[R-18]あの部屋

まお

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53.昼休み2

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こんな状態で後ろの機械を動かされたらと思うとゾッとする気持ちと、身体が反射的に熱くなりそれを望んでいるかのような認めたくない反応に嫌悪する。

柏木は朔のその気持ちを知ってか知らずか、機械は動かさないまま今度は朔のワイシャツ越しに胸を撫で回す。


「く…くすっ、ぐったい…」

朔はその柏木の手から逃れるように身体を背け、半身を起こし後ずさる。それでも柏木はその身体を追いかけ、ワイシャツ越しに胸の中心部を指で弄んだ。


「っン…や、やめろよっ」

朔は身動ぎながら、その執拗な腕を掴んで引き離そうとするが、先から与えられる確信的ではない弱い刺激の数々が、塵が積もるように体内に蓄積していて、うまく力が入らず弱々しい抵抗になってしまう。柏木は引くどころか、さらに朔の方へと近寄りそのまま朔を後ろから抱きすくめるような体勢をとった。


「お、まえ……何を企んでるんだ…っ」

朔はいつも暴力的に犯し辱めてくる柏木のいつもと違うねちっこい責め方に妙な焦燥感を募らせた。
柏木は朔の抵抗を無視して、朔の襟足の隙間から覗く白い項に舌を這わせた。


「や!め…っ」

ゾクッと背筋を駆け上がる感覚に身震いをして、朔はまた身体をばたつかせその腕の中から逃れようとする。

普段人に触れられないうなじをねっとり這う舌の感覚に腰の力が抜けていく。その動きと合わせて柏木は朔を後ろから抱え込むようにし、腕は朔の制服のワイシャツの下に潜り込ませ直に朔の胸を手で撫で回した。そしてもう片方の手は朔の下半身の熱を制服の上から撫でる。


「ひ、やだ…っぅ……やめ…ろ…ッん」

いつもの乱暴な愛撫とは違う優しいともとれる触られ方に混乱しつつも、身体は素直に小さな快楽を拾い全身が熱く滾った。そして機械を咥え込んだままの胎内の熱さも相まって朔の意識や理性は徐々に溶かされていく。


「ぁっ、んん……ぅッ…ゔっ」

熱くて苦しくてもどかしくて朔は熱い吐息と押し殺した嬌声を吐く。

柏木は黙ったまま愛撫を続けていく。朔の制服のワイシャツはいつの間にか前がはだけて肩にひっかかり、スラックスは腰まで落とされた。
そのまま顕になった朔の下着の隙間から柏木はその中に手を差し込む。


「なにッ…や、…ぁアッ」

直接昂ったそこに触れられて朔の身体が大きく跳ねる。


「すごい濡れてる…。ほら」

柏木は朔の背後から耳元で小さく呟いた。


「ぁああッ」

指先で朔の熱の先端をぐりぐりと擦る。柏木の指はあっという間に朔の透明な滴りでとろとろに濡れそぼった。柏木はそのまま先端を刺激しながらその昂りを掴みゆっくり手を上下に動かした。


「ぅ!んンッ…んんぁあ」

朔の肉茎の先端から先程より多く透明な雫が涙のよう溢れ落ちる。前の刺激に触発されるように自然と後孔がきゅっと煽動するのがわかった。朔は羞恥心を感じるのと同時にその秘部にもの寂しさを感じた。柏木に散々無理矢理押し開かれ続けた身体は、まるでその反応が普通であるかのように快感が強まるのと比例してそこを疼かせた。その反応に絶望する余裕は今の朔にはなく、ただ与えられる快楽に翻弄され高みに登るしか出来なかった。

前を扱く柏木の手と反対の胸を弄っていた手も朔の下着の中に潜り込み朔のひくつく後ろの秘部に優しく触れた。


「ぁあッ!」

突然触れられ驚き、そして迎合するようにそこは柏木の指を取り込もうと吸い付いた。


「…いやらしいね。ここに欲しい?」

柏木は優しい声で朔に問う。


「ゃ…うッ」

朔は反射的に首を左右へ振った。それはなけなしの理性を振り絞った朔の意地だった。

もうこれ以上自分を裏切りたくない。惨めな思いをしたくない。柏木を喜ばせたくない。その一心で拒絶したが、身体は気持ちとは裏腹にその指や、それ以外のものが自分の中に押し入ることを待ち望んで、胎内がぎゅうぎゅうと待ちきれないとばかりに煽動していた。


「そんな物欲しそうな顔で拒否されてもね…。身体も欲しいって言ってるのに。でもどっちにしろ昼休みはあげないよ」

柏木は優しい声で朔に囁き、制服越しに朔の臀部に自身の反応する雄をグイグイと押し付け、前を扱く手の動きは弱めないままリズミカルに動かし続ける。


「ひ…ィアッ!」

前の物理的な刺激と、押し付けられた圧倒的な質量の滾る熱に思考を侵食されていきそうな錯覚に陥った。
頭がおかしくなりそうだった。

媚薬のせいで熱い胎内に、柏木の勃起を受け入れてそのまま奥で機械を振動させられながら前を扱き続けられたら…─

想像したくないと思えば思うほどその状況に順応するように身体はグツグツと煮え滾るように快楽を求め始める。


「やァあッ」

耳を塞ぎたくなる甘い雌のような声が自分から発せられているのに、抑制できない。朔は涙をためて背後の柏木に身体を預ける。


「…は、やっば。すげー挿れたくなる。男を煽るの本当に上手だね。あんなちょっとなのにお薬も相当効いてるし。今度もっと強いやつ調合して使ってあげようね」

腰が柏木の手の動きに合わせて自然に蠢いてしまい、朔は柏木の言葉も理解できなかった。柏木の手が上下に動く度に響くぐちゅぐちゅという濡れた音が朔の余裕の無さと比例して大きくなっていく。腰が意思では制御できない細かい痙攣を繰り返す。

もう絶頂を迎える。

そう思った瞬間に柏木はそこから手を離す。


「あ……っ」

朔は上気した頬で眉根を寄せ縋るような視線で柏木を見上げてしまう。


「…随分救いようのない変態に成長しちゃったね。どうしたの?そんな顔して」

柏木は朔の下着の中から自身の手を抜き朔の先走りで濡れた手を見せつけるようにしながら指先に舌を這わせた。


「ぅ…」

朔は我に返り忘れていた羞恥心に見舞われ、自分の醜態の一部から視線を逸らすように慌てて俯いた。


「こんなに人の手をどろどろに汚して感じて、情けないね。イけそうでイけない気分はどう?」

柏木は楽しそうに朔の顔を覗き込む。


「ンッ……っ…な、に……がしたいんだ…」

朔は熱に侵されたままの身体を落ち着かせるように、肩で息をしながら柏木を睨みつける。


「単純に気になるから。快楽しか与えなかったらどうなるんだろって。どんな顔するかって。えろくてより嬲り殺したくなったわ」  

「…趣味わりーんだよ!もうこんなことやめ…ぅあ!?」

暴力以外でも尊厳を踏みにじろうとしてくる柏木に苛立ちを感じ、朔が声を荒らげた瞬間、忘れていた胎内の物質の存在を思い出させるかのようにそれが微弱な振動音を響かせながら小さく動き始めた。


「く……そ…ッ…ぅ」

朔はぐっと拳を握りしめて耐える。絶頂直前まで高められた身体に追い討ちをかけるように与えられる刺激。でも達するまではいかない弱い刺激。どうすることも出来なくて、朔は歯を食いしばり胎内の異物から意識を逸らそうと目を閉じる。

その隙に、柏木は朔を再びその場に押し倒すと、下着に手をかけまだ熱を持ち続ける昂りに触れた。


「おい!何して…ッ」

朔が驚いて動き出そうとした瞬間、その下半身に締め付けるような痛みを感じそこに視線を向けた。


「ほら、似合う」

柏木は嘲笑を含んだ声で朔に告げた。朔の視線の先には、昂ったままの自身の男根の根元に赤い紐がキツく巻きついていた。


「な、何して…取れよ!」

朔が手を伸ばすと柏木はその手を掴み床へと縫い付ける。


「パンツ汚したくないって言うから結んであげたよ。せっかく優しく気持ちよくしてやってんのに、キャンキャン騒ぎ立ててうるせぇから、お仕置きも兼ねてね」

たまに見せる柏木の鋭い視線が朔を射抜く。朔はその視線に思わず黙り込む。


「この紐、野坂がここ勃起させなければすぐ緩んで取れるよ。取れるかどうかは野坂次第。取れたらこの昼休みの契約今日で終わらせてあげてもいいよ。あ、手でとったりシコったりしたら動画ばら撒くからね」

朔は柏木を黙って見返した。

「もし取れなかったら野坂が辛くて可哀想だから俺が取る手伝いしてあげる。どっちにしろ野坂にはマイナスにならないね」


後者はただ取るだけで終わるはずが無いということは、もう理解できてしまう。
昼休みももうすぐ終わる。そうすればすぐにこの昂りだって落ち着くはず。そう思えばその条件は決して難関とは思えなかった。


「わかった…」

朔は小さく呟くと柏木の腕を払い除け慌ててボクサーパンツを引き上げ身なりを整えた。


「昼休みも終わるしもう行こうか。次の授業は選択の音楽だね」

柏木はまるで何事も無かったかのようにいつも通りの優等生の笑顔に戻り朔の制服のボタンを留めるのを手伝った。
朔は下手に抵抗してまた柏木が突然怒り狂いでもしたら面倒だと思い、黙ってその行動を見届けた。上に羽織っていたカーディガンを下に引っ張ればスラックスの前の膨らみは隠せたので、それで凌ぐことにした。
そのまま身支度をし、立ち上がった瞬間、後ろの物質が先より強く振動を開始した。


「ッう…っ」

思わずふらついた朔の肩を柏木は支えるように掴んだ。


「次の授業、楽しみだね。野坂」

向けられた笑顔に悪寒が走った。

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