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恵一篇 (2)
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翌朝、忍は早く起きた。ミロは時差ボケのせいで忍と一緒に目が覚めた。
「瀬川さん、私は、これから客人と会う予定がある。今日の午後、その客を連れて戻ってくるから、夕食の支度を頼めるかな?」
と瀬川に言う。瀬川は、困った顔をして
「あら、それでは買い物に出かけないといけないですわね…実は…」
と瀬川が言いかけると、テーブルでタブレット・ニュースを読んでいた葵が言った。
「瀬川さんの車のバッテリが上がってるのよ。兄さんが出かけるなら、ミロちゃんが運転できるかしら? 私もこれから約束があって行けないのよ」
葵が言う。
「そうだな…瀬川さんには、あのフォードの運転は無理だな」
と忍が言う。
「私、兄さんのジープを借りようと思ってたのだけれど…」
葵が困惑した顔で言い、忍を見た。忍は、
「瀬川さんは、フォードの助手席にもうまく乗れないだろ。ミロ、お前のフォードを俺が使う。葵がジープを使って、ミロと瀬川さんは私のアウディで行けるな?」
「いいよ」
とミロは短く言った。結局、昨夜は明け方まで忍と何度も愛し合って、まだ体内に忍がいるような感じがする。ミロは、時差の大きいカナダ基地から日本に戻ってきたばかりで、おまけに忍と一晩中セックスしていたので、疲れ果てていた。ひどく眠い。
「瀬川さん、わたし、少し寝てもいい?スーパーへの買い出しは、お昼前でいいかな?」
「ミロさま、どうぞお休みになってくださいませ。お夕食の支度は午後からで間に合いますから……忍さま、お客様は何人お見えですか?」
「3人か4人。私は平川と一緒に戻ってくる。その他の客は、直接ここへ来ることになっている」
「承知いたしました」
---------------
「ミミミミミ、ミロさま、もう少しゆっくり運転してくださいませ!」
ミロの運転は、いつもながら荒かった。急発進と急ブレーキを繰り返し、出せるところでは猛スピードを出す。
「緩急運転なんだよ」
と涼しい顔をしてミロは言い、爆音を立ててブルーのアウディを「スーパー四葉」の駐車場に滑り込ませた。周りのドライバーが苦い顔をしてミロのアウディを見る。ミロが運転席から降りた途端に、その場にいた全員が息を呑んだ。ミロは背が高く、整った容姿は衆人の注意をひいてしまう。黒のスパッツに、淡いモスグリーンのぴったりしたセーターを被るように着ているだけだったが、全員の視線が一瞬ミロにくぎ付けになった。ミロは、助手席側へまわって、瀬川のためにドアを開けてやった。
瀬川は半べそをかきながら降りてくると、
「ミロさま、お願いですから戻るときには、もう少し優しく運転してくださいませ」
「うん、ごめんね、瀬川さん」
ミロはそう言うと、カートを引っ張り出して瀬川を促し、ウキウキしながら店内に入って行く。ミロにとっては、戦闘や軍事活動が平常であり、スーパーへの買い出しは彼女にとっては、非日常のイベントだ。
「瀬川さん、私は、これから客人と会う予定がある。今日の午後、その客を連れて戻ってくるから、夕食の支度を頼めるかな?」
と瀬川に言う。瀬川は、困った顔をして
「あら、それでは買い物に出かけないといけないですわね…実は…」
と瀬川が言いかけると、テーブルでタブレット・ニュースを読んでいた葵が言った。
「瀬川さんの車のバッテリが上がってるのよ。兄さんが出かけるなら、ミロちゃんが運転できるかしら? 私もこれから約束があって行けないのよ」
葵が言う。
「そうだな…瀬川さんには、あのフォードの運転は無理だな」
と忍が言う。
「私、兄さんのジープを借りようと思ってたのだけれど…」
葵が困惑した顔で言い、忍を見た。忍は、
「瀬川さんは、フォードの助手席にもうまく乗れないだろ。ミロ、お前のフォードを俺が使う。葵がジープを使って、ミロと瀬川さんは私のアウディで行けるな?」
「いいよ」
とミロは短く言った。結局、昨夜は明け方まで忍と何度も愛し合って、まだ体内に忍がいるような感じがする。ミロは、時差の大きいカナダ基地から日本に戻ってきたばかりで、おまけに忍と一晩中セックスしていたので、疲れ果てていた。ひどく眠い。
「瀬川さん、わたし、少し寝てもいい?スーパーへの買い出しは、お昼前でいいかな?」
「ミロさま、どうぞお休みになってくださいませ。お夕食の支度は午後からで間に合いますから……忍さま、お客様は何人お見えですか?」
「3人か4人。私は平川と一緒に戻ってくる。その他の客は、直接ここへ来ることになっている」
「承知いたしました」
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「ミミミミミ、ミロさま、もう少しゆっくり運転してくださいませ!」
ミロの運転は、いつもながら荒かった。急発進と急ブレーキを繰り返し、出せるところでは猛スピードを出す。
「緩急運転なんだよ」
と涼しい顔をしてミロは言い、爆音を立ててブルーのアウディを「スーパー四葉」の駐車場に滑り込ませた。周りのドライバーが苦い顔をしてミロのアウディを見る。ミロが運転席から降りた途端に、その場にいた全員が息を呑んだ。ミロは背が高く、整った容姿は衆人の注意をひいてしまう。黒のスパッツに、淡いモスグリーンのぴったりしたセーターを被るように着ているだけだったが、全員の視線が一瞬ミロにくぎ付けになった。ミロは、助手席側へまわって、瀬川のためにドアを開けてやった。
瀬川は半べそをかきながら降りてくると、
「ミロさま、お願いですから戻るときには、もう少し優しく運転してくださいませ」
「うん、ごめんね、瀬川さん」
ミロはそう言うと、カートを引っ張り出して瀬川を促し、ウキウキしながら店内に入って行く。ミロにとっては、戦闘や軍事活動が平常であり、スーパーへの買い出しは彼女にとっては、非日常のイベントだ。
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