俺様幼馴染の溺愛包囲網

吉岡ミホ

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結衣子食われる(大学時代)

結衣子食われる④

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「でも、くじ運良かったのか、俺王様ばっかで。このまま終われるんじゃないかと思ったんだけどな……来たんだよ、次で終わりって時に」

 ♪ピコン~

 ん? メッセージかな?
 私じゃない。亮平だな。

「亮平、見なくていいの?」
「……廣澤だ。――――――うっ‼︎」

 メッセージを見るなりスマホを放り投げて、トイレに駆け込む亮平。

 な、何事っ?

 画面が開いたままのスマホを取り上げると、そこには……。

「うわっ! こ、これ――」

 亮平と、おそらく廣澤君と思われる男性との強烈なキスシーン!

「この角度、これ絶対舌入ってるよね」

 もう吐くものもないだろうに、また吐きに行ってる理由がわかった。

 これはキツいなぁ。でも女の人じゃなかったんだ……。

 しばらくして亮平がトイレから出てきた。また歯を磨いてる。

「俺、アイツの友達やめる……」
「い、いやでも、ゲームでのおふざけでしょう? きっと盛り上げたかったんだよね?」
「そもそも、あの合コンに行く義理は全くなかった。クッソー! ミュータンス菌うつったらアイツの舌ちょんぎってやる!」

 あーあ、怒りが治らないみたいだな。

「とりあえず、水分補給しなさい。ね?」

 そう言って水を飲ませる。やっぱり喉が乾いてたんだな。一気に500ml飲み干した。

「ちょっと横になったら? ご休憩って2時間らしいから、起こしてあげるよ」

 世話焼きの私は亮平の体調が気になって仕方ない。弱っている人を放っておけない。

「熱はないよね?」

 トラウマの元になる事件の時は高熱が出た。さすがにこんなに大人になって知恵熱もないと思うんだけど……。

「……俺、まさか結衣子にラブホへ連れ込まれると思わなかった」
「ちょっ……人聞きの悪いこと言わないで! 仕方ないじゃない。外で吐くし、私のGジャンダメになったんだよ。髪にも付いたし。散々だよ!」
「悪かったな……」
「いいよ、もう。ほら、横になって」

 亮平を寝かせ……ん? 腕を離さない?

「寝るわけないだろ。お前が連れ込んだんだから合意だよな。大学入るまでは我慢してたけど、限界だ」

 え? え?

「まずは上書き」

 えぇ、いつの間にか押し倒されてる?
 体勢、入れ替わってるよ?

「ん、ちょ、……んんん……」

 キスはいつもされてるけど、ちょっとこの場所では……あれ?
 私、ちょっとヤバいんじゃない?

「やっぱ、お前じゃないと……はぁ~、落ち着く――」

 そ、そんなドキッとするようなこと言わないで!

「……あれ? 私、廣澤君と間接キス?」

 わぁ、私のバカ! 何動揺して余計なこと言っちゃってるの!

「は? お前何言ってんの? ……ありえねぇ。ムカつくこと言うな」

 思い出させちゃった?
 あ、歯磨いたから間接キスじゃないってことか。
 
「ご、ごめ……ん、ん、んー!」

 怒りに任せた噛みつくようなキスが降ってきた。もう、これは喰われてるって言っても過言じゃない。息も絶え絶えに、受け止めていると……。

「俺、もう止まんねーわ。ここならアレもあるしな。結衣子、覚悟決めろ!」
「あ、アレ? 覚悟⁇ 」
「俺に食われろ」



 そうして、私は本当に食べられてしまった。
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