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一章
第14話 店ですか?
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僕達の目の前には、華やかなギャザー町とは一風変わったボロいお店があった。
正面の看板には『ネツ・ゾウ』と書かれていた。
「よし、やっと着いたね、入ってみようか」
シーマくんの言葉と共に、僕達は店内に入って行った。
店内は外観と違って、綺麗に整理整頓されており、雑貨屋と言われるくらいに雑貨が並んでいた。
カウンターにはお爺さんが一人座っていた。
「こんにちは、僕達、アースさんの使いで――」
「二階に上んな」
お爺さんは短く呟き、僕達に興味なさげな表情に戻った。
お爺さんに言われたまま、僕達は二階へ上がって行った。
二階に上ると、部屋が一つあり、その部屋に入ってみた。
部屋は一階同様、手前にカウンターがあり、奥には多くのモノで溢れていた。
カウンターに座っていたのは、中年の女性だった。
「初めまして、僕達はアースさんの使いで来ました」
「ほぉ? アースの奴か……自分で来ないとはまた珍しい」
どうやら、女性はアースさんの知り合いのようだ。
紹介されているし、知り合いなのは当たり前か。
「私はリグレットって言うんだ、よろしく」
「僕はシーマです、こちらはピエルにアレクです」
ピエルくんと僕も挨拶をした。
「それで、今日は何の用事で来たんだい?」
「はい、アレク、お願い」
「分かった」
シーマくんの指示で、僕は『箱』から宝石を十六個を出した。
「ほ――、異空間スキルを持っているのか、それはまた珍しいスキルを持っているな」
リグレットさんが僕を下から上に眺める。
鋭い眼光が歴戦の戦士のようだった。
「こちらの宝石を売りたいんです」
シーマくんの声に、リグレットさんは我に返り、宝石を眺めた。
数分、真剣に宝石を眺めたリグレットさんは、奥からある袋を取り出した。
「中に銀貨百五十入ってる、持っていきな」
さっきほど、売り場で見た値段と比べると、随分高く買ってくれたようだ。
「「「ありがとうございました!」」」
お金を受け取った僕達は中身を確認して、部屋から出ようとした。
「ん? 異空間スキルがあるのに、お金は手で持っていくのか?」
「えっと、僕のスキルは特定のモノしか入れられないんです……」
「ふ~ん? そうなのか、まあいいが、あまり袋を見せない方が良いぞ? この町にはそういうモノを狙ってる連中もいるからね、気を付けて帰るんだよ?」
「はい、ありがとうございます」
袋は取り敢えず、ピエルくんのバックに入れる事にした。
僕達の中で一番強いので、こっちの方が安全だからだ。
それにしても、アースさんって元々有名な冒険者だったようだけど、町に知り合いも沢山いそうだね。
そんな事を思いながら、僕達は店を後にした。
後は、町のみんなが欲しがっていたモノを買ってから帰る事になっている。
多くが食べ物だけど、最も多かったのが、お酒だ。
お酒は重さもあるので、配達して貰えれるらしい。
「酒屋に行く前に、アースさんから依頼されてる『魔石』を買いに行こうぜ」
アースさんから新しい魔石を買ってきて欲しいと頼まれていた。
ヴァレン町中央にある古代機械というのに『魔石』を使うと強く出来るらしい。
『魔石』は中々手に入らないらしいので、こうした大きなお金がある時にしか買えないそうだ。
僕達はピエルくんに連れられ、魔石屋に向かった。
ピエルくんの案内で、進んでいた道は、段々と暗い道になってきた。
僕達は何も疑わず、先を進んだ。
――そして。
気が付けば、暗い路地裏で僕達三人は多くの人達に囲われた。
「よお、ここは通行止めだぞ?」
「――ッ!?」
前も後ろも怪しい雰囲気の者達が右手短剣を持っていた。
そしてその中で、リーダーのような人が後ろから現れた。
その人と一緒に男女の夫婦も一緒だった。
とても見慣れた夫婦だった
「親父!?」
その夫婦を見て、ピエルくんが叫んだ。
正面の看板には『ネツ・ゾウ』と書かれていた。
「よし、やっと着いたね、入ってみようか」
シーマくんの言葉と共に、僕達は店内に入って行った。
店内は外観と違って、綺麗に整理整頓されており、雑貨屋と言われるくらいに雑貨が並んでいた。
カウンターにはお爺さんが一人座っていた。
「こんにちは、僕達、アースさんの使いで――」
「二階に上んな」
お爺さんは短く呟き、僕達に興味なさげな表情に戻った。
お爺さんに言われたまま、僕達は二階へ上がって行った。
二階に上ると、部屋が一つあり、その部屋に入ってみた。
部屋は一階同様、手前にカウンターがあり、奥には多くのモノで溢れていた。
カウンターに座っていたのは、中年の女性だった。
「初めまして、僕達はアースさんの使いで来ました」
「ほぉ? アースの奴か……自分で来ないとはまた珍しい」
どうやら、女性はアースさんの知り合いのようだ。
紹介されているし、知り合いなのは当たり前か。
「私はリグレットって言うんだ、よろしく」
「僕はシーマです、こちらはピエルにアレクです」
ピエルくんと僕も挨拶をした。
「それで、今日は何の用事で来たんだい?」
「はい、アレク、お願い」
「分かった」
シーマくんの指示で、僕は『箱』から宝石を十六個を出した。
「ほ――、異空間スキルを持っているのか、それはまた珍しいスキルを持っているな」
リグレットさんが僕を下から上に眺める。
鋭い眼光が歴戦の戦士のようだった。
「こちらの宝石を売りたいんです」
シーマくんの声に、リグレットさんは我に返り、宝石を眺めた。
数分、真剣に宝石を眺めたリグレットさんは、奥からある袋を取り出した。
「中に銀貨百五十入ってる、持っていきな」
さっきほど、売り場で見た値段と比べると、随分高く買ってくれたようだ。
「「「ありがとうございました!」」」
お金を受け取った僕達は中身を確認して、部屋から出ようとした。
「ん? 異空間スキルがあるのに、お金は手で持っていくのか?」
「えっと、僕のスキルは特定のモノしか入れられないんです……」
「ふ~ん? そうなのか、まあいいが、あまり袋を見せない方が良いぞ? この町にはそういうモノを狙ってる連中もいるからね、気を付けて帰るんだよ?」
「はい、ありがとうございます」
袋は取り敢えず、ピエルくんのバックに入れる事にした。
僕達の中で一番強いので、こっちの方が安全だからだ。
それにしても、アースさんって元々有名な冒険者だったようだけど、町に知り合いも沢山いそうだね。
そんな事を思いながら、僕達は店を後にした。
後は、町のみんなが欲しがっていたモノを買ってから帰る事になっている。
多くが食べ物だけど、最も多かったのが、お酒だ。
お酒は重さもあるので、配達して貰えれるらしい。
「酒屋に行く前に、アースさんから依頼されてる『魔石』を買いに行こうぜ」
アースさんから新しい魔石を買ってきて欲しいと頼まれていた。
ヴァレン町中央にある古代機械というのに『魔石』を使うと強く出来るらしい。
『魔石』は中々手に入らないらしいので、こうした大きなお金がある時にしか買えないそうだ。
僕達はピエルくんに連れられ、魔石屋に向かった。
ピエルくんの案内で、進んでいた道は、段々と暗い道になってきた。
僕達は何も疑わず、先を進んだ。
――そして。
気が付けば、暗い路地裏で僕達三人は多くの人達に囲われた。
「よお、ここは通行止めだぞ?」
「――ッ!?」
前も後ろも怪しい雰囲気の者達が右手短剣を持っていた。
そしてその中で、リーダーのような人が後ろから現れた。
その人と一緒に男女の夫婦も一緒だった。
とても見慣れた夫婦だった
「親父!?」
その夫婦を見て、ピエルくんが叫んだ。
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