俺様幼馴染の溺愛包囲網

吉岡ミホ

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旦那様の妄想

旦那様の妄想③

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「じゃあさ、ついでにシャワーも浴びていいか? もうどこも行かないんだし、俺たち二人だけなんだから、お前もシャワー……いや、妊婦はちゃんと風呂に浸かった方がいいな。風呂が済んでからディナーにしないか?」
「そうだね! うん。その方がゆっくりできるよね!」
 
 了承を得られたので、俺はさっさと体を洗いに風呂場へ行った。



 ………………本当は。
 一緒に入りたかったんだけどなー‼︎

 結衣子の妊娠発覚後、俺たちに夜の営みはない。妊娠初期に出来ないことくらい、医者じゃなくてもわかる。

 第一、すぐにソファでウトウトしてしまう結衣子を見ていると不安で。大切過ぎて、そんな気は一切おきなかった。

 ……でも、安定期に入ったんだよな。
 もう、いいのか?
 いやいや、少し膨らんできた腹をガンガン攻めるのか?
 ……ムリだろ。

『神聖な母体に、何を不埒なことを。慎め!』という聖の言葉が聞こえそうだ。

 でもな、感染症にさえ気をつければ(要はゴムさえ付ければ)、問題はないはずなんだ。

 今日はクリスマスイブだ。世間的には恋人達のクリスマスイブ。プレゼントもちゃんと用意したし。

 ……いいのか?

 妄想してる間に、ずいぶんと長風呂になった気がして、慌てて風呂を飛び出した。
 入れ替りに結衣子が入る。
 冷たい水を飲みながら、俺の妄想は膨らみ続けた。

 ……………………………………………………………………………………そうだ!

 後ろからなら……。


◇ ◇ ◇


 結衣子の料理は、相変わらず絶品だった。俺が食べ慣れている家庭の味。枚岡家の味だ。
 その中でも、今日は俺の好きなものばかりが揃ってる。これはまさに愛だな。
 丸鷄の切り分けは随分前から俺の役割になっていた。
 本来なら枚岡の義父がやるべきなんだろうけど、いつも俺に任せてくれていた。
 
 結衣子が妊娠してから、俺もアルコールは控えるようにしている。
 何かあった時、車を出せなくなるのは困るからな。
 
 来年の今頃は3人でクリスマスを迎えているのだろう。
 小さな子供に、ぐちゃぐちゃに柔らかくした結衣子特製の離乳食を食べさせながら、シャンパンを飲む。
 もちろんそれはすごく楽しみだ。
 でも、だからこそ、今日は二人で過ごす最後の貴重なクリスマスイブだ。




 ……………………………いいのか……?

◇ ◇ ◇
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