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俊足のイァーゴ
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「ねぇ、本当にここなの?指輪なんてないわよ?」
と、アリシアはイァーゴに向かって、悔しそうに言った。
「ディミトリは、必ずあると言ったぜ。部下たちを総動員して、ベルアニの隅から隅まで探したが、真祖の棺は見つからなかった。
手がかりは、もうここしかないんだ。」
イァーゴは、小指を耳の穴に入れてほじりながら、アリシアに言う。
彼女は顔を顰めて、もう一度探し始めたけれと、見つけられずにイライラし始めた。
「なんでもっと人手をださないのよ!?他にも手下はいるでしょ?」
アリシアは自分の使い魔を呼び出すと、部屋の中を引っ掻き回すように探し始める。
アリシアの使い魔は、空を飛ぶ小型の悪魔『ピク』と『シー』。
小型でも怪力で、すばしっこい。
イァーゴは、耳から指を抜いてふっと吹くと、腰に手を当てて、今度は鼻をほじり出した。
「この神殿自体が、吸血鬼が苦手とする沈まぬ太陽に晒されたパイア砂漠の真ん中にあるんだぜ?仲間たちは次々と、それにやられた。棺の中でぬくぬくと日差しを免れたお嬢さんには、わかんねーよな?」
アリシアは、それを聞いてもツンとそっぽを向く。
「ふん、それが何よ。」
「何?」
「僕風情が何人犠牲になろうと、知ったことじゃないわ。また作ればいいだけよ。」
「・・・俺様たちの仲間は、主人である純血の牙が適合した者だけしかなれない。そうなれる者はごく僅かだ。」
「噛んで僕も作れたわよね?」
「作れる僕は、1日だけしか命がもたねぇ。それに、俺様たちは元が僕だから、吸血だけで終われずに最後まで食っちまう奴も多い。」
「うふふふ!」
アリシアが、肩を震わせて笑い出した。
イァーゴが、片眉を上げてアリシアを睨む。
「何がおかしい。」
「やっぱり、僕は僕ね。純血の力を使いこなしても、なんて不完全。」
「・・・なんだと?」
「所詮は、僕風情。生まれながらの『選ばれし民』である私たちの足元にも及ばないわね?」
「貴様・・・その僕風情に負けたことを忘れるな。」
「あら、私が負けたのは、ディミトリによ。」
「ほぉ。」
イァーゴが、指をポキポキと鳴らし始めた。アリシアは、それを面白そうに見ている。
アリシアの目が真っ赤になったかと思うと、彼女の目から赤い光線が放たれた。
「ふっ!!」
イァーゴは巨漢に似合わぬ素早い動きで、それを避けていく。
「待ちなさいよ!」
アリシアが首をくるりと回して、光線が360度の方向に向けて一斉に放たれると、さすがのイァーゴも避けきれずに背中に当たって床に突っ伏した。
「ぐ!!」
「ふふふ!やっぱり僕よね。」
アリシアは黒豹に変身すると、床に倒れたイァーゴに向かって飛びかかった。
その瞬間、
「ギャン!!」
と、アリシアの悲鳴が聞こえて、彼女はいつの間にか、起き上がっていたイァーゴに組み敷かれている。
彼女の使い魔、『ピク』と『シー』も助けようとするけど、イァーゴの鋭い拳に殴られてパッと消え去ってしまった。
黒豹の姿だったアリシアは、イァーゴに首を絞められて、たまらずに変身を解く。
「すげぇ、スピードだな。」
フェレミスが緊張したように、ボソッと呟いた。
ランヴァルトも低い声で、
「あぁ、彼女の光線が当たったように見えるけど、あれは全部避けてる。誘き出すために、わざと倒れたんだ。」
と、言った。
「10年前よりスピードが上がってる。純血の力をさらに伸ばしてきたのだな。」
ダグラス神官様は、二人よりも冷静に分析している。
彼の二つ名は『俊足のイァーゴ』。
私が捕まっていた時も、逃げようとするたびに、こいつに先回りされて、ディミトリのところへ連れ戻されていたことを思い出す。
イァーゴは、アリシアの首から手を離して彼女の顔を覗き込んだ。
「僕風情にまた負けたなぁ。純血が劣化しているという、噂は本当らしいな。」
アリシアは咳き込みながら、イァーゴを睨み返す。
「ゲホッ、ゴボッ・・・この・・・この!!」
「ククク!この瞬間がたまらねぇ。俺様たちを見下していたお前ら純血の悔しがるその顔!最高だぜ。」
「僕のくせに!!」
「はいはい、お前らはそれに負けた。つまり実力は、僕以下だと自覚しろよ。」
「・・・!!」
「生まれ持った血筋だぁ?能力だぁ?それにあぐらを掻いて遊びすぎたな。お前らよりも、前世代の純血とやり合いてぇよ。遥かに強いと聞くからな。」
イァーゴは、笑いながらアリシアを立たせて、背中を軽く突き飛ばした。
「く!」
「おら、とっとと指輪を探せよ。見つからなかったら、約束はなしだ。・・・それとも、俺様の彼女にしてくださいと、命乞いをしてみるか?」
「誰がお前なんかと!」
「ひひっ、いいねぇ。その鼻っ柱をへし折って、泣かせてみてぇな。気に入ったぜ、アリシア。」
「ふん!」
アリシアは唇を噛んで、また指輪を探し始めた。
どうしよう。このままじゃ、アリシアは危なくなる。
嫌いな娘だけど、放っておくわけにもいかない。
・・・でも、何故ここに純血のアリシアを連れてきたんだろう。
彼女が志願したにしても、ディミトリならさっさと牙を抜くはずだわ。
何かあるのね。
イァーゴはニヤニヤしながら、アリシアの様子を眺めている。
「指輪が見つかったら、お前がはめろよ、アリシア。」
アリシアはイァーゴにそう言われて、不思議そうに振り返った。
「なぜ?」
「真祖を封印したのは、伝説の吸血鬼ヴァレンティカだ。棺を収めた封印の間の扉は、同胞である純血の前でしか開かないだろうと、ディミトリに言われた。」
「ヴァレンティカ・・・?誰それ。」
「はぁ?お前ら何にも知らねぇのかよ。人を吸血しないことを貫き通して、世界樹の樹液を吸うことを許された最強の牙を持つ吸血鬼。」
「知らないわよ。人の血を飲まないなんて、まるでシルヴィアじゃない。」
アリシアは、五月蝿にそうに首を振った。
・・・そうよね。
イァーゴは、顎を撫でて、どっかりと近くの椅子に腰掛ける。
「ほぉ、ディミトリやイシュポラが言っていたな。『小さなシルヴィア』が生きていたと。しかも、吸血鬼化して。」
「え?」
アリシアは、パッと頭を上げた。
そうだ・・・アリシアは知らないんだ!
「何それ!?あいつ元人間だったの!?」
「あぁ、ディミトリのお気に入りの、人間の餓鬼だった。なんだ?純血の誰かの僕になったと思っていたが、違うのか?」
「首に傷なんかなかったし、確かに純血だったわよ?名家バドンシュタイン家の一人娘で・・・あぁ、それで奥様は私に彼女の婚約者を奪えと言ってたのね。」
「婚約者だぁ?」
「そう。3人の婚約者を、全て私が奪ってやったわ。まぁ、私の魅力が勝っていたからなんだけれど。」
ジャクリーンお養母様が、アリシアに婚約者を奪うように言っていたですって!?
私は衝撃を受けていた。
そんな・・・まさか、私を共闘の盟約の名目のもと、追い出すために?
イァーゴは、アリシアの話を聞いて、首を傾げた。
「どういうことだ?じゃ、シルヴィアはどうやって吸血鬼化したってんだ?」
「ディミトリに聞いてないの?」
「あいつは何も答えねぇ。シルヴィアは奴の最愛の女だ。シモーヌ、大きなシルヴィア、そして小さなシルヴィア。全員を取り込んで自分が支配する世を作るのが、あいつの狙いだからな。」
と、アリシアはイァーゴに向かって、悔しそうに言った。
「ディミトリは、必ずあると言ったぜ。部下たちを総動員して、ベルアニの隅から隅まで探したが、真祖の棺は見つからなかった。
手がかりは、もうここしかないんだ。」
イァーゴは、小指を耳の穴に入れてほじりながら、アリシアに言う。
彼女は顔を顰めて、もう一度探し始めたけれと、見つけられずにイライラし始めた。
「なんでもっと人手をださないのよ!?他にも手下はいるでしょ?」
アリシアは自分の使い魔を呼び出すと、部屋の中を引っ掻き回すように探し始める。
アリシアの使い魔は、空を飛ぶ小型の悪魔『ピク』と『シー』。
小型でも怪力で、すばしっこい。
イァーゴは、耳から指を抜いてふっと吹くと、腰に手を当てて、今度は鼻をほじり出した。
「この神殿自体が、吸血鬼が苦手とする沈まぬ太陽に晒されたパイア砂漠の真ん中にあるんだぜ?仲間たちは次々と、それにやられた。棺の中でぬくぬくと日差しを免れたお嬢さんには、わかんねーよな?」
アリシアは、それを聞いてもツンとそっぽを向く。
「ふん、それが何よ。」
「何?」
「僕風情が何人犠牲になろうと、知ったことじゃないわ。また作ればいいだけよ。」
「・・・俺様たちの仲間は、主人である純血の牙が適合した者だけしかなれない。そうなれる者はごく僅かだ。」
「噛んで僕も作れたわよね?」
「作れる僕は、1日だけしか命がもたねぇ。それに、俺様たちは元が僕だから、吸血だけで終われずに最後まで食っちまう奴も多い。」
「うふふふ!」
アリシアが、肩を震わせて笑い出した。
イァーゴが、片眉を上げてアリシアを睨む。
「何がおかしい。」
「やっぱり、僕は僕ね。純血の力を使いこなしても、なんて不完全。」
「・・・なんだと?」
「所詮は、僕風情。生まれながらの『選ばれし民』である私たちの足元にも及ばないわね?」
「貴様・・・その僕風情に負けたことを忘れるな。」
「あら、私が負けたのは、ディミトリによ。」
「ほぉ。」
イァーゴが、指をポキポキと鳴らし始めた。アリシアは、それを面白そうに見ている。
アリシアの目が真っ赤になったかと思うと、彼女の目から赤い光線が放たれた。
「ふっ!!」
イァーゴは巨漢に似合わぬ素早い動きで、それを避けていく。
「待ちなさいよ!」
アリシアが首をくるりと回して、光線が360度の方向に向けて一斉に放たれると、さすがのイァーゴも避けきれずに背中に当たって床に突っ伏した。
「ぐ!!」
「ふふふ!やっぱり僕よね。」
アリシアは黒豹に変身すると、床に倒れたイァーゴに向かって飛びかかった。
その瞬間、
「ギャン!!」
と、アリシアの悲鳴が聞こえて、彼女はいつの間にか、起き上がっていたイァーゴに組み敷かれている。
彼女の使い魔、『ピク』と『シー』も助けようとするけど、イァーゴの鋭い拳に殴られてパッと消え去ってしまった。
黒豹の姿だったアリシアは、イァーゴに首を絞められて、たまらずに変身を解く。
「すげぇ、スピードだな。」
フェレミスが緊張したように、ボソッと呟いた。
ランヴァルトも低い声で、
「あぁ、彼女の光線が当たったように見えるけど、あれは全部避けてる。誘き出すために、わざと倒れたんだ。」
と、言った。
「10年前よりスピードが上がってる。純血の力をさらに伸ばしてきたのだな。」
ダグラス神官様は、二人よりも冷静に分析している。
彼の二つ名は『俊足のイァーゴ』。
私が捕まっていた時も、逃げようとするたびに、こいつに先回りされて、ディミトリのところへ連れ戻されていたことを思い出す。
イァーゴは、アリシアの首から手を離して彼女の顔を覗き込んだ。
「僕風情にまた負けたなぁ。純血が劣化しているという、噂は本当らしいな。」
アリシアは咳き込みながら、イァーゴを睨み返す。
「ゲホッ、ゴボッ・・・この・・・この!!」
「ククク!この瞬間がたまらねぇ。俺様たちを見下していたお前ら純血の悔しがるその顔!最高だぜ。」
「僕のくせに!!」
「はいはい、お前らはそれに負けた。つまり実力は、僕以下だと自覚しろよ。」
「・・・!!」
「生まれ持った血筋だぁ?能力だぁ?それにあぐらを掻いて遊びすぎたな。お前らよりも、前世代の純血とやり合いてぇよ。遥かに強いと聞くからな。」
イァーゴは、笑いながらアリシアを立たせて、背中を軽く突き飛ばした。
「く!」
「おら、とっとと指輪を探せよ。見つからなかったら、約束はなしだ。・・・それとも、俺様の彼女にしてくださいと、命乞いをしてみるか?」
「誰がお前なんかと!」
「ひひっ、いいねぇ。その鼻っ柱をへし折って、泣かせてみてぇな。気に入ったぜ、アリシア。」
「ふん!」
アリシアは唇を噛んで、また指輪を探し始めた。
どうしよう。このままじゃ、アリシアは危なくなる。
嫌いな娘だけど、放っておくわけにもいかない。
・・・でも、何故ここに純血のアリシアを連れてきたんだろう。
彼女が志願したにしても、ディミトリならさっさと牙を抜くはずだわ。
何かあるのね。
イァーゴはニヤニヤしながら、アリシアの様子を眺めている。
「指輪が見つかったら、お前がはめろよ、アリシア。」
アリシアはイァーゴにそう言われて、不思議そうに振り返った。
「なぜ?」
「真祖を封印したのは、伝説の吸血鬼ヴァレンティカだ。棺を収めた封印の間の扉は、同胞である純血の前でしか開かないだろうと、ディミトリに言われた。」
「ヴァレンティカ・・・?誰それ。」
「はぁ?お前ら何にも知らねぇのかよ。人を吸血しないことを貫き通して、世界樹の樹液を吸うことを許された最強の牙を持つ吸血鬼。」
「知らないわよ。人の血を飲まないなんて、まるでシルヴィアじゃない。」
アリシアは、五月蝿にそうに首を振った。
・・・そうよね。
イァーゴは、顎を撫でて、どっかりと近くの椅子に腰掛ける。
「ほぉ、ディミトリやイシュポラが言っていたな。『小さなシルヴィア』が生きていたと。しかも、吸血鬼化して。」
「え?」
アリシアは、パッと頭を上げた。
そうだ・・・アリシアは知らないんだ!
「何それ!?あいつ元人間だったの!?」
「あぁ、ディミトリのお気に入りの、人間の餓鬼だった。なんだ?純血の誰かの僕になったと思っていたが、違うのか?」
「首に傷なんかなかったし、確かに純血だったわよ?名家バドンシュタイン家の一人娘で・・・あぁ、それで奥様は私に彼女の婚約者を奪えと言ってたのね。」
「婚約者だぁ?」
「そう。3人の婚約者を、全て私が奪ってやったわ。まぁ、私の魅力が勝っていたからなんだけれど。」
ジャクリーンお養母様が、アリシアに婚約者を奪うように言っていたですって!?
私は衝撃を受けていた。
そんな・・・まさか、私を共闘の盟約の名目のもと、追い出すために?
イァーゴは、アリシアの話を聞いて、首を傾げた。
「どういうことだ?じゃ、シルヴィアはどうやって吸血鬼化したってんだ?」
「ディミトリに聞いてないの?」
「あいつは何も答えねぇ。シルヴィアは奴の最愛の女だ。シモーヌ、大きなシルヴィア、そして小さなシルヴィア。全員を取り込んで自分が支配する世を作るのが、あいつの狙いだからな。」
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