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結衣子の部屋
結衣子の部屋④
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「……ネガティブだね。雅ちゃんが何を求めているか、わからない聖くんじゃないでしょ? 出会って24年、何見てきたの? 雅ちゃんが社会的立場を気にする? そんな人に見える? 雅ちゃんは、人としての聖くんを見ているの。二人は純粋に愛を育んできたんじゃないの? そういう考え方、雅ちゃんに失礼だわ!」
ああ、まずい!
ついつい言い過ぎてしまった。
「……ごめんなさい。出過ぎたことを言って……」
聖くんだって、本当はわかっているはず。
「いや、いいんだ。ありがとう。……そうだよなぁ。雅が、朝倉さんと一緒になった方が、経済的にも社会的にも今より恵まれて幸せになれる、って思い込んでた。朝倉さんが訪ねてきて、ちょっと……いや、かなり動転してたみたいだ」
目が覚めたよ、と穏やかな笑顔。
良かった。いつもの聖くんだ。
「雅ちゃん、待ってるよ」
「ああ。これから会って話し合うよ。プロポーズ、してくる」
「うん! 頑張って!」
「……結衣子も、あいつ研修医になったしそろそろだろう?」
「あいつって、亮平? 私達はそんなんじゃないんだけど……」
付き合ってるわけじゃないから、そう言うと、ポカンと口を開けて私を見る。
「え? え? いや、付き合ってるよね⁉︎ 」
「付き合ってないよ~。私、彼氏いない歴実年齢っていう残念女子なの」
セフレはお付き合いしていると言えないだろう。間違ってない。うん。
「や、でも! 俺たち、4人で旅行行ったじゃないか、今年のゴールデンウィーク。2人、同じ部屋だったよね?」
あー、たしかに行った。
それに、亮平と2人部屋だった。
「それは! ……聖くんと雅ちゃんが二人部屋なんだから、部屋割り、自然とそうなっただけでしょう?」
「……何もなかったって言うの?」
……あったな。
「そこは、まあ、いい大人ですからねー……」
突っ込まないでそっとしておいて欲しいな。
「第一、今日こんなに暑いのになんで髪下ろしてるの? さっき、チラッと見えたよ、キスマーク」
うわ! するどい!
そうなんだよねー。亮平、絶対どこかにキスマーク付けちゃうの。やめてって言ってるのに。盛り過ぎなんだよー。
「見えても言わないのがマナーですよ」
とちょっと聖くんを睨んでみる。
「だって、付き合ってないなんて言うから」
「確かにそう言う関係だけど……。でもそれだけなの。それに、亮平の潔癖症知ってるでしょう? 私しか無理だから……まあ、いわゆるセフレ、ってやつね」
「セ、セフレ……⁉︎」
なんだか驚きすぎて息してないように見えるけど……大丈夫?
あ、敬虔なカトリック信者さんにはまずいワードだった⁇
ああ、まずい!
ついつい言い過ぎてしまった。
「……ごめんなさい。出過ぎたことを言って……」
聖くんだって、本当はわかっているはず。
「いや、いいんだ。ありがとう。……そうだよなぁ。雅が、朝倉さんと一緒になった方が、経済的にも社会的にも今より恵まれて幸せになれる、って思い込んでた。朝倉さんが訪ねてきて、ちょっと……いや、かなり動転してたみたいだ」
目が覚めたよ、と穏やかな笑顔。
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あー、たしかに行った。
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