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1章
王子との出会い
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ソウルイーターたちは、乱入した俺をすぐに敵だとみなして、威嚇してきた。
こいつらの、エナジードレインは脅威だ。生気を根こそぎ抜かれてしまう。
俺は弓を引き絞り、足元の屋根に矢を放つ。矢が刺さった屋根は、カッと一瞬だけ光った。後ろの男は、その様子を見て戸惑った声をあげる。
「お、おい! 敵は上だぞ!? 何故、足場に撃つんだ!? ちゃんと狙わないと!」
確かに、常識ではそうなるよな。武器は相手に撃ち込むもの。
だが。
「これでいい」
「なんだと!?」
俺は混乱する男の声を聞きながら、ソウルイーターたちを見た。鎌を持つ手が震え、エナジードレインをしようとした口が、開けずにいる。
かかったな。
ソウルイーターたちは、俺たちの周りをぐるぐる回って、再度攻撃を試みている。
一回……二回……。
俺は無意識にカウントする。
「ゴギャァァァァ!!」
奴らの一体が、霧散していく。
三回目の攻撃を繰り出そうとしたな。
三回目の攻撃のダメージは、本人に跳ね返る。
それを見たソウルイーターたちは、慌ててその場から逃げていった。
ふぅ、よかった。
俺が肩から力を抜くと、後ろからまた声がかかる。
「驚いた。見事な力だ」
俺は振り向いてその男と対峙した。
彼は黒髪を靡かせ、どこか育ちの良さを感じさせる品のいい面差しをしている。
ケルヴィン殿下に違いない。
俺は片膝をついて、跪いた。
「ありがとうございます」
「あー、よせよせ。恩人が跪くな」
「ケルヴィン殿下でいらっしゃいま───」
「ゴホ! ゴホゴホゴホ!!」
彼は慌てて咳払いをすると、俺の腕を掴んで宿屋の中に引き込んだ。
「部屋をとってるんだ。話はそこで。……あまり長居はできないが」
「え」
「ソウルイーターをけしかけた奴が、どこかにいる」
「殿下を狙うなんて」
「はは、痛い腹を探られたくないんだろ」
「……」
「この部屋へ。一番見つかりにくい部屋なんだ」
そこへフィオもやってきて、廊下で合流する。
心なしか、彼女の顔が赤い。
なんだ?
「す、すごいのね、アーチロビン。あ、あれが、あなたの力なの? あんなにたくさんのソウルイーターを、一度に退散させるなんて」
フィオがモジモジしながら言う。
初めて見るから、そう思うよな。
「あぁ、そうだ」
「素敵……」
「は?」
「な、なんでもない! ごめんなさい!」
フィオが両手を頬にあてて、狐の耳を横に倒す。尻尾まで、横にフリフリ揺れていた……照れてるのか?
こっちまで、ドキドキしてきそうになる。
「おーい、部屋に入るぞ、お二人さん!」
俺とフィオは、彼からそう言われて、目の前の部屋に押し込まれた。
彼は部屋の中にある長椅子に腰掛けると、俺にも向かいの席を勧めてくる。
王族の真向かいなんて、非礼じゃないのか……?
俺は首を横に振って、立ったまま話そうとしたが、彼は無理矢理座らせてくる。
「いいって。お前は恩人だ。助けてくれて、ありがとう」
にこにこと笑うその表情は、本当に王子なのかと驚くほどだ。
でも、威厳を漂わせるその雰囲気は、只人ではないことを伝えてくる。
「では、改めてお尋ねいたします。あなたは、ケルヴィン殿下でいらっしゃいますか?」
俺が尋ねると、彼はこくんと頷いた。
「いかにも。ケルヴィン・ガイラ・ホーンロックだ。訳あって市井に降りている。このことは内密にな」
「はい、もちろん」
「で?『名無しの弓使い』は通り名だろう。本名は?」
「はい、アーチロビン・タントリスと申します」
「なかなか会えないと聞いていたが、そっちから来てくれるなんて、嬉しいな」
「おそれいります」
「さっきのあの力、一体どうなってるんだ? 敵ではなく、足元に矢を撃ち込んだろ?」
「はい。ああして、力場を作っているのです」
「力場?」
「相手の力の流れに干渉する力場です。俺の矢が作る力場に捕まった相手は、攻撃が二回抑制され、三回目の攻撃が己に跳ね返ります」
「『二度の攻撃抑止、三度目に自分の力によってダメージを受ける』、例外はないのか?」
「ありません。どんな敵も、三の倍数ごとに自分の攻撃にさらされます。攻撃をやめなければ、敵は自滅するまでこれを繰り返す」
「例外なく自分の攻撃が跳ね返る……まさに『絶対反転』というわけだな」
絶対反転か。新しい言葉だ。改めて名前をつけられると気恥ずかしい気もするが、正しく理解してくれているならそれでいい。
「恐ろしい力だ。ところでアーチロビン、力場についてだが、足元にしかできないのか?」
「足元の方が素早く、飛んでいる相手にも有効なので、俺はよく使います。ケルヴィン殿下」
「ほう、気に入った」
ケルヴィン殿下は、前のめりになって俺を見た。
「なら、これからの旅に、その力を役立ててくれるのだな」
「いえ、私が来たのは、お断りするためです」
俺の言葉に、ケルヴィン殿下の片眉がピクリと上がる。
「なんだ、てっきり了承したから来たのかと」
「すみません、殿下。私はどんな方たちとも、討伐対象一体のみの約束で参加しています。長旅はお許しを」
「どうしても?」
「はい」
「すごい力を持ってるのに、惜しいな」
ケルヴィン殿下は、腕を組んでうーんと唸った。
フィオも隣に座って、悲しそうな目で俺を見る。
「どうしても……ダメ?」
と、彼女に言われて、胸がズキっと痛んだ。
そ、そんな目で見るなよ。
「俺はじっちゃんと二人暮らしです。長く家を空ければ、じっちゃんが大変なんです。なので、近隣の、しかも一回だけで勘弁していただきたいのです」
「一回だけ、ね」
「はい、殿下」
「じっちゃんの世話なら、俺が手配できるぞ? それでもダメか?」
「お断りします」
「頑なだな。じゃ、仕方ない」
ケルヴィン殿下は、すくっと立ち上がった。
「では、一回だけ頼む。この先に古い鉱山があるのだが、ヘカントガーゴイルが住み着いて通れなくてね」
この辺の古い鉱山か。
「チェタ鉱山ですね」
よく、魔物が住み着く場所だ。横穴が多いから、魔物たちも姿を隠しやすい。
「あぁ。そいつをなんとかしてくれ。あとは帰っていい。報酬もちゃんと出す」
ケルヴィン殿下は、そう断言した。
話のわかる人でよかった。
「殿下……でも」
フィオが、不安そうに彼を見る。
「いいんだ、フィオ。お前が、ついてきてくれるだけでも心強い。もうすぐ聖騎士・ベルアンナと、魔道士・ティトも来る」
ケルヴィン殿下は、フィオを安心させるように優しく言った。
パーティの面子が、ネプォンの時と似てるな。
ますます、長居したくない。
俺がそう思っていた時だ。
廊下が騒がしくなってきた。
ドタバタと人が走り抜ける音がして、甲冑を着た人間が歩き回る音が聞こえてくる。
兵士がいるのか?
「部屋をあらためている! 顔を見せろ!」
!!
なんなんだ!?
ケルヴィン殿下は、すくっと立ち上がり、目を細めてドアの方を見る。
「ほーぉ、もう動いたのか。義兄上は、俺を見逃す気はないらしい。ま、それがわかっていたから、裏側に面した部屋を選んだんだけどな」
彼はそう言って、宿屋の裏側にある窓から縄梯子を降ろして、フィオを先に降ろした。
「アーチロビン、次にお前が行け」
「ケ、ケルヴィン殿下。どういうことです?」
「ネプォン義兄上はな、俺を旅立たせる気はないんだよ」
「!?」
「俺が魔王の生存を確認しようとしているから、邪魔なんだろ」
ケルヴィン殿下が淡々と言うので、嘘を言っているようには見えない。
俺が縄梯子を降りると、彼も降りてくる。
邪魔……か。
確かに奴の英雄譚に、傷がつく可能性があるからな。
俺たちが縄梯子を降りた後、無人になった部屋に、兵士が突入してくる音が聞こえた。
「ケルヴィン殿下を探せ!! 決して逃すな!!」
兵士たちは、甲冑の音を騒がしくたてながら騒いでいる。
「やなこった!」
と呟くケルヴィン殿下は、片目を閉じてみせると、宿屋の裏手から細道に入り、地下水路を通って逃走した。
入念に準備してたんだな。
「城を出る時も、さんざん邪魔してきたからなぁ」
ケルヴィン殿下は、水路を歩きながら、俺を振り向く。
身の危険も顧みずに行動するなんて、確信があるってことか?
ネプォンの弱みでも、掴んだのか?
俺は彼を見ながら質問した。
「邪魔ですか? やっぱり魔王は───」
俺がそう言うと、ケルヴィン殿下は手招きしてくる。
「姉上は信じなかったけど、俺はこれを見て確信したんだよ」
彼は淡く光る丸い球体を取り出して、俺に見せた。
「記録魔法……ですか」
「あぁ、魔道士ティトから借りていたこれが、偶然記録していたんだ。ネプォン義兄上と、大魔道士イルハートの密会現場だ」
俺は言われるまま、その球体を覗き込んだ。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
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※この物語はフィクションです。表現や人物、団体、学説などは作者の創作によるものです。
こいつらの、エナジードレインは脅威だ。生気を根こそぎ抜かれてしまう。
俺は弓を引き絞り、足元の屋根に矢を放つ。矢が刺さった屋根は、カッと一瞬だけ光った。後ろの男は、その様子を見て戸惑った声をあげる。
「お、おい! 敵は上だぞ!? 何故、足場に撃つんだ!? ちゃんと狙わないと!」
確かに、常識ではそうなるよな。武器は相手に撃ち込むもの。
だが。
「これでいい」
「なんだと!?」
俺は混乱する男の声を聞きながら、ソウルイーターたちを見た。鎌を持つ手が震え、エナジードレインをしようとした口が、開けずにいる。
かかったな。
ソウルイーターたちは、俺たちの周りをぐるぐる回って、再度攻撃を試みている。
一回……二回……。
俺は無意識にカウントする。
「ゴギャァァァァ!!」
奴らの一体が、霧散していく。
三回目の攻撃を繰り出そうとしたな。
三回目の攻撃のダメージは、本人に跳ね返る。
それを見たソウルイーターたちは、慌ててその場から逃げていった。
ふぅ、よかった。
俺が肩から力を抜くと、後ろからまた声がかかる。
「驚いた。見事な力だ」
俺は振り向いてその男と対峙した。
彼は黒髪を靡かせ、どこか育ちの良さを感じさせる品のいい面差しをしている。
ケルヴィン殿下に違いない。
俺は片膝をついて、跪いた。
「ありがとうございます」
「あー、よせよせ。恩人が跪くな」
「ケルヴィン殿下でいらっしゃいま───」
「ゴホ! ゴホゴホゴホ!!」
彼は慌てて咳払いをすると、俺の腕を掴んで宿屋の中に引き込んだ。
「部屋をとってるんだ。話はそこで。……あまり長居はできないが」
「え」
「ソウルイーターをけしかけた奴が、どこかにいる」
「殿下を狙うなんて」
「はは、痛い腹を探られたくないんだろ」
「……」
「この部屋へ。一番見つかりにくい部屋なんだ」
そこへフィオもやってきて、廊下で合流する。
心なしか、彼女の顔が赤い。
なんだ?
「す、すごいのね、アーチロビン。あ、あれが、あなたの力なの? あんなにたくさんのソウルイーターを、一度に退散させるなんて」
フィオがモジモジしながら言う。
初めて見るから、そう思うよな。
「あぁ、そうだ」
「素敵……」
「は?」
「な、なんでもない! ごめんなさい!」
フィオが両手を頬にあてて、狐の耳を横に倒す。尻尾まで、横にフリフリ揺れていた……照れてるのか?
こっちまで、ドキドキしてきそうになる。
「おーい、部屋に入るぞ、お二人さん!」
俺とフィオは、彼からそう言われて、目の前の部屋に押し込まれた。
彼は部屋の中にある長椅子に腰掛けると、俺にも向かいの席を勧めてくる。
王族の真向かいなんて、非礼じゃないのか……?
俺は首を横に振って、立ったまま話そうとしたが、彼は無理矢理座らせてくる。
「いいって。お前は恩人だ。助けてくれて、ありがとう」
にこにこと笑うその表情は、本当に王子なのかと驚くほどだ。
でも、威厳を漂わせるその雰囲気は、只人ではないことを伝えてくる。
「では、改めてお尋ねいたします。あなたは、ケルヴィン殿下でいらっしゃいますか?」
俺が尋ねると、彼はこくんと頷いた。
「いかにも。ケルヴィン・ガイラ・ホーンロックだ。訳あって市井に降りている。このことは内密にな」
「はい、もちろん」
「で?『名無しの弓使い』は通り名だろう。本名は?」
「はい、アーチロビン・タントリスと申します」
「なかなか会えないと聞いていたが、そっちから来てくれるなんて、嬉しいな」
「おそれいります」
「さっきのあの力、一体どうなってるんだ? 敵ではなく、足元に矢を撃ち込んだろ?」
「はい。ああして、力場を作っているのです」
「力場?」
「相手の力の流れに干渉する力場です。俺の矢が作る力場に捕まった相手は、攻撃が二回抑制され、三回目の攻撃が己に跳ね返ります」
「『二度の攻撃抑止、三度目に自分の力によってダメージを受ける』、例外はないのか?」
「ありません。どんな敵も、三の倍数ごとに自分の攻撃にさらされます。攻撃をやめなければ、敵は自滅するまでこれを繰り返す」
「例外なく自分の攻撃が跳ね返る……まさに『絶対反転』というわけだな」
絶対反転か。新しい言葉だ。改めて名前をつけられると気恥ずかしい気もするが、正しく理解してくれているならそれでいい。
「恐ろしい力だ。ところでアーチロビン、力場についてだが、足元にしかできないのか?」
「足元の方が素早く、飛んでいる相手にも有効なので、俺はよく使います。ケルヴィン殿下」
「ほう、気に入った」
ケルヴィン殿下は、前のめりになって俺を見た。
「なら、これからの旅に、その力を役立ててくれるのだな」
「いえ、私が来たのは、お断りするためです」
俺の言葉に、ケルヴィン殿下の片眉がピクリと上がる。
「なんだ、てっきり了承したから来たのかと」
「すみません、殿下。私はどんな方たちとも、討伐対象一体のみの約束で参加しています。長旅はお許しを」
「どうしても?」
「はい」
「すごい力を持ってるのに、惜しいな」
ケルヴィン殿下は、腕を組んでうーんと唸った。
フィオも隣に座って、悲しそうな目で俺を見る。
「どうしても……ダメ?」
と、彼女に言われて、胸がズキっと痛んだ。
そ、そんな目で見るなよ。
「俺はじっちゃんと二人暮らしです。長く家を空ければ、じっちゃんが大変なんです。なので、近隣の、しかも一回だけで勘弁していただきたいのです」
「一回だけ、ね」
「はい、殿下」
「じっちゃんの世話なら、俺が手配できるぞ? それでもダメか?」
「お断りします」
「頑なだな。じゃ、仕方ない」
ケルヴィン殿下は、すくっと立ち上がった。
「では、一回だけ頼む。この先に古い鉱山があるのだが、ヘカントガーゴイルが住み着いて通れなくてね」
この辺の古い鉱山か。
「チェタ鉱山ですね」
よく、魔物が住み着く場所だ。横穴が多いから、魔物たちも姿を隠しやすい。
「あぁ。そいつをなんとかしてくれ。あとは帰っていい。報酬もちゃんと出す」
ケルヴィン殿下は、そう断言した。
話のわかる人でよかった。
「殿下……でも」
フィオが、不安そうに彼を見る。
「いいんだ、フィオ。お前が、ついてきてくれるだけでも心強い。もうすぐ聖騎士・ベルアンナと、魔道士・ティトも来る」
ケルヴィン殿下は、フィオを安心させるように優しく言った。
パーティの面子が、ネプォンの時と似てるな。
ますます、長居したくない。
俺がそう思っていた時だ。
廊下が騒がしくなってきた。
ドタバタと人が走り抜ける音がして、甲冑を着た人間が歩き回る音が聞こえてくる。
兵士がいるのか?
「部屋をあらためている! 顔を見せろ!」
!!
なんなんだ!?
ケルヴィン殿下は、すくっと立ち上がり、目を細めてドアの方を見る。
「ほーぉ、もう動いたのか。義兄上は、俺を見逃す気はないらしい。ま、それがわかっていたから、裏側に面した部屋を選んだんだけどな」
彼はそう言って、宿屋の裏側にある窓から縄梯子を降ろして、フィオを先に降ろした。
「アーチロビン、次にお前が行け」
「ケ、ケルヴィン殿下。どういうことです?」
「ネプォン義兄上はな、俺を旅立たせる気はないんだよ」
「!?」
「俺が魔王の生存を確認しようとしているから、邪魔なんだろ」
ケルヴィン殿下が淡々と言うので、嘘を言っているようには見えない。
俺が縄梯子を降りると、彼も降りてくる。
邪魔……か。
確かに奴の英雄譚に、傷がつく可能性があるからな。
俺たちが縄梯子を降りた後、無人になった部屋に、兵士が突入してくる音が聞こえた。
「ケルヴィン殿下を探せ!! 決して逃すな!!」
兵士たちは、甲冑の音を騒がしくたてながら騒いでいる。
「やなこった!」
と呟くケルヴィン殿下は、片目を閉じてみせると、宿屋の裏手から細道に入り、地下水路を通って逃走した。
入念に準備してたんだな。
「城を出る時も、さんざん邪魔してきたからなぁ」
ケルヴィン殿下は、水路を歩きながら、俺を振り向く。
身の危険も顧みずに行動するなんて、確信があるってことか?
ネプォンの弱みでも、掴んだのか?
俺は彼を見ながら質問した。
「邪魔ですか? やっぱり魔王は───」
俺がそう言うと、ケルヴィン殿下は手招きしてくる。
「姉上は信じなかったけど、俺はこれを見て確信したんだよ」
彼は淡く光る丸い球体を取り出して、俺に見せた。
「記録魔法……ですか」
「あぁ、魔道士ティトから借りていたこれが、偶然記録していたんだ。ネプォン義兄上と、大魔道士イルハートの密会現場だ」
俺は言われるまま、その球体を覗き込んだ。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
読んでくださってありがとうございました。
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