3 / 76
悪役なのに、悪いことをしてないの?
しおりを挟む
私が喉元に迫った刃に怯えて震えていると、シャーリーンが素早くサーベルを持つ手を蹴り上げた。
ケルフェネス王子も、思わずサーベルを落とす。
「レモニー様、こちらへ!」
シャーリーンが私の手を引いて、その場を逃げ出す。
あわわ、こんなシーンもなかったはずよ!?
「レモニーが逃げたぞ!
追え!」
追手がかかって、必死に逃げる。
「ご指示を!
レモニー様!」
シャーリーンが叫ぶ。
「えぇ!?
あ、えっ・・・とぉ。」
そもそも、左大臣にいくはずの毒のワインは事前に回避してるし、隣国の王子の使節団に毒の入ったワインがいくなんて展開は聞いたことがない。
ただ・・・結末は同じ、処刑。
道筋を少々変えたくらいでは、結末に影響しないってこと!?
でも、このままじゃいけない。
とにかくどこかに隠れないと!
「シャーリーン!
そこの部屋へ!
早く!」
私たちは手近な部屋の中へと逃げ込んだ。
気づかないで!
そのまま行って!
そう思っていると、追手は不思議とこの部屋を捜索せずに、遠くへ離れていく。
さすが、行動に合わせて結果の方が変わってくれる、トンデモキャラ。
でもこのままじゃいけない。
助けてくれるイケメンキャラも出てこない。
ヒントもない。
ま、本来どちらもヒロインのためにあるもので、悪役用というのは聞いたことがない。
あ、そういえば、ゲームの中でも、誰が毒入りのワインを仕込んだかは、最後までわからなかったな。
プレイヤーの間でも議論されていたけど、答えは出なかった。
制作者側も伏せていたし。
「シャーリーン、毒の入ったワインはそれからどうしたの?」
私はシャーリーンに尋ねた。
「その場で割って中身は捨てました。」
「ということは、使節団の方に私の名を騙ってワインを届けたものがいる、と。」
「そうなります。
少し、調べて参ります。
このままお待ちを・・・。」
そういうと、シャーリーンは素早く部屋を出て行った。
一体誰が・・・、レモニーに恨みがある人?
相当ひどい悪女キャラクターだから、そりゃいくらでもいそうだけど。
「お待たせ致しました。」
シャーリーンが戻ってきた。
「はやっ。」
「使節団に送られてきたワインは、確かに贈呈用に準備したワインと、同じラベルが貼られておりました。
しかし、中身が全然違いますわ。
あれは、左大臣の領地でとれるワインです。」
シャーリーンがはっきり言った。
「え?
左大臣?
じゃ、自作自演?」
「なんです?」
シャーリーンが首を傾げた。
「あ、ううん。
左大臣は、ライカ様に恋してらしたわね?」
「はい。
はたから見てもわかるくらい、熱心に。
ティモシー王子がお守りしてくださってるので、実害はありませんが。」
「私てっきり・・・、私を嫌うライカ様がそんなことをしたのかと・・・。」
「無理でしょうね。
でも、ライカ様を慕う殿方は沢山いますからね。
ケルフェネス王子も、その他の王子たちも、皆ライカ様に恋してらっしゃいます。
まるでそれが当たり前のように。」
そりゃね。
それが恋愛ゲームの醍醐味でしょ。
私はため息をついた。
こう言う場合、ヒロインを想う男性キャラクターが動いて、悪役を排除しようとする動きを見せることが多い。
今日のこの日を迎えるまでに、レモニーがヒロインに犯した悪さを振り返ると・・・。
1・ヒロインのドレスにわざとワインをかけて、笑いものにしようとした。
2・お茶会で飲み物に下剤を仕込んで、はしたないところを王子に見せようとした。
3・惚れ薬を従者に仕込んで、王子の前で奪わせようとした。
4・誘拐して売り飛ばそうとした。
5・王子と一緒に街に視察に行った時、その街ごと燃やして焼き殺そうとした。
そして、本来今日のパレードでは、馬車の車輪を外して事故に見せかけて葬ろうした・・・だっけ。
恋愛ゲームにあるまじき過激さよね・・・。
もはや、バイオレンスものよ。
でも、それを乗り越えるたびに、王子とヒロインはお互いの絆を強めていく。
深く愛し合うようになるんだったな。
でも、こういう筋なのであれば、レモニーなら、普通に毒入りのワインを贈りそう。
なぜ、これだけ彼女のやったことじゃないんだろ。
行動を起こせば、その通りに結果が変わるトンデモキャラ、レモニーなのに。
ん?
「ねぇ、シャーリーン。
そういえば、ライカ様のピンチの時にいらしたのは、ティモシー王子をはじめとする、攻略対象の王子たちだけ?」
「攻略対象とは?」
「あ、ごめんなさい。
忘れて。
ライカ様に恋する王子たちだけが、彼女に危機が迫った時にいらしたのかしら。
なぜ、ライカ様は助かったんだったかしら。」
事前に察知して、王子たちをそこに誘導するキャラクターがいたな。
シャーリーンが、顎に親指を立てて考えている。
「確か・・・、左大臣の元従者、ライオネルがいつも王子たちに知らせていたと聞いています。」
ライオネル!
シャーリーン並みに有能な従者で、攻略対象のキャラクターを誰にするかで、その服装と髪型が変わる異色のキャラクター。
常に攻略対象の侍従として、存在する。
プレイヤーの、今の攻略対象はティモシー王子のはず。
つまり、今はティモシー王子の侍従とういうこと。
「あいつは油断なりません。」
シャーリーンが珍しく、少し恐れたような顔をしている。
「レモニー様の思惑を先読みして、常に手を打ってくる。
まるで、全てを知った上で行動しているように見えます。」
「彼も、ライカ様を慕うのかしら?」
「そのように見えますが、わかりません。
目的はライカ様のためというより、あるべき道を敷いて、そこを歩ませようとしているように見えます。」
「あるべき道・・・。」
つまり、ゲームの本筋を逸らさないようにする、補正をかけるキャラクターなのかしら。
まずいわ。
このままでは、処刑の結末が変わらない。
「私がひどい女だから、避けられないのかもね。」
シャーリーンが、顔を上げてじっとこちらを見る。
「本当に、今日はどうなさったんですか?
あなたは確かに、性格も行いも最低の人間です。
でも、あなたは口ばかりで、何もライカ様にはしてらっしゃらないんですよ?」
「命令して、嫌がらせの限りを彼女にしたじゃない・・・。」
「・・・?
どなたに?
レモニー様、誰に何をお命じに?」
「え?
あなたに色々指示をしたんでしょ?」
「あれは指示ではなく、愚痴でしょう。
ワインをぶっかけてやりたいとか、下剤を飲ませたいとかおっしゃってましたけど、あなたは翌日はすぐお取り消しになってました。
肝が小さいくせに、口にする方なので、私は何も致しませんでしたよ。」
「ええ!?」
「私は、最後の最後にビビって逃げるような、あなたの卑劣な性格を知り尽くしております。
悪事というのは、最後にどんと構えられる人がやるものです。
つまり、あなたは何もしていないんです。」
ケルフェネス王子も、思わずサーベルを落とす。
「レモニー様、こちらへ!」
シャーリーンが私の手を引いて、その場を逃げ出す。
あわわ、こんなシーンもなかったはずよ!?
「レモニーが逃げたぞ!
追え!」
追手がかかって、必死に逃げる。
「ご指示を!
レモニー様!」
シャーリーンが叫ぶ。
「えぇ!?
あ、えっ・・・とぉ。」
そもそも、左大臣にいくはずの毒のワインは事前に回避してるし、隣国の王子の使節団に毒の入ったワインがいくなんて展開は聞いたことがない。
ただ・・・結末は同じ、処刑。
道筋を少々変えたくらいでは、結末に影響しないってこと!?
でも、このままじゃいけない。
とにかくどこかに隠れないと!
「シャーリーン!
そこの部屋へ!
早く!」
私たちは手近な部屋の中へと逃げ込んだ。
気づかないで!
そのまま行って!
そう思っていると、追手は不思議とこの部屋を捜索せずに、遠くへ離れていく。
さすが、行動に合わせて結果の方が変わってくれる、トンデモキャラ。
でもこのままじゃいけない。
助けてくれるイケメンキャラも出てこない。
ヒントもない。
ま、本来どちらもヒロインのためにあるもので、悪役用というのは聞いたことがない。
あ、そういえば、ゲームの中でも、誰が毒入りのワインを仕込んだかは、最後までわからなかったな。
プレイヤーの間でも議論されていたけど、答えは出なかった。
制作者側も伏せていたし。
「シャーリーン、毒の入ったワインはそれからどうしたの?」
私はシャーリーンに尋ねた。
「その場で割って中身は捨てました。」
「ということは、使節団の方に私の名を騙ってワインを届けたものがいる、と。」
「そうなります。
少し、調べて参ります。
このままお待ちを・・・。」
そういうと、シャーリーンは素早く部屋を出て行った。
一体誰が・・・、レモニーに恨みがある人?
相当ひどい悪女キャラクターだから、そりゃいくらでもいそうだけど。
「お待たせ致しました。」
シャーリーンが戻ってきた。
「はやっ。」
「使節団に送られてきたワインは、確かに贈呈用に準備したワインと、同じラベルが貼られておりました。
しかし、中身が全然違いますわ。
あれは、左大臣の領地でとれるワインです。」
シャーリーンがはっきり言った。
「え?
左大臣?
じゃ、自作自演?」
「なんです?」
シャーリーンが首を傾げた。
「あ、ううん。
左大臣は、ライカ様に恋してらしたわね?」
「はい。
はたから見てもわかるくらい、熱心に。
ティモシー王子がお守りしてくださってるので、実害はありませんが。」
「私てっきり・・・、私を嫌うライカ様がそんなことをしたのかと・・・。」
「無理でしょうね。
でも、ライカ様を慕う殿方は沢山いますからね。
ケルフェネス王子も、その他の王子たちも、皆ライカ様に恋してらっしゃいます。
まるでそれが当たり前のように。」
そりゃね。
それが恋愛ゲームの醍醐味でしょ。
私はため息をついた。
こう言う場合、ヒロインを想う男性キャラクターが動いて、悪役を排除しようとする動きを見せることが多い。
今日のこの日を迎えるまでに、レモニーがヒロインに犯した悪さを振り返ると・・・。
1・ヒロインのドレスにわざとワインをかけて、笑いものにしようとした。
2・お茶会で飲み物に下剤を仕込んで、はしたないところを王子に見せようとした。
3・惚れ薬を従者に仕込んで、王子の前で奪わせようとした。
4・誘拐して売り飛ばそうとした。
5・王子と一緒に街に視察に行った時、その街ごと燃やして焼き殺そうとした。
そして、本来今日のパレードでは、馬車の車輪を外して事故に見せかけて葬ろうした・・・だっけ。
恋愛ゲームにあるまじき過激さよね・・・。
もはや、バイオレンスものよ。
でも、それを乗り越えるたびに、王子とヒロインはお互いの絆を強めていく。
深く愛し合うようになるんだったな。
でも、こういう筋なのであれば、レモニーなら、普通に毒入りのワインを贈りそう。
なぜ、これだけ彼女のやったことじゃないんだろ。
行動を起こせば、その通りに結果が変わるトンデモキャラ、レモニーなのに。
ん?
「ねぇ、シャーリーン。
そういえば、ライカ様のピンチの時にいらしたのは、ティモシー王子をはじめとする、攻略対象の王子たちだけ?」
「攻略対象とは?」
「あ、ごめんなさい。
忘れて。
ライカ様に恋する王子たちだけが、彼女に危機が迫った時にいらしたのかしら。
なぜ、ライカ様は助かったんだったかしら。」
事前に察知して、王子たちをそこに誘導するキャラクターがいたな。
シャーリーンが、顎に親指を立てて考えている。
「確か・・・、左大臣の元従者、ライオネルがいつも王子たちに知らせていたと聞いています。」
ライオネル!
シャーリーン並みに有能な従者で、攻略対象のキャラクターを誰にするかで、その服装と髪型が変わる異色のキャラクター。
常に攻略対象の侍従として、存在する。
プレイヤーの、今の攻略対象はティモシー王子のはず。
つまり、今はティモシー王子の侍従とういうこと。
「あいつは油断なりません。」
シャーリーンが珍しく、少し恐れたような顔をしている。
「レモニー様の思惑を先読みして、常に手を打ってくる。
まるで、全てを知った上で行動しているように見えます。」
「彼も、ライカ様を慕うのかしら?」
「そのように見えますが、わかりません。
目的はライカ様のためというより、あるべき道を敷いて、そこを歩ませようとしているように見えます。」
「あるべき道・・・。」
つまり、ゲームの本筋を逸らさないようにする、補正をかけるキャラクターなのかしら。
まずいわ。
このままでは、処刑の結末が変わらない。
「私がひどい女だから、避けられないのかもね。」
シャーリーンが、顔を上げてじっとこちらを見る。
「本当に、今日はどうなさったんですか?
あなたは確かに、性格も行いも最低の人間です。
でも、あなたは口ばかりで、何もライカ様にはしてらっしゃらないんですよ?」
「命令して、嫌がらせの限りを彼女にしたじゃない・・・。」
「・・・?
どなたに?
レモニー様、誰に何をお命じに?」
「え?
あなたに色々指示をしたんでしょ?」
「あれは指示ではなく、愚痴でしょう。
ワインをぶっかけてやりたいとか、下剤を飲ませたいとかおっしゃってましたけど、あなたは翌日はすぐお取り消しになってました。
肝が小さいくせに、口にする方なので、私は何も致しませんでしたよ。」
「ええ!?」
「私は、最後の最後にビビって逃げるような、あなたの卑劣な性格を知り尽くしております。
悪事というのは、最後にどんと構えられる人がやるものです。
つまり、あなたは何もしていないんです。」
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
悪役令嬢予定でしたが、無言でいたら、ヒロインがいつの間にか居なくなっていました
toyjoy11
恋愛
題名通りの内容。
一応、TSですが、主人公は元から性的思考がありませんので、問題無いと思います。
主人公、リース・マグノイア公爵令嬢は前世から寡黙な人物だった。その為、初っぱなの王子との喧嘩イベントをスルー。たった、それだけしか彼女はしていないのだが、自他共に関連する乙女ゲームや18禁ゲームのフラグがボキボキ折れまくった話。
完結済。ハッピーエンドです。
8/2からは閑話を書けたときに追加します。
ランクインさせて頂き、本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
お読み頂き本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
応援、アドバイス、感想、お気に入り、しおり登録等とても有り難いです。
12/9の9時の投稿で一応完結と致します。
更新、お待たせして申し訳ありません。後は、落ち着いたら投稿します。
ありがとうございました!
侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
未亡人クローディアが夫を亡くした理由
臣桜
キャラ文芸
老齢の辺境伯、バフェット伯が亡くなった。
しかしその若き未亡人クローディアは、夫が亡くなったばかりだというのに、喪服とは色ばかりの艶やかな姿をして、毎晩舞踏会でダンスに興じる。
うら若き未亡人はなぜ老齢の辺境伯に嫁いだのか。なぜ彼女は夫が亡くなったばかりだというのに、楽しげに振る舞っているのか。
クローディアには、夫が亡くなった理由を知らなければならない理由があった――。
※ 表紙はニジジャーニーで生成しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる