[R-18]あの部屋

まお

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52.昼休み1

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昼休みを告げるチャイムが教室内に鳴り響く。

クラスメイト達はそのチャイムと共に教室内から購買やら他クラスへちりじりに飛び出していく。


「野坂、昼一緒に食おう」

柏木は机に突っ伏する朔に声をかけた。


「……」

朔はゆっくり顔を上げて柏木を睨みつけた。その目元は赤く染まり、息も上がっていて迫力は無かった。

結局あの後、朔はトイレへと戻り柏木から受け取った球体を自ら胎内へと押し込む羽目になった。
柏木は約束通りその物体に備わっている遠隔操作での振動機能を使わなかった。ただ、挿入の際に渡されたローションに催淫作用があったようで、挿れて暫く経つと中が熱くて痒くてドクドク脈打つ感覚に、朔の意識は授業どころではなくなった。


「……南側の旧体育館倉庫、人も来ないしそこでお昼食べよっか」

柏木は朔にしか聞こえないくらいの小さい声でそう言いニコッと朔に笑いかけた。


到着した学校の南側、現在改装工事が入るため人があまり行き交わない1階の旧体育館前。そこに隣接しているのが体育館前倉庫だった。
柏木はそこの扉を開けて朔を手招きする。


「おいで」

優しい笑顔がやっぱり末恐ろしかった。
朔は胎内を苛む異物の感覚を我慢しながらのろのろと柏木に視線を合わせないようにその促された室内へと足を踏み入れた。

体育館倉庫はいくつかの用具は残されていたが、殆どが新しい体育館倉庫へと移動されているようで室内の広さの割に物は少なかった。
朔はきょろきょろと室内を見回していたが、後ろからドアが閉められる音が響くと我に返って慌てて振り返った。


「野坂と2人きりの昼休憩、嬉しいな」

柏木は近くのマットの上に座り持ってきた弁当を取り出し普通に昼食をとりはじめた。

朔は面食らった。
わざわざ人気のないこんな所に連れ込まれ2人きりになるということは、望んではいないが少なからずそういうことになると覚悟していた。柏木のことだから目的は朔を辱めることだと思っていたが、普通に昼食をとりはじめる柏木に朔は怪訝な表情を向けた。


「野坂も昼食べなよ。休み時間終わっちゃうよ」

柏木はそんなことを気にすることなく笑顔で朔を見上げる。その表情から本心は読み取れなかった。
朔は柏木から少し離れた所にある跳び箱を背にして地面に座った。まだ油断は出来ない。

朔は持ってきた菓子パンの封を切ったはいいが、指先が震えて息が上がっており目の前のパンに意識が向かなかった。


「っ…は…」

柏木に気づかれないように、小さく息を吐いた。全身が熱くて仕方がなかった。時間が経つにつれて胎内を苛む火照りが無視できなくなっていく。
そして同時に思考がおかしな方へと流れていく。

中がじんじんして苦しい。
思い切り擦って欲しい。
機械を動かして欲しい──

そんな欲が頭を支配しそうになる度、朔は無理矢理パンを口に詰め込み気を逸らそうと試みる。


「…野坂の唇ってすごいセクシーだよね。よく言われるでしょ?」

朔が熱に浮かされる身体に翻弄されているうちに、柏木はいつの間にか朔の隣に腰をかけていた。そしてその指摘する唇にじとっとした熱の篭った視線を向けてくる。


「なっ……」

朔はいきなり隣に来た柏木に驚き身じろいだが、柏木は気にすることなく話し続ける。


「肌が白いから唇の赤が映えるよね」

何かされている訳ではないのに、じりじりと追い詰められるような柏木の視線に朔は息を飲み柏木の次の行動を警戒することしか出来なかった。


「…この唇で何回兄貴とキスした?」

「……」

柏木は先程とは異なった視線に少し鋭さが増した微笑みを朔に向けて訊ねてくる。


「何回兄貴の咥えた?」

柏木から問われる拓人との過去のこと。朔はその質問に安易に答えると酷い目に遭うことは嫌という程わかっている。だから何も答えられず黙り込んでしまった。


「キスしていい?」

「…え……」

柏木がニコッと笑いながら訊ねる言葉に呆然とする。

「野坂の唇見てたらキスしたくなっちゃった」

「…な……んで……」

今まで確認をとってしたことなんて無いのにと、柏木の考えてることが朔は読めなかった。そして確認されると、拒絶の気持ちと同時に相手は柏木だと分かっていても何故か落ち着かない気持ちになった。


「……」

柏木はじーっと無言で朔を見つめた。柏木からの痛い程の視線を感じ、朔はその視線から逃れるように手元にある食べかけのパンを見つめた。

「ふーん」

柏木が何か納得したように鼻を鳴らした。


「身体、疼いて堪らないよね?」

柏木は言いながら朔の首筋を中指でスっと擦る。

「…ッ」

声は抑えたものの鼻にかかった吐息が漏れてしまい朔は顔に熱が集まるのを感じる。


「…熱くなってるね。そうやって顔に出して相手を煽って食い物にするのが野坂のやり方なんだ」

朔は馬鹿にされた悔しさと反論のため柏木を睨みつけ、口を開いた瞬間、柏木が朔の首筋に噛み付くように吸い付いてきた。


「イッ!…や、めろ!」

首筋に走るチリッとした痛みと、いきなり行動を起こす柏木に朔は少しの怯えと、焦りを感じ慌てて身体を押しのけようと抵抗する。
すると柏木は朔の両手首を両手でガッチリと押さえ込み、そのままその場に朔を押し倒した。


「…痛いっ!離せ…」

「脈速いね。期待してる?」

「してる訳ないだろ!いいから離」

言い終わる前に朔は柏木に口付けられた。
いつも通りの性急で乱暴で煽るような濃厚なキスに、朔は嫌悪感と同時に身体が疼くような熱に侵される。ただでさえ胎内の異物と感覚に音を上げそうになっているところに、追い打ちをかけるような扇情的な口付けを受けて朔の身体は本人の意志とは関係なく否応なしに昂っていく。


「ッンン、んっ…ッ」

くちゅくちゅと口内を行き交う舌と舌が絡み合う静かな水音と、朔の漏れでる吐息が体育館倉庫の中に響く。朔は霞む思考をフル稼働させ何とか手の拘束を振りほどこうとするもびくともしなかった。

柏木の舌が口内の上顎や舌の付け根等の朔の敏感な部分を擦る度に誤魔化しきれない程身体が何度も跳ねて、腰がびくびくと痙攣する。
何度も絡みつくように差し込まれる舌が、口内から朔を犯す生物かのように錯覚する。
飲み込みきれない唾液が朔の唇を潤し口端から溢れ出る。陸なのに窒息してしまうのでは無いかと心配になるほどだった。


「あーあ、キスだけで勃っちゃったんだ」

柏木は唇を離し朔を舐めるように眺めてその身体の兆しを目にすると、揶揄うように目を細め耳元でそっと囁きながら、その熱を持った屹立に片手で優しく触れた。


「ンッ!」

朔は敏感な箇所に突然触れられた感触に高い声を漏らしてしまう。

「野坂はキスが好きなんだね。かわいい。今度はキスだけでイけるように練習しようね。淫乱な野坂ならきっとすぐ出来るようになるよ」

「ぁ…や!…触っんッ…な…ぁッ」

腰をくねるせて柏木の手を避けようとする朔の姿は淫靡で強請るように見えことを本人は理解できず、柏木はその様子を目にしてさらに今度は強く朔の昂りに刺激を与えていく。


「ひ、ぁあッ んッん…や…やめッ」

先端に爪を立てて少し強く刺激をすると、スラックス越しに湿りを感じる。そのまま裏筋を強く擦ると面白いくらいに朔の腰はびくびくと跳ねた。


「このままパンツの中に1回出す?そうしたら制服はぐちょぐちょになっちゃうからそのまま午後の授業受けることになるね。前にシミ作って泣きそうな顔して授業受ける野坂見たいからそうしよっか」

柏木がさらに追い詰めるように手の動きを速く強くすると、朔がその手を今度は強く掴んで阻止した。


「や、やめて…くれっ」

「じゃあどうするの?それ。そのまま教室戻れないよね?」

「ぅ……」

「忘れてるようだけど、後ろのおもちゃも止めたままいるつもりないからね」


柏木はローターのスイッチを見せつけながら朔に笑顔を向けた。

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