俺様幼馴染の溺愛包囲網

吉岡ミホ

文字の大きさ
上 下
24 / 82
坂上聖のつぶやき②

坂上聖のつぶやき②の④

しおりを挟む
「お前さ、ちゃんと言葉に出して愛情伝えてるか?」
「そりゃ……あれだ。面と向かっては言わないけど……。でも、抱く時はちゃんと言ってるぞ!」
「なんて?」
「あいつ、めちゃくちゃ可愛いからな。
 可愛い! 最高だ! ってちゃんと言ってる」
「それは、お前の“感想”だ。百歩譲って良く言ったとしても“褒める”だ。執着は感じても愛情は感じないな」

 固まる亮平。

「もっと、わかりやすく『好きだ』とか『愛してる』って言ったことはないのか?」
「……そう言う言葉は……恥ずかしいだろ……」

 照れながら赤くなる亮平。やっぱりな。

「じゃあ逆に結衣子から、普段でもセックスの時でも好きって言われたことあるか?」
「……」

 あぁ、完全にフリーズした。でもここではっきり言わないとな。よし。

「お前、ショック受けると思うけど、敢えて言わせてもらうわ。結衣子、お前のこと『セフレ』だって。そう言ってたぞ」
「セ、セフレ……?」
「そう。セフレだ」
「……」

 絶句する亮平。
 あー、やっぱりショックだよなぁ。こんな呆然とする亮平、初めて見た。

「厳しいようだけど、それが結衣子の認識だ」

 それからコイツは全く喋らなくなってしまった。

「おい! 呆けてる場合じゃないぞ。しっかりしろよ」
「セ、セフレ……セフレだぞ! なんでだよ! あり得ないだろ‼︎ 」
「しっ! 声が大きいよ。そんなワード、連呼するな」
「や、だって、俺……めちゃくちゃ愛してるのに⁉︎」

 だからそれを俺に言ってどうする。本当に手のかかる弟だ。

「俺に言ってどうする。本人に言わなきゃ伝わらない」

 頭を抱え込む亮平。

「結衣子、俺のこと、好きじゃないのか? ……無理矢理抱かれてたのか?」

 まあ、ネガティブにもなるよな。それは自業自得なんだけど、そうも言ってられない。迷える仔羊には救いの手を、だ。

「よく考えろ。あのな、結衣子が好きでもないヤツに抱かれると思うか? 俺は思わない。お前だって、わかってるんだろ? 結衣子からの愛情。どうなんだよ?」
「あ、愛情! めちゃくちゃ感じてたよ! ……いや、あれ愛情だったんだよな? 何しても怒らないし、好き放題やらせてくれるし」

 おい。なんか無茶なこと強いてそうだな……。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

瓢箪独楽のショートショート

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:596pt お気に入り:0

魅了ってチートになりますかね

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,093pt お気に入り:3

翔君とおさんぽ

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:1,137pt お気に入り:5

皇女は隣国へ出張中

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:2,720pt お気に入り:8

世の中にはモノがたくさんいる【マカシリーズ・11】

ホラー / 完結 24h.ポイント:426pt お気に入り:0

俺の悪役チートは獣人殿下には通じない

BL / 連載中 24h.ポイント:6,291pt お気に入り:1,692

何度でも、あなたのためになら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,527pt お気に入り:3

処理中です...