罰ゲームでパパ活したら美丈夫が釣れました2

田中 乃那加

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シュガーダディは眠らせない3

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「嘉親って、二重人格かなんかなの」
「うむ?」

 かすれた声でイヤミを言っても、この男の返事にはクエスチョンマーク付きだ。
 気だるいを超えて、疲労困憊ひろうこんぱい。前に抱かれた時とは雲泥の差だな。
 腰が立たなくなってるのは、手加減せすに抱かれたからなんだろう。一際強く噛み付かれた肩は、ヒリヒリと痛い。

「どっちが本当なんだよ」

 優しくてオレを甘やかしてくれる、自分の事を『私』と言うアンタと。
 こうやって激しくて容赦ないセックスをする。自分のことを『俺』っていう、いじわるなアンタと。
 最悪なのは、どちらのコイツもそう嫌いじゃなかったってことだ。
 なに、オレってMの気でもあんの? それはそれでショックなんだけど。

「何を言っているのか分からんな」

 広いベッドで後ろから抱きすくめられる形で横たわる、オレの体温は多分高い。
 コイツとぼけるつもりか、とムカついて身体をひねった。

「この嘘つきのロクデナシめ」

 形のいい顔の、頬をつまんでにらむ。イケメンは性格いいって言った奴誰だよ。人には浮気とかなんとか言いがかりでヒドくしといて、自分は他に恋人がいるなんて。
 いくらガキでパパ活の関係だからってナメすぎだろ。
 それに彼氏? ……つまり、あの先輩に悪いとか思わないのかよ。
 オレだって、めちゃくちゃ凹んだんだからな。
 何が悲しくて、学校の先輩と男を共有しなきゃいけないんだって。
 そういうことを荒々しくまくしてる。すると。

「うむ…………分からん」

 眉を下げて、首をかしげている。その表情がまるで。

「なんじゃそりゃ」

 まるきり(´・ω・`) なんだもん。
 美形のクセに。そのギャップに思わず、可愛いって思った自分をぶん殴りたい。

「私には君だけだが」
「そうやって、数々の男とヤリまくったんだろ」

 なんかバカバカしくなった。
 今度は嘘つきとは――でもなんだか話が噛み合わないのも事実で。

「信じてほしい。私には、他に肉体関係を結ぶ者はいない」
「言い方! でも、そんなこと言ったってさ」

 最終兵器とばかりに、オレは先輩の名前を口にする。
 すると、嘉親が顔をこれ以上ないってほどしかめた。

「……皇大郎こうたろう、だな」

 そう。田中だか伊藤だか忘れたけど、下はなかなか古風な名前。
 少しチャラいカンジのイケメンで、たしかにコイツとお似合いのカップルなのかもしれない。
 少なくともオレに比べたら。

「咲夜。言っておくが」

 抱きしめてくる腕に力が入った。
 そして耳元で囁かれた言葉。

「皇大郎は
「へ…………?」

 弟? この男の? 確実に三十路は超えてるだろうコイツの弟が、オレのひとつ上???
 頭の中に『?』が飛び回る。
 でも。そんなワケないだろ、と一蹴する事もできない。
 その声は、とても真剣だったから。

「信じてくれ。咲夜」
「ま、マジで?」

 もう一回振り向こうと首を回すが。しっかり抱きすくめられてるせいか、なかなか体勢が変えられない。

「ちょっ、離せ!」
「嫌だ」
「い、嫌ってアンタなぁ」
「……アンタじゃない」
「いい歳してスネてんじゃないぞ!!」

 オッサンのくせに、妙に可愛いじゃねぇかよ。
 さっきまでオラオラ系に変貌して、散々好き勝手してきたヤツとは思えない。
 タダでさえ熱いのに、暑苦しくひっついてくる男に対してジタバタと暴れる。でも、ビクともしないのは力の差がすごい。
 この筋肉ダルマの残念なイケメンめ!

「君に疑われるのだけは、我慢できない」
「そんなこと言ったって……」

 あんな親しげな口調で、しかも『愛してる』って。
 そう、先輩はそう言って電話を切ったんだ。
 兄弟でそんな会話してたら、それこそブラコンだしキモいだろ。むしろそっちの方がダメージ半端ないっつーの。

「ちゃんと釈明しゃくめいさせてくれ。頼む」

 必死かよ。
 まるで捨てられそうな子犬みたいなすがり方……いや、どちらかというと大型犬。とびきりデカいやつ。
 ギュウギュウと締めあげてくるのも、甘えているように見えなくもない。

「私を捨てないでくれ」
「っ、な、なに!?」

 まるで恋人どうしの会話みたいじゃないか。
 違うだろ? オレと嘉親は、そんな確かなものじゃない。
 ありえないって。そんなヘタな言い分。ガキだって笑うだろうよ。
 なのに。なのに。

「嘉親の……バカ」

 そう言って、回された腕にキスをした。

押し付けといて、浮気の言い訳してんじゃねぇよ」

 さっきから痛いくらい当たってる、硬いソレ。
 バレでないとでも思ってんのか。それともワザと当ててんのか。そうだとしたら、相当の変態だ。

「咲夜、私は……」
「言い訳は後で聞くっての。今はほら」

 負けじとオレも腰を揺らしてソレに尻を押しつける。
 
「も一回、しよ?」
「……っ!?」

 オレの言動に、大きく震えた大人の身体に気分がいい。
 いい歳したこいつを、翻弄ほんろうしてやりたい。そんな欲。
 オレだって男だもん。
 好きなやつとこんなにくっついて、なにも感じないワケないだろ。
 もう浮気とか関係とか、そういうのどうでもよくなってきた。
 いや。今は、だけどさ。
 とりあえずヤりたい。さっきより優しく抱いてほしい。
 そんな気分でもう一回、腕に唇を寄せた。

「いいでしょ? 嘉親♡」

 すると、大きなため息が。

「……まったく。君は」
「ひゃんっ♡」

 いきなり胸を、乳首をキュッとつままれて声を上げてしまう。
 
「んぁっ♡ はぁ♡ あっ♡」
「私を惑わす小悪魔め」
「あっ♡ あっ、そ、それっ、だめっ♡♡」
「ダメじゃないだろう。こんなに喘いで。ここだけでイってしまうんじゃないのか?」
「ひゃぁ♡ っ、い、イけないっ、からぁ♡♡」

 ひとりでする時もここをいじるようになっちゃったから、めちゃくちゃ感じちゃうけど。でもそこだけでイくのはムリだ。
 電気が流れるみたいに身体がビクビクッてして、ひたすらキモチイイ。
 こんなとこ感じるなんて女の子みたいって恥ずかしいけど、嘉親が教えたんだから仕方ないよね。
 
「ち、チンコもっ、さわって♡ ごしごし、させてぇ♡♡」
「ん? 教えたはずだぞ。君のそこは、なんと言うのだったかな?」
「んんっ♡ あっ、あぅっ♡♡ お、おちんちん、ですぅ♡♡ おちんちんっ、さわってぇぇっ♡♡♡」
「ふむ」

 嘉親は少し考えるような間を置いたあと。
 少し笑った。

「ダメだ」
「な、なんれぇ……も、イきたいっ、ガマンっ、できないよぉぉ♡♡♡」

 こうしてる時も、ずっとクリクリとおっぱいいじられてキツい。おちんちんも爆発しそうなほどパンパンだし、ほんのちょっぴり触ってくれたらイけるのに。
 いじわるな嘉親のせいで、泣きそうだ。

「おねがいっ♡ イかせてっ」
「こらこら。足に擦り付けるんじゃない。すっかり淫乱なメス猫ちゃんだ」
「そ、そんなのっ……♡ アンタのっ、せいだろっ♡♡」
 
 1ヶ月前は知らなかったのに。
 おっぱいがこんなにキモチイイなんて。あと、もキュンキュンして入れて欲しくなるなんて。
 
「咲夜」
「は、はひぃっ♡」
「お仕置だな」
「へ??? ……ひぎゃっ!!」

 今度は尻を撫でられたかと思えば、イキナリ穴に指つっこまれた。
 さっきまでベトベトにされて犯されてたトコロだ。あっさりと入った指は、二本。

「まだトロトロか」
「ひっ……言うなぁっ♡♡♡ あ゙ーっ♡ そ、それ、らめっ♡♡」

 早速メスイキしちまうトコをスイッチみたいに、激しく刺激されてイきそうになる。
 
「ん゙ぉっ♡ おっ♡ あ゙♡ い、イくっ、イ……あ゙ァッ、な、なんれ……!?」

 やっとイけそうだったのに! ガチガチになったおちんちんの根元を、強く締め上げられてオカシクなりそう。
 泣いて暴れても、やっぱりビクともしない。
 お仕置きってなに? オレ、なんにも悪いことしてないのに!

「私のことは名前で呼びなさい」
「あ……ぁ……ご、ごめ、んな、さい……」

 でもアイツはオレを許してくれるつもりはないらしい。

「まだまだ寝かせないよ、可愛い人ハニー
「んぁっ♡」

 今度は指をぬかれて、いれようとするのは大きくて固くて熱いアレ。

「たっぷり、可愛がってやる」
「あ……♡♡」

 やっぱり嘉親って二重人格なんじゃかいかな。
 優しい時も、酷くする時も。すごくカッコよくてセクシーで、たまらなく興奮しちゃう。
 だから、オレは尻を揺らして。

「は、はやく、きてぇ♡♡♡」

 ってオネダリすると。

「……良い子だ」

 って言われて、耳にキスされた。


 


 
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