68 / 82
旦那様の妄想と懺悔
旦那様の妄想と懺悔③
しおりを挟む
「あれ、亮平、寝てても良かったのに。さっきからどうしたの? なんか今日、ぼーっとしてるよ? 体調悪い?」
「……あぁ、いや。大丈夫だ。ちょっと、廣澤からメッセージが来たから、やり取りしてただけ」
「廣澤くん⁉︎ あ……なんて? 久しぶりだね。今もずっと仲良いいの?」
「まぁ、あいつ小児外科が専門だからな。かなり繋がりはあるな」
「そっかー。またみんなで会いたいねぇ。フットサル楽しかったもんねー。懐かしいなぁ!」
ん? そんなに懐かしいか?
「なんだよ。廣澤に興味あるのか?」
「え! い、いや、興味じゃなくて、ただ懐かしいから会いたいなぁって思っただけだよ?」
……なんか、怪しい?
「あ、そうだ! さっき言ったでしょ? 麗ちゃんが遊びに来たがってるの。よ、良かったら、廣澤くんもどうかなー? ひ、久しぶりに会いたいし!」
「……は? いや待て。そのさっきから言ってる麗ちゃんって誰だ? ママ友か?」
「何言ってるの! 稲森麗先生でしょ。もう、さっきの話聞いてなかったの⁇」
「は⁉︎ 稲森⁉︎」
「今日、帰りにお茶して、お友達になったって言ったじゃない。だから遊びに来てもらおうと思って」
「な、なんで稲森? ……お前と合うようなタイプか? あいつ――」
「失礼だなぁ! そりゃ、麗ちゃんはモデルさんみたいに綺麗な女医さんで、非の打ち所がないけど、私だって普通にお話出来るよ?」
違うだろ!
聖母のようなお前と、女豹の稲森だぞ! 騙されてるんじゃないのか……。
「まあ、ちょっと強引なとこあるみたいだけど」
そうだよ! 気づいてたのか!
「亮平……ずいぶん好かれてるみたいだったね?」
な、なんだ? 上目遣いのジト目攻撃……。
なんか疑ってる⁉︎
ジワリと嫌な汗が背中を伝う。
「知らねーよ。指導手伝ってるだけだ。あいつは、誰にでも馴れ馴れしい。俺には迷惑以外の何物でもない!」
「フフフ……。わかってるよ。私は亮平のこと信用しているからね」
そう言われると良心が痛む。俺が何かをしでかしたわけではないけど、隠していることはあるから……。
しかし……稲森がウチに来る? やめてくれ。ここは俺の聖域だ。あんな奴が来たら穢れる。
……確かに、廣澤も呼べば、さっきの頼まれごとも解決する。
渡りに船だけど……イヤだ。
それに、稲森が来るなら……。いや、やっぱり黙っているのは俺の性に合わない。
「……あぁ、いや。大丈夫だ。ちょっと、廣澤からメッセージが来たから、やり取りしてただけ」
「廣澤くん⁉︎ あ……なんて? 久しぶりだね。今もずっと仲良いいの?」
「まぁ、あいつ小児外科が専門だからな。かなり繋がりはあるな」
「そっかー。またみんなで会いたいねぇ。フットサル楽しかったもんねー。懐かしいなぁ!」
ん? そんなに懐かしいか?
「なんだよ。廣澤に興味あるのか?」
「え! い、いや、興味じゃなくて、ただ懐かしいから会いたいなぁって思っただけだよ?」
……なんか、怪しい?
「あ、そうだ! さっき言ったでしょ? 麗ちゃんが遊びに来たがってるの。よ、良かったら、廣澤くんもどうかなー? ひ、久しぶりに会いたいし!」
「……は? いや待て。そのさっきから言ってる麗ちゃんって誰だ? ママ友か?」
「何言ってるの! 稲森麗先生でしょ。もう、さっきの話聞いてなかったの⁇」
「は⁉︎ 稲森⁉︎」
「今日、帰りにお茶して、お友達になったって言ったじゃない。だから遊びに来てもらおうと思って」
「な、なんで稲森? ……お前と合うようなタイプか? あいつ――」
「失礼だなぁ! そりゃ、麗ちゃんはモデルさんみたいに綺麗な女医さんで、非の打ち所がないけど、私だって普通にお話出来るよ?」
違うだろ!
聖母のようなお前と、女豹の稲森だぞ! 騙されてるんじゃないのか……。
「まあ、ちょっと強引なとこあるみたいだけど」
そうだよ! 気づいてたのか!
「亮平……ずいぶん好かれてるみたいだったね?」
な、なんだ? 上目遣いのジト目攻撃……。
なんか疑ってる⁉︎
ジワリと嫌な汗が背中を伝う。
「知らねーよ。指導手伝ってるだけだ。あいつは、誰にでも馴れ馴れしい。俺には迷惑以外の何物でもない!」
「フフフ……。わかってるよ。私は亮平のこと信用しているからね」
そう言われると良心が痛む。俺が何かをしでかしたわけではないけど、隠していることはあるから……。
しかし……稲森がウチに来る? やめてくれ。ここは俺の聖域だ。あんな奴が来たら穢れる。
……確かに、廣澤も呼べば、さっきの頼まれごとも解決する。
渡りに船だけど……イヤだ。
それに、稲森が来るなら……。いや、やっぱり黙っているのは俺の性に合わない。
0
お気に入りに追加
499
あなたにおすすめの小説
再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
星空永遠
恋愛
6年前、ホームレスだった藤堂樹と出会い、一緒に暮らしていた。しかし、ある日突然、藤堂は桜井千夏の前から姿を消した。それから6年ぶりに再会した藤堂は藤堂ブランド化粧品の社長になっていた!?結婚を前提に交際した二人は45階建てのタマワン最上階で再び同棲を始める。千夏が知らない世界を藤堂は教え、藤堂のスパダリ加減に沼っていく千夏。藤堂は千夏が好きすぎる故に溺愛を超える執着愛で毎日のように愛を囁き続けた。
2024年4月21日 公開
2024年4月21日 完結
☆ベリーズカフェ、魔法のiらんどにて同作品掲載中。
イケメン御曹司、地味子へのストーカー始めました 〜マイナス余命1日〜
和泉杏咲
恋愛
表紙イラストは「帳カオル」様に描いていただきました……!眼福です(´ω`)
https://twitter.com/tobari_kaoru
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は間も無く死ぬ。だから、彼に別れを告げたいのだ。それなのに……
なぜ、私だけがこんな目に遭うのか。
なぜ、私だけにこんなに執着するのか。
私は間も無く死んでしまう。
どうか、私のことは忘れて……。
だから私は、あえて言うの。
バイバイって。
死を覚悟した少女と、彼女を一途(?)に追いかけた少年の追いかけっこの終わりの始まりのお話。
<登場人物>
矢部雪穂:ガリ勉してエリート中学校に入学した努力少女。小説家志望
悠木 清:雪穂のクラスメイト。金持ち&ギフテッドと呼ばれるほどの天才奇人イケメン御曹司
山田:清に仕えるスーパー執事
人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?
石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。
ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。
ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。
「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。
扉絵は汐の音さまに描いていただきました。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。
泉野あおい
恋愛
人の気持ちに重い軽いがあるなんて変だと思ってた。
でも今、確かに思ってる。
―――この愛は、重い。
------------------------------------------
羽柴健人(30)
羽柴法律事務所所長 鳳凰グループ法律顧問
座右の銘『危ない橋ほど渡りたい。』
好き:柊みゆ
嫌い:褒められること
×
柊 みゆ(28)
弱小飲料メーカー→鳳凰グループ・ホウオウ総務部
座右の銘『石橋は叩いて渡りたい。』
好き:走ること
苦手:羽柴健人
------------------------------------------
【完結】つぎの色をさがして
蒼村 咲
恋愛
【あらすじ】
主人公・黒田友里は上司兼恋人の谷元亮介から、浮気相手の妊娠を理由に突然別れを告げられる。そしてその浮気相手はなんと同じ職場の後輩社員だった。だが友里の受難はこれでは終わらなかった──…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる