せを感じた。
 ありがとう、コテツ。僕の心に勇気をともしてくれて。
 その時――頭の中に不思議な声が流れる。


 - 経験値を獲得しました。 -
 - レベルが上昇しました。 -


 巨大猪を倒したことで、初めての経験値を獲得でき、レベルアップまでできたみたい。
 心の中でステータスを見る。
 レベルは11に上がっていた。一気に10も上がったんだ…………。
 まあ、見た目も強そうな猪だったし、実際とても強かったからね。
 ステータスに関しては、体力と魔力がそれぞれ10から210に上がっている。
 レベルが1上がるごとに20増えた感じだ。
 他のステータスも全てが同じように上がっていて、1+10から101+110となっている。
 +110の部分が【全ステータスアップ(レベル比)】の効果で増えてるみたいだ。ステータスはレベルが1上がるごとに10増え、+の部分も10増えたみたい。
 つまりレベルが1上がるごとに合計20ずつ増えている。
 確かチュートリアルの成長率って、勇者の二倍だっけ。
 と考えると勇者はレベルアップ時、体力10、魔力10、ステータス5ずつ上がる計算になるのか。
 それに比べるとチュートリアルは、体力と魔力は二倍、ステータスは【全ステータスアップ(レベル比)】の増加分含め結果的に四倍になるんだね。
 レベルアップのおかげなのか、身体がとても軽く感じる。
 レベル1の時と比べて、もっと軽く、さらに速く走れる気がする。
 コテツとのじゃれ合いも終わったので、巨大猪の周囲を走ってみる。
 ――――――速っ⁉
 自分の身体とは思えないくらい速く走れる。さっきのコテツよりも速く走れる気がする⁉
 やっぱり速く走れるのはステータスのおかげみたい。

「ワンワン!」

 僕の後ろを同じ速度で走るコテツの鳴き声が聞こえる。
 ええええ⁉ コテツも速くなってない⁉
 明らかに先ほどとは比べものにならないほど速く走っているコテツ。
 今の僕よりも速く走れそうなんだけど…………。


 そんな感じで上がったステータスに感動してコテツと遊んでいると、僕の【レーダー】に複数の生命体が感知される。
 と同時にコテツも耳をピクピクさせる。

「コテツ。どうやらたくさんの人が来るみたい」
「ワンワン」
「どうしよう? 一応【レーダー】のは黄色い。味方なら青だろうから、中立もしくは敵なのかな…………」
「ワンワン!」

 なんとなくだけど、このまま待とうって言ってるのかな?
 なんだかコテツの言いたいことが分かる気がする。これもスキル【ペット召喚】の効果なのかも。
 少し緊張しながら、彼らが着くまで巨大猪の前で待機する。
 念のために今ある魔力で剣でも出しておくか?

「スキル【武器防具生成】!」

 魔力が210もあるので、50を使って武器を出す。
 僕の身体の大きさに合わせたかのように、少し短くて細い剣が出てきた。
 前世でいうとレイピアと呼ばれる剣かな?
 丁度生成が終わった頃、【レーダー】で感知した人々が姿を現した。

「ええええ⁉」
「ええええ⁉」

 現れた人々と顔を合わせた途端、お互いに叫んでしまった。
 だって……だって!

猫耳ねこみみ‼」
「人族⁉」

 最初に出てきた女の子が驚いて声を上げた。
 続いて大人と思われる動物人間(?)たちが次々出てくる。
 この人たちって、もしかして…………異世界ならではの「獣人族じゅうじんぞく」なのか⁉
 警戒している彼らの中から、一人の男性がこちらにゆっくり歩いてくる。
 両手を上げているので、戦う意思はないと思われる。
 そこで僕の意思を伝えてみる。

「えっと、こちらに戦う意思は全くありません!」
「ワンワン!」
「⁉」

 男性は僕とコテツの顔を交互に見て、決意したかのように大きくうなずいた。

「初めまして、俺は猫耳族のゲラルドという」
「初めまして、僕は人族のワタルといいます。こちらは相棒のコテツです」
「ワンワン!」

 お互いに武器をしまい、少し距離を取っている。
 戦いの意思がないと分かったので、向こうの表情も暗くはないね。

「一つ聞きたいのだが、後ろのダークボアを倒したのは君かい?」
「ダークボア? この猪でしたら、僕とコテツで倒しました」

 そう話すとゲラルドさんの後方から驚きの声が上がる。

「う、嘘よ! 子どもに倒せる魔物じゃないわ!」

 女の子が大声で言った。
 ゲラルドさんが手を上げて制止する。

「すまない、ワタルくん。ダークボアは我々でも全力で戦ってようやく倒せる魔物でね。この子には君が倒したということがとても信じられないのさ。悪気はないので許してやってほしい」

 やっぱり、あの猪って強いんだね。ほぼコテツのおかげではあるんだけど。

「いえいえ、僕というよりは、こちらのコテツが強いんですよ」
「…………コテツ殿。失礼だがお二人が倒したのは事実でありますかな? しかも、コテツ殿が主戦力となって……」

 ゲラルドさんが急に敬語でコテツに話しかけた。

「ワンワン!」

 またゲラルドさんの後方から驚きの声が上がる。

「さようでございますか。疑ってしまい、申し訳ございません」
「えっ⁉ もしかしてゲラルドさん、コテツと会話してます⁉」
「ああ。我々は動物と話せる力を持っているからね」

 へぇー! その能力、ちょっと欲しいかも! 僕もコテツとしゃべってみたいなあ。
 コテツを見つめると、コテツもつぶらな瞳で僕を見つめてくる。
 少し口を開いて、小さな可愛らしい舌を見せながら息をするコテツが可愛い。
 思わずその頭を撫でていると、ゲラルドさんの後方からまた驚きの声が上がる。
 どうやら敬語を使ってしまうくらいすごい存在だと思っているコテツを、僕が撫でたことにびっくりしたらしい。

「ところで……皆さんはどうしてここに来たんですか?」
「あ、ああ…………我々はそちらのダークボアが出没したので、被害が大きくなる前に退治しようとこうして探していたのだ」
「このダークボアって、そんなに大変な魔物なんですか?」
「もちろんだ。ダークボアは見るモノ全てに突進する性質を持っている。このままでは我々の畑を荒らし、家畜かちくも食われてしまうのだ。この度はダークボアを退治してくれてありがとう」
「いえいえー、これもたまたまですから。えっと、もう一つ聞きたいんですけど」
「うむ?」
「このダークボアって、皆さんにとって有用な使い方はありますか?」
「有用な使い方?」
「はい。例えば――――肉を食べるとか?」

 すると、後ろで聞いていた女の子が元気に手を上げる。

「ダークボアの肉はとても美味おいしいのよ!」

 へぇー!
 前世では猪の肉ってくさみがあるって有名だったから、これほど禍々まがまがしくて巨大な猪は食べられないと思ったけど、そうでもないみたいだ。

「えっと、それでしたら一つ提案があります――――」

 僕の提案を聞いた女の子は喜びのあまり跳びはねる。
 他の皆さんも笑みを浮かべてくれた。
 リーダーと思われるゲラルドさんも快諾かいだくしてくれて、僕は異世界に来て初めて――――――人が住んでいる場所に行くこととなった。



 第2話


 森を抜けた先には、丸太の壁に囲われた場所が見えた。

「ワタルッ! あそこが私たちが住んでいるジエロ町だよ!」

 声を上げたのは、茶色のショート髪に可愛らしい猫耳があり、綺麗な青い瞳を持つ女の子だ。彼女はエレナという名前で、僕と同じ歳でとても活発な性格みたい。
 エレナちゃんが指差した場所を眺める。
 ジエロ町には彼女と同じような猫耳の獣人たちがたくさんいた。
 僕たちが近づくと、町からも複数人の獣人たちがやってくる。僕らの持つダークボアを見つけたからか、その顔はとても明るかった。

「ゲラルドさん! おかえりなさい!」
「ただいま。今日はお客様がいる。こちらのダークボアを倒してくれた少年だ。宴会の準備を進めてくれ」
「⁉ は、はいっ! かしこまりました!」

 青年の獣人さんはダークボアを持った皆さんと一足先に町に入っていく。
 エレナちゃん曰く、猫耳族はとても強いらしくて、あんなに巨大な猪もみんなで持てば簡単に運べた。
 ちなみに、僕でも片手で持てるみたいなんだけど、そのことは伏せておいた方がいいのかもしれない。

「エレナ~! 貴方~!」

 声がした方を見ると、綺麗な女性獣人さんが一人、声を上げながら手を振っていた。
 エレナちゃんをそのまま大人にした感じの美人さんだ。

「お母さん!」

 エレナちゃんも手を振りたそうにしているが、コテツを両手に抱えているので、そのまま小走りで、お母さんと呼んだその女性のもとへ走っていく。

「あはは、すまないね。ワタルくん。うちのエレナが随分ずいぶんとコテツ殿を気に入ったようでな」
「大丈夫ですよ~。コテツも可愛らしい女の子に抱っこされるの久しぶりのはずですから」
「うむうむ。うちのエレナは可愛いからな! がーはははっ!」

 ゲラルドさん、親馬鹿おやばかだね!
 町の入口に着くと、エレナちゃんの母親が優しい笑みを浮かべて、僕と目の高さを合わせるかのようにしゃがんでくれる。

「初めまして、私はエレナの母、エリアナよ。この度はダークボアを倒してくれてありがとね」
「いえいえ、たまたまでしたから。それよりも美味しいお肉が食べたいのでお願いします!」
「うふふ~任せておいて! う~んと美味しいダークボアの料理を作るわ!」

 実はさっき僕が森で提案したのは、ダークボアを渡す代わりに、そのお肉をご馳走ちそうしてくれというモノだ。
 だって、あのまま放置しても、僕じゃ調理ができないからね。
 あと、あの牙とかで武器が作れるらしいので、それは猫耳族にあげることにした。
 僕は武器や防具がいつでも生成できるからね。
 町の中に入ると事前に噂が広まっているようで、多くの猫耳族の獣人さんたちが手を振って名前を呼んでくれる。
 ちょっとした英雄えいゆう扱いがどこかこそばゆいけど、悪い気は全くせず、とても嬉しい。
 あまり慣れないが、手を振ってこたえる。
 そんな僕を見ながらニヤニヤしているエレナちゃんとコテツの顔が見える。
 コテツまで…………。
 そのままお客用の家に案内され、ゲラルドさんの厚意で何日でも泊まっていいと言われた。
 まだ予定とかはないが、今晩は宴会がてら一泊はしようかなと思う。


 案内が終わって、エレナちゃんやコテツと遊んでいるとエリアナさんに呼ばれ、僕たちはエレナちゃんの家にあるお風呂に向かった。

「って! なんで僕とエレナちゃんが一緒に入るんですか⁉」
「あら? うちのエレナではご不満かしら?」
「い、い、いえ! そういうことじゃなくて、僕は一人でも入れますから!」
「うふふっ、ワタルくんって確か八歳だったわね?」
「…………はい……」

 そうだった……。今の僕って八歳児だった…………。
 なんの躊躇ちゅうちょもなく服を脱ぎ捨てコテツを連れて風呂に入るエレナちゃん。
 エリアナさんにいざなわれるがまま、服を脱がされ、僕は人生で初めて母親以外の女性と一緒に風呂に入った。
 この世の楽園と呼べる状態だった、かもしれない。
 なすがまま、エリアナさんに全身を洗われる。
 えっと…………エレナちゃん。恥ずかしいから、あんまりじっと見ないでほしいな…………。


 身体も綺麗になったところで、エリアナさんが調理に向かい、僕とエレナちゃんはコテツと一緒に遊んで待つことになった。

「ワタルくんってどこから来たの?」
「それが覚えていないんだ」
「え⁉」

 一応ぼかしておかないとね。
 違う世界から転生したとか説明が難しいし、受け取るがわも理解できないだろうからね。

「僕は名前しか覚えていないんだ。コテツが僕の家族ってこと以外は何も覚えてないよ」
「そっか…………」

 目を細めたエレナちゃんが僕の頭を撫でる。

「エレナちゃん⁉」
「よしよし、記憶がなくてもね? これから素敵な思い出をた~くさん作ればいいのよ!」

 なんだろう。幼女にさとされたこの気分。
 でも――――悪い気はしない。

「うん! ありがとう、エレナちゃん」

 エレナちゃんのまぶしい笑顔がとても素敵だ。

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