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後編
容赦のないクエスト
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扉がゆっくり開いて、レドリシアと抱き締め合っている、ファイ様が見えた。
カッと嫉妬心が湧いて、炎の指輪の抑えを解きそうになる。
「どうして!?」
私はベロジュを振り払って、ファイ様のところへ駆け寄った。
「ファイ、これはどういう・・・!!」
私が叫ぶと、ファイ様は冷たい目で私を見た。
「呼び捨てとは、不敬だぞ、レドリシア。」
え?レドリシア?
何言ってるの?
私が目を白黒させていると、サラマンダムが私のそばへとやってくる。
「プシュー、レドリシア様、さぁ、アイスリー様を魔神の元へと引っぱりだしましょう。
魔神を倒し心臓を取り出して、ヴィノガン様のところへお持ちせねば。」
私は驚いてサラマンダムを見る。
「何、言ってるの!?
私はアイスリーよ?
レドリシアは向こうだわ!」
それを聞いて、ファイ様の腕の中のレドリシアは笑い出した。
「ふふふ、髪の色に香水・・・。
たったこれだけの共通点で、殿下はたくさん愛してくれた。
あなたがいなくても、私さえいればいいの。
ほら、見て・・・殿下は私に夢中。」
レドリシアは、ファイ様の顔を撫でる。
彼もレドリシアにうっとりと見惚れて、レドリシアとキスを交わした。
嘘・・・嘘・・・。
スノウティに初恋の人を奪われて、彼まで他の人に取られるの?
「やめて、ファイ!!」
思わず二人の間に割り込もうとして、すごい力でファイ様に突き飛ばされる。
手加減のない力・・・こんな力をかけられるのは、初めて。
倒れた私を、サラマンダムが抱き起すので、思わず彼から離れる。
「私のアイスリーに手を出すものは、誰であろうと許さない。
レドリシア、二度と顔を見せるな。」
ファイ様は私を睨んだまま、片手を上げて頭上に巨大な炎の塊を魔法で作り出した。
「私がアイスリーなの!!」
私の必死の言葉に、ファイ様は首を振る。
「・・・どうでもいい。」
「え?」
「誰が本当のアイスリーかなんて、どうでもいい。」
「!!」
ファイ様は暗く冷たい目で私を見る。
誰・・・?こんな人知らない。
こんな敵を見るような目で、私を見るなんて。
「私のアイスリーは、幼い頃に初恋をしたあのアイスリー。
彼女の面影を持つものであれば、あの時の想いを失わずに保てれば、それでいい。」
彼は頭上に掲げた火の塊を、私に向かって放ってくる。
私は思わず氷のシールドで、炎を防いだ。
すごい力!!
膝がガクガクと震えて、歯の根が合わないほどカチカチと歯が鳴る。
ファイ様はさらに、火力を強めてきた。
「私に愛されていると思ったのか?レドリシア、いや、アイスリーだっけ?
お前は迎賓館でひどく虐められていたから、同情しただけだったのに。」
「!!」
「可哀想だった。無力で哀れで誰にも助けてもらえない。
ならばと、王子として手を差し伸べた。
優しくしたのは施しだ。」
彼の声が胸に刺さってくる。
同情・・・施し・・・。
だから、たくさん優しくしてくれた?
やっぱり・・・そうなの?
気持ちが沈んで魔力が落ちると、シールドが壊れて、熱風に吹き飛ばされる。
壁に背を打ち付けて、息が止まりそうになった。
「あらあら、お可哀想に。
一人勘違いして舞い上がってらしたのね。」
ベロジュが私を見ながら、フンと鼻を鳴らした。
「みっともないアイスリー様。
同情からくる優しさを、愛情と間違えるなんて。」
スノウティが、クスクス笑い出す。
「げほっ、ごぼっ。私・・・私、違う・・・こんな。」
私はむせながら、涙目になった。
聞きたくない!こんなこと・・・!!
こんな嫌なことばかり聞かされるなら!!
私は背中の痛みを感じながら、この部屋の全員を凍らせようと魔力を溜め始めた。
同時に、炎の指輪から、炎がチラチラと溢れ始める。
悔しくて、悲しくて呼吸するたびに叫びそうになった。
やっぱり、やっぱりそうなんだ。
私なんか、本当は愛されない。
レドリシアが、ファイ様と一緒にやってきて、私を見た。
「見て、ファイ。
まだ生きてるわ。」
「しぶといな。
『こんな』アイスリーは、いらないな。」
その言葉に、私はハッとなって彼を見た。
『こんな』・・・一昨日、ファイ様に『こんな』アイスリーがいいと言われたことを思い出した。
『こんな』私を一番嫌っているのは、私自身だ。
自信のない自分。欠点の多い自分。
こんな私は、愛されるわけがない、と。
彼に、どんなに愛していると言われて喜んでも、心のどこかで、迎賓館での一幕を見たからではないかと、疑いが拭えなかった。
皇太子妃修行中、レドリシアとなんでもないと言われても、本当は違うのではとも思っていた。
私に似ているだけで、レドリシアを愛したことも、別に私でなくてもよかったんじゃないかと、心の隅で思ったことも確か。
この人たちの声は、私の心の奥底の声だ。
見ないようにしていた、私の本音だ。
「聞きたくない、知りたくない・・・!」
思わず呟いた。
ファイ様の愛情に浸りながら、彼を疑っていた。
失ったら、気が狂いそうなのに。
「嫌な女だわ。
聞き分けのいい女を演じて、いい子のフリしてただけじゃない。」
スノウティは、私を見てはっきりと口に出した。
いい子のフリ・・・。
信用して、裏切られるのが怖くて。
背を向けられるのが怖いから、ときめきながらも、彼に心を全部あげることはできなかった。
今、目の前のこのファイ様を見て、『ほら、やっぱり』と、思う自分がいる。
私は自分の指にはめた、ファイ様の魔力が込められた指輪を見た。
指輪から、どす黒い炎が溢れそうになっている。
『私の火は決してアイスリーを傷つけない。
忘れないでくれ。』
彼の言葉を思い出す。
どうだか。
上手いこと言って、私をこの試練で放り出して、レドリシアとやり直す気でしょ?
ささくれだった心が、どす黒い炎をさらに黒く染め上げていく。
・・・やっぱり、私は彼を信用しきれない。
愛されるのは、スノウティやレドリシアのように、容姿と能力に恵まれ、自信に溢れた女性たち。
そうなんでしょ!?
イバラのような氷が、私の周りから吹き出して、そこにいる全員を取り囲むと、動きを封じる。
それでも、そこにいるみんなは、少しも動じない。
「あはは、図星だから、悔しいんだ。
自信の持てないアイスリー様。」
「やりなさいよ。都合の悪いことに目を瞑って無かったことにすればいい。
ねぇ?聖人君子気取りのアイスリー様。」
「幼い頃から変わりませんねぇ。
私は正しい、周りが悪いという心根は。
ちゃんと相手に確認もとらないで。
卑怯者のアイスリー様。」
「やれよ、やってこっちの言うことが正しかったと、後から思い知ればいい。
思い込みの激しいアイスリー。」
「プシュー、さあ、遠慮せず焼き払いなさい。
負の部分さえなくなれば、あなたは苦しまなくていい。
楽になりなさい、弱いアイスリー様。」
「あぁぁぁぁ!!」
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
読んでくださってありがとうございました。
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※この物語はフィクションです。表現や人物、団体、学説などは作者の創作によるものです。
カッと嫉妬心が湧いて、炎の指輪の抑えを解きそうになる。
「どうして!?」
私はベロジュを振り払って、ファイ様のところへ駆け寄った。
「ファイ、これはどういう・・・!!」
私が叫ぶと、ファイ様は冷たい目で私を見た。
「呼び捨てとは、不敬だぞ、レドリシア。」
え?レドリシア?
何言ってるの?
私が目を白黒させていると、サラマンダムが私のそばへとやってくる。
「プシュー、レドリシア様、さぁ、アイスリー様を魔神の元へと引っぱりだしましょう。
魔神を倒し心臓を取り出して、ヴィノガン様のところへお持ちせねば。」
私は驚いてサラマンダムを見る。
「何、言ってるの!?
私はアイスリーよ?
レドリシアは向こうだわ!」
それを聞いて、ファイ様の腕の中のレドリシアは笑い出した。
「ふふふ、髪の色に香水・・・。
たったこれだけの共通点で、殿下はたくさん愛してくれた。
あなたがいなくても、私さえいればいいの。
ほら、見て・・・殿下は私に夢中。」
レドリシアは、ファイ様の顔を撫でる。
彼もレドリシアにうっとりと見惚れて、レドリシアとキスを交わした。
嘘・・・嘘・・・。
スノウティに初恋の人を奪われて、彼まで他の人に取られるの?
「やめて、ファイ!!」
思わず二人の間に割り込もうとして、すごい力でファイ様に突き飛ばされる。
手加減のない力・・・こんな力をかけられるのは、初めて。
倒れた私を、サラマンダムが抱き起すので、思わず彼から離れる。
「私のアイスリーに手を出すものは、誰であろうと許さない。
レドリシア、二度と顔を見せるな。」
ファイ様は私を睨んだまま、片手を上げて頭上に巨大な炎の塊を魔法で作り出した。
「私がアイスリーなの!!」
私の必死の言葉に、ファイ様は首を振る。
「・・・どうでもいい。」
「え?」
「誰が本当のアイスリーかなんて、どうでもいい。」
「!!」
ファイ様は暗く冷たい目で私を見る。
誰・・・?こんな人知らない。
こんな敵を見るような目で、私を見るなんて。
「私のアイスリーは、幼い頃に初恋をしたあのアイスリー。
彼女の面影を持つものであれば、あの時の想いを失わずに保てれば、それでいい。」
彼は頭上に掲げた火の塊を、私に向かって放ってくる。
私は思わず氷のシールドで、炎を防いだ。
すごい力!!
膝がガクガクと震えて、歯の根が合わないほどカチカチと歯が鳴る。
ファイ様はさらに、火力を強めてきた。
「私に愛されていると思ったのか?レドリシア、いや、アイスリーだっけ?
お前は迎賓館でひどく虐められていたから、同情しただけだったのに。」
「!!」
「可哀想だった。無力で哀れで誰にも助けてもらえない。
ならばと、王子として手を差し伸べた。
優しくしたのは施しだ。」
彼の声が胸に刺さってくる。
同情・・・施し・・・。
だから、たくさん優しくしてくれた?
やっぱり・・・そうなの?
気持ちが沈んで魔力が落ちると、シールドが壊れて、熱風に吹き飛ばされる。
壁に背を打ち付けて、息が止まりそうになった。
「あらあら、お可哀想に。
一人勘違いして舞い上がってらしたのね。」
ベロジュが私を見ながら、フンと鼻を鳴らした。
「みっともないアイスリー様。
同情からくる優しさを、愛情と間違えるなんて。」
スノウティが、クスクス笑い出す。
「げほっ、ごぼっ。私・・・私、違う・・・こんな。」
私はむせながら、涙目になった。
聞きたくない!こんなこと・・・!!
こんな嫌なことばかり聞かされるなら!!
私は背中の痛みを感じながら、この部屋の全員を凍らせようと魔力を溜め始めた。
同時に、炎の指輪から、炎がチラチラと溢れ始める。
悔しくて、悲しくて呼吸するたびに叫びそうになった。
やっぱり、やっぱりそうなんだ。
私なんか、本当は愛されない。
レドリシアが、ファイ様と一緒にやってきて、私を見た。
「見て、ファイ。
まだ生きてるわ。」
「しぶといな。
『こんな』アイスリーは、いらないな。」
その言葉に、私はハッとなって彼を見た。
『こんな』・・・一昨日、ファイ様に『こんな』アイスリーがいいと言われたことを思い出した。
『こんな』私を一番嫌っているのは、私自身だ。
自信のない自分。欠点の多い自分。
こんな私は、愛されるわけがない、と。
彼に、どんなに愛していると言われて喜んでも、心のどこかで、迎賓館での一幕を見たからではないかと、疑いが拭えなかった。
皇太子妃修行中、レドリシアとなんでもないと言われても、本当は違うのではとも思っていた。
私に似ているだけで、レドリシアを愛したことも、別に私でなくてもよかったんじゃないかと、心の隅で思ったことも確か。
この人たちの声は、私の心の奥底の声だ。
見ないようにしていた、私の本音だ。
「聞きたくない、知りたくない・・・!」
思わず呟いた。
ファイ様の愛情に浸りながら、彼を疑っていた。
失ったら、気が狂いそうなのに。
「嫌な女だわ。
聞き分けのいい女を演じて、いい子のフリしてただけじゃない。」
スノウティは、私を見てはっきりと口に出した。
いい子のフリ・・・。
信用して、裏切られるのが怖くて。
背を向けられるのが怖いから、ときめきながらも、彼に心を全部あげることはできなかった。
今、目の前のこのファイ様を見て、『ほら、やっぱり』と、思う自分がいる。
私は自分の指にはめた、ファイ様の魔力が込められた指輪を見た。
指輪から、どす黒い炎が溢れそうになっている。
『私の火は決してアイスリーを傷つけない。
忘れないでくれ。』
彼の言葉を思い出す。
どうだか。
上手いこと言って、私をこの試練で放り出して、レドリシアとやり直す気でしょ?
ささくれだった心が、どす黒い炎をさらに黒く染め上げていく。
・・・やっぱり、私は彼を信用しきれない。
愛されるのは、スノウティやレドリシアのように、容姿と能力に恵まれ、自信に溢れた女性たち。
そうなんでしょ!?
イバラのような氷が、私の周りから吹き出して、そこにいる全員を取り囲むと、動きを封じる。
それでも、そこにいるみんなは、少しも動じない。
「あはは、図星だから、悔しいんだ。
自信の持てないアイスリー様。」
「やりなさいよ。都合の悪いことに目を瞑って無かったことにすればいい。
ねぇ?聖人君子気取りのアイスリー様。」
「幼い頃から変わりませんねぇ。
私は正しい、周りが悪いという心根は。
ちゃんと相手に確認もとらないで。
卑怯者のアイスリー様。」
「やれよ、やってこっちの言うことが正しかったと、後から思い知ればいい。
思い込みの激しいアイスリー。」
「プシュー、さあ、遠慮せず焼き払いなさい。
負の部分さえなくなれば、あなたは苦しまなくていい。
楽になりなさい、弱いアイスリー様。」
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