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初彼女事件(高校時代)
初彼女事件①
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私と亮平は、百合絵おば様が出産からわずか1ヶ月で職場復帰したため、幼馴染というよりはもっと密で、私の母の手によって、双子のように育ったと言っても過言ではなかった。
亮平よりほんの少し早く生まれた私は、長女でお姉ちゃんということもあって、お隣の末っ子の面倒をずっと見てきた。
光太郎と同列……というか光太郎より我儘で可愛くて手がかかる存在、それが亮平だった。
なんと言っても、百合絵おば様の美貌を受け継いだ亮平は、幼稚園の頃から他とは一線を画した整った顔立ちだった。
中身は家族から甘やかされて育ったため我儘で俺様気質。でも末っ子らしく、幼児期から目上の人に気に入られるコツも自然と身に付けていた。
俺様で人たらし。
そのギャップが彼の魅力で、小さい頃から彼の周りには友人がいっぱいいた。もちろん、女の子にもモテた。
そんな亮平が私の自慢だった。
対する私は、枚岡家特有ののくっきり幅の太い二重まぶたを受け継ぎ、目が大きいのに、いつでもおっとり眠たそうに見えるらしい。実際、テキパキ行動できるタイプではないんだけど。
「ゆいちゃん、いつも眠そうねー?」 と言われるのは心外だった。
そういう顔なの! と小さい頃は反抗したが、今では受け流す術も心得ている。
俺様亮平とよく泣く光太郎の面倒をみてきたため、忍耐力は人一倍ある方だと思う。
私たちの母校聖堂館学園は、関西では有数のカトリックミッションスクールだ。情操教育がしっかりしているせいか、思春期特有の照れや反抗期をあまり感じることなく過ごしてしまう。
それは男女共に同じで、亮平との関係は中学に入っても変わることなく、一番近い存在。幼馴染というよりは、やはり双子の姉弟に近い感じだった。
その関係が一転したのが、高等部に上がった5月のことだった。
聖堂館学園では高等部に上がった時、1クラス分の外部入学者を取る。
男子にとっては偏差値が高く進学率の高い学校なので、外部受験生の間でも人気の高い学校だった。
ちなみに女子は内部進学で系列の女子大に進むことができる。お嫁さんにしたい大学では、常にランキングの上位にいる大学なので、良家のお嬢様の間では人気が高かった。私もここの女子大を出ている。
亮平よりほんの少し早く生まれた私は、長女でお姉ちゃんということもあって、お隣の末っ子の面倒をずっと見てきた。
光太郎と同列……というか光太郎より我儘で可愛くて手がかかる存在、それが亮平だった。
なんと言っても、百合絵おば様の美貌を受け継いだ亮平は、幼稚園の頃から他とは一線を画した整った顔立ちだった。
中身は家族から甘やかされて育ったため我儘で俺様気質。でも末っ子らしく、幼児期から目上の人に気に入られるコツも自然と身に付けていた。
俺様で人たらし。
そのギャップが彼の魅力で、小さい頃から彼の周りには友人がいっぱいいた。もちろん、女の子にもモテた。
そんな亮平が私の自慢だった。
対する私は、枚岡家特有ののくっきり幅の太い二重まぶたを受け継ぎ、目が大きいのに、いつでもおっとり眠たそうに見えるらしい。実際、テキパキ行動できるタイプではないんだけど。
「ゆいちゃん、いつも眠そうねー?」 と言われるのは心外だった。
そういう顔なの! と小さい頃は反抗したが、今では受け流す術も心得ている。
俺様亮平とよく泣く光太郎の面倒をみてきたため、忍耐力は人一倍ある方だと思う。
私たちの母校聖堂館学園は、関西では有数のカトリックミッションスクールだ。情操教育がしっかりしているせいか、思春期特有の照れや反抗期をあまり感じることなく過ごしてしまう。
それは男女共に同じで、亮平との関係は中学に入っても変わることなく、一番近い存在。幼馴染というよりは、やはり双子の姉弟に近い感じだった。
その関係が一転したのが、高等部に上がった5月のことだった。
聖堂館学園では高等部に上がった時、1クラス分の外部入学者を取る。
男子にとっては偏差値が高く進学率の高い学校なので、外部受験生の間でも人気の高い学校だった。
ちなみに女子は内部進学で系列の女子大に進むことができる。お嫁さんにしたい大学では、常にランキングの上位にいる大学なので、良家のお嬢様の間では人気が高かった。私もここの女子大を出ている。
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