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魔法使いVS魔王VS異世界転生者の異種格闘技戦7
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※※※
「――で。何故、こうなったんです」
深いため息の次に、吐き出された言葉に目を逸らしたのはアレックスではなかった。
「うーん。なりゆき、かな?」
「こっちに問われても困ります。というか、質問を質問で返すな。無能な土人形め」
「ちょっ、それヒドくない!? こちとら一応、いたいけな少年だよ?」
「実年齢でいうと私よりよっぽど歳食ってるクセに」
「それ、言っちゃダメなヤツ! 俺は永遠のショタキャラだからね!?」
目の前でぎゃいぎゃい騒ぐ、二人の男。正確にいえば、恐ろしく美形の青年と見目麗しい少年。
「私相手に可愛こぶられても、ムカつくだけですが」
「そーゆートコじゃないの。愛想悪いとか腹黒いとか、黒幕とか言われるのは」
「主に貴方が、言いふらしているのでしょうが。知らないと思ってるのか。小狡いマヌケが」
「さっきから、やたら辛辣過ぎだよ」
(なんなんだ一体)
置いてきぼり状態とは、このことか。
アレックスは、呆然と独りごちることしか出来ない。
魔王ファシルとの緊迫の場面は、思わぬ邪魔が入った。
「ていうかシセロが悪いんでしょ。俺をこんな姿にしてさ!」
「そっちが勝手に罠に掛かったんでしょうがり自業自得ですよ」
「いや、思い切り囮につかったよね!? 突き飛ばしてきたし」
こんな姿、と言うのはニア。
またしても生首状態で、地面から奇妙にゴムまりみたく飛び上がっている。
魔王と一触即発のアレックスの前に現れたのは、この少年の頭部だった。
真っ直ぐに飛んでいった彼は、ドヤ顔キメてる魔王の横っ面に直撃。
白目むいてぶっ倒れさせたのだ。
「って言うか、俺ってスゴくない? 魔王倒しちゃったんだけど!」
「なに自分の手ガラみたく言ってるんですか。私のバツグンのコントールがあってこその――」
「そういやこの人、普通にブン投げたじゃん。俺の事」
そう。魔王目掛けて、ニアの生首をぶつけてきたのはシセロである。
剛腕ピッチャーのごとき美しいフォームで、彼の髪をむんずと掴んで投げ込んだのだ。
それはそれは鮮やかな軌道を描き、見事に魔王を気絶させた。
「ていうか、コイツ生きてんのかな」
「あの魔王がそう簡単にくたばるワケないでしょう。そこらの家庭内害虫より、しぶとい男ですよ」
「言い方がヒドイなぁ」
毒舌が止まらないシセロは、冷笑からの魔王の身体を足先でつつく。
小さな呻きを聞くと、口角をあげて。
「積年の怨みッ!!!」
「……ゔぐっ」
その脇腹を思い切り蹴りあげた。
薄く意識が浮上しかかっていたのだろう、彼は手負いの獣のような声をあげて再び静かになる。
「ちょ、手荒すぎだよ!」
「この腐れ外道には、これくらいの仕打ちがちょうど良いんですよ――ねぇ? そこのお方」
ドン引きするニアにはお構い無しで、こちらを振り返るシセロ。これ以上ないほどにゲス顔だった。
「アレックス、でしたっけ。私、貴方にも借りがあるのですよ」
「オレはアンタの事なんざ、知らねぇがな」
「……とぼけるとは愚かな」
その綺麗な顔の眉間に、シワが刻まれる。もしかしなくても怒っているらしい。
しかしアレックスとて、今すぐぶっ飛ばしてやりたい程には怒っていた。
(コイツがあの大臣か)
エルフであるのに人間の国の大臣、という異色とも思える立場の男。
その黒い噂は国民の間では、ほとんど常識のように囁かれていた。
「ああ、思い出したぜ。あの、陰険で腹黒いクソ野郎だってな」
「ふん。知性の欠片もない顔ですね。おおかた、そのムダに肥大した筋肉組織に知能を吸い取られているのでしょう」
試しに煽れば、さらに煽り返してくる。互いに相当頭に血が上っているようだ。
当たり前だろう。
なんせ、彼らは言わば恋敵。アレックスにとっては、愛する人の処女を奪った野郎。
そしてシセロにとっては、さしずめ自分の恋路を邪魔する障害のひとつ。
ここでも、殺し合いの空気が生まれるのは至極もっともであった。
「あ゙ぁ? テメェ、ぶん殴られたいのか」
伝家の宝刀とばかりに右拳を構れば、向こうはせせら笑って杖を向けてくる。
「貴方ごとき、私がたった5歳の頃に覚えた魔法で充分倒せますけどね」
「……ンだとコラ」
「弱い犬ほどよく吠えると」
「それは、巨大ブーメランってやつだぜ」
イヤミの応酬が止まらない。
そして次第に双方、ジリジリと間合いを詰めていく。
「ちょっとォ、マジなケンカやめてよ!」
睨み合う彼らに、割って入るのはニア。彼も一応、立ち位置としてはそう変わらないのだが。
それでも困ったような表情で二人の間に立っているのは、年の功と本人の性格か。
「そんな事してるヒマはないでしょ。これどーすんのさ」
これ、とは魔王のことである。
今はノビているが、目を覚ますと厄介だ。
「っていうかさ。この人、本当に魔王なのかな」
湿った地面に倒れている人物を覗き込み、つぶやかれた言葉にアレックスは首をかしげた。
「どういう意味だ? 小僧」
「小僧じゃないよ。ニアって呼んで」
「ニア……どういう事だ」
腕を組み、彼を軽く睨めつける。
一応、彼ら二人のことは知ってはいた。体験談という薄っぺらものだが。アレンからドSの大臣と、ショタで甘え上手な家庭教師の事は聞いていたのだ。
しかしもちろん、詳細を根掘り葉掘り訊ねることは出来なかった。
ただこの二人が彼を抱いていたという、事実だけ。
(それだけで充分だ)
今は生首となった奇怪な少年。なおさら油断は出来まい。
「おっと、そんなコワイ顔しないでよ。俺はなにも、今ここで君と争おうってほど血気盛な若造じゃないんだから。誰かさんみたいにね!」
「……チッ、土に戻してやりましょうか」
シセロが苦々しく吐き捨てる。それを目配せひとつで流し、彼はゴロゴロとアレックスの目の前まで転がってきた。
「君はファシルという男を知らないだろう。彼は、とても危険な存在だよ」
数々の村を焼くのは朝メシ前。さらには持ち前のチート能力は未だ謎が多く、実態が掴めていないのが現状だ。
「あーあーあー。このシセロが、魔王や俺たちを騙すような事さえしなきゃモノゴトはここまで拗れなかったかもなのになー」
「……ふん、いつまでもネチネチとうるさい」
図星をつかれたシセロは、長い銀髪をかきあげてそっぽを向いた。
アレンを手に入れるため。国を裏切り、国民を欺き。魔王と手を組んで、童帝ビルガという存在をでっち上げたのだ。
それが結果的に、騙し合いの泥試合になってしまったのだが。
「とにかく魔王ファシルは、他人の意識や記憶を操作する能力があるらしいから」
「なるほど」
目の前の男が、洗脳を受けた者でない保証はない。
「しかし、我々にそれを確かめる術はない」
冷酷に言い切ったシセロの手には、何やら蠢くロープのようなモノが。
それはなんだ、と聞く前に彼は小さく呪文を唱えた。
「!」
一瞬、鈍く光ったと思ったら。肉色に変化したそれらはすざましい勢いで倒れた男の元へ飛び出していく。
「うわぁ、あの触手じゃん。相変わらずキモいなぁ……」
「失礼なことを言わないでください。泥人形の貴方より、よほど知能高いのですよ」
「だから、ことごとく俺をディスるのやめてってば!」
「……」
(こいつら正気か?)
乱暴に、しかし手際よく。触手たちは男を縛り上げていく。
なにがしか魔法を掛けたのか、ギュウギュウと締めあげられても目を覚ます気配はない。
「うぐっ」
「ちょっとシセロ。もう少し優しくしてあげたら?」
「バカおっしゃい。アレン以外の男に優しくする義理はないですよ」
「……そのアレンすらイジメてたドSのクセに」
「は?」
「ま、待ってよ。俺にまで杖向けないで!」
(それにしても亀甲縛り。なかなか見事なものだな)
SMとかで多用されるアレだ。
悪趣味とも言える雁字搦めは、きっとあの愛らしい彼に似合うだろうと考えればニヤつきが止まらない。
(もちろん酷い事はしたくないが、それにしてもきっと最高にセクシーだろうよ)
的確に性感を高める縛り方で、切なげな吐息を洩らすのを想像する。それだけで、ナニとは言わないが昂るのが分かった。
(あぁ、それよりまずは優しく抱きしめてやりてぇ)
嫌がる素振りをしたって、なだめてやればきっと素直になるだろう。
頭の先からつま先まで、キスの雨を振らせて愛を囁きたい。赤らむ頬にも、子どものような額にも。
甘やかして尽くして、満たしてやらなければいけない。
(こんなレイプ野郎共とは、違うと教えなければ)
とてつもないエゴ。それでいて、滑稽ともいうべき驕りであろう。
しかしアレックスは本気なのだ。
愛のある (と、本人は固く信じている) セックスをした男の決意なのだ。
無理矢理身体をひらくような、レイプ紛いのことはしないと。
(待ち遠しいな)
愛する者との、熱く情熱的な甘い夜を夢想する男は虚空を見つめて笑っていた。
その不気味な様子が、恋はかくも愚かで盲目であるのを如実にあらわしている。
「……あー。こっちはこっちでロクなこと考えてないなぁ」
心底呆れ返ったニアの言葉も、アレックスの耳には入っていない。
そんな彼らの元に彼女が飛び込んでくるのは、その数秒後の話である。
「――で。何故、こうなったんです」
深いため息の次に、吐き出された言葉に目を逸らしたのはアレックスではなかった。
「うーん。なりゆき、かな?」
「こっちに問われても困ります。というか、質問を質問で返すな。無能な土人形め」
「ちょっ、それヒドくない!? こちとら一応、いたいけな少年だよ?」
「実年齢でいうと私よりよっぽど歳食ってるクセに」
「それ、言っちゃダメなヤツ! 俺は永遠のショタキャラだからね!?」
目の前でぎゃいぎゃい騒ぐ、二人の男。正確にいえば、恐ろしく美形の青年と見目麗しい少年。
「私相手に可愛こぶられても、ムカつくだけですが」
「そーゆートコじゃないの。愛想悪いとか腹黒いとか、黒幕とか言われるのは」
「主に貴方が、言いふらしているのでしょうが。知らないと思ってるのか。小狡いマヌケが」
「さっきから、やたら辛辣過ぎだよ」
(なんなんだ一体)
置いてきぼり状態とは、このことか。
アレックスは、呆然と独りごちることしか出来ない。
魔王ファシルとの緊迫の場面は、思わぬ邪魔が入った。
「ていうかシセロが悪いんでしょ。俺をこんな姿にしてさ!」
「そっちが勝手に罠に掛かったんでしょうがり自業自得ですよ」
「いや、思い切り囮につかったよね!? 突き飛ばしてきたし」
こんな姿、と言うのはニア。
またしても生首状態で、地面から奇妙にゴムまりみたく飛び上がっている。
魔王と一触即発のアレックスの前に現れたのは、この少年の頭部だった。
真っ直ぐに飛んでいった彼は、ドヤ顔キメてる魔王の横っ面に直撃。
白目むいてぶっ倒れさせたのだ。
「って言うか、俺ってスゴくない? 魔王倒しちゃったんだけど!」
「なに自分の手ガラみたく言ってるんですか。私のバツグンのコントールがあってこその――」
「そういやこの人、普通にブン投げたじゃん。俺の事」
そう。魔王目掛けて、ニアの生首をぶつけてきたのはシセロである。
剛腕ピッチャーのごとき美しいフォームで、彼の髪をむんずと掴んで投げ込んだのだ。
それはそれは鮮やかな軌道を描き、見事に魔王を気絶させた。
「ていうか、コイツ生きてんのかな」
「あの魔王がそう簡単にくたばるワケないでしょう。そこらの家庭内害虫より、しぶとい男ですよ」
「言い方がヒドイなぁ」
毒舌が止まらないシセロは、冷笑からの魔王の身体を足先でつつく。
小さな呻きを聞くと、口角をあげて。
「積年の怨みッ!!!」
「……ゔぐっ」
その脇腹を思い切り蹴りあげた。
薄く意識が浮上しかかっていたのだろう、彼は手負いの獣のような声をあげて再び静かになる。
「ちょ、手荒すぎだよ!」
「この腐れ外道には、これくらいの仕打ちがちょうど良いんですよ――ねぇ? そこのお方」
ドン引きするニアにはお構い無しで、こちらを振り返るシセロ。これ以上ないほどにゲス顔だった。
「アレックス、でしたっけ。私、貴方にも借りがあるのですよ」
「オレはアンタの事なんざ、知らねぇがな」
「……とぼけるとは愚かな」
その綺麗な顔の眉間に、シワが刻まれる。もしかしなくても怒っているらしい。
しかしアレックスとて、今すぐぶっ飛ばしてやりたい程には怒っていた。
(コイツがあの大臣か)
エルフであるのに人間の国の大臣、という異色とも思える立場の男。
その黒い噂は国民の間では、ほとんど常識のように囁かれていた。
「ああ、思い出したぜ。あの、陰険で腹黒いクソ野郎だってな」
「ふん。知性の欠片もない顔ですね。おおかた、そのムダに肥大した筋肉組織に知能を吸い取られているのでしょう」
試しに煽れば、さらに煽り返してくる。互いに相当頭に血が上っているようだ。
当たり前だろう。
なんせ、彼らは言わば恋敵。アレックスにとっては、愛する人の処女を奪った野郎。
そしてシセロにとっては、さしずめ自分の恋路を邪魔する障害のひとつ。
ここでも、殺し合いの空気が生まれるのは至極もっともであった。
「あ゙ぁ? テメェ、ぶん殴られたいのか」
伝家の宝刀とばかりに右拳を構れば、向こうはせせら笑って杖を向けてくる。
「貴方ごとき、私がたった5歳の頃に覚えた魔法で充分倒せますけどね」
「……ンだとコラ」
「弱い犬ほどよく吠えると」
「それは、巨大ブーメランってやつだぜ」
イヤミの応酬が止まらない。
そして次第に双方、ジリジリと間合いを詰めていく。
「ちょっとォ、マジなケンカやめてよ!」
睨み合う彼らに、割って入るのはニア。彼も一応、立ち位置としてはそう変わらないのだが。
それでも困ったような表情で二人の間に立っているのは、年の功と本人の性格か。
「そんな事してるヒマはないでしょ。これどーすんのさ」
これ、とは魔王のことである。
今はノビているが、目を覚ますと厄介だ。
「っていうかさ。この人、本当に魔王なのかな」
湿った地面に倒れている人物を覗き込み、つぶやかれた言葉にアレックスは首をかしげた。
「どういう意味だ? 小僧」
「小僧じゃないよ。ニアって呼んで」
「ニア……どういう事だ」
腕を組み、彼を軽く睨めつける。
一応、彼ら二人のことは知ってはいた。体験談という薄っぺらものだが。アレンからドSの大臣と、ショタで甘え上手な家庭教師の事は聞いていたのだ。
しかしもちろん、詳細を根掘り葉掘り訊ねることは出来なかった。
ただこの二人が彼を抱いていたという、事実だけ。
(それだけで充分だ)
今は生首となった奇怪な少年。なおさら油断は出来まい。
「おっと、そんなコワイ顔しないでよ。俺はなにも、今ここで君と争おうってほど血気盛な若造じゃないんだから。誰かさんみたいにね!」
「……チッ、土に戻してやりましょうか」
シセロが苦々しく吐き捨てる。それを目配せひとつで流し、彼はゴロゴロとアレックスの目の前まで転がってきた。
「君はファシルという男を知らないだろう。彼は、とても危険な存在だよ」
数々の村を焼くのは朝メシ前。さらには持ち前のチート能力は未だ謎が多く、実態が掴めていないのが現状だ。
「あーあーあー。このシセロが、魔王や俺たちを騙すような事さえしなきゃモノゴトはここまで拗れなかったかもなのになー」
「……ふん、いつまでもネチネチとうるさい」
図星をつかれたシセロは、長い銀髪をかきあげてそっぽを向いた。
アレンを手に入れるため。国を裏切り、国民を欺き。魔王と手を組んで、童帝ビルガという存在をでっち上げたのだ。
それが結果的に、騙し合いの泥試合になってしまったのだが。
「とにかく魔王ファシルは、他人の意識や記憶を操作する能力があるらしいから」
「なるほど」
目の前の男が、洗脳を受けた者でない保証はない。
「しかし、我々にそれを確かめる術はない」
冷酷に言い切ったシセロの手には、何やら蠢くロープのようなモノが。
それはなんだ、と聞く前に彼は小さく呪文を唱えた。
「!」
一瞬、鈍く光ったと思ったら。肉色に変化したそれらはすざましい勢いで倒れた男の元へ飛び出していく。
「うわぁ、あの触手じゃん。相変わらずキモいなぁ……」
「失礼なことを言わないでください。泥人形の貴方より、よほど知能高いのですよ」
「だから、ことごとく俺をディスるのやめてってば!」
「……」
(こいつら正気か?)
乱暴に、しかし手際よく。触手たちは男を縛り上げていく。
なにがしか魔法を掛けたのか、ギュウギュウと締めあげられても目を覚ます気配はない。
「うぐっ」
「ちょっとシセロ。もう少し優しくしてあげたら?」
「バカおっしゃい。アレン以外の男に優しくする義理はないですよ」
「……そのアレンすらイジメてたドSのクセに」
「は?」
「ま、待ってよ。俺にまで杖向けないで!」
(それにしても亀甲縛り。なかなか見事なものだな)
SMとかで多用されるアレだ。
悪趣味とも言える雁字搦めは、きっとあの愛らしい彼に似合うだろうと考えればニヤつきが止まらない。
(もちろん酷い事はしたくないが、それにしてもきっと最高にセクシーだろうよ)
的確に性感を高める縛り方で、切なげな吐息を洩らすのを想像する。それだけで、ナニとは言わないが昂るのが分かった。
(あぁ、それよりまずは優しく抱きしめてやりてぇ)
嫌がる素振りをしたって、なだめてやればきっと素直になるだろう。
頭の先からつま先まで、キスの雨を振らせて愛を囁きたい。赤らむ頬にも、子どものような額にも。
甘やかして尽くして、満たしてやらなければいけない。
(こんなレイプ野郎共とは、違うと教えなければ)
とてつもないエゴ。それでいて、滑稽ともいうべき驕りであろう。
しかしアレックスは本気なのだ。
愛のある (と、本人は固く信じている) セックスをした男の決意なのだ。
無理矢理身体をひらくような、レイプ紛いのことはしないと。
(待ち遠しいな)
愛する者との、熱く情熱的な甘い夜を夢想する男は虚空を見つめて笑っていた。
その不気味な様子が、恋はかくも愚かで盲目であるのを如実にあらわしている。
「……あー。こっちはこっちでロクなこと考えてないなぁ」
心底呆れ返ったニアの言葉も、アレックスの耳には入っていない。
そんな彼らの元に彼女が飛び込んでくるのは、その数秒後の話である。
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