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157話

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「んおおおおおお! こ、これはああああああ!」

 ベッドにうつ伏せになっている教皇様が声をあげる。

 それを一緒に眺めているみなさんが「おおお!」と声をあげた。

 教皇様の背中や腰の上でスライムたちが一生懸命にぽよんぽよんと飛び跳ねている。

「なんて……なんて気持ちいいんだあああ~! これが……これが女神様がもたらしてくださった奇跡!」

 ええええ!? ちょ、ちょっと違うと思うんだけど……。

 一緒に眺めていた多くの人達が祈りを捧げ始めた。

 教皇様の背中でスライムが飛び跳ねていて、それに向かって多くの人が祈りを捧げているのは中々面白いように映る。

「ワタル様」

「うわあっ!? エレノアさん?」

「私も受けたい」

「い、いいですよ?」

 エレノアさんはステラさんの大親友で、合流してから片時も離れていないという。

 ステラさんが苦笑いを浮かべて「ごめんなさい」と頭を下げた。

「いえいえ。これでスライムたちが無害だとみなさんに伝われば僕も嬉しいですから。エレノアさん。こちらのベッドにどうぞ」

「うん」

 エレノアさんが教皇様の隣のベッドにうつ伏せになった。

「みんな。エレノアさんもよろしくね!」

 スライムたちがエレノアさんの背中や腰、足に跳ね始める。

「っ!? えっ!? ん……あっ……あ…………ん…………」

「あのエレノア様が……感情をむき出しにされた!?」

「おおおお! 奇跡だ……奇跡じゃ!」

 女神様の信者さんたちがますます祈りを捧げ始めた。

「スライム……侮れない……気持ちいい…………」

 エレノアさんも満喫してくれたようで何よりだ。

 それから船に乗ったみなさんも体験したいとのことで、みなさんに【ぽよんぽよんリラックス出張店】を体験してもらった。

 僕はただスライムたちにお願いしただけで特に何もしていないけど、多くの人たちから感謝された。

 どうやら魔族よりも人族の方がより受けがいいように見える。

 魔族の中だと亜人種のみなさんは特にハマっていたから、人族がハマるのもわかる気がする。

 空の旅を楽しみ、グライン街に到着してリオくんと研究者のみなさんとさようならして、僕達は再び空の旅に戻った。

 これから定期的にリオくんのところでメンテナンスを受けることになった。

 僕達を乗せた飛空艇【ユートピア号】は、魔族の領を越えて人族の領に入る。

 地上に小さく見える街並みも見え、ステラさんから一つ一つ町の名前や位置を丁寧に教えてもらった。

 暫く飛び続けた空の旅も最初の目的地であるホーリーランド神聖国の首都の上空に辿り着いた。
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