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16.屈辱2
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「ほら、召し上がれー」
ベッドに寝かされた朔の胸あたりに馬乗りになった柏木の声が朔の頭上から聞こえる。
「……」
朔はキツく目をつぶり目の前の現実を見ないようにしながらそれに唇を近づける。
唇と先端が触れ合うが、なかなか口を開く勇気が湧かなかった。
「…焦らしてるの?俺焦らされたら歯止め聞かなくなっちゃうタイプなんだよね。煽り上手だね、野坂は」
脅されるとやらざる得なかった。
朔は何も考えるなと自分に言い聞かせて、口を大きく開きその先端を口に含んだ。
「ただ咥えるだけじゃ気持ち良くないよ。もっと舌使って」
ここまでしてしまえば、もう早くこの時間を終わらせることに意識を集中した方がいいと朔は考え直した。言われた通りに舌を使うことに意識を集中させる。
「口に含んでる野坂はかわいいけど、フェラは下手くそだね。…野坂だって兄貴にされてたんじゃないの?その時のこと思い出してやってごらん」
また拓先生の事を引き出され、朔は不快感に眉を顰める。それでも舌を止めずに口淫を続けた。そのまま続けていると、さらに怒張は体積を増して朔の口内はめいっぱい押し開かれる。
「もっと奥まで咥えて」
今の時点で口内に余裕なんて無いのに、柏木はさらに深く咥え込むように要求してくる。
朔は苦しさで生理的な涙を浮べたまま、柏木を見上げ小さく首を左右に振る。
「…かわいい。野坂はあざといなー。そうやって自分は悪くないって顔して兄貴を誘ってたんだね」
柏木は鋭い視線と口角を少し上げた冷たい笑みで朔を見下ろし、そのままいきなり大きく腰を動かし始める。
「─ん"ぐっ…ンン─!」
喉の奥まで柏木の怒張が届き朔は嘔吐感から口内を塞がれたままえずく。そして気道まで塞ぎかねない大きさに苦しさが一層増して慌てて柏木の腰を手で押し返した。
「暴れたら歯当たるよ。痛くされたいの?」
柏木の声は朔に届いていたが苦しすぎてそこに配慮する余裕は無かった。朔は苦しさから涙で頬を濡らしながら何とか気道を確保する為に身体を捻るようにして、怒張から逃げようとする。暫く抵抗を続けるとずるっと口内から柏木の怒張が引き抜かれる。
「ゲホッげほっ…ぉえっ…」
息を吸い込み、不快感にえずき、涙がとめどなく零れる。柏木は朔の身体の上から退き、添い寝をするように朔の横に移動した。
「頑張ったね。でもフェラは下手くそだからこれからちゃんと鍛えていこうね」
柏木に強制的に腕枕をされた状況で、反対の手で至近距離で頭を撫でられる。
すぐ横に柏木の顔があるが、見たくなくてそっぽを向くように朔は柏木と反対の方に顔を向けた。
「野坂は昔っから泣き虫だね。泣いた顔もかわいいんだけど、昨日も見たし今日は違う表情見たいな」
柏木が上に覆い被さるようにして反対を向く朔の顔を覗き込んでくる。
「気持ちいい顔、見せてよ」
柏木が優しい声色で朔の耳元でそっと囁く。
ビクッと身体に緊張が走る。
その声は─
どこか懐かしくて……
─恐かった。
不意に朔の頭の中に記憶の声が流れ込んでくる。
『………、……。…朔、そうだよね?』
『………は、2人だけの秘密ね…』
『……誰にも見つからないように……─』
急に頭の中に流れ込んでくるどこかの場面でこちらに語りかけてくる声。話の流れや要点は掴めない、ただ流れ込んでくる、声。
「──やめろ一ッ──!!」
朔は頭の中を支配する声を振り払うように大きな声で叫んでいた。
「…どうしたの?そんな大声出したら東海林起きちゃうよ。…むしろ起こして見せたいのかな?」
柏木は一瞬呆気に取られたような表情を見せるが、すぐいつもの笑顔に戻る。
そして朔の後孔に指を一本挿入した。
「ア"ッ…い……っ」
混乱していた朔の意識を引き戻すように挿し込まれた指は、昨日の肛虐でまだ腫れが引かないそこに異物感と痛みを与えた。
「いッた……ぃっ…」
朔はぎゅっとベッドのシーツを掴み、柏木に言われた東海林の存在を意識させられて小さい声で抑えるように声を漏らした。
「痛くないように慣らしてるんだよ」
相変わらず耳元で話されると、意味のわからない恐怖に襲われた。
「や…めて……くれ……っ」
それは耳元で話されることの方に強く作用する言葉だったが柏木は胎内に挿入する指の存在に対してだと認識している。
「指なんかよりもっと太いの挿入るんだから我慢して。でも、さっき素直に口で頑張ってくれたからお返しに今日は野坂の気持ちいい顔見れるように優しく抱いてあげるよ」
柏木はどういう風の吹き回しか昨日や先程までとはうってかわって、いきなり朔を甘やかすような優しい愛撫を始めた。
顕になっている朔の首筋を優しく唇でなぞり、たまに舌をその柔らかい皮膚の上に這わす。
「なっ……や……んッ」
朔もいきなり与えられる儚いような優しいとも取れる愛撫に戸惑いを隠せなかった。
首筋を這っていた柏木の唇が今度は朔の耳朶を優しく食んだ。
「っあ…ッ」
思わず漏れた自分の声に朔は驚いて慌てて手のひらで口を覆った。
「可愛い声だね。耳好きなんだ?」
柏木は朔の耳淵を舐めあげて、ゆっくり穴の中に舌を差し込む。
「ッん……っ、…」
耳のすぐ側で舌を動かされる度に脳内に響く水音に淫靡な気分が否応なしに高められてしまう。朔はどうすればいいか分からなくただ目をきつく瞑り耐えた。
「…ふーん。優しくされる方が好きなのかな?感度良くなってきたね。中に挿入ってる指、ぎゅうぎゅう締め付けてるのわかる?」
「イあっ!」
中に意識を向けさせる為にグイッと腹側の方に柏木の指が曲げれる。朔は大袈裟な程ビクンと身体を跳ねさせ、より強くそこを締め付けた。
「…凄いね。ますます野坂が欲しくなっちゃったな。虐めても甘やかしても楽しめるなんて万能だね。犯される為の存在みたい。…いや、みたいじゃなくて犯される為のモノそのものか」
蔑むように笑われても、朔に反論する余裕は無かった。溶けるような感覚に酔わされて逃げたくても身体が快楽を求めて簡単にそれに反応してしまっているのがわかる。身体は素直に快楽を享受しているが、心の底ではそんな自分を信じたく無くて酷い自己嫌悪に襲われていた。
柏木はそのまま指を二本、三本と増やしていく。
「あっ…い…ンンッ─」
「気持ちいい?野坂…。今この場面を東海林に見られたら、どうだろうね?完璧に合意のセックスだよね」
熱に浮かされ惚けた朔の意識はその言葉で一気に現実に引き戻される。
ベッドに寝かされた朔の胸あたりに馬乗りになった柏木の声が朔の頭上から聞こえる。
「……」
朔はキツく目をつぶり目の前の現実を見ないようにしながらそれに唇を近づける。
唇と先端が触れ合うが、なかなか口を開く勇気が湧かなかった。
「…焦らしてるの?俺焦らされたら歯止め聞かなくなっちゃうタイプなんだよね。煽り上手だね、野坂は」
脅されるとやらざる得なかった。
朔は何も考えるなと自分に言い聞かせて、口を大きく開きその先端を口に含んだ。
「ただ咥えるだけじゃ気持ち良くないよ。もっと舌使って」
ここまでしてしまえば、もう早くこの時間を終わらせることに意識を集中した方がいいと朔は考え直した。言われた通りに舌を使うことに意識を集中させる。
「口に含んでる野坂はかわいいけど、フェラは下手くそだね。…野坂だって兄貴にされてたんじゃないの?その時のこと思い出してやってごらん」
また拓先生の事を引き出され、朔は不快感に眉を顰める。それでも舌を止めずに口淫を続けた。そのまま続けていると、さらに怒張は体積を増して朔の口内はめいっぱい押し開かれる。
「もっと奥まで咥えて」
今の時点で口内に余裕なんて無いのに、柏木はさらに深く咥え込むように要求してくる。
朔は苦しさで生理的な涙を浮べたまま、柏木を見上げ小さく首を左右に振る。
「…かわいい。野坂はあざといなー。そうやって自分は悪くないって顔して兄貴を誘ってたんだね」
柏木は鋭い視線と口角を少し上げた冷たい笑みで朔を見下ろし、そのままいきなり大きく腰を動かし始める。
「─ん"ぐっ…ンン─!」
喉の奥まで柏木の怒張が届き朔は嘔吐感から口内を塞がれたままえずく。そして気道まで塞ぎかねない大きさに苦しさが一層増して慌てて柏木の腰を手で押し返した。
「暴れたら歯当たるよ。痛くされたいの?」
柏木の声は朔に届いていたが苦しすぎてそこに配慮する余裕は無かった。朔は苦しさから涙で頬を濡らしながら何とか気道を確保する為に身体を捻るようにして、怒張から逃げようとする。暫く抵抗を続けるとずるっと口内から柏木の怒張が引き抜かれる。
「ゲホッげほっ…ぉえっ…」
息を吸い込み、不快感にえずき、涙がとめどなく零れる。柏木は朔の身体の上から退き、添い寝をするように朔の横に移動した。
「頑張ったね。でもフェラは下手くそだからこれからちゃんと鍛えていこうね」
柏木に強制的に腕枕をされた状況で、反対の手で至近距離で頭を撫でられる。
すぐ横に柏木の顔があるが、見たくなくてそっぽを向くように朔は柏木と反対の方に顔を向けた。
「野坂は昔っから泣き虫だね。泣いた顔もかわいいんだけど、昨日も見たし今日は違う表情見たいな」
柏木が上に覆い被さるようにして反対を向く朔の顔を覗き込んでくる。
「気持ちいい顔、見せてよ」
柏木が優しい声色で朔の耳元でそっと囁く。
ビクッと身体に緊張が走る。
その声は─
どこか懐かしくて……
─恐かった。
不意に朔の頭の中に記憶の声が流れ込んでくる。
『………、……。…朔、そうだよね?』
『………は、2人だけの秘密ね…』
『……誰にも見つからないように……─』
急に頭の中に流れ込んでくるどこかの場面でこちらに語りかけてくる声。話の流れや要点は掴めない、ただ流れ込んでくる、声。
「──やめろ一ッ──!!」
朔は頭の中を支配する声を振り払うように大きな声で叫んでいた。
「…どうしたの?そんな大声出したら東海林起きちゃうよ。…むしろ起こして見せたいのかな?」
柏木は一瞬呆気に取られたような表情を見せるが、すぐいつもの笑顔に戻る。
そして朔の後孔に指を一本挿入した。
「ア"ッ…い……っ」
混乱していた朔の意識を引き戻すように挿し込まれた指は、昨日の肛虐でまだ腫れが引かないそこに異物感と痛みを与えた。
「いッた……ぃっ…」
朔はぎゅっとベッドのシーツを掴み、柏木に言われた東海林の存在を意識させられて小さい声で抑えるように声を漏らした。
「痛くないように慣らしてるんだよ」
相変わらず耳元で話されると、意味のわからない恐怖に襲われた。
「や…めて……くれ……っ」
それは耳元で話されることの方に強く作用する言葉だったが柏木は胎内に挿入する指の存在に対してだと認識している。
「指なんかよりもっと太いの挿入るんだから我慢して。でも、さっき素直に口で頑張ってくれたからお返しに今日は野坂の気持ちいい顔見れるように優しく抱いてあげるよ」
柏木はどういう風の吹き回しか昨日や先程までとはうってかわって、いきなり朔を甘やかすような優しい愛撫を始めた。
顕になっている朔の首筋を優しく唇でなぞり、たまに舌をその柔らかい皮膚の上に這わす。
「なっ……や……んッ」
朔もいきなり与えられる儚いような優しいとも取れる愛撫に戸惑いを隠せなかった。
首筋を這っていた柏木の唇が今度は朔の耳朶を優しく食んだ。
「っあ…ッ」
思わず漏れた自分の声に朔は驚いて慌てて手のひらで口を覆った。
「可愛い声だね。耳好きなんだ?」
柏木は朔の耳淵を舐めあげて、ゆっくり穴の中に舌を差し込む。
「ッん……っ、…」
耳のすぐ側で舌を動かされる度に脳内に響く水音に淫靡な気分が否応なしに高められてしまう。朔はどうすればいいか分からなくただ目をきつく瞑り耐えた。
「…ふーん。優しくされる方が好きなのかな?感度良くなってきたね。中に挿入ってる指、ぎゅうぎゅう締め付けてるのわかる?」
「イあっ!」
中に意識を向けさせる為にグイッと腹側の方に柏木の指が曲げれる。朔は大袈裟な程ビクンと身体を跳ねさせ、より強くそこを締め付けた。
「…凄いね。ますます野坂が欲しくなっちゃったな。虐めても甘やかしても楽しめるなんて万能だね。犯される為の存在みたい。…いや、みたいじゃなくて犯される為のモノそのものか」
蔑むように笑われても、朔に反論する余裕は無かった。溶けるような感覚に酔わされて逃げたくても身体が快楽を求めて簡単にそれに反応してしまっているのがわかる。身体は素直に快楽を享受しているが、心の底ではそんな自分を信じたく無くて酷い自己嫌悪に襲われていた。
柏木はそのまま指を二本、三本と増やしていく。
「あっ…い…ンンッ─」
「気持ちいい?野坂…。今この場面を東海林に見られたら、どうだろうね?完璧に合意のセックスだよね」
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