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九章
戦闘準備完了
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俺とフィオは、翌日ニャルパンの鍛冶屋を訪れていた。
オベリア様は、朝一番にタインシュタ・フランに送られて帰国したそうだ。
彼女も、地上の防衛を担うからな。
俺たちも、しっかりしないと。
「ニャルパン。装備を取りに来た」
俺が言うと、ニャルパンは人の良い笑顔を浮かべる。
「ニャニャ! ご両人、今日も仲良しニャ」
「か、からかうなよ」
俺が照れくさくなって顔を逸らすと、肩に乗ったオウムのフェイルノが、口を出してきた。
「イツモ、ナカヨシ。チュウ、シテルナカ」
「知ってるニャ。羨ましいニャー」
「やめろって! フェイルノ! お前どうしてそう、ペラペラと……!!」
「フーン、ダ」
「こいつ!」
「はいはい、動物をいじめるのはダメニャ」
「くすくす……そうよ? アーチロビン」
「なんで、俺ばかり」
「スネないニャ。追加注文の分もできてるニャよ」
「あ、ありがとう」
「備えは大事ニャよ」
「あぁ、杞憂だとは思うんだけど、備えたいんだよな」
「いいニャ。はい、どうぞ」
「さすが、仕事が早いな」
「すごいなぁ、ニャルパン。尊敬しちゃう」
俺とフィオが褒めると、ニャルパンは顔を赤くして頭を掻いた。
「いやー、可愛い女の子に褒められると、天に昇りそうになるニャ」
「おいおい、まだ昇天しないでくれ」
「ふふ、魔王の居城には、まだ入れないニャ?」
「ああ、魔王が現世に生まれるまで、堅い結界に守られてる」
「誕生まで守られる。……本当に英雄並みの扱いニャな……」
「守りに徹してるうちは、攻めてもこないしな。その間が、こちらも準備期間だ」
「そうニャね!!」
談笑する俺たちのところに、ケルヴィン殿下たち一行がやってくる。
タインシュタ・フランも一緒か。
彼はニャルパンの鍛冶屋を、興味津々の目で見ていた。
「ほう……あらゆる術具まで製作可能なようだな。私も贔屓にしよう」
「ニャニャ、嬉しいニャ」
ニャルパンは、嬉しそうにしながら、奥から沢山の矢を持ってきた。
「兄さん、これがその神弓用の矢ニャ」
「まるで針金のような細さだな」
「構えてみるニャ」
俺は、極細の矢をつがえた。
キュイィィ……。
弦を引いた途端、矢は光を纏っていつもの太さへと変化する。
「兄さんの気と、神弓の気が合わさって矢に力が注がれるニャ。んー、いい出来ニャ」
「すごい……ありがとう、ニャルパン」
俺が矢を放たずに、構えを解くと、矢は元の極細の矢へと戻る。
これだけ細ければ、矢筒に沢山入って尚且つ軽い。
「兄さんの力も、より強くなったはずニャ。あとは魔王が、どう出てくるか、ニャだ」
「ああ、心配は尽きないけど、ニャルパンの作ってくれたこの防具があれば、凌げるさ」
「ふふ、少々のクリティカル攻撃も防げるニャよ。防具には、『ダメージ90%減』を可能にする素材を使用してるニャ」
「おおー」
「こっちの腕輪は、状態異常を防ぐ効果があるニャ。そして、こっちは『翼の靴』」
「翼の靴?」
「地面から十センチほど、浮遊できるニャよ。足音がたたなくて、いいニャ。それに、異空間の中に取り込まれても、うまく浮遊できるニャ」
「すごい」
「ただし、ニャ」
「ん?」
「普通の世界、つまり、今ここにいる世界では、地面から離れすぎると、普通に落下するニャよ。高いところから、落ちないでくれニャ」
「あ、ああ。覚えとく。ニャルパンは鍛冶屋というより、なんでも屋だな」
「ふふふ、照れるニャ」
俺たちは、それぞれの装備を装着して、軽く体を動かしてみた。
「すごいなぁ、重さを感じないよ」
聖騎士ギルバートが、槍の型の動きを一通りやって、感心している。
「おお、すごい。魔導士はどうしても体力面が低いからの。これは代謝を上げて、疲労を取り去る効果もついておるな」
魔導士ティトも、ロッドを振りながら満足そうだ。
「わあ、ピッタリ。サイズも測ってないのに」
フィオも、自分の姿を鏡にうつして、クルクル回っている。
「そりゃもう、舐めるようにしっかり見て……あ、いやいや、大体の目測でわかるニャよ、このニャルパン様は」
ニャルパンは、ケルヴィン殿下の装備の装着を手伝っていた。
「これは最高だ。王室付きの武器、防具屋より、腕が上だな。うちの専属にしたい。ガルズンアース国に来ないか?」
ケルヴィン殿下が、ニャルパンを振り向いて言う。
「嬉しいニャけど、俺っちはこの炉から離れられないニャ。注文なら受けるニャよ」
「そうか……仕方ない」
「ケルヴィン殿下、みんなの回復薬は揃えたニャ?」
「ああ、もちろん。飛空挺ディアモンドに積み込んでる」
ニャルパンは、頷きながら腰に手を当てる。
「ケルヴィン殿下、素晴らしいニャ。魔法ばかりでは、回復が追いつかない時もあるニャんしね」
「そうだな」
ケルヴィン殿下とニャルパンも、仲良くなれて何よりだな。
その時だ。
ガタン!!
一瞬ふらついたフィオが、胸を押さえて俺を見る。
なんだ? どうした!?
思わず彼女に駆け寄った。
フィオは、俺を見上げて袖を掴んでくる。
「アーチロビン!!」
ゾク!!
彼女の声と同時に、俺は氷のような寒気を感じた。
うなじの毛が逆立つような、この感じ……なんだ!?
少し遅れて、魔導士ティト、聖騎士ギルバートも、表情が硬くなる。
「魔王……」
俺が言うと、みんな頷いた。
「ついに生まれ出でたか」
外に出る魔導士ティトの後を、俺たちも追う。
空一面には、シールドが張られていた。
神官たち、そしてテデュッセアの結界だ……。
空中には、魔王の住む島が浮いている。
真上にきた!?
そう思っていると、強烈な光が落ちてきた。
ガガガ!!
シールドを削るような音がして、振動が伝わってくる。
それを見ていた人々の悲鳴が、あちこちで上がり始めた。
「きゃー!」
「うわぁー!!」
逃げ惑う人々を避けながら、空を見上げる。
「挨拶代わりの一撃か!」
俺たちが、ここにいるとわかっているんだな。
早く来いと、催促されているようだ。
「魔王の居城へは、もう突入可能だろうか」
俺が上を見上げながら言うと、魔導士ティトが、頷いた。
「おう、余程自信があるのじゃ。結界を全て解いて待ち受けておるようじゃな」
……そうか。
かかってこいと、言っているのだな。
「ケルヴィン殿下!!」
俺は、ケルヴィン殿下に声をかけた。いよいよだ。
「飛空挺ディアモンドに乗り込むぞ!!」
ケルヴィン殿下はそう言って、俺たちを飛空挺の中へと誘導した。
一度地上を離れたら、俺たちは魔王を倒すまで戻れない。
「みんな……!」
俺は、乗り込む前のみんなを見回した。
誰一人欠けることなく、ここに戻る。
勝利と共に。
「必ずやり遂げて、凱旋しよう!!」
俺が言うと、みんな頷いた。
オベリア様は、朝一番にタインシュタ・フランに送られて帰国したそうだ。
彼女も、地上の防衛を担うからな。
俺たちも、しっかりしないと。
「ニャルパン。装備を取りに来た」
俺が言うと、ニャルパンは人の良い笑顔を浮かべる。
「ニャニャ! ご両人、今日も仲良しニャ」
「か、からかうなよ」
俺が照れくさくなって顔を逸らすと、肩に乗ったオウムのフェイルノが、口を出してきた。
「イツモ、ナカヨシ。チュウ、シテルナカ」
「知ってるニャ。羨ましいニャー」
「やめろって! フェイルノ! お前どうしてそう、ペラペラと……!!」
「フーン、ダ」
「こいつ!」
「はいはい、動物をいじめるのはダメニャ」
「くすくす……そうよ? アーチロビン」
「なんで、俺ばかり」
「スネないニャ。追加注文の分もできてるニャよ」
「あ、ありがとう」
「備えは大事ニャよ」
「あぁ、杞憂だとは思うんだけど、備えたいんだよな」
「いいニャ。はい、どうぞ」
「さすが、仕事が早いな」
「すごいなぁ、ニャルパン。尊敬しちゃう」
俺とフィオが褒めると、ニャルパンは顔を赤くして頭を掻いた。
「いやー、可愛い女の子に褒められると、天に昇りそうになるニャ」
「おいおい、まだ昇天しないでくれ」
「ふふ、魔王の居城には、まだ入れないニャ?」
「ああ、魔王が現世に生まれるまで、堅い結界に守られてる」
「誕生まで守られる。……本当に英雄並みの扱いニャな……」
「守りに徹してるうちは、攻めてもこないしな。その間が、こちらも準備期間だ」
「そうニャね!!」
談笑する俺たちのところに、ケルヴィン殿下たち一行がやってくる。
タインシュタ・フランも一緒か。
彼はニャルパンの鍛冶屋を、興味津々の目で見ていた。
「ほう……あらゆる術具まで製作可能なようだな。私も贔屓にしよう」
「ニャニャ、嬉しいニャ」
ニャルパンは、嬉しそうにしながら、奥から沢山の矢を持ってきた。
「兄さん、これがその神弓用の矢ニャ」
「まるで針金のような細さだな」
「構えてみるニャ」
俺は、極細の矢をつがえた。
キュイィィ……。
弦を引いた途端、矢は光を纏っていつもの太さへと変化する。
「兄さんの気と、神弓の気が合わさって矢に力が注がれるニャ。んー、いい出来ニャ」
「すごい……ありがとう、ニャルパン」
俺が矢を放たずに、構えを解くと、矢は元の極細の矢へと戻る。
これだけ細ければ、矢筒に沢山入って尚且つ軽い。
「兄さんの力も、より強くなったはずニャ。あとは魔王が、どう出てくるか、ニャだ」
「ああ、心配は尽きないけど、ニャルパンの作ってくれたこの防具があれば、凌げるさ」
「ふふ、少々のクリティカル攻撃も防げるニャよ。防具には、『ダメージ90%減』を可能にする素材を使用してるニャ」
「おおー」
「こっちの腕輪は、状態異常を防ぐ効果があるニャ。そして、こっちは『翼の靴』」
「翼の靴?」
「地面から十センチほど、浮遊できるニャよ。足音がたたなくて、いいニャ。それに、異空間の中に取り込まれても、うまく浮遊できるニャ」
「すごい」
「ただし、ニャ」
「ん?」
「普通の世界、つまり、今ここにいる世界では、地面から離れすぎると、普通に落下するニャよ。高いところから、落ちないでくれニャ」
「あ、ああ。覚えとく。ニャルパンは鍛冶屋というより、なんでも屋だな」
「ふふふ、照れるニャ」
俺たちは、それぞれの装備を装着して、軽く体を動かしてみた。
「すごいなぁ、重さを感じないよ」
聖騎士ギルバートが、槍の型の動きを一通りやって、感心している。
「おお、すごい。魔導士はどうしても体力面が低いからの。これは代謝を上げて、疲労を取り去る効果もついておるな」
魔導士ティトも、ロッドを振りながら満足そうだ。
「わあ、ピッタリ。サイズも測ってないのに」
フィオも、自分の姿を鏡にうつして、クルクル回っている。
「そりゃもう、舐めるようにしっかり見て……あ、いやいや、大体の目測でわかるニャよ、このニャルパン様は」
ニャルパンは、ケルヴィン殿下の装備の装着を手伝っていた。
「これは最高だ。王室付きの武器、防具屋より、腕が上だな。うちの専属にしたい。ガルズンアース国に来ないか?」
ケルヴィン殿下が、ニャルパンを振り向いて言う。
「嬉しいニャけど、俺っちはこの炉から離れられないニャ。注文なら受けるニャよ」
「そうか……仕方ない」
「ケルヴィン殿下、みんなの回復薬は揃えたニャ?」
「ああ、もちろん。飛空挺ディアモンドに積み込んでる」
ニャルパンは、頷きながら腰に手を当てる。
「ケルヴィン殿下、素晴らしいニャ。魔法ばかりでは、回復が追いつかない時もあるニャんしね」
「そうだな」
ケルヴィン殿下とニャルパンも、仲良くなれて何よりだな。
その時だ。
ガタン!!
一瞬ふらついたフィオが、胸を押さえて俺を見る。
なんだ? どうした!?
思わず彼女に駆け寄った。
フィオは、俺を見上げて袖を掴んでくる。
「アーチロビン!!」
ゾク!!
彼女の声と同時に、俺は氷のような寒気を感じた。
うなじの毛が逆立つような、この感じ……なんだ!?
少し遅れて、魔導士ティト、聖騎士ギルバートも、表情が硬くなる。
「魔王……」
俺が言うと、みんな頷いた。
「ついに生まれ出でたか」
外に出る魔導士ティトの後を、俺たちも追う。
空一面には、シールドが張られていた。
神官たち、そしてテデュッセアの結界だ……。
空中には、魔王の住む島が浮いている。
真上にきた!?
そう思っていると、強烈な光が落ちてきた。
ガガガ!!
シールドを削るような音がして、振動が伝わってくる。
それを見ていた人々の悲鳴が、あちこちで上がり始めた。
「きゃー!」
「うわぁー!!」
逃げ惑う人々を避けながら、空を見上げる。
「挨拶代わりの一撃か!」
俺たちが、ここにいるとわかっているんだな。
早く来いと、催促されているようだ。
「魔王の居城へは、もう突入可能だろうか」
俺が上を見上げながら言うと、魔導士ティトが、頷いた。
「おう、余程自信があるのじゃ。結界を全て解いて待ち受けておるようじゃな」
……そうか。
かかってこいと、言っているのだな。
「ケルヴィン殿下!!」
俺は、ケルヴィン殿下に声をかけた。いよいよだ。
「飛空挺ディアモンドに乗り込むぞ!!」
ケルヴィン殿下はそう言って、俺たちを飛空挺の中へと誘導した。
一度地上を離れたら、俺たちは魔王を倒すまで戻れない。
「みんな……!」
俺は、乗り込む前のみんなを見回した。
誰一人欠けることなく、ここに戻る。
勝利と共に。
「必ずやり遂げて、凱旋しよう!!」
俺が言うと、みんな頷いた。
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