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全てのピースを揃えて

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「これだ!!」

私は思わず叫んた。

「しー!
レモニー様!!」

シャーリーンが口を塞ぐ。

ライオネルが外を確認するけど、誰も気づかなかったみたい。

よかった。

「つまり、単体でお茶だけ飲んだ人たちは、なんともないの。
この肌着にもし、カゲリナ草の繊維が編み込まれていたら、昼頃にはもう体の中には、その成分が吸収されている。
だからカゲリナ草は、肌着には絶対使っちゃダメなの。」

「それでお茶を飲んで亡くなったのが、王家の後継者たちなんですね。
その新調された肌着を着たばかりに。」

シャーリーンが、私の言葉に納得する。

「見分ける方法はないのか?」

ライオネルが質問してきた。

「あるわ。
カゲリナ草は、ニセバラ蟲の色を真っ赤に変えるの。」

私は試しに、肌着の切れ端を、ハンカチ越しに少しつまみ出すと、そこに茶葉を少量かけてみた。

濃い緑色の丸い粒が、次々と赤く染まっていく。

「わわわ!
なにこれ!」

「こんな、一瞬で。」

「結構入ってるわね。
確実に仕留めるためかもね。」

そこにキーアイテム入手の音がした。

ライカからの手紙を開く。

『キーアイテム入手ありがとう。
ことの真相は、わかったわ。
レモニカたちの子孫なのね、レモニー。
だから、あんな夢みたのかもね。
それにしても、ダリアといい、ミアといい我が子が可愛いのか、権力が欲しいのか。
怖いわね。
そのせいで周りをあんなめに合わせて最低な女よ!
さあ、どうやって追い詰めるからしらね!
あいつを!』

そうね。
私も驚いた。

・・・!そうだ、ライカ。
ミアと、ダリアの、キャラクター紹介欄を見てくれない?

『え?
キャラクター紹介欄を?』

私はこの二人が同一人物に思えてならないの。

そして、ニセバラ蟲がこの世界で何か、特別な効能ないかとか、見てみて。

例えば・・・人間を長生きさせるとかなんとか。

『あー、なんかそういうの、アイテム紹介とかであるよね。
ゲームの世界て、トンデモな機能をアイテムにつけたりするから。
どれどれ・・・。』

しばらくしてライカの手紙がに、文字が書かれていく。

『きゃー!!
いや、あのね、ミアとダリアは身長が全く同じ。
か、顔も似てる。
髪の色が違うだけ。
人物の略歴によると、ミアは王様の世話をする侍女から王妃に昇り詰めた女性なんだって。

ダリアは、貴族の出身。
でも、内乱で逃げ延びたあとは、行方不明になってて、そこはミアの出身地と同じ場所になってる!』

いよいよ怪しい!

それで、ニセバラ蟲はどう?

『あ、それね。
え、と、おおお!
乾燥させたニセバラ蟲は、香り付けだけじゃなくて、長く大量に服用すると不老長寿の効能があるんだって!!
特徴は、その人自身から香水をつけなくても、キツイ薔薇の香水の香りがするらしいわ!!
な、何よ、この女!!
こっちの方が魔女なんじゃない!?」

う、うーん。

現実はいざ知らず、ゲームの世界は、アニメも同じで歳をとらないからなー。

この現象が、この世界でどう解釈されるかわかんないな。

『それにしても、150年も変わらないキャラクター、て、もはや人間の設定できないわよ? 
現実のこちらの年数じゃなくて、その世界の中で、150年なんだから。
エルフとか、天使とか、魔物とかのレベルよ。
おまけにそこは、昔の荒いポリゴンのキャラならわかりにくいけど、もはや、実写並みに美しいイケメンの園のゲームなのよ!?
そんなクオリティーの中で、歳を取らない人間の女?
無理がない?
生まれ変わるとかでもない限り』

そ、そうなの・・・かな?

ん?
あれ?

『どうしたの?』

「レモニー様?」

「なんだ?」

「レモニカの日記と、領主の手記、それからパティスンの手記。
この三冊は表紙を並べると植物の絵になる。」

私の言葉に、ライオネルとシャーリーンも頷く。

その瞬間、キーアイテムの音が鳴る。

ライカの手紙に再び文字が浮かんできた。

『あ、最後のキーアイテムだって!
なになに?
その植物は、『レマニカル』。
全ての毒を無効化する、究極の万能薬になるんだって。
画面に場所を教える、て出てる。
地図にマーキング出てるわ。

中庭の真ん中だ・・・。』

「中庭の真ん中にレマニカルという、万能薬になる植物・・・。」

私がつぶやく。
中庭は目の前だけど、人に見つかったら・・・。

「あ、私行きますよ。」

シャーリーンが、さっと駆け出した。

私とライオネルは、心配しながら、二階の窓からシャーリーンを見守る。

あれ?なんか動きがカクカクしてる。
これ、まさかミニゲームみたいになってて、ライカが動かしてるのでは?

・・・いきなりミニゲーム挟む展開はRPGに多いよね・・・。

流石さすがにこれは、プレイヤーであるライカが、操作するみたい。

何度か見つかりそうになりながら、シャーリーンは戻ってきた。

「はい、レモニー様!」

「ありがとう。
体は大丈夫?
シャーリーン。」

「え?
そういやいつもと比べたら、体が少し固かったですね。」

そこでキーアイテムが、揃った音がした。

ライカの手紙を見ると、

『そのレマニカルは、レモニーが持つべきと書いてあるわ。
お守りだって、書いてある。
さあ、対決は明日よ?
もう、戻った方がいいわ。』

と書いてある。

私たちは、ケルフェネス王子の部屋に戻って行った。

隠し部屋を抜けて、ケルフェネス王子の寝室へと入っていく。

「ケルフェネス、肌着が送られてきてないか?」

と、ライオネルが質問すると、ケルフェネス王子は驚いた顔をして、

「え?
なんで知ってるんです?
今度お茶会が外であるから、虫対策された肌着だって、昨日、王から直々にいただきましたよ。
兄妹全員もらったんです。」

と、言った。

「どこにあります?
着てはいけません!」

私もケルフェネス王子に詰め寄った。

「あ、え?
試しに今着てみてるんですよ。
肌触りもいいし、吸水性も悪くない・・・。」

「脱げ!
ケルフェネス!」

「そうです!
すぐに脱がないと!」

私たち3人に迫られて、ケルフェネスが思わず後ろへ後ずさる。

「な・・・なんなんですか?」

「説明はあとでしてやる!
ほら!
こっち来い!」

ライオネルに連れられて、ケルフェネス王子が隠し部屋で、着替えさせられている音がする。

戻ってきたケルフェネス王子に説明すると、驚いて脱いだ肌着をまじまじと見る。

「着てからどれくらい経ちますか?」

私が心配して尋ねると、

「本当ついさっきです。
しかし、ほかの兄妹にも伝えないとな。
でも、私は部屋を出れません。
レモニー様と朝まで過ごすことになってるから。」

と、言った。

「・・・とりあえずニセバラ蟲の入ったお茶を飲まなければ大丈夫です。」

と答え、これまでわかったことをかいつまんで説明した。

「そんなことが・・・。
胸が痛むな。
でも、そうなると兄上。
あとは、兄上がレモニー様の処刑執行書のサインを、強要されるかもですね。」

「死んでもするか、そんなもの。」


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