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忘れえぬ面影
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オーク退治を終えて、私たちは馬車に乗って次の目的地を目指した。
言葉少なくなった私を、モーガンが頭を擦り付けて慰めてくれる。
モーガンを撫でているうちに、私はだんだん元気を取り戻してきた。
ランヴァルトやフェレミスも、少しずついろんなことを話してくれる。
ランヴァルトのアジトは、『ケファノン』の街のはずれにあるんだって。
馬車に乗って、そのケファノンを通り過ぎる間、私は胸をときめかせてその景色を見たの。
人間の昼の世界は、本当に久しぶり。
ケファノンは、大きな街だったなぁ。
モーガンもあちこち首を回して、興味深そうに見つめていた。
途中、見知らぬ建物の前で馬車を止めて、二人は私を残して中に入っていく。
なんだろうここ。
入っていく人はみんな、武器を携帯している。
ハンターの詰所かしら……つまりギルド。
しばらくすると、二人は帰ってきて、また馬車を走らせた。
「シルヴィアにも、あとで分けるねー?」
フェレミスが、ニコニコしながら懐をトントンと叩く。
何かしら? 少し楽しみ。
馬車に揺られてしばらくいくと、街の喧騒から離れて、近くに森が見えてきた。
「着いた。ここだ」
崖を背にしたその一軒家は、外から見ただけでは、ハンターの家だとはわからない。
「ランヴァルト、本当にいいの?」
私は納屋に寝てもいい。吸血鬼は風邪をひいたりしないから。
「そんな顔するな。部屋はあるから、そこを使え」
「そんな……!」
恐縮する私の横から、フェレミスがニコニコと笑いかけてきた。
「やったね。じゃ、俺は一番いい部屋でいいぜ」
「お前は少し遠慮しろよ!」
2人はわぁわぁ言い合いながら、家の中に入っていく。
「おっと、忘れるところだった。はい、これはシルヴィアの分」
フェレミスが部屋に入る前に振り向いて、私に大きな皮袋を渡してくる。
受け取ると、ずっしりと重い。
お金だ!
「……いいの?」
「ちゃーんとランヴァルトと居合わせた、宿屋の分も入ってるからね。そこはきっちりしないと。ハンターにサービス労働はなしよ?」
フェレミスがにこにこする中、ランヴァルトが私を見る。
「人間の世界はこれで物を売り買いする。わかるか?」
「わかるわ……」
「ふうん?」
ランヴァルトの意外そうな顔。昔……まだ、人間だった頃。当然これを使ってた。
家族を早くに亡くして、路上で歌を歌って日銭を稼ぐ日々。
それであいつに目をつけられ、誘拐されたのだけど。今はもう、歌いたいと思わない。
ふと顔を上げると、ランヴァルトもフェレミスも、私の言葉を待っていることに気づいた。
「あ、あの。ちゃんと頑張るからね。ハンターらしく振る舞えるように。あと、宿代と食事代はいくら出せばいい?」
なるべく笑顔で言う。一日も早く『らしく』やらないと、ここからも追い出されちゃう。
純血の吸血鬼として振る舞い出した頃の、あの心細さを思い出しながら、背筋を伸ばした。
「ぷ! かっわいいー」
フェレミスが吹き出して、ランヴァルトの肩に肘を置いた。
可愛い? ま、真面目に言ってるのに!
「ランヴァルトォ、俺さ、色んな純血を見てきたけど、こんな一生懸命背伸びする娘、初めて見たぜ」
グサ! 背伸び……見抜かれてる。
実績が低い以上、せめてこういうしかないじゃない。
シュンとなる私に、ランヴァルトがフェレミスをコツンと小突いた。
「いて」
「新人は皆こんなものだろ。彼女は、多分見た目通りの年月しか生きてない。それに、俺はこんな彼女に救われた」
……あれ? また庇ってくれるの?
フェレミスはランヴァルトを見て、ニヤッと笑った。
「おっとぉ? からかうなってかぁ。ふふ、ごめんね、シルヴィア。でも、可愛いと思うのは本当」
「相変わらず、すぐ口説くな、フェレミス。シルヴィア、宿代と食事代はちゃんと天引きしてる。これは自由に使っていいお金だからな」
ランヴァルトは、私の手をとって、お金の入った袋をしっかり握らせる。
フェレミスは、その手をじーと見つめて、私たちの間に割り込んできた。
「この街なら俺も詳しいからさ、買い物とか付き合えるよ。洋服とか身の回りのものとか。美味い飯を食わせる店もね」
そう言って、彼はランヴァルトの手を払って私の両手をギュッと握ってくる。
こ、この人は、こういうのが多い。
スマートにやるから、そこまで不快じゃないけど、びっくりする。
瞬きする私の前で、フェレミスは片目を閉じると、握った私の手の甲に軽くキスをした。
ランヴァルトの片眉が、ピクっと上がる。
フェレミスはそれを横目で確認して、ふっと笑った。
「怒んなよ、これは和解のキス。何せ、最初にダグラス神官様に指名を受けたのは、俺だからな。シルヴィアは、大事なパートナーだ」
「フェレミス、俺は別に怒ってない」
「そぉかぁ? ならいいけどさ。じゃ、シルヴィア、仲直りのハグ!」
フェレミスの無邪気な笑顔に、私も思わず笑ってしまって、彼と仲直りのハグをした。
「……」
ランヴァルトは、無言のまま。
フェレミスは、なかなか腕を解かない。
え、と。えええ、と。
どうやったら離してもらえるの?
「フェレミス、あの……」
「ふふん、まだいいじゃーん」
フェレミスは、笑って誤魔化して離さない。
もう! しつこ……。
「離れろ。しつこい」
ランヴァルトが、私を引き離すと、客間の方に連れて行ってくれた。
「ここがシルヴィアの部屋。好きに使っていいよ。鍵もちゃんとかかるから」
「ありがとう。……わぁ、素敵な部屋!」
内装からすると、女性の部屋みたい。気を遣わせたかしら。
「なんだよぉ、ランヴァルトォ。邪魔しやがって」
「お前はこっちの部屋だ。来い、フェレミス」
ランヴァルトが、口を尖らせたフェレミスをもう一つの部屋に連れて行く。
私はホッとして部屋の中を見回した。
センスのいい部屋。
なんだろう、懐かしい香りがする。
ふと、何かの視線を感じて顔を上げると、そこに女性の肖像画があった。
私はその瞬間、目が釘付けになる。
あ! 間違いない! この顔は……!
「『大きなシルヴィア』……」
思わず声に出してしまった。
心の奥底に封印していた、過去の記憶がさらにどっと戻ってくる。
「姉を知っているのか?」
急に声をかけられて、慌てて振り向くと、ランヴァルトがいた。
「あ……あの……あなたのお姉さん?」
「あぁ。ディミトリの野郎に誘拐されてな。十年前の、あの『ブラッドバス』事件の時に亡くなったんだ。あの事件の被害者は……誰も帰ってこなかった」
私は胸が苦しくなって、息がうまく吸えなくなってきた。
私だけがあそこを逃げられた。
他の人たちは、みんな捕まったんだ。
「ごめんなさい……」
私は一歩ずつ、ランヴァルトに近づいていった。
「シルヴィア?」
「私は……私だけが生き残ってしまってごめんなさい……」
頭がガクンと落ちて、瞼が強制的に閉まってくる。
しっかりしないと!
ちゃんと彼女のことを伝えないと!!
気持ちとは裏腹に、まるで膝から下がなくなったかのように、力が抜けてランヴァルトの胸に倒れ込んでしまった。
「おい!?」
「ごめんなさい……『大きなシルヴィア』。あなたが……押してくれたから……私……生きて……」
そのまま、意識は真っ暗な闇に落ちていった。
目を覚ますと、私は9歳の女の子になっていて、大人の女性に手を引かれて森の中を走っている。
これは夢だ……あの日の夢だ。
言葉少なくなった私を、モーガンが頭を擦り付けて慰めてくれる。
モーガンを撫でているうちに、私はだんだん元気を取り戻してきた。
ランヴァルトやフェレミスも、少しずついろんなことを話してくれる。
ランヴァルトのアジトは、『ケファノン』の街のはずれにあるんだって。
馬車に乗って、そのケファノンを通り過ぎる間、私は胸をときめかせてその景色を見たの。
人間の昼の世界は、本当に久しぶり。
ケファノンは、大きな街だったなぁ。
モーガンもあちこち首を回して、興味深そうに見つめていた。
途中、見知らぬ建物の前で馬車を止めて、二人は私を残して中に入っていく。
なんだろうここ。
入っていく人はみんな、武器を携帯している。
ハンターの詰所かしら……つまりギルド。
しばらくすると、二人は帰ってきて、また馬車を走らせた。
「シルヴィアにも、あとで分けるねー?」
フェレミスが、ニコニコしながら懐をトントンと叩く。
何かしら? 少し楽しみ。
馬車に揺られてしばらくいくと、街の喧騒から離れて、近くに森が見えてきた。
「着いた。ここだ」
崖を背にしたその一軒家は、外から見ただけでは、ハンターの家だとはわからない。
「ランヴァルト、本当にいいの?」
私は納屋に寝てもいい。吸血鬼は風邪をひいたりしないから。
「そんな顔するな。部屋はあるから、そこを使え」
「そんな……!」
恐縮する私の横から、フェレミスがニコニコと笑いかけてきた。
「やったね。じゃ、俺は一番いい部屋でいいぜ」
「お前は少し遠慮しろよ!」
2人はわぁわぁ言い合いながら、家の中に入っていく。
「おっと、忘れるところだった。はい、これはシルヴィアの分」
フェレミスが部屋に入る前に振り向いて、私に大きな皮袋を渡してくる。
受け取ると、ずっしりと重い。
お金だ!
「……いいの?」
「ちゃーんとランヴァルトと居合わせた、宿屋の分も入ってるからね。そこはきっちりしないと。ハンターにサービス労働はなしよ?」
フェレミスがにこにこする中、ランヴァルトが私を見る。
「人間の世界はこれで物を売り買いする。わかるか?」
「わかるわ……」
「ふうん?」
ランヴァルトの意外そうな顔。昔……まだ、人間だった頃。当然これを使ってた。
家族を早くに亡くして、路上で歌を歌って日銭を稼ぐ日々。
それであいつに目をつけられ、誘拐されたのだけど。今はもう、歌いたいと思わない。
ふと顔を上げると、ランヴァルトもフェレミスも、私の言葉を待っていることに気づいた。
「あ、あの。ちゃんと頑張るからね。ハンターらしく振る舞えるように。あと、宿代と食事代はいくら出せばいい?」
なるべく笑顔で言う。一日も早く『らしく』やらないと、ここからも追い出されちゃう。
純血の吸血鬼として振る舞い出した頃の、あの心細さを思い出しながら、背筋を伸ばした。
「ぷ! かっわいいー」
フェレミスが吹き出して、ランヴァルトの肩に肘を置いた。
可愛い? ま、真面目に言ってるのに!
「ランヴァルトォ、俺さ、色んな純血を見てきたけど、こんな一生懸命背伸びする娘、初めて見たぜ」
グサ! 背伸び……見抜かれてる。
実績が低い以上、せめてこういうしかないじゃない。
シュンとなる私に、ランヴァルトがフェレミスをコツンと小突いた。
「いて」
「新人は皆こんなものだろ。彼女は、多分見た目通りの年月しか生きてない。それに、俺はこんな彼女に救われた」
……あれ? また庇ってくれるの?
フェレミスはランヴァルトを見て、ニヤッと笑った。
「おっとぉ? からかうなってかぁ。ふふ、ごめんね、シルヴィア。でも、可愛いと思うのは本当」
「相変わらず、すぐ口説くな、フェレミス。シルヴィア、宿代と食事代はちゃんと天引きしてる。これは自由に使っていいお金だからな」
ランヴァルトは、私の手をとって、お金の入った袋をしっかり握らせる。
フェレミスは、その手をじーと見つめて、私たちの間に割り込んできた。
「この街なら俺も詳しいからさ、買い物とか付き合えるよ。洋服とか身の回りのものとか。美味い飯を食わせる店もね」
そう言って、彼はランヴァルトの手を払って私の両手をギュッと握ってくる。
こ、この人は、こういうのが多い。
スマートにやるから、そこまで不快じゃないけど、びっくりする。
瞬きする私の前で、フェレミスは片目を閉じると、握った私の手の甲に軽くキスをした。
ランヴァルトの片眉が、ピクっと上がる。
フェレミスはそれを横目で確認して、ふっと笑った。
「怒んなよ、これは和解のキス。何せ、最初にダグラス神官様に指名を受けたのは、俺だからな。シルヴィアは、大事なパートナーだ」
「フェレミス、俺は別に怒ってない」
「そぉかぁ? ならいいけどさ。じゃ、シルヴィア、仲直りのハグ!」
フェレミスの無邪気な笑顔に、私も思わず笑ってしまって、彼と仲直りのハグをした。
「……」
ランヴァルトは、無言のまま。
フェレミスは、なかなか腕を解かない。
え、と。えええ、と。
どうやったら離してもらえるの?
「フェレミス、あの……」
「ふふん、まだいいじゃーん」
フェレミスは、笑って誤魔化して離さない。
もう! しつこ……。
「離れろ。しつこい」
ランヴァルトが、私を引き離すと、客間の方に連れて行ってくれた。
「ここがシルヴィアの部屋。好きに使っていいよ。鍵もちゃんとかかるから」
「ありがとう。……わぁ、素敵な部屋!」
内装からすると、女性の部屋みたい。気を遣わせたかしら。
「なんだよぉ、ランヴァルトォ。邪魔しやがって」
「お前はこっちの部屋だ。来い、フェレミス」
ランヴァルトが、口を尖らせたフェレミスをもう一つの部屋に連れて行く。
私はホッとして部屋の中を見回した。
センスのいい部屋。
なんだろう、懐かしい香りがする。
ふと、何かの視線を感じて顔を上げると、そこに女性の肖像画があった。
私はその瞬間、目が釘付けになる。
あ! 間違いない! この顔は……!
「『大きなシルヴィア』……」
思わず声に出してしまった。
心の奥底に封印していた、過去の記憶がさらにどっと戻ってくる。
「姉を知っているのか?」
急に声をかけられて、慌てて振り向くと、ランヴァルトがいた。
「あ……あの……あなたのお姉さん?」
「あぁ。ディミトリの野郎に誘拐されてな。十年前の、あの『ブラッドバス』事件の時に亡くなったんだ。あの事件の被害者は……誰も帰ってこなかった」
私は胸が苦しくなって、息がうまく吸えなくなってきた。
私だけがあそこを逃げられた。
他の人たちは、みんな捕まったんだ。
「ごめんなさい……」
私は一歩ずつ、ランヴァルトに近づいていった。
「シルヴィア?」
「私は……私だけが生き残ってしまってごめんなさい……」
頭がガクンと落ちて、瞼が強制的に閉まってくる。
しっかりしないと!
ちゃんと彼女のことを伝えないと!!
気持ちとは裏腹に、まるで膝から下がなくなったかのように、力が抜けてランヴァルトの胸に倒れ込んでしまった。
「おい!?」
「ごめんなさい……『大きなシルヴィア』。あなたが……押してくれたから……私……生きて……」
そのまま、意識は真っ暗な闇に落ちていった。
目を覚ますと、私は9歳の女の子になっていて、大人の女性に手を引かれて森の中を走っている。
これは夢だ……あの日の夢だ。
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