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四章
第73話 必殺技ですか?
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アイちゃんの魔改造により、何故か浮遊するようになった『ヴァレンシア』。
現在『ヴァレンシア』は、浮遊状態のまま、北側山脈を悠々と快適に進んでいる。
この旅が始まった瞬間、ヘルドさんから「お前は俺様の稽古を受けろ」と言われてしまったので、快適な旅の途中、全ての時間をスパルタ稽古で過ごす事となった。
「その『手と連動した召喚物』を上手く使えば、お前に勝てる者は早々いないはずだ。重い武器程強いのは当たり前だが、重すぎるがゆえに遅い。だが、お前の能力ならどんなに重くても『重さを感じさせない振り方』が出来るのが強みだ」
ヘルドさんの言う通り、僕が無意識で使っていたけど、『ゴミ特殊召喚』の命令に『手と連動させる』感覚を書き込める事を発見していた。
元『ヴァレンシア』を破壊した時も、まさにそうだった。
それを早々に見極めたヘルドさんの命令で、時間がある時は、常にこの能力を使い続けるように言われていたので、半年間、暇な時は常に何かを召喚して手で動かす練習をしていた。
半年も練習すると操作も上手くなっている。
今はアイリスと共に、ヘルドさん仕込みの剣の振り方や、構え方、見せ方、見極め方を教わっている。
それなりに様になってきて、王国騎士でも上位に入れるんじゃないかと言われた。
そもそもステータスのバランスが良いのに、レベルが九にもなっているから、そこら辺の騎士には負けないだろうとの事。
まあ、戦闘スキルがないから、その代わりに『ゴミ特殊召喚』だね。
「よし、アレク。例のあれを見せて見ろ」
ヘルドさんの指示で、『例のあれ』を見せる事になった。
『例のあれ』とは……僕の新たな必殺技の事だ。
「では行きますね! スキル、ゴミ召喚! 千本刃の花びら!」
僕の周辺に無数の刃が出現する。
それぞれの形や大きさはまばらではあるが、僕の動きに一つ一つ連動させる事が出来る。
つまり、普段のゴミ召喚物の操作の練習は、この必殺技の為だった。
一つ一つを目線を意識せずに、自由に動かす。
攻める刃、守る刃、援護する刃。
それぞれの刃に役割があって、僕の攻め方に合わさって、素早く周辺を飛び回っていた。
そんな僕に目掛けて、ヘルドさんとアイリスは複数の丸太を投げ込んだ。
大きさや太さ、飛んでくる速さもそれぞれ違う丸太を、全ての刃で裁いていく。
そして、機会を伺いながら、最後に本命を打ち込む。
「スキル! ゴミ召喚! 剣の乙女!」
最後の特大の丸太の周辺に百本の剣が召喚され、直ぐに丸太を串刺しにした。
これは、アイちゃんから教わった『鉄の乙女』という拷問器具を見せて貰った時に着想を得たもので、『鉄の乙女』ほど残虐なモノではないが、まあ……それに違い事はしているかも知れない。
今の所、これを使うつもりは一切ない。
僕の完成度にヘルドさんもアイリスも満足したみたいで、合格と言われた。
そろそろ、『魔王国』が見え始める頃だ。
不安はないが、何もないと良いなと祈っている僕を置き去りに、新たな戦いはすぐそこまで来ていた。
現在『ヴァレンシア』は、浮遊状態のまま、北側山脈を悠々と快適に進んでいる。
この旅が始まった瞬間、ヘルドさんから「お前は俺様の稽古を受けろ」と言われてしまったので、快適な旅の途中、全ての時間をスパルタ稽古で過ごす事となった。
「その『手と連動した召喚物』を上手く使えば、お前に勝てる者は早々いないはずだ。重い武器程強いのは当たり前だが、重すぎるがゆえに遅い。だが、お前の能力ならどんなに重くても『重さを感じさせない振り方』が出来るのが強みだ」
ヘルドさんの言う通り、僕が無意識で使っていたけど、『ゴミ特殊召喚』の命令に『手と連動させる』感覚を書き込める事を発見していた。
元『ヴァレンシア』を破壊した時も、まさにそうだった。
それを早々に見極めたヘルドさんの命令で、時間がある時は、常にこの能力を使い続けるように言われていたので、半年間、暇な時は常に何かを召喚して手で動かす練習をしていた。
半年も練習すると操作も上手くなっている。
今はアイリスと共に、ヘルドさん仕込みの剣の振り方や、構え方、見せ方、見極め方を教わっている。
それなりに様になってきて、王国騎士でも上位に入れるんじゃないかと言われた。
そもそもステータスのバランスが良いのに、レベルが九にもなっているから、そこら辺の騎士には負けないだろうとの事。
まあ、戦闘スキルがないから、その代わりに『ゴミ特殊召喚』だね。
「よし、アレク。例のあれを見せて見ろ」
ヘルドさんの指示で、『例のあれ』を見せる事になった。
『例のあれ』とは……僕の新たな必殺技の事だ。
「では行きますね! スキル、ゴミ召喚! 千本刃の花びら!」
僕の周辺に無数の刃が出現する。
それぞれの形や大きさはまばらではあるが、僕の動きに一つ一つ連動させる事が出来る。
つまり、普段のゴミ召喚物の操作の練習は、この必殺技の為だった。
一つ一つを目線を意識せずに、自由に動かす。
攻める刃、守る刃、援護する刃。
それぞれの刃に役割があって、僕の攻め方に合わさって、素早く周辺を飛び回っていた。
そんな僕に目掛けて、ヘルドさんとアイリスは複数の丸太を投げ込んだ。
大きさや太さ、飛んでくる速さもそれぞれ違う丸太を、全ての刃で裁いていく。
そして、機会を伺いながら、最後に本命を打ち込む。
「スキル! ゴミ召喚! 剣の乙女!」
最後の特大の丸太の周辺に百本の剣が召喚され、直ぐに丸太を串刺しにした。
これは、アイちゃんから教わった『鉄の乙女』という拷問器具を見せて貰った時に着想を得たもので、『鉄の乙女』ほど残虐なモノではないが、まあ……それに違い事はしているかも知れない。
今の所、これを使うつもりは一切ない。
僕の完成度にヘルドさんもアイリスも満足したみたいで、合格と言われた。
そろそろ、『魔王国』が見え始める頃だ。
不安はないが、何もないと良いなと祈っている僕を置き去りに、新たな戦いはすぐそこまで来ていた。
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