68 / 74
新しい隠れ家へ
しおりを挟む
あれから1ヶ月後・・・。
私たちは、船に乗っていた。
「クロスノスー!
見て見てー!!
海がとってもきれーい!」
プルッポムリンが大はしゃぎで、クロスノスを甲板に連れ出している。
「はいはい。
風が強いですから、飛ばされないように掴まってください。」
クロスノスは、プルッポムリンが飛ばされないように、自分の肩に乗せた。
「寒くないか?
カトラ。」
隣でカミュンが、私を気遣ってくれる。
私は人前では、ミドルネームの『カトラ』を名乗るようにしている。
表向きは、私を失って気落ちしたカミュンの元へ派遣された神殿の巫女。
私と顔が似ているという理由で付き合って、そのまま彼と駆け落ちしたことになってる。
シナリオを書いたのはプルッポムリン。
昔、こういう展開で結ばれた恋物語のお芝居を見て、採用してくれとせがまれたの。
「平気。
ねぇ、あれがラックル国?」
私は帽子の中に長い髪を隠して、対岸に見える港を指さした。
「そう、あれが天然資源の豊富な国、ラックル国。
俺たちがいたプガダス国ほど、魔法は発展してないけど、気候が穏やかで、過ごしやすいんだ。」
と、カミュンが教えてくれる。
私たちは今、プガダス国を離れてラックル国を訪れていた。
カミュンとクロスノスが、前から第二の隠れ家として目をつけていた場所に、移ることになったの。
「こんなに急で、大変だったよね。
荷物もまとめずに来てしまったけど、大丈夫?」
私が心配して聞くと、
「大丈夫さ。
もう転移の魔法陣を敷いてある。
あとはあっちについてから、同じ魔法陣を敷けば荷物は動いてくるから、心配いらない。」
と、カミュンが笑って言った。
な、なるほど。
魔法が使えなかった種族の私には、思いつかないやり方だ。
汽笛が鳴って、船が港に着岸された。
私たちは船を降りると、その賑やかな港を眺めながら、歩いて行く。
港には沢山の労働者も来ていて、あちこちで受付をする机の前に並んでいた。
「やれやれ、知ってるかー?
ここのところ、不漁だった海が、昔のように魚が獲れるようになったってよ。」
「おう、それによー。
あっちこっちで、死にかけた作物が復活して今年は豊作間違いなしだってさ。」
「俺のところは、身内が疫病にかかって危なかったんだが、持ち直したんだよ。
やっぱり、あれかね。
黒竜が現れたという噂と関係あるのかな。
淀みを飲み干してくれたそうだぜ。」
「あぁ、そうかも。
時間も一時停止がなくなったし。
でも、黒竜は破壊神なんでしょ?」
「もう、既に死んでいて、精霊の神殿に毛皮が奉納されたとか。
ま、俺たちには関係ないけどなー。」
そんな声が聞こえてくる。
確かに世界中でそう言われていると、クロスノスに教えてもらっていた。
自然があらゆるところで持ち直し、荒れた土地も緑が戻ってきたと。
全ては循環・・・神の元へみんなと私とアムの力で、巨大なエネルギーの流れを起こし、滞った力を押し流したから。
あの日見た、神々と思われる波のような揺らぎの存在を思い出す。
しばらくは、大丈夫よね。
このまま、また私かアムが転生した時に何もなければ、私たちは普通の人狼として生きていける。
「カトラ、行こう。」
カミュンに優しく手を引かれて、私は新しい隠れ家へ向かった。
新しい隠れ家は、森の中だった。
森の奥に滝が流れていて、その裏に洞窟がある。
「わぁー。」
私がその景色に見惚れていると、プルッポムリンが手を引いてくる。
「カトラ!・・・あ、今はリタでいいわね。
こっちよー、見て見て!
ここは台所にして、こっちは居間にする!
ここは私とクロスノスの部屋で、カミュンがこっち。
リタはその隣とかどう?」
洞窟の中は広くて、目が回りそう。
ウキウキしているプルッポムリンに、私も思わず笑顔になる。
「うん、素敵。」
そう言っている私たちの前に、クロスノスがニコニコしながらやってきて魔法陣を敷く。
カミュンも後ろからやってきて、
「リタの髪の毛を多めに使って、頑丈にしようぜ。
結界は俺がやる。」
と言うので、私はいつものように髪の毛を一房ずつ切って、二人に渡した。
「土と水と風の精霊よ。
この場に我が家をかまえん。
急ぎ定めそのようにせよ。
クイ・ケビ・メル・ド!」
「光の精霊よ。
その名に置いて、我等を守り隠す力を与えよ。
ドル・シー・イハ・ド。」
クロスノスとカミュンが唱えて、洞窟の中と外が目まぐるしく変わる。
最後にカッと光って眩しさに目を閉じると、急に静かになった。
恐る恐る目を開けると、中は家具だけ元のままで、住みやすそうな部屋がいくつもできていた。
「すごい!
すごいわ、クロスノス!!」
プルッポムリンが、はしゃいでクロスノスの顔に頬ずりしている。
本当にすごい。
私はカミュンのそばへ行くと、外にかけられた結界を見た。
その時、雲行きが怪しくなって、雨がふってきたんだけど、結界の中は全然濡れない。
思わず結界の外に出てみると、あっという間にずぶ濡れになった。
でも、外から見たらなんの変哲もない洞窟にしか見えない上に、ちゃんと洞窟の入り口のところにも雨が降っている。
そこへ一羽の鳥が雨宿りに洞窟へと入って行ったのだけど、結界の中に戻ると鳥はいなかった。
「二重空間にしてる。
元の通りの洞窟と、隠れ家として使う空間を同時に存在させて他所から来てもわからないようにしたんだ。」
と、言いながら、カミュンがタオルを持ってやってきた。
「すごいわ。
・・・あ!」
そのまま抱えられて、部屋に連れて行かれた。
「ここがリタの部屋。
まずは着替えないと、風邪ひくぞ。」
そう言って降ろされる。
広い部屋。
こんな豪華な部屋は初めて。
「リタ、ほら。」
カミュンが、ゴシゴシとタオルで頭を拭いてくる。
「あ、わぁ!
自分でやれるよ。」
「風邪ひくぞ。
まったく、また雨に濡れたリタの世話するとはな。」
「ごめんなさい。」
「着替えたら居間に来いよ。」
カミュンが部屋を出て行くので、すぐに着替えて居間に向かう。
「さてと、新居に来ていきなりなんですけど、リタ。
薬草の栽培をする気はありませんか?」
クロスノスに言われて、私は固まった。
「薬草の?」
「えぇ、プルッポムリンがここに来たら、やりたいと言っていたのです。
近くにいい場所がありまして。
あなたも一緒にいかがです?」
私は即答した。
「やりたい!
面白そう!」
私の笑顔に、プルッポムリンも嬉しそうに、頷いている。
彼女は机の上に、種の入った袋を三つ並べた。
「切り傷や咬み傷用の薬草と、体の循環を整える薬草、解毒の薬草。
こんなところね。」
プルッポムリンの説明を聞きながら、私も覗き込む。
「わぁ、種からやるのね。
責任重大だわ。」
と、私が言うと、カミュンが横から覗き込んで、
「あ、これ俺もよく使う。
今後は買わなくてもいいなんて、楽だな。
リタ、クロスノスに塗り薬の調合の仕方も習ったらどうだ?
俺は今度からそれを使うから。」
と、言うと、
「やれやれ。
リタの薬と言えばあなたの場合、なんでも効くんじゃないですか?
今度から密かに新薬を作った時は、そう言ってカミュンで実験できますね。」
と、クロスノスがからかうように言った。
「俺でまた実験する気かよ!?
俺が頑丈になったのは、お前の実験に耐えたからじゃねぇか?」
「失礼ですねぇ。
変なものは作ってないんですよ。
大体何度私の研究成果と、発明品に救われたと思ってるんです?」
わいわい言い合う二人の間を、プルッポムリンが呆れたように飛んでくる。
「はいはい、リタ。
男どもはほっといて、早速畑を作るわよー。」
私たちは、船に乗っていた。
「クロスノスー!
見て見てー!!
海がとってもきれーい!」
プルッポムリンが大はしゃぎで、クロスノスを甲板に連れ出している。
「はいはい。
風が強いですから、飛ばされないように掴まってください。」
クロスノスは、プルッポムリンが飛ばされないように、自分の肩に乗せた。
「寒くないか?
カトラ。」
隣でカミュンが、私を気遣ってくれる。
私は人前では、ミドルネームの『カトラ』を名乗るようにしている。
表向きは、私を失って気落ちしたカミュンの元へ派遣された神殿の巫女。
私と顔が似ているという理由で付き合って、そのまま彼と駆け落ちしたことになってる。
シナリオを書いたのはプルッポムリン。
昔、こういう展開で結ばれた恋物語のお芝居を見て、採用してくれとせがまれたの。
「平気。
ねぇ、あれがラックル国?」
私は帽子の中に長い髪を隠して、対岸に見える港を指さした。
「そう、あれが天然資源の豊富な国、ラックル国。
俺たちがいたプガダス国ほど、魔法は発展してないけど、気候が穏やかで、過ごしやすいんだ。」
と、カミュンが教えてくれる。
私たちは今、プガダス国を離れてラックル国を訪れていた。
カミュンとクロスノスが、前から第二の隠れ家として目をつけていた場所に、移ることになったの。
「こんなに急で、大変だったよね。
荷物もまとめずに来てしまったけど、大丈夫?」
私が心配して聞くと、
「大丈夫さ。
もう転移の魔法陣を敷いてある。
あとはあっちについてから、同じ魔法陣を敷けば荷物は動いてくるから、心配いらない。」
と、カミュンが笑って言った。
な、なるほど。
魔法が使えなかった種族の私には、思いつかないやり方だ。
汽笛が鳴って、船が港に着岸された。
私たちは船を降りると、その賑やかな港を眺めながら、歩いて行く。
港には沢山の労働者も来ていて、あちこちで受付をする机の前に並んでいた。
「やれやれ、知ってるかー?
ここのところ、不漁だった海が、昔のように魚が獲れるようになったってよ。」
「おう、それによー。
あっちこっちで、死にかけた作物が復活して今年は豊作間違いなしだってさ。」
「俺のところは、身内が疫病にかかって危なかったんだが、持ち直したんだよ。
やっぱり、あれかね。
黒竜が現れたという噂と関係あるのかな。
淀みを飲み干してくれたそうだぜ。」
「あぁ、そうかも。
時間も一時停止がなくなったし。
でも、黒竜は破壊神なんでしょ?」
「もう、既に死んでいて、精霊の神殿に毛皮が奉納されたとか。
ま、俺たちには関係ないけどなー。」
そんな声が聞こえてくる。
確かに世界中でそう言われていると、クロスノスに教えてもらっていた。
自然があらゆるところで持ち直し、荒れた土地も緑が戻ってきたと。
全ては循環・・・神の元へみんなと私とアムの力で、巨大なエネルギーの流れを起こし、滞った力を押し流したから。
あの日見た、神々と思われる波のような揺らぎの存在を思い出す。
しばらくは、大丈夫よね。
このまま、また私かアムが転生した時に何もなければ、私たちは普通の人狼として生きていける。
「カトラ、行こう。」
カミュンに優しく手を引かれて、私は新しい隠れ家へ向かった。
新しい隠れ家は、森の中だった。
森の奥に滝が流れていて、その裏に洞窟がある。
「わぁー。」
私がその景色に見惚れていると、プルッポムリンが手を引いてくる。
「カトラ!・・・あ、今はリタでいいわね。
こっちよー、見て見て!
ここは台所にして、こっちは居間にする!
ここは私とクロスノスの部屋で、カミュンがこっち。
リタはその隣とかどう?」
洞窟の中は広くて、目が回りそう。
ウキウキしているプルッポムリンに、私も思わず笑顔になる。
「うん、素敵。」
そう言っている私たちの前に、クロスノスがニコニコしながらやってきて魔法陣を敷く。
カミュンも後ろからやってきて、
「リタの髪の毛を多めに使って、頑丈にしようぜ。
結界は俺がやる。」
と言うので、私はいつものように髪の毛を一房ずつ切って、二人に渡した。
「土と水と風の精霊よ。
この場に我が家をかまえん。
急ぎ定めそのようにせよ。
クイ・ケビ・メル・ド!」
「光の精霊よ。
その名に置いて、我等を守り隠す力を与えよ。
ドル・シー・イハ・ド。」
クロスノスとカミュンが唱えて、洞窟の中と外が目まぐるしく変わる。
最後にカッと光って眩しさに目を閉じると、急に静かになった。
恐る恐る目を開けると、中は家具だけ元のままで、住みやすそうな部屋がいくつもできていた。
「すごい!
すごいわ、クロスノス!!」
プルッポムリンが、はしゃいでクロスノスの顔に頬ずりしている。
本当にすごい。
私はカミュンのそばへ行くと、外にかけられた結界を見た。
その時、雲行きが怪しくなって、雨がふってきたんだけど、結界の中は全然濡れない。
思わず結界の外に出てみると、あっという間にずぶ濡れになった。
でも、外から見たらなんの変哲もない洞窟にしか見えない上に、ちゃんと洞窟の入り口のところにも雨が降っている。
そこへ一羽の鳥が雨宿りに洞窟へと入って行ったのだけど、結界の中に戻ると鳥はいなかった。
「二重空間にしてる。
元の通りの洞窟と、隠れ家として使う空間を同時に存在させて他所から来てもわからないようにしたんだ。」
と、言いながら、カミュンがタオルを持ってやってきた。
「すごいわ。
・・・あ!」
そのまま抱えられて、部屋に連れて行かれた。
「ここがリタの部屋。
まずは着替えないと、風邪ひくぞ。」
そう言って降ろされる。
広い部屋。
こんな豪華な部屋は初めて。
「リタ、ほら。」
カミュンが、ゴシゴシとタオルで頭を拭いてくる。
「あ、わぁ!
自分でやれるよ。」
「風邪ひくぞ。
まったく、また雨に濡れたリタの世話するとはな。」
「ごめんなさい。」
「着替えたら居間に来いよ。」
カミュンが部屋を出て行くので、すぐに着替えて居間に向かう。
「さてと、新居に来ていきなりなんですけど、リタ。
薬草の栽培をする気はありませんか?」
クロスノスに言われて、私は固まった。
「薬草の?」
「えぇ、プルッポムリンがここに来たら、やりたいと言っていたのです。
近くにいい場所がありまして。
あなたも一緒にいかがです?」
私は即答した。
「やりたい!
面白そう!」
私の笑顔に、プルッポムリンも嬉しそうに、頷いている。
彼女は机の上に、種の入った袋を三つ並べた。
「切り傷や咬み傷用の薬草と、体の循環を整える薬草、解毒の薬草。
こんなところね。」
プルッポムリンの説明を聞きながら、私も覗き込む。
「わぁ、種からやるのね。
責任重大だわ。」
と、私が言うと、カミュンが横から覗き込んで、
「あ、これ俺もよく使う。
今後は買わなくてもいいなんて、楽だな。
リタ、クロスノスに塗り薬の調合の仕方も習ったらどうだ?
俺は今度からそれを使うから。」
と、言うと、
「やれやれ。
リタの薬と言えばあなたの場合、なんでも効くんじゃないですか?
今度から密かに新薬を作った時は、そう言ってカミュンで実験できますね。」
と、クロスノスがからかうように言った。
「俺でまた実験する気かよ!?
俺が頑丈になったのは、お前の実験に耐えたからじゃねぇか?」
「失礼ですねぇ。
変なものは作ってないんですよ。
大体何度私の研究成果と、発明品に救われたと思ってるんです?」
わいわい言い合う二人の間を、プルッポムリンが呆れたように飛んでくる。
「はいはい、リタ。
男どもはほっといて、早速畑を作るわよー。」
0
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる