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主従同体
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「そこにあるベルアニ奇譚には、他に何が載ってるんですか?」
さっきは、シングヘルトやパテズ評議員長にじゃまされて、途中で終わってしまっていたから。
ヴァンお養父様は、少し悩むように眉根を寄せて、話し始める。
「見せてもらったベルアニ奇譚は・・・後書きと補足のようなものなのだ。」
「後書きの・・・。」
「それによると、天の扉を開くには、扉の守護者を退け、天の扉の周辺に聞き耳を立てている、聖獣『ラタストゥ』に呪文を唱えることか必要だと。」
「ラタストゥ・・・確か予知夢の中でも、ディミトリが言っていました。」
「ラタストゥに開けさせ、世界樹の守護者『ガルドンム』に攻撃を受けず、世界樹の樹皮を食べるドゥラスゴたちに混じること。それが、死に導くフレスヴェに見つからずに、世界樹へと近づく方法だと。」
「ヴァレンティカは、それができた。」
「その通りだ。だが・・・。」
「え?」
「世界樹に触れたものは、等しくある宿命を背負うらしい。」
「ある、宿命?」
「最後は世界樹のそばにある、ウルスフヴェルの泉に溶けて、世界樹の養分になるとか。それ以外の方法で、完全に死ぬことはないと、ヴァレンティカは語ったらしい。」
「!!」
「それは・・・つまりヴァレンティカも?」
私が聞くと、お養父様は悲しそうな顔をした。
「・・・これは推測なのだが、ヴァレンティカは真祖全員の意識を身の内に封じたまま、ウルスフヴェルの泉に身を投げるつもりだったと思う。」
「ヴァレンティカ・・・。」
私はふと、私を見つめるヴァレンティカの顔を思い出す。
彼女は言った。あなたを待っていると。
「動けないヴァレンティカは私に、天の扉を抜けて、ウルスフヴェルの泉に、首を投げ入れて欲しいんじゃないでしょうか。」
「!?」
私がそう言うと、その場のみんなが驚くような顔をした。
唐突だとは思うけれど、そうとしか思えないの。だって・・・。
「私の首から下は、彼女と同じ血が流れている。牙もある。私は扉を通れるかもしれない。」
ダグラス神官様が、顎に手を当てて私を見ながら話す。
「そうすれば、彼女の首が消滅すると同時に、彼女の中にいる真祖の意識も泉に溶けて、永遠に目覚めなくなる・・・か。」
その言葉で、ランヴァルトが思いついたように、フェレミスの肩を叩く。
「シルヴィアはヴァレンティカの牙によって、吸血鬼化している。僕たちのように、主人格のヴァレンティカが死んだら、シルヴィアも死なないか?」
「それな。俺もそれは思った。」
「だよな・・・。」
あ・・・そうか。
ヴァレンティカが主人格、私が彼女の僕の関係なら、それはあり得る。
首を奪われなかったとしても、現状では彼女と、共倒れになってしまう。
だから、その運命を変えないといけない。
私はお養父様の手を握って、
「お養父様、私は一度ヴァレンティカに操られました。彼女に主導権があるのは確かです。
ベルアニ奇譚に、主従を逆転させるヒントは載ってませんでしたか?」
と、言った。
お養父様はもう一度、ダグラス神官様からベルアニ奇譚を借りると、読み直し始めた。
「ううむ・・・ランヴァルトの吸血鬼化を止めたあの『血の契約』のように、純血の吸血鬼の血には、牙から分泌される支配成分を中和させる効能があると思うが、主従逆転となると・・・。」
「私の牙を、抜くわけにもいきませんし。」
「牙・・・待て、ここに折り込まれて見えなかったページがある。」
「!!」
「ヴァレンティカから、真祖封印の相談を受けた時、牙の継承による『主従同体』を作ることを、私の父が提案したそうだ。」
「『主従同体』?クローンではなく?」
私はキョトンとした。つまり、主人と僕が同じ体に存在するということ?
まさか、それが私が2種類の血を持つ原因なの?
お養父様は、さらに読み進める。
「『主従同体』は、ヴァレンティカの僕であると同時に、彼女を従える資格を持つ。ヴァレンティカが、真祖の意識に飲み込まれた時の保険として、考え出されたようだ。」
「そ、それで?」
「ヴァレンティカから離れた牙は、宿主を選定し、力を継承させ、ヴァレンティカの頭部を乗せられる体に作り変える。
やがてヴァレンティカの元へと導き、宿主の血を与えて頭部を交換・・・。」
「・・・。」
やっぱりそうなるのね。
この間の、真祖の棺の前でそうなりかけたもの。
「ただし、ヴァレンティカの頭部に、真祖の意識が表出するようなら、直接宿主を操ること叶わず。宿主に主人の座を譲り渡させる。」
お養父様にそう言われて、パッと顔が上がる。
あの時・・・そう確かに、ヴァレンティカとは違う意識が出てた!
それなら・・・それなら!
「それには、ヴァレンティカの・・・。」
「お養父様?」
「ヴァレンティカの首を真横に掲げ、宿主は彼女の血と宿主自身の血を同時に飲み、彼女に『忠誠を誓う』と、言わせねばならない。」
「ヴァレンティカの血を飲む?」
どうやって・・・?
彼女の首を傷つけて、血を流させるの?
お養父様は難しい顔をする。
「僕の力は、主人の前では無効化される。
お前の牙は奥だから、咬み付くこともできない。剣かナイフで傷をつけるしかない。」
剣かナイフ・・・。ディミトリの前で、うまくできるかしら。
「シルヴィア。」
ランヴァルトが近づいてきて、私の片腕に小さなクロスボウを取り付けてくれる。
「わあ、小さなクロスボウ。」
「見た目よりスピードも威力もある。チャンスがあったら迷わず撃て。矢尻も鋭いから、やろうと思えばナイフのように切り付けることもできる。」
「えぇ、ありがとう。」
「できるか?」
「はい。」
私が笑顔で応えると、ランヴァルトもにっこり微笑んでぎゅっと抱きしめてくれた。
やれることはやらないと。道筋が、見えてきたのだから。
ヴァンお養父様も、私たちの様子に柔らかく微笑み、
「ベルアニ奇譚は私にも読める。法王を救出し、私がベルアニ奇譚に書かれた呪文を唱えよう。シルヴィアはヴァレンティカの首を、ウルスフヴェルの泉に投げ入れてくれ。」
と、言った。
ごく・・・!
喉が自然と鳴ってしまう。
ダグラス神官様も、一同を見回して、語気を強めた。
「さぁ、パトリシアが見せた夢と状況を変えよう。読み手は、法王様ではなく、ヴァン伯爵。扉を抜けるのはヴァレンティカではなく、シルヴィア。そのためには・・・!」
「ディミトリを・・・倒す、ですね。」
と、ランヴァルトが言うと、周りの空気も緊張する。
そんな中、シングヘルトが一人焦ったように立ち上がった。
「は!勝てるわけないだろ?ディミトリは、主人格でもなんでもない真祖の王の牙を移植して、消滅せずに耐え切ったんだ。あ、あ、あんな化け物をどうやって倒すんだよ!?」
・・・!?
真祖の王の牙を移植したですって!?
やっぱりもう移植済みなんだ・・・。
「て、手下にも何人か移植してた。奴の細胞を分けるとか何とか・・・。とにかく、真祖の牙の適合者が、ディミトリだけではないことは、確かなんだよ。」
シングヘルトは、ワナワナと両手を震わせながら髪をかき上げた。
「と、と、特にぼ、僕はシルヴィアの婚約者だったと奴にバレたから、怖くて。」
「シングヘルト・・・。」
「ディミトリは牙がまだ安定してなかったから、手下たちも守りを固めるばかりで動かないし・・・今しかないと思って、シルヴィアの誘拐を条件に、僕はここに来た。」
シングヘルトは、髪をかきむしって座り込む。
さっきまで、息巻いていた彼とは別人みたい。
フェレミスが、彼の肩をポンポンと叩く。
「つまりさ、誘拐に失敗したお前は奴の標的にされる。生き残りたかったら、俺たちに協力しないといけなくない?」
「う・・・。」
シングヘルトは、観念したように俯いた。
ディミトリは狡猾で、用心深い。まともに立ち向かっても、返り討ちに遭う可能性が高い。
動きを知らないと。
「ディミトリは、今はベルアニのどこにいるの?」
私が聞くと、シングヘルトはチラッと私を見て、
「王宮に・・・ベルアニ王国の、王宮にいる。でも、牙が馴染み、法王の石化が解けたらすぐに神殿に向かうとか言ってた。」
と、言った。
法王様の石化は、七日が限界だと言っていた。
今日はその七日目。日付も変わる頃。
もぅ、行かないと。
「王宮にいる間は、守りが固くて法王様を奪い返せない。チャンスは神殿へ向かう時だな。案内してもらうぞ。」
ダグラス神官様がそう言って、気絶したままのイァーゴを見た。
さっきは、シングヘルトやパテズ評議員長にじゃまされて、途中で終わってしまっていたから。
ヴァンお養父様は、少し悩むように眉根を寄せて、話し始める。
「見せてもらったベルアニ奇譚は・・・後書きと補足のようなものなのだ。」
「後書きの・・・。」
「それによると、天の扉を開くには、扉の守護者を退け、天の扉の周辺に聞き耳を立てている、聖獣『ラタストゥ』に呪文を唱えることか必要だと。」
「ラタストゥ・・・確か予知夢の中でも、ディミトリが言っていました。」
「ラタストゥに開けさせ、世界樹の守護者『ガルドンム』に攻撃を受けず、世界樹の樹皮を食べるドゥラスゴたちに混じること。それが、死に導くフレスヴェに見つからずに、世界樹へと近づく方法だと。」
「ヴァレンティカは、それができた。」
「その通りだ。だが・・・。」
「え?」
「世界樹に触れたものは、等しくある宿命を背負うらしい。」
「ある、宿命?」
「最後は世界樹のそばにある、ウルスフヴェルの泉に溶けて、世界樹の養分になるとか。それ以外の方法で、完全に死ぬことはないと、ヴァレンティカは語ったらしい。」
「!!」
「それは・・・つまりヴァレンティカも?」
私が聞くと、お養父様は悲しそうな顔をした。
「・・・これは推測なのだが、ヴァレンティカは真祖全員の意識を身の内に封じたまま、ウルスフヴェルの泉に身を投げるつもりだったと思う。」
「ヴァレンティカ・・・。」
私はふと、私を見つめるヴァレンティカの顔を思い出す。
彼女は言った。あなたを待っていると。
「動けないヴァレンティカは私に、天の扉を抜けて、ウルスフヴェルの泉に、首を投げ入れて欲しいんじゃないでしょうか。」
「!?」
私がそう言うと、その場のみんなが驚くような顔をした。
唐突だとは思うけれど、そうとしか思えないの。だって・・・。
「私の首から下は、彼女と同じ血が流れている。牙もある。私は扉を通れるかもしれない。」
ダグラス神官様が、顎に手を当てて私を見ながら話す。
「そうすれば、彼女の首が消滅すると同時に、彼女の中にいる真祖の意識も泉に溶けて、永遠に目覚めなくなる・・・か。」
その言葉で、ランヴァルトが思いついたように、フェレミスの肩を叩く。
「シルヴィアはヴァレンティカの牙によって、吸血鬼化している。僕たちのように、主人格のヴァレンティカが死んだら、シルヴィアも死なないか?」
「それな。俺もそれは思った。」
「だよな・・・。」
あ・・・そうか。
ヴァレンティカが主人格、私が彼女の僕の関係なら、それはあり得る。
首を奪われなかったとしても、現状では彼女と、共倒れになってしまう。
だから、その運命を変えないといけない。
私はお養父様の手を握って、
「お養父様、私は一度ヴァレンティカに操られました。彼女に主導権があるのは確かです。
ベルアニ奇譚に、主従を逆転させるヒントは載ってませんでしたか?」
と、言った。
お養父様はもう一度、ダグラス神官様からベルアニ奇譚を借りると、読み直し始めた。
「ううむ・・・ランヴァルトの吸血鬼化を止めたあの『血の契約』のように、純血の吸血鬼の血には、牙から分泌される支配成分を中和させる効能があると思うが、主従逆転となると・・・。」
「私の牙を、抜くわけにもいきませんし。」
「牙・・・待て、ここに折り込まれて見えなかったページがある。」
「!!」
「ヴァレンティカから、真祖封印の相談を受けた時、牙の継承による『主従同体』を作ることを、私の父が提案したそうだ。」
「『主従同体』?クローンではなく?」
私はキョトンとした。つまり、主人と僕が同じ体に存在するということ?
まさか、それが私が2種類の血を持つ原因なの?
お養父様は、さらに読み進める。
「『主従同体』は、ヴァレンティカの僕であると同時に、彼女を従える資格を持つ。ヴァレンティカが、真祖の意識に飲み込まれた時の保険として、考え出されたようだ。」
「そ、それで?」
「ヴァレンティカから離れた牙は、宿主を選定し、力を継承させ、ヴァレンティカの頭部を乗せられる体に作り変える。
やがてヴァレンティカの元へと導き、宿主の血を与えて頭部を交換・・・。」
「・・・。」
やっぱりそうなるのね。
この間の、真祖の棺の前でそうなりかけたもの。
「ただし、ヴァレンティカの頭部に、真祖の意識が表出するようなら、直接宿主を操ること叶わず。宿主に主人の座を譲り渡させる。」
お養父様にそう言われて、パッと顔が上がる。
あの時・・・そう確かに、ヴァレンティカとは違う意識が出てた!
それなら・・・それなら!
「それには、ヴァレンティカの・・・。」
「お養父様?」
「ヴァレンティカの首を真横に掲げ、宿主は彼女の血と宿主自身の血を同時に飲み、彼女に『忠誠を誓う』と、言わせねばならない。」
「ヴァレンティカの血を飲む?」
どうやって・・・?
彼女の首を傷つけて、血を流させるの?
お養父様は難しい顔をする。
「僕の力は、主人の前では無効化される。
お前の牙は奥だから、咬み付くこともできない。剣かナイフで傷をつけるしかない。」
剣かナイフ・・・。ディミトリの前で、うまくできるかしら。
「シルヴィア。」
ランヴァルトが近づいてきて、私の片腕に小さなクロスボウを取り付けてくれる。
「わあ、小さなクロスボウ。」
「見た目よりスピードも威力もある。チャンスがあったら迷わず撃て。矢尻も鋭いから、やろうと思えばナイフのように切り付けることもできる。」
「えぇ、ありがとう。」
「できるか?」
「はい。」
私が笑顔で応えると、ランヴァルトもにっこり微笑んでぎゅっと抱きしめてくれた。
やれることはやらないと。道筋が、見えてきたのだから。
ヴァンお養父様も、私たちの様子に柔らかく微笑み、
「ベルアニ奇譚は私にも読める。法王を救出し、私がベルアニ奇譚に書かれた呪文を唱えよう。シルヴィアはヴァレンティカの首を、ウルスフヴェルの泉に投げ入れてくれ。」
と、言った。
ごく・・・!
喉が自然と鳴ってしまう。
ダグラス神官様も、一同を見回して、語気を強めた。
「さぁ、パトリシアが見せた夢と状況を変えよう。読み手は、法王様ではなく、ヴァン伯爵。扉を抜けるのはヴァレンティカではなく、シルヴィア。そのためには・・・!」
「ディミトリを・・・倒す、ですね。」
と、ランヴァルトが言うと、周りの空気も緊張する。
そんな中、シングヘルトが一人焦ったように立ち上がった。
「は!勝てるわけないだろ?ディミトリは、主人格でもなんでもない真祖の王の牙を移植して、消滅せずに耐え切ったんだ。あ、あ、あんな化け物をどうやって倒すんだよ!?」
・・・!?
真祖の王の牙を移植したですって!?
やっぱりもう移植済みなんだ・・・。
「て、手下にも何人か移植してた。奴の細胞を分けるとか何とか・・・。とにかく、真祖の牙の適合者が、ディミトリだけではないことは、確かなんだよ。」
シングヘルトは、ワナワナと両手を震わせながら髪をかき上げた。
「と、と、特にぼ、僕はシルヴィアの婚約者だったと奴にバレたから、怖くて。」
「シングヘルト・・・。」
「ディミトリは牙がまだ安定してなかったから、手下たちも守りを固めるばかりで動かないし・・・今しかないと思って、シルヴィアの誘拐を条件に、僕はここに来た。」
シングヘルトは、髪をかきむしって座り込む。
さっきまで、息巻いていた彼とは別人みたい。
フェレミスが、彼の肩をポンポンと叩く。
「つまりさ、誘拐に失敗したお前は奴の標的にされる。生き残りたかったら、俺たちに協力しないといけなくない?」
「う・・・。」
シングヘルトは、観念したように俯いた。
ディミトリは狡猾で、用心深い。まともに立ち向かっても、返り討ちに遭う可能性が高い。
動きを知らないと。
「ディミトリは、今はベルアニのどこにいるの?」
私が聞くと、シングヘルトはチラッと私を見て、
「王宮に・・・ベルアニ王国の、王宮にいる。でも、牙が馴染み、法王の石化が解けたらすぐに神殿に向かうとか言ってた。」
と、言った。
法王様の石化は、七日が限界だと言っていた。
今日はその七日目。日付も変わる頃。
もぅ、行かないと。
「王宮にいる間は、守りが固くて法王様を奪い返せない。チャンスは神殿へ向かう時だな。案内してもらうぞ。」
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