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19話
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「そよ風! リーゼ!」
ラマが心配そうに声を上げる。
周りには大勢の冒険者達と溜まり場を守る兵士さんも集まっていた。
「君! さっき感じた禍々しい気配はどうなったんだね!?」
「それはうちのハウが追い払ったよ!」
「ふむ……どうやら嘘ではないようだな。事情はこちらのパーティーから聞いている。一旦冒険者ギルドに緊急要請をしたので少しここで待ってもらえるか?」
「はい。わかりました」
兵士さんに言われて僕とリーゼは待つことになった。
休憩所に入ると、ラマ達も一緒に入ってきた。
「そ、そよ風……その……ありがとうな」
「うん?」
「あのとき、俺達はあの魔物に絶望して逃げることすらできなかった……そよ風がいなかったら俺達は今頃死んでいたかも知れない。だからありがとう。助けてくれて」
四人は深々と頭を下げてくれた。
「それと……ずっとそよ風って呼んで悪かった。俺……どこか、自分達の方が上だと思っていて、それが当たり前になって、君をバカにしていたのかも知れない」
「そ、そんな風には感じなかったよ? 僕は全然気にしてないから!」
「ありがとう。その上で……もう一度誘ってくれ! ハウ。俺達のパーティーのメンバーになってくれないか? 荷物持ちとしてじゃなくて、メンバーとして」
ラマくんは右手を前に出した。
その提案は僕にとっては凄く嬉しいもので、今まで冒険者パーティーに誘われたこともなければ、応募しても断られてばかりだったから。
けれど――――
どうしてか僕はその手を取ることができなかった。
「ご、ごめん……」
「そっか。いや、構わないさ。もし組んでいいと思ったら、いつでも声を掛けてくれ。ハウなら俺達はいつでも歓迎するぜ」
「ラマくん……みんな……ありがとう!」
「じゃあ、俺達は一旦外の警備に戻るからゆっくり休んでくれ」
ラマ達が休憩所を出て、リーゼと二人っきりになった。
「ハウ……? 断って良かったの?」
「できれば……ラマくんの手を取りたかったけど……今回わかったことがあるんだ」
「わかったこと?」
「僕は……やっぱり弱いってこと」
「ハウ……」
「でもね。僕は一つ大きな勘違いをしていたんだ」
「勘違い?」
「確かに僕の才能は凄く弱い。魔法を使い続けても強くはならなかったけど……でも僕の風魔法は少しずつ強くなっていたんだと思う。強さはかわらないけど、今では広範囲に風を吹かせるし、長い時間使っても問題ないし……それと、モモ達が僕に力を貸してくれて、今まで僕が使った風魔法と違う力も使えるようになったんだ。でもこのままじゃダメだ。まだ僕は魔法をちゃんと扱えてない……そんな気がするんだ」
「私を助けてくれたときの力だよね? 確か、精霊魔法って言ってた」
「うん。モモ達が力を貸してくれる魔法なんだ。だから、これからは――――それを練習して、今度はリーゼに心配かけないくらいになりたいなと思ってるよ」
今まで『極小風魔法』を使い続けてきたこともあり、魔法を使うことに抵抗感はなく、精霊魔法というのもちゃんと使えた。
もちろん、無我夢中で使ったから今からパッと使えるものじゃない。だからもっともっと練習して強くなりたい。
「うん。私も応援するから!」
「ありがとう。リーゼ」
リーゼとしばらく休憩所で疲れた体を休ませた。
外からガヤガヤした音が聞こえてきて、ノックと共に中に入ってきたのは見知った顔の人だった。
「ジェネシスさん!」
「ハウくん。リーゼちゃん。無事で何よりだ。事情は外のラマくん達に聞いた」
「何とか……生き残れて良かったです」
「そうだな。狩場に来た以上、何かしらのトラブルやイレギュラーが起きないとも限らない……が、今回あったことを少し詳しく聞いてもいいかい?」
「はい。もちろんです」
「ラマくんに聞いた特徴は、ウォーウルフに似てるが体が大きく、全身が黒くて、地面が影になって中から現れたと聞いているが、合っているか?」
「はい」
「それ以外で何かハウくん的に気になる部分はあったかい?」
「それが……はい。ありました。僕もオルゲンさんのところでいろんな魔物を見てきましたが……あの黒いウォーウルフは、何やら、知性のようなものを感じました」
「知性……」
「こちらが何を話しているのかわかるみたいで、それに僕達は喰うためではなく、殺戮を……楽しんでいるようにも見えました」
「やはりか……」
「ジェネシスさん?」
何かを考え込んだジェネシスさんは屈んで、僕達と目線の高さを合わせてくれる。
「今から話すことはこれから他言無用で頼む。ハウくん達が出会った黒いウォーウルフだが、我々はそいつのことを『グリムリーパー』と呼んでいる。目撃されたのは今回が初めてではない。何度か目撃されているのだ。グリムリーパーはどこにでも現れ、定住地を持たない。だから狙って討伐することができていないんだ」
「そんな魔物がいるって……知りませんでした」
「ああ。実はグリムリーパーはあまりにも異質な魔物で、おそらくだが世の中にたった一匹の特殊な魔物だと思われる。冒険者ギルドや各国首脳陣の会議でグリムリーパーの存在は公表しないことにしている。見つからない恐怖を無暗に広めても人々を怖がらせるだけだからな」
「そう……だったんですね……」
「ひとまず、あの残虐なグリムリーパーから生き残れて本当に良かった」
「ありがとうございます」
ジェネシスさんの大きな手が僕の肩に乗る。
あのとき諦めていたらジェネシスさんにも会えなかったし、帰ることもできなかった。
もう僕は絶対に諦めたりしないと決意を固めた。
それからジェネシスさんにより詳しい事情を説明して、僕とリーゼはソレイユ街に帰った。
ラマが心配そうに声を上げる。
周りには大勢の冒険者達と溜まり場を守る兵士さんも集まっていた。
「君! さっき感じた禍々しい気配はどうなったんだね!?」
「それはうちのハウが追い払ったよ!」
「ふむ……どうやら嘘ではないようだな。事情はこちらのパーティーから聞いている。一旦冒険者ギルドに緊急要請をしたので少しここで待ってもらえるか?」
「はい。わかりました」
兵士さんに言われて僕とリーゼは待つことになった。
休憩所に入ると、ラマ達も一緒に入ってきた。
「そ、そよ風……その……ありがとうな」
「うん?」
「あのとき、俺達はあの魔物に絶望して逃げることすらできなかった……そよ風がいなかったら俺達は今頃死んでいたかも知れない。だからありがとう。助けてくれて」
四人は深々と頭を下げてくれた。
「それと……ずっとそよ風って呼んで悪かった。俺……どこか、自分達の方が上だと思っていて、それが当たり前になって、君をバカにしていたのかも知れない」
「そ、そんな風には感じなかったよ? 僕は全然気にしてないから!」
「ありがとう。その上で……もう一度誘ってくれ! ハウ。俺達のパーティーのメンバーになってくれないか? 荷物持ちとしてじゃなくて、メンバーとして」
ラマくんは右手を前に出した。
その提案は僕にとっては凄く嬉しいもので、今まで冒険者パーティーに誘われたこともなければ、応募しても断られてばかりだったから。
けれど――――
どうしてか僕はその手を取ることができなかった。
「ご、ごめん……」
「そっか。いや、構わないさ。もし組んでいいと思ったら、いつでも声を掛けてくれ。ハウなら俺達はいつでも歓迎するぜ」
「ラマくん……みんな……ありがとう!」
「じゃあ、俺達は一旦外の警備に戻るからゆっくり休んでくれ」
ラマ達が休憩所を出て、リーゼと二人っきりになった。
「ハウ……? 断って良かったの?」
「できれば……ラマくんの手を取りたかったけど……今回わかったことがあるんだ」
「わかったこと?」
「僕は……やっぱり弱いってこと」
「ハウ……」
「でもね。僕は一つ大きな勘違いをしていたんだ」
「勘違い?」
「確かに僕の才能は凄く弱い。魔法を使い続けても強くはならなかったけど……でも僕の風魔法は少しずつ強くなっていたんだと思う。強さはかわらないけど、今では広範囲に風を吹かせるし、長い時間使っても問題ないし……それと、モモ達が僕に力を貸してくれて、今まで僕が使った風魔法と違う力も使えるようになったんだ。でもこのままじゃダメだ。まだ僕は魔法をちゃんと扱えてない……そんな気がするんだ」
「私を助けてくれたときの力だよね? 確か、精霊魔法って言ってた」
「うん。モモ達が力を貸してくれる魔法なんだ。だから、これからは――――それを練習して、今度はリーゼに心配かけないくらいになりたいなと思ってるよ」
今まで『極小風魔法』を使い続けてきたこともあり、魔法を使うことに抵抗感はなく、精霊魔法というのもちゃんと使えた。
もちろん、無我夢中で使ったから今からパッと使えるものじゃない。だからもっともっと練習して強くなりたい。
「うん。私も応援するから!」
「ありがとう。リーゼ」
リーゼとしばらく休憩所で疲れた体を休ませた。
外からガヤガヤした音が聞こえてきて、ノックと共に中に入ってきたのは見知った顔の人だった。
「ジェネシスさん!」
「ハウくん。リーゼちゃん。無事で何よりだ。事情は外のラマくん達に聞いた」
「何とか……生き残れて良かったです」
「そうだな。狩場に来た以上、何かしらのトラブルやイレギュラーが起きないとも限らない……が、今回あったことを少し詳しく聞いてもいいかい?」
「はい。もちろんです」
「ラマくんに聞いた特徴は、ウォーウルフに似てるが体が大きく、全身が黒くて、地面が影になって中から現れたと聞いているが、合っているか?」
「はい」
「それ以外で何かハウくん的に気になる部分はあったかい?」
「それが……はい。ありました。僕もオルゲンさんのところでいろんな魔物を見てきましたが……あの黒いウォーウルフは、何やら、知性のようなものを感じました」
「知性……」
「こちらが何を話しているのかわかるみたいで、それに僕達は喰うためではなく、殺戮を……楽しんでいるようにも見えました」
「やはりか……」
「ジェネシスさん?」
何かを考え込んだジェネシスさんは屈んで、僕達と目線の高さを合わせてくれる。
「今から話すことはこれから他言無用で頼む。ハウくん達が出会った黒いウォーウルフだが、我々はそいつのことを『グリムリーパー』と呼んでいる。目撃されたのは今回が初めてではない。何度か目撃されているのだ。グリムリーパーはどこにでも現れ、定住地を持たない。だから狙って討伐することができていないんだ」
「そんな魔物がいるって……知りませんでした」
「ああ。実はグリムリーパーはあまりにも異質な魔物で、おそらくだが世の中にたった一匹の特殊な魔物だと思われる。冒険者ギルドや各国首脳陣の会議でグリムリーパーの存在は公表しないことにしている。見つからない恐怖を無暗に広めても人々を怖がらせるだけだからな」
「そう……だったんですね……」
「ひとまず、あの残虐なグリムリーパーから生き残れて本当に良かった」
「ありがとうございます」
ジェネシスさんの大きな手が僕の肩に乗る。
あのとき諦めていたらジェネシスさんにも会えなかったし、帰ることもできなかった。
もう僕は絶対に諦めたりしないと決意を固めた。
それからジェネシスさんにより詳しい事情を説明して、僕とリーゼはソレイユ街に帰った。
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