(R18) Lisztomania ～ アル中の女軍人が男とセックスしまくる純愛物語

(8) 2073年、北海道

ミロが11歳になると、北海道の「ホーム」に行かなければならなくなった。ミロは忍と離れたくなかったけれど、それは命令だった。ミロは忍と離れ離れになることが嫌で、泣いて泣いて泣いて、泣き続けた。目が潰れるほど泣いた。
「ホーム」は、北海道網走にある。表向きは新興宗教の施設だ。実際、多くの「一般信者」が共同生活を送っている。しかし、その実態はミロのように、特殊目的のために遺伝子操作を受けた子どもたちを調整し、生体兵器として実際に利用できるようにするための施設であった。具体的には、人間の大脳と兵器を結合し、兵器の遠隔操作を可能にするためのトレーニングが繰り返される。ミロにとっては、激しい頭痛と肉体的な疲弊を伴う不快な毎日だった。
ホームの最高責任者は、トオルという名の「導師」と呼ばれる男だ。ミロが初めてトオルに愛されたのは15歳になったときだったけれど、トオルには他に何人もの褥を共にする女や男があった。トオルには、他の人間の思考を読む能力がある。トオル自身が、遺伝子操作を受けた第一世代ヒューマンだった。トオルがミロに夢中になった本当の理由は、ミロの頭の中だけは雲がかかったように読めないからだった。トオルは、何度目かの行為の後、そのことをミロに告白したが、ミロはまったく聞いていなかった。ミロの頭の中にあるのは忍だけだった。