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差し伸べられる手
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振り向くと、そこに闇の商人ゴルボスがいた。
「魔法研究所を逃げ出したと聞いていたが、こんなところにいたなんてな。」
と言うと、手を伸ばしてくる。
私は思わず後ろに飛びのいた。
「なに!?
その身のこなし!!
まさか、焼印が消えてるのか?
ちっ、まあいい。
こっちも人狼を何匹も捕まえてきてる。
いくらでも手はあるんだ。
ついでに漆黒の狼の伝説も、確かめさせてもらおう。」
「漆黒の狼の伝説・・・?」
「これを見ろ、この間お前の髪の毛を一本くすねていたんだよ。
伝説が本当ならこの髪は、俺様の力を倍に跳ね上げるはずだ。」
そう言うと、懐から長い髪の毛を一本と、小さな壷を取り出して、呪符を貼った。
指に髪の毛を巻くと、呪文を唱え始める。
「来たれ、痺れの毒を司る毒気の精霊よ。
あの、小娘を捕らえて我が前に跪かせよ。」
怪しげな煙が壷から立ち上り、真っ直ぐ私の方へ向かってきた。
私は本能的にその場を逃げ出すと、必死に走った。
それでも、ゴルボスが放った痺れ効果のある煙は、ものすごい速さでどこまでも追いかけてくる。
怖い・・・怖い!
そうだ・・・時の砂を使えば!!
腰につけた袋に触ろうとしたけど、風を切る音が聞こえて、さっと身を翻すと針のようなものが地面に刺さった。
ゴルボスは吹き矢でも狙ってきてる・・・!!
なら、時間を操ろう!
止められるはず・・・!!
そう思ったけど、カミュンたちが見せた恐れの表情を思い出し、うまく集中できない。
そうだ・・・変身すればもっと早く走れる!
そう思うけど、慣れない手つきで、走りながらくしゃみなんかできない。
とにかく、立ち止まらないことだわ!
そう思ったのに、目の前の地面が途中までしかないことに気づく。
また、崖!?
一瞬の迷いのせいで、煙に追い付かれる。
「あぁぁぁ!!」
煙に巻かれ、すぐに体が痺れてその場に倒れた。
そこへ、ゴルボスがにやにや笑いながら追いついてくる。
「捕まえたぞ、リタ。
痺れ毒の飛ぶ速さと効き目がいつもの2倍だ。
やはり伝説は本当だった。
お前は俺様のものだ。
あぁ、あの毛は消えた・・・。
一度使えば消えると言うのもの伝説の通り。」
ゴルボスはそう言うと、私の服を見つめ指を差して笑い始めた。
「それにしても、無一文のくせに綺麗な服を着ているな。
盗んだか、それとも誰かたらしこんだのか?
お前は本当に、美しい人狼だからな。」
ゴルボスは口を閉じて、また髪に触れようとする。
嫌・・・!
触らないで!!
時の砂も沈黙している。
なぜ・・・。
悔しく思いながら、目を閉じて触れてくる手を耐えようとした時、
「触るな。」
と、声がした。
ゴルボスが驚いて降り向くと、喉元に鋭い剣が突きつけられている。
「だ、誰だお前・・・!?」
「お前に関係ない。
二度と彼女に関わるな。
次に会った時はその首が飛ぶからな。」
カミュンだった。
え・・・どうして・・・。
「し、し、商売の邪魔をするな!!
こいつは人狼だぞ!?
こういう獣を狩って、売ることも生業にしている以上、ただで譲るわけにいかん!」
と、ゴルボスが吠えた。
「金を出せと?」
と、カミュンが首を傾げて尋ねる。
「人狼は、餓鬼なら10万オーグォ、繁殖期の成体なら、500~1,000万オーグォが相場だ!!
年頃の雌の場合は2,000万オーグォ。
だが、この極上の雌は国が買えるほどの額を積まないと渡さん。」
「大きく出たな。」
「当たり前だ!
こいつは、千年に一度生まれると言われる漆黒の狼だったからな。
欲しがる金持ちは沢山いるんだよ!
いや、金持ちどころじゃねぇ。
もはやどこの国も欲しがる秘宝なんだ。」
「漆黒の狼とは?」
「ものを知らないねぇ。
神の使いと言われる黒竜の化身が、この漆黒の狼だと言われてるんだ。
こいつの毛は、術者の魔法の効果を倍増させる効力を持つ。
使い方によっては数十倍も力が上がるんだ。」
私はゴルボスのそんな話を聞きながら、自分の髪の毛を見つめた。
そんな力なんか、あったことすら知らない。
家族は何も教えてくれなかった。
「そうか。
なら、俺が引き受ける。」
「払えるのか?
えらく庇うじゃないか。
まさか、こいつの服・・・。
・・・へへ、なるほどな、この狼をそんなに気に入ったのか。」
「無駄話をする気はない。」
カミュンの剣の先が、ゴルボスの喉を軽く突いた。
その凄まじい殺気は、見ている私まで怖くなってくる。
「お前の手に彫ってあるタトゥーは、闇の商人を表す印だ。
察するにお前はゴルボスだろ?」
「そ、それがなんだ。」
「知ってるか?
今日からこの辺りの取締官は、氷のパテスが着任してるんだ。」
「ひ、ひぃ!
パテスだと!?」
「彼も昔闇の商人に売り飛ばされて、苦労した過去を持つ不屈の役人だ。
彼による取り調べを受けた闇の商人は、仲間たちに信用されなくなることで有名だ。
お前を突き出せば、喜ぶだろうな・・・。」
「た、たす・・・けて・・・くれ。」
強気だったゴルボスが、震えだしてる。
「ただで譲れ・・・な?」
カミュンがさらに語気を強める。
ゴルボスはこくこくと必死に頷いた。
カミュンはそれを見て剣を収めると、私のそばにやってきてひょいと抱き上げる。
温もりが伝わってきて、泣きそうになった。
思わず震える手で服を掴んで、涙を耐える。
「間に合った・・・。
もう、心配ないからな。」
と、カミュンが呟いたその瞬間、彼の背後でゴルボスが呪符をさっと取り出すのが見えた。
危ない・・・!!!
「はいはい、いけませんねー。」
ゴルボスの呪符を持つ手を、さっと捻り上げたのはクロスノスだった。
「いででで!!」
「往生際の悪さは、私の大好物です。
さ、行きましょう。」
と、言ったクロスノスはゴルボスを気絶させると、担いでそのまま馬に乗って行ってしまった。
「カミュン・・・どうして?」
私はカミュンを、見上げて聞いた。
あんなに拒絶したような態度を、とってたのに。
「・・・な。」
ボソッとカミュンが言うのが聞こえたけど、はっきりわからない。
「なに?聞こえない。」
痺れた手で服を軽く引く。
「身を守れないうちは、一人で行くな。」
彼を見上げる私を見たカミュンは、真剣な顔で言った。
「やっとお前は自由になれたんだ。
二度と檻の中へ戻るな。
その為には、身を守る術を身につけることが先だ。」
その言葉に私は思わず瞬きをした。
「ごめんなさい・・・。
私・・・。」
「いや、今回は俺たちに非がある。
こんな思いをさせてしまった自分が、歯痒い。
ごめん、リタ。」
「カミュン!
そんな・・・。」
「帰ろう、一緒に。」
そう言いながら、カミュンはスタスタと歩いて、自分が乗ってきた馬に私ごと飛び乗った。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
読んでくださってありがとうございました。
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※この物語はフィクションです。表現や人物、団体、学説などは作者の創作によるものです。
「魔法研究所を逃げ出したと聞いていたが、こんなところにいたなんてな。」
と言うと、手を伸ばしてくる。
私は思わず後ろに飛びのいた。
「なに!?
その身のこなし!!
まさか、焼印が消えてるのか?
ちっ、まあいい。
こっちも人狼を何匹も捕まえてきてる。
いくらでも手はあるんだ。
ついでに漆黒の狼の伝説も、確かめさせてもらおう。」
「漆黒の狼の伝説・・・?」
「これを見ろ、この間お前の髪の毛を一本くすねていたんだよ。
伝説が本当ならこの髪は、俺様の力を倍に跳ね上げるはずだ。」
そう言うと、懐から長い髪の毛を一本と、小さな壷を取り出して、呪符を貼った。
指に髪の毛を巻くと、呪文を唱え始める。
「来たれ、痺れの毒を司る毒気の精霊よ。
あの、小娘を捕らえて我が前に跪かせよ。」
怪しげな煙が壷から立ち上り、真っ直ぐ私の方へ向かってきた。
私は本能的にその場を逃げ出すと、必死に走った。
それでも、ゴルボスが放った痺れ効果のある煙は、ものすごい速さでどこまでも追いかけてくる。
怖い・・・怖い!
そうだ・・・時の砂を使えば!!
腰につけた袋に触ろうとしたけど、風を切る音が聞こえて、さっと身を翻すと針のようなものが地面に刺さった。
ゴルボスは吹き矢でも狙ってきてる・・・!!
なら、時間を操ろう!
止められるはず・・・!!
そう思ったけど、カミュンたちが見せた恐れの表情を思い出し、うまく集中できない。
そうだ・・・変身すればもっと早く走れる!
そう思うけど、慣れない手つきで、走りながらくしゃみなんかできない。
とにかく、立ち止まらないことだわ!
そう思ったのに、目の前の地面が途中までしかないことに気づく。
また、崖!?
一瞬の迷いのせいで、煙に追い付かれる。
「あぁぁぁ!!」
煙に巻かれ、すぐに体が痺れてその場に倒れた。
そこへ、ゴルボスがにやにや笑いながら追いついてくる。
「捕まえたぞ、リタ。
痺れ毒の飛ぶ速さと効き目がいつもの2倍だ。
やはり伝説は本当だった。
お前は俺様のものだ。
あぁ、あの毛は消えた・・・。
一度使えば消えると言うのもの伝説の通り。」
ゴルボスはそう言うと、私の服を見つめ指を差して笑い始めた。
「それにしても、無一文のくせに綺麗な服を着ているな。
盗んだか、それとも誰かたらしこんだのか?
お前は本当に、美しい人狼だからな。」
ゴルボスは口を閉じて、また髪に触れようとする。
嫌・・・!
触らないで!!
時の砂も沈黙している。
なぜ・・・。
悔しく思いながら、目を閉じて触れてくる手を耐えようとした時、
「触るな。」
と、声がした。
ゴルボスが驚いて降り向くと、喉元に鋭い剣が突きつけられている。
「だ、誰だお前・・・!?」
「お前に関係ない。
二度と彼女に関わるな。
次に会った時はその首が飛ぶからな。」
カミュンだった。
え・・・どうして・・・。
「し、し、商売の邪魔をするな!!
こいつは人狼だぞ!?
こういう獣を狩って、売ることも生業にしている以上、ただで譲るわけにいかん!」
と、ゴルボスが吠えた。
「金を出せと?」
と、カミュンが首を傾げて尋ねる。
「人狼は、餓鬼なら10万オーグォ、繁殖期の成体なら、500~1,000万オーグォが相場だ!!
年頃の雌の場合は2,000万オーグォ。
だが、この極上の雌は国が買えるほどの額を積まないと渡さん。」
「大きく出たな。」
「当たり前だ!
こいつは、千年に一度生まれると言われる漆黒の狼だったからな。
欲しがる金持ちは沢山いるんだよ!
いや、金持ちどころじゃねぇ。
もはやどこの国も欲しがる秘宝なんだ。」
「漆黒の狼とは?」
「ものを知らないねぇ。
神の使いと言われる黒竜の化身が、この漆黒の狼だと言われてるんだ。
こいつの毛は、術者の魔法の効果を倍増させる効力を持つ。
使い方によっては数十倍も力が上がるんだ。」
私はゴルボスのそんな話を聞きながら、自分の髪の毛を見つめた。
そんな力なんか、あったことすら知らない。
家族は何も教えてくれなかった。
「そうか。
なら、俺が引き受ける。」
「払えるのか?
えらく庇うじゃないか。
まさか、こいつの服・・・。
・・・へへ、なるほどな、この狼をそんなに気に入ったのか。」
「無駄話をする気はない。」
カミュンの剣の先が、ゴルボスの喉を軽く突いた。
その凄まじい殺気は、見ている私まで怖くなってくる。
「お前の手に彫ってあるタトゥーは、闇の商人を表す印だ。
察するにお前はゴルボスだろ?」
「そ、それがなんだ。」
「知ってるか?
今日からこの辺りの取締官は、氷のパテスが着任してるんだ。」
「ひ、ひぃ!
パテスだと!?」
「彼も昔闇の商人に売り飛ばされて、苦労した過去を持つ不屈の役人だ。
彼による取り調べを受けた闇の商人は、仲間たちに信用されなくなることで有名だ。
お前を突き出せば、喜ぶだろうな・・・。」
「た、たす・・・けて・・・くれ。」
強気だったゴルボスが、震えだしてる。
「ただで譲れ・・・な?」
カミュンがさらに語気を強める。
ゴルボスはこくこくと必死に頷いた。
カミュンはそれを見て剣を収めると、私のそばにやってきてひょいと抱き上げる。
温もりが伝わってきて、泣きそうになった。
思わず震える手で服を掴んで、涙を耐える。
「間に合った・・・。
もう、心配ないからな。」
と、カミュンが呟いたその瞬間、彼の背後でゴルボスが呪符をさっと取り出すのが見えた。
危ない・・・!!!
「はいはい、いけませんねー。」
ゴルボスの呪符を持つ手を、さっと捻り上げたのはクロスノスだった。
「いででで!!」
「往生際の悪さは、私の大好物です。
さ、行きましょう。」
と、言ったクロスノスはゴルボスを気絶させると、担いでそのまま馬に乗って行ってしまった。
「カミュン・・・どうして?」
私はカミュンを、見上げて聞いた。
あんなに拒絶したような態度を、とってたのに。
「・・・な。」
ボソッとカミュンが言うのが聞こえたけど、はっきりわからない。
「なに?聞こえない。」
痺れた手で服を軽く引く。
「身を守れないうちは、一人で行くな。」
彼を見上げる私を見たカミュンは、真剣な顔で言った。
「やっとお前は自由になれたんだ。
二度と檻の中へ戻るな。
その為には、身を守る術を身につけることが先だ。」
その言葉に私は思わず瞬きをした。
「ごめんなさい・・・。
私・・・。」
「いや、今回は俺たちに非がある。
こんな思いをさせてしまった自分が、歯痒い。
ごめん、リタ。」
「カミュン!
そんな・・・。」
「帰ろう、一緒に。」
そう言いながら、カミュンはスタスタと歩いて、自分が乗ってきた馬に私ごと飛び乗った。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
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