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番外編
クロスノスの思い出 03(クロスノス視点)
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ただ、プルッポムリンはタフな女性だった。
彼女は精力的に外の人間たちには、自分は愛妻だと触れ回っていた。
・・・まぁ、いいか。
確かに、私と一緒に長くいられる女性は、彼女くらいだろう。
もちろん、彼女から叱られることもある。
自分たちは『運命の番』だと言い張る彼女に、それなら、爪書簡の魔法をかけようと言ったら、
「そうじゃないわ、夢を壊さないで!!
欲しいのは、あなたの肯定なの!」
と、すごい剣幕で怒られた。
「客観的事実に基づく証明が欲しいなんて、言ってないでしょ!?
何もかもはっきりしたら、そこにもう夢はなくなってしまう。
こうかもしれない、と言う余地があるから夢を抱けるのよ!
あなたへの愛情は本物で、あなたも私が好きだわ。
だから、最上級の相性である『運命の番』だと、思いたいだけなのに!!」
だそうだ。
私は謝った。
「ずっと尻に敷かれてるよな。」
カミュンが言うので、
「早くあなたも同類になりなさい。
色んな女性が、あなたと付き合いたいと言ってるのに、軽めに付き合うばかり。」
と、返すと、
「女の嫌なところを先に見てるからさ、しばらく勘弁だわ。
プルッポムリンみたいに、さっぱりした女性もいるけど、言い寄られるとティルが重なってどうもなぁ。」
と言う。
まあ、あの強烈な姫様が、女性恐怖症を招いたかも。
「言い寄られるのがダメなら、あなたは自分から追う相手がいいのかもですねぇ。
女性がみんなが皆、ああなるわけではないんですよ?」
と、言っても、
「どうだか。
一皮剥けば、皆同じだろ。」
「まあまあ。」
彼は頑なに考えを変えなかった。
とりあえず私は、プルッポムリンと式を挙げた。
けじめにはなったが、何も変わらなかった。
そんな時に、彼がリタを連れてきた。
怪我を治し、焼き印を治療するまではカミュンに変化は感じなかった。
でも翌日、買ってきた服を彼女がとても喜んで、紙袋ごと抱き締める愛らしい姿に、カミュンが背を向けたのでピンときた。
意識してるのか。
ろくに彼女を見ようとしないくせに、しっかり聞き耳は立てていて、食事の準備も手元がおぼつかない。
「気になります?」
と、カマをかけると、
「今日は魚が美味そうだなー。」
と、話題を逸らそうとする。
その日は肉料理だったのに。
リタは本当に美しい女性だった。
汚れを落として、流行りの服に身を包んだ彼女は、誰もが一瞬見惚れるほどの容姿だ。
漆黒の長い髪も、その美しさに華を添えている。
隣の親友が、生唾を飲み込む音を聞いて、慌てて肩を小突くと、お世辞を言って彼女の気をこちらに逸らす。
その後、思いがけず時の砂を操った彼女が、縋るような目で助けを訴えても、私は不信感から動けなかった。
しかし、カミュンは彼女が外に飛び出した途端、真っ先に追いかけたのだ。
そうまでしていても、彼は頑なに自分の気持ちは認めようとしない。
・・・これは本気で惚れたな。
その予感はあったので、爪書簡の魔法をかけてあげた。
私の位置から、二人のどの爪が何色に塗られるかは見えた。
『運命の番』と言う最高の相性を示す、桃色が薬指に塗られている。
内心驚きながらも、お互いをこそこそ気にし合う二人を見ているのは楽しかった。
やがてリタの正体がはっきりして、神殿で別れた後の、カミュンの落胆ぶりは想像以上だった。
暇さえあれば爪書簡を書き、返事が遅いとやっぱり行くと騒ぐ。
対して、私は正直リタの力は怖かった。
ハーティフを倒す切り札だとしても、その力はこの世を何度も破壊できるほど大きくなることは、血液サンプルからもありありとわかったからだ。
彼女は心優しい女性だが、枷もなくそばに置くには危険な存在だ。
だが、親友が苦しむ姿は見ていて辛い。
私は、カミュンにそのことを話した。
「以上を踏まえて、それでも彼女の心を得たいなら、覚悟を決めてください。
何が起きても、彼女と生き抜くと。
そして、最悪の事態が起きた時は、あなたがとどめを刺すと。」
私の言葉にカミュンは、初めて自分の気持ちを認めた。
「それでかまわない。
先々三界を敵に回しても、俺は行きたい。
それとクロスノス、最悪の事態にならないように力を貸してくれ。」
と、言った。
「あなたって人は・・・。
はなから私をあてにしてません?」
「してるさ。
俺たちは協力し合っていつも『最悪』を乗り越えてきた。
それに、リタの髪の毛はお前の研究対象だろ。
俺がリタの心を得れば、お前は一番近くで漆黒の狼を研究できる。
どうだ?」
付き合いが長いと、こんなこともいえるんだな。
私は研究することが、何よりも好きだ。
それこそが、私の恋人。
「ふふ、いいでしょう。
私にも命懸けで、リタを守る理由ができた。
カミュン、必ずリタを射止めなさい。」
「おぅ。
頼りにしてるぜ、相棒。」
私たちは拳を合わせて、計画を立てていた。
そこへティルリッチを探して、連れて来いという王命がカミュンに降りて、冒険が始まったのだ。
私の話に、プルッポムリンが頬を膨らませる。
「ちょっと!
私への愛をもっと語りなさい!」
「もちろん愛してますよ、だから一緒にいるじゃありませんか。」
「話を聞いてると、最後はリタの髪の毛の方にしか関心ないように聞こえるわよ!
もう!あなたの妻は私なのに!!」
「いたた!
髪の毛を引っ張らないでください!」
私たちの会話に、カミュンがちょうど目を覚まして、頭だけを上げてこちらを見る。
「なんだ?
夫婦喧嘩か?」
その言葉に私も、
「いえいえ、ちょっと昔話をしていたら、こうなりました。
お昼寝はもういいんですか?」
と、言った。
カミュンは、頭をリタの膝の上に戻して、
「あともう少しこうしてる。」
と、言うとリタの方を向くようにして寝返りをうつ。
「やれやれ。
リタ、足が痺れたら遠慮なく立ちなさい。」
と、声をかける。
それを聞いたリタは首を横に振って、
「平気よ。
カミュンの寝顔、可愛いの。」
と言うので、カミュンがさっと起き上がった。
「また可愛い、て言ったな。
その口を塞ぐぞ。」
「ご、ごめんなさい、だって・・・。」
カミュンはリタを抱き寄せて、口付けしている。
この二人がこうなって、本当によかった。
あの幼かったカミュンが、泣き虫の寂しがり屋が、最高の伴侶と共に愛を育んでいる。
「私たちもしましょうか。」
私はプルッポムリンを手の上に乗せると、軽く彼女に口づけした。
「きゃー!
クロスノス、嬉しい!!
ね、ね、もう一回。
ずっとしてていいよ!!」
嬉しそうにはしゃぐプルッポムリンに、私はもう一度口付けた。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
長文を読んでくださって、ありがとうございました。
これにてこの物語は完結です。
お気に召したら、お気に入り登録してくださるとうれしいです♫ とても励みになります。
次回作は、『人身御供の乙女は、放り込まれた鬼の世界で、超絶美形の鬼の長に溺愛されて人生が変わりました』です。現在公開中です。
※この物語はフィクションです。表現や人物、団体、学説などは作者の創作によるものです。
彼女は精力的に外の人間たちには、自分は愛妻だと触れ回っていた。
・・・まぁ、いいか。
確かに、私と一緒に長くいられる女性は、彼女くらいだろう。
もちろん、彼女から叱られることもある。
自分たちは『運命の番』だと言い張る彼女に、それなら、爪書簡の魔法をかけようと言ったら、
「そうじゃないわ、夢を壊さないで!!
欲しいのは、あなたの肯定なの!」
と、すごい剣幕で怒られた。
「客観的事実に基づく証明が欲しいなんて、言ってないでしょ!?
何もかもはっきりしたら、そこにもう夢はなくなってしまう。
こうかもしれない、と言う余地があるから夢を抱けるのよ!
あなたへの愛情は本物で、あなたも私が好きだわ。
だから、最上級の相性である『運命の番』だと、思いたいだけなのに!!」
だそうだ。
私は謝った。
「ずっと尻に敷かれてるよな。」
カミュンが言うので、
「早くあなたも同類になりなさい。
色んな女性が、あなたと付き合いたいと言ってるのに、軽めに付き合うばかり。」
と、返すと、
「女の嫌なところを先に見てるからさ、しばらく勘弁だわ。
プルッポムリンみたいに、さっぱりした女性もいるけど、言い寄られるとティルが重なってどうもなぁ。」
と言う。
まあ、あの強烈な姫様が、女性恐怖症を招いたかも。
「言い寄られるのがダメなら、あなたは自分から追う相手がいいのかもですねぇ。
女性がみんなが皆、ああなるわけではないんですよ?」
と、言っても、
「どうだか。
一皮剥けば、皆同じだろ。」
「まあまあ。」
彼は頑なに考えを変えなかった。
とりあえず私は、プルッポムリンと式を挙げた。
けじめにはなったが、何も変わらなかった。
そんな時に、彼がリタを連れてきた。
怪我を治し、焼き印を治療するまではカミュンに変化は感じなかった。
でも翌日、買ってきた服を彼女がとても喜んで、紙袋ごと抱き締める愛らしい姿に、カミュンが背を向けたのでピンときた。
意識してるのか。
ろくに彼女を見ようとしないくせに、しっかり聞き耳は立てていて、食事の準備も手元がおぼつかない。
「気になります?」
と、カマをかけると、
「今日は魚が美味そうだなー。」
と、話題を逸らそうとする。
その日は肉料理だったのに。
リタは本当に美しい女性だった。
汚れを落として、流行りの服に身を包んだ彼女は、誰もが一瞬見惚れるほどの容姿だ。
漆黒の長い髪も、その美しさに華を添えている。
隣の親友が、生唾を飲み込む音を聞いて、慌てて肩を小突くと、お世辞を言って彼女の気をこちらに逸らす。
その後、思いがけず時の砂を操った彼女が、縋るような目で助けを訴えても、私は不信感から動けなかった。
しかし、カミュンは彼女が外に飛び出した途端、真っ先に追いかけたのだ。
そうまでしていても、彼は頑なに自分の気持ちは認めようとしない。
・・・これは本気で惚れたな。
その予感はあったので、爪書簡の魔法をかけてあげた。
私の位置から、二人のどの爪が何色に塗られるかは見えた。
『運命の番』と言う最高の相性を示す、桃色が薬指に塗られている。
内心驚きながらも、お互いをこそこそ気にし合う二人を見ているのは楽しかった。
やがてリタの正体がはっきりして、神殿で別れた後の、カミュンの落胆ぶりは想像以上だった。
暇さえあれば爪書簡を書き、返事が遅いとやっぱり行くと騒ぐ。
対して、私は正直リタの力は怖かった。
ハーティフを倒す切り札だとしても、その力はこの世を何度も破壊できるほど大きくなることは、血液サンプルからもありありとわかったからだ。
彼女は心優しい女性だが、枷もなくそばに置くには危険な存在だ。
だが、親友が苦しむ姿は見ていて辛い。
私は、カミュンにそのことを話した。
「以上を踏まえて、それでも彼女の心を得たいなら、覚悟を決めてください。
何が起きても、彼女と生き抜くと。
そして、最悪の事態が起きた時は、あなたがとどめを刺すと。」
私の言葉にカミュンは、初めて自分の気持ちを認めた。
「それでかまわない。
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「あなたって人は・・・。
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俺がリタの心を得れば、お前は一番近くで漆黒の狼を研究できる。
どうだ?」
付き合いが長いと、こんなこともいえるんだな。
私は研究することが、何よりも好きだ。
それこそが、私の恋人。
「ふふ、いいでしょう。
私にも命懸けで、リタを守る理由ができた。
カミュン、必ずリタを射止めなさい。」
「おぅ。
頼りにしてるぜ、相棒。」
私たちは拳を合わせて、計画を立てていた。
そこへティルリッチを探して、連れて来いという王命がカミュンに降りて、冒険が始まったのだ。
私の話に、プルッポムリンが頬を膨らませる。
「ちょっと!
私への愛をもっと語りなさい!」
「もちろん愛してますよ、だから一緒にいるじゃありませんか。」
「話を聞いてると、最後はリタの髪の毛の方にしか関心ないように聞こえるわよ!
もう!あなたの妻は私なのに!!」
「いたた!
髪の毛を引っ張らないでください!」
私たちの会話に、カミュンがちょうど目を覚まして、頭だけを上げてこちらを見る。
「なんだ?
夫婦喧嘩か?」
その言葉に私も、
「いえいえ、ちょっと昔話をしていたら、こうなりました。
お昼寝はもういいんですか?」
と、言った。
カミュンは、頭をリタの膝の上に戻して、
「あともう少しこうしてる。」
と、言うとリタの方を向くようにして寝返りをうつ。
「やれやれ。
リタ、足が痺れたら遠慮なく立ちなさい。」
と、声をかける。
それを聞いたリタは首を横に振って、
「平気よ。
カミュンの寝顔、可愛いの。」
と言うので、カミュンがさっと起き上がった。
「また可愛い、て言ったな。
その口を塞ぐぞ。」
「ご、ごめんなさい、だって・・・。」
カミュンはリタを抱き寄せて、口付けしている。
この二人がこうなって、本当によかった。
あの幼かったカミュンが、泣き虫の寂しがり屋が、最高の伴侶と共に愛を育んでいる。
「私たちもしましょうか。」
私はプルッポムリンを手の上に乗せると、軽く彼女に口づけした。
「きゃー!
クロスノス、嬉しい!!
ね、ね、もう一回。
ずっとしてていいよ!!」
嬉しそうにはしゃぐプルッポムリンに、私はもう一度口付けた。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
長文を読んでくださって、ありがとうございました。
これにてこの物語は完結です。
お気に召したら、お気に入り登録してくださるとうれしいです♫ とても励みになります。
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