26 / 74
妖精界
しおりを挟む
星屑の川のような道を、どのくらい歩いただろうか。
「妖精界についた。
しばらくここに滞在するぞ。」
と、アシェリエルは言った。
私は促されるままに、新たに開いた扉を抜ける。
そこには、大きな頭と、トンボのような羽根を持つ小人がいた。
「ようこそ、異界の客人。
私はこの神殿の司祭、トムジェルと言います。
ささ、早くこちらへ。」
抜けた先は、精霊の神殿と同じ造りの建物だったの。
これが妖精界の精霊の神殿なのかしら。
私はそこにあった椅子を勧められた。
大人しく座ると、貧血を起こしたかのように気が遠くなりかけたの。
「う・・・。」
すぐ、レティシアが来て、顔色を診てくれた。
「次元の高いところへ、いきなり慣れない肉体が行くと、魂が分離して肉体が崩壊しやすくなるの。大丈夫、このエネルギーの濃度に慣れればいいのよ。
ゆっくり慣れていくからね。」
と、彼女は言う。
「まったく手間だなー。
さっさと行きたいのに、ちまちまと!
ぱぱっと慣れろ!
美人だから、とりあえず我慢はしてやるが!!」
ガルンティスがイライラしながら、目の前を歩く。
「よせ、時の精霊の核を宿している以上、彼女が死ねばその核も消滅する恐れがある。
失うわけにはいかんのだ。」
と、アシェリエルが宥めている。
「聞き流してね、リタ。
自分たちが高次元慣れした恵まれた立場にいるから、言える言葉なんだから。」
と、レティシアは優しく小声で言って、額を拭ってくれた。
「オェー気持ち悪ーい!!」
「うう、初めて来たわ。
妖精界。
エネルギー濃度がやはり濃いわね・・・。」
ノアム元理事長とテルシャが、最後に出てきて、勧められた椅子でそれぞれ苦しんでいた。
私は呼吸を整えながら、胸に手をあてると、右手の内側に紙の感触がした。
「あ・・・短冊・・・。」
カミュンとの爪書簡。
一枚や二枚じゃない。
たくさんきてる・・・。
『体調はどうだ?
ついていけなくてすまない。
クロスノスも寂しそうにしてる。
プルッポムリンも肩を落としてる。』
『大丈夫か?
妖精界は人間界に比べて、エネルギー濃度が濃い。
慣れるまで動くなよ。』
『アシェリエルのいうことなんか、気にするな。
リタは道具でも武器でもない。
自分の気持ちを大切にしろよ。』
『妖精界の1日は人間界の1ヶ月分にあたる。
元気か?リタ。
分からないことがあったら、聞けよ。』
『クロスノスが、リタの血液サンプルを調べて何か騒いでる。
新しいことがわかったらまた教える。』
それ以外にも、近況や私を気遣う言葉が並ぶ。
心配してくれてるんだ。
家族と離れてから、こんなに誰かに気にしてもらえるのは初めて。
ぎゅっと握ると、彼の顔がもう思い出されて寂しくなってきた。
会いたいな・・・。
会えないな・・・。
私も右手の薬指で、文字を書く。
『妖精界に今着いたよ。
レティシアがとても親切にしてくれる。
色々気遣ってくれて、ありがとう。』
そのまま薬指を上に弾いて、彼らとまだ繋がっていることにほっとしていた。
胸を撫で下ろす私に、
「ふぅふぅ、リ、リター・・・。
靴磨けー・・・。」
ノアム元理事長が苦しそうに手招きしてくる。
「い、嫌です・・・。」
私は顔を背ける。
絶対嫌よ。
もう二度と・・・。
「生意気だな・・・お、お前・・・。
容姿も・・・こんなに美しかったなんてーな。
テルシャが普通に見えるーわ・・・。
しかし、お前が時の精霊の核を宿した黒竜なんて・・・。
か、解剖しなくて、よ、よかったーわ。」
ノアム元理事長は、ヘラヘラ笑ってる。
私は無視した。
もうこの人の奴隷なんか嫌。
「お前は、10万オーグォで私に買われた所有物ーだ・・・。
言うことを聞け、リタ。」
ノアム元理事長は、そう言うとまた笑い出した。
「リタ、この長い髪の毛、ここだけ少し切るよ。
いい?」
その様子を見ていたレティシアに言われて、私は頷く。
どうするんだろ。
「トムジェル、漆黒の人狼の髪の毛よ。
妖精界だとかなりの高値になるんじゃない?」
と、言ってレティシアは、トムジェルに私の髪の毛を切ったものを見せる。
「い、いいんですか!?
こ、これはまさに、千年に一度しか生まれない漆黒の人狼の毛!!!
これだけでも、1,000万オーグォになります。」
「換金していただける?
そしてそのうちの10万を、こちらの人間に渡して。
残りを彼女に渡してね。
手形でいいから。」
「ええ、喜んで。」
トムジェルが指を鳴らすと、私とノアム元理事長の腕に手形の印が現れる。
それを見て、レティシアが私に向かって微笑んだ。
「それは、いつでも換金できるわよ。
これで、あなたはあなた自身のものよ。
この人との縁は金銭面でも切れたからね。」
と、言う彼女の言葉に、私は嬉しくなって頭を下げた。
「ありがとうございます。」
喜ぶ私の隣で、ノアム元理事長は地団駄を踏み続けた。
「くっそおぉぉ!!これだから女は嫌いーだー!!!
ちっとも思う通りにならーん・・・!!!
お前なんか、やっぱり醜い雌狼だー!!!
うぅ、カミュン。
私を慰めに来てくーれ・・・。」
と、言っている。
え?
カミュン?
なぜ?
「私の心は囚われたままーだ、カミュン・・・。
お前も私が好きなはずーだ・・・。」
と言ってニヤニヤしてる!!
え、何この人。
カミュンが好きなの?
目を細めて彼を見る私の肩を、レティシアが軽く触れてきた。
「ねえ、リタ。
この爪書簡・・・知る人も少ないとても古い魔法。
それに薬指が塗ってあるね。」
と、言うので、私も指を眺めながら、頷いた。
「クロスノスがかけたんです。
私とカミュンで、手紙がやり取りできるように。」
「へぇ、素敵ね。
この魔法は、結ぶ相手との親密さで塗られる場所も色も違うから。
どの指が何色に塗られるかは、かけてみないとわからない面白い魔法なのよ?」
え?
じゃ、この指と色はどう言う意味が・・・?と、そう思った時だ。
トムジェルが、私たちのところへ飛んできて、
「今日はこの神殿の近くにある宿屋で、お休みください。
それと、夜は絶対に外出してはいけません。」
と、言う。
私は少し気分が良くなったので、立ち上がってお辞儀をした。
トムジェルが神殿の外に、馬車を待たせていてくれたので、私達はその馬車に乗り込んだ。
外はもう、うっすらと夕闇だ。
馬車といっても、雲のような白いホワホワな乗り物があり、座ると自然と座りやすい高さと、幅に変形していく。
「お揃いですかー?」
御者の妖精が、愛想の良い顔でこちらを見て微笑む。
「あぁ、頼む。」
と、アシェリエルが言うと、御者の妖精が鞭をピシリと打った。
手綱の先には、氷の馬が二頭繋がれていて、軽やかな足取りで引いていく。
私はふと、あの二人が乗っていないことに気づいた。
「え、私たちだけ?
ノアム元理事長たちは?」
と、私が尋ねると、
「彼らはまだ体が馴染んでいない。
神殿の中の方が安全だ。」
と、アシェリエルに言われた。
・・・二人が一緒なら、大丈夫、かな。
「妖精界についた。
しばらくここに滞在するぞ。」
と、アシェリエルは言った。
私は促されるままに、新たに開いた扉を抜ける。
そこには、大きな頭と、トンボのような羽根を持つ小人がいた。
「ようこそ、異界の客人。
私はこの神殿の司祭、トムジェルと言います。
ささ、早くこちらへ。」
抜けた先は、精霊の神殿と同じ造りの建物だったの。
これが妖精界の精霊の神殿なのかしら。
私はそこにあった椅子を勧められた。
大人しく座ると、貧血を起こしたかのように気が遠くなりかけたの。
「う・・・。」
すぐ、レティシアが来て、顔色を診てくれた。
「次元の高いところへ、いきなり慣れない肉体が行くと、魂が分離して肉体が崩壊しやすくなるの。大丈夫、このエネルギーの濃度に慣れればいいのよ。
ゆっくり慣れていくからね。」
と、彼女は言う。
「まったく手間だなー。
さっさと行きたいのに、ちまちまと!
ぱぱっと慣れろ!
美人だから、とりあえず我慢はしてやるが!!」
ガルンティスがイライラしながら、目の前を歩く。
「よせ、時の精霊の核を宿している以上、彼女が死ねばその核も消滅する恐れがある。
失うわけにはいかんのだ。」
と、アシェリエルが宥めている。
「聞き流してね、リタ。
自分たちが高次元慣れした恵まれた立場にいるから、言える言葉なんだから。」
と、レティシアは優しく小声で言って、額を拭ってくれた。
「オェー気持ち悪ーい!!」
「うう、初めて来たわ。
妖精界。
エネルギー濃度がやはり濃いわね・・・。」
ノアム元理事長とテルシャが、最後に出てきて、勧められた椅子でそれぞれ苦しんでいた。
私は呼吸を整えながら、胸に手をあてると、右手の内側に紙の感触がした。
「あ・・・短冊・・・。」
カミュンとの爪書簡。
一枚や二枚じゃない。
たくさんきてる・・・。
『体調はどうだ?
ついていけなくてすまない。
クロスノスも寂しそうにしてる。
プルッポムリンも肩を落としてる。』
『大丈夫か?
妖精界は人間界に比べて、エネルギー濃度が濃い。
慣れるまで動くなよ。』
『アシェリエルのいうことなんか、気にするな。
リタは道具でも武器でもない。
自分の気持ちを大切にしろよ。』
『妖精界の1日は人間界の1ヶ月分にあたる。
元気か?リタ。
分からないことがあったら、聞けよ。』
『クロスノスが、リタの血液サンプルを調べて何か騒いでる。
新しいことがわかったらまた教える。』
それ以外にも、近況や私を気遣う言葉が並ぶ。
心配してくれてるんだ。
家族と離れてから、こんなに誰かに気にしてもらえるのは初めて。
ぎゅっと握ると、彼の顔がもう思い出されて寂しくなってきた。
会いたいな・・・。
会えないな・・・。
私も右手の薬指で、文字を書く。
『妖精界に今着いたよ。
レティシアがとても親切にしてくれる。
色々気遣ってくれて、ありがとう。』
そのまま薬指を上に弾いて、彼らとまだ繋がっていることにほっとしていた。
胸を撫で下ろす私に、
「ふぅふぅ、リ、リター・・・。
靴磨けー・・・。」
ノアム元理事長が苦しそうに手招きしてくる。
「い、嫌です・・・。」
私は顔を背ける。
絶対嫌よ。
もう二度と・・・。
「生意気だな・・・お、お前・・・。
容姿も・・・こんなに美しかったなんてーな。
テルシャが普通に見えるーわ・・・。
しかし、お前が時の精霊の核を宿した黒竜なんて・・・。
か、解剖しなくて、よ、よかったーわ。」
ノアム元理事長は、ヘラヘラ笑ってる。
私は無視した。
もうこの人の奴隷なんか嫌。
「お前は、10万オーグォで私に買われた所有物ーだ・・・。
言うことを聞け、リタ。」
ノアム元理事長は、そう言うとまた笑い出した。
「リタ、この長い髪の毛、ここだけ少し切るよ。
いい?」
その様子を見ていたレティシアに言われて、私は頷く。
どうするんだろ。
「トムジェル、漆黒の人狼の髪の毛よ。
妖精界だとかなりの高値になるんじゃない?」
と、言ってレティシアは、トムジェルに私の髪の毛を切ったものを見せる。
「い、いいんですか!?
こ、これはまさに、千年に一度しか生まれない漆黒の人狼の毛!!!
これだけでも、1,000万オーグォになります。」
「換金していただける?
そしてそのうちの10万を、こちらの人間に渡して。
残りを彼女に渡してね。
手形でいいから。」
「ええ、喜んで。」
トムジェルが指を鳴らすと、私とノアム元理事長の腕に手形の印が現れる。
それを見て、レティシアが私に向かって微笑んだ。
「それは、いつでも換金できるわよ。
これで、あなたはあなた自身のものよ。
この人との縁は金銭面でも切れたからね。」
と、言う彼女の言葉に、私は嬉しくなって頭を下げた。
「ありがとうございます。」
喜ぶ私の隣で、ノアム元理事長は地団駄を踏み続けた。
「くっそおぉぉ!!これだから女は嫌いーだー!!!
ちっとも思う通りにならーん・・・!!!
お前なんか、やっぱり醜い雌狼だー!!!
うぅ、カミュン。
私を慰めに来てくーれ・・・。」
と、言っている。
え?
カミュン?
なぜ?
「私の心は囚われたままーだ、カミュン・・・。
お前も私が好きなはずーだ・・・。」
と言ってニヤニヤしてる!!
え、何この人。
カミュンが好きなの?
目を細めて彼を見る私の肩を、レティシアが軽く触れてきた。
「ねえ、リタ。
この爪書簡・・・知る人も少ないとても古い魔法。
それに薬指が塗ってあるね。」
と、言うので、私も指を眺めながら、頷いた。
「クロスノスがかけたんです。
私とカミュンで、手紙がやり取りできるように。」
「へぇ、素敵ね。
この魔法は、結ぶ相手との親密さで塗られる場所も色も違うから。
どの指が何色に塗られるかは、かけてみないとわからない面白い魔法なのよ?」
え?
じゃ、この指と色はどう言う意味が・・・?と、そう思った時だ。
トムジェルが、私たちのところへ飛んできて、
「今日はこの神殿の近くにある宿屋で、お休みください。
それと、夜は絶対に外出してはいけません。」
と、言う。
私は少し気分が良くなったので、立ち上がってお辞儀をした。
トムジェルが神殿の外に、馬車を待たせていてくれたので、私達はその馬車に乗り込んだ。
外はもう、うっすらと夕闇だ。
馬車といっても、雲のような白いホワホワな乗り物があり、座ると自然と座りやすい高さと、幅に変形していく。
「お揃いですかー?」
御者の妖精が、愛想の良い顔でこちらを見て微笑む。
「あぁ、頼む。」
と、アシェリエルが言うと、御者の妖精が鞭をピシリと打った。
手綱の先には、氷の馬が二頭繋がれていて、軽やかな足取りで引いていく。
私はふと、あの二人が乗っていないことに気づいた。
「え、私たちだけ?
ノアム元理事長たちは?」
と、私が尋ねると、
「彼らはまだ体が馴染んでいない。
神殿の中の方が安全だ。」
と、アシェリエルに言われた。
・・・二人が一緒なら、大丈夫、かな。
0
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる