俺様幼馴染の溺愛包囲網

吉岡ミホ

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ホームパーティでの告白

ホームパーティでの告白⑥

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「私、昔から、すごく成績のいい子だったんです。教科書やノートは大体一度見たら覚えちゃうし、勉強で困ったことはなかった。
 大学進学で、進路を決める時、担任の先生に言われたんです。お前の成績なら医学部でも充分目指せるぞ、って。
 それなら受けてみようかなって、安易に医学部を選んだんです。
 今ならわかりますけど、そういう選び方、絶対しちゃいけないんです。他の学部と違って、医学部医学科は必ず医師になる。そこをあまり理解せずに受けました。
 大学に入ってからも、勉強は特に問題なく、淡々とこなしてました。リア充って言うんですか。勉強もプライベートも充実させて、もちろんおしゃれも楽しんで……って、生意気な大学生だったと思います。
 でも周りが、卒後どこの医局に入るか? って話をしだした時に、私、何も浮かばなくて……。このまま、医者になっていいのだろうか? そう、強く思うようになったんです。一時期は、大学を入り直して、弁護士を目指そうかとか、建築士もいいなぁとか、逃げ出すような事ばかり考えてました。
 だけど、どれも現実的じゃない。
 だったら、腹括って、医者をしよう! 逃げるのはやめて、医者の中でも、なるべく厳しいところへ入局して、自分の中の甘えをなくそうと思いました」
「それはまた……すごい発想だね。自分を追い込むというか……」

 うん。廣澤くんに同意。麗ちゃん、意外とM⁇

「私の中の選択肢は、外科、産婦人科、小児科の三択でした。
 でも私、勉強はそつなく出来たんですけど、壊滅的なほど手先が不器用で。外科は諦めました。
 残るは産婦人科と小児科。
 患者さんと接することを考えた時、子供って、私にはすごくハードルが高い気がして。未知のものですから。だから小児科を選んだんです」

 みんな、蕩々と語られる内容に黙って耳を傾けていたけれど、だんだんわかってきた。麗ちゃんの人となりが。実は不器用で、クソがつくくらい真面目な子だ。
 周りを見回すと、皆一様に同じ顔をして頷いている。気づいていないのは本人だけ。
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