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魔法使いVS魔王VS異世界転生者の異種格闘技戦2
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「……いい加減にしろよ」
「ゔぅぅぅぅっ、ボーリョクハンタイ」
頭にゲンコツ食らった少年は、恨めしげにつぶやく。
しかしアレックスの怒りも、もっともであった。いきなり槍や斧で襲いかかられるわ、応戦したらオッサン呼ばわり。挙句の果てに金蹴りまでかまされれば、子どもであろうがゲンコツの一つや二つ落とさねば気が済むまい。
「ったく、なんなんだ。お前は」
少年とガチムチ男が、浜辺に座って海を眺めている。
妙な哀愁漂う空気にもなりそうだが、アレックスの胸の内は焦りに満ちていた。
(くそ。めんどくせぇ)
こんなことをしているヒマはないのだ。
愛しのアレンを攫ったクソ野郎をぶちのめし、速やかに助け出さければならない。
(これはもう他の野郎にとられないよう、囲っとくのがいいのか?)
監禁のフラグが立つ。
この世界の男たちは、どうしてこうもヤンデレ思考に走るのか。そろそろアレン・カントールが不憫になってくる程だ。
しかし目の前でしょんぼりと視線を落とす少年は、そんなことつゆ知らず。
「オッサンのバカヤロ……俺の……『タ・ポーロ』が……ぐすっ……」
「おいおい。泣くな」
今度は顔をおおって震え始めた身体を、横目で見る。
服を纏わぬ身体は、やはり7歳ほどの男児に見受けられた。
「タ・ポーロってのは、この斧か?」
壊れたそれを見やる。
少年はうなだれ、蚊の鳴くような声で『うん』と返事をした。
どうやら彼オリジナルの名前らしい。
見た目はどう見ても斧で、その用途も木を切る為のものだ。
もちろん刃物である以上、武器としての使用方法もないことはないのだが。
剣や魔法、他にも有用な武器は腐るほど存在する世界。あえてこれをぶん投げたり、振り回して戦う者はあまりいない。
「これ、お前が作ったのか」
「ううん。これは貰ったんだ。勇者様に……」
「待て。勇者だと?」
眉間に深いシワがよる。
この少年は、もしかしてアレンと面識があるのだろうか。
(だとしても、アイツがガキに斧なんてものをプレゼントするのか)
「……」
そう思うと、なんだか腹立たしくなってきた。
理由は単純。嫉妬である。
非常につまらない話だが。自分が知らない時期に、好きな子が他人に対して贈り物をしていると。
しかも、その思い出を頬を染めてする者が目の前にいるなんて。
(もう一発、ぶん殴ってやろうか)
左の拳を、そっと握りしめるくらいの気分にはなった。
「……ねぇオッサン」
「うるせぇ」
くりくりとした目が、覗き込んでくる。
額の広い顔立ちは無邪気で無垢だ。都会にいる、こまっしゃくれた商人や貴族の子供達より純朴そうにに見える。
(だとしても許せん)
初対面でいきなり攻撃してくるより何より、やはりジェラシーが先にたつ。
なんて大人気ない大人なのだろう。しかし、元来から子供をチヤホヤしない。むしろ苦手な彼としては、当然の反応なのである。
「オッサンは人間?」
「オッサンはやめろ」
仮にもまだ、二十代だ。確かに、童顔ではない。しかしまだハゲてもいないし、シワだらけなわけでもない。
いたって健康的で平均的な青年だ。少なくとも彼にとっては。
「だって俺、オッサンの名前知らないもん。だから――」
「アレックスだ」
ぶっきらぼうに名を告げれば、少年はぱちくりとまばたきする。
「アレックス……なんか、すごくカッコイイ、名前だ……」
「ハァ? そうかよ」
予想に反して、小さな声で褒めてくるもので思わず視線を反らした。
褒められるのには、とことん慣れていないのだ。
「ねぇねぇ! アレックスは人間なの?」
「うるせぇな。クソガキめ」
好奇心にキラキラと輝く瞳。
そんな眼差しに見上げられれば、ついつい乱暴な言葉遣いになってしまう。
正直、この手の反応は苦手だった。
(懐かれたりなんかしたら、迷惑だ)
「ねぇねぇ」
「……人間だ。そういうお前は、水棲人か」
「スイセージン? なにそれ」
キョトンとした顔。
全身に鱗、水掻きのついた四肢。二本の足は付いているものの、魚の尾っぽのようなモノもぶら下がっている。
この姿は間違いなく水棲人、または半魚人だと思われるが。
少年は小さく首を傾げて口を開いた。
「人間は俺たちのことを、スイセージンって呼ぶの?」
「ああ、または半魚人だな」
「へぇ」
いまいちピンと来てないらしい。
かれらにとっては、この身体も水に住む暮らしも。全てが当たり前のことなのだ。
むしろそうでない彼が奇異に見える。
秘境とも言われるこの島であれば、尚更だろう。
ここから広い海に出ることも、大陸へ渡り広い世界を見ることもほとんどないのだから。
「アレックスは俺のことも、そのスイセージンってのに見えるの?」
「ああ。そうだな」
「そっかぁ……」
彼は小さな肩をすくめる。
そして寂しいような、おどけるように笑った。
「みんなとは、違うんだけどね」
「?」
それが何を意味するのか。アレックスにはわからなかった。
しかし何となくだが、聞かぬ方が良いだろうと思い口をつぐむ。
少年はそれ以上、この話題について触れる気はないらしい。
パッと表情をかえる。人懐こそうに、そっと彼の身体に触れてきた。
「ねぇアレックス」
「……なんだよ。ガキ」
「俺、ガキじゃないもん。アクー、って言うんだ」
「アクー、か」
「うん!」
少年、アクーは満面の笑みを浮かべる。
すでに打ち解けたような表情の彼を前に、アレックスは早くも後悔していた。
(なんかマズいぞ)
子ども嫌いが、子供に好かれる。
これほど気まずいことがあるだろうか。
しかも嫉妬の対象になりうる相手に。
「おい。ガキ――」
「ガキじゃないよ、アクーだよ!」
「……アクー。聞きたいことがあるのだが」
律儀に言い直しつつ、視線を海に向ける。
まだ空に高くあがる太陽。その光が、波間に反射してキラキラと眩しい。
「なぁに? アレックス」
「お前は、アレン・カントールのことを知っているのか」
知っているからと言って、どうということは無い。
ただ気になっただけだ。
そこらの男たちに軒並み狙われている魔性の男。それが恋人のアレンである (あくまでアレックス視点だ)
そんな彼の過去を気にしないとカッコつけられるのは、本人の前だけである。いくら異世界転生者で強かろうと、筋骨隆々なマッチョマンであろうと。恋をすれば、ただの男なのである。
つくづく恋は盲目というのは、全世界共通なのかもしれない。
「アレン……」
「そうだ」
(めちゃくちゃ可愛くてセクシーで、一目見たら恋に落ちちまうくらい魅力的な人間なのだ)
恐るべき思考力。
もうメロメロというレベルを超えている。今も、あの愛しい姿を思い出すだけでアレックスの股間は熱くなりつつあった。
きっと本人がいれば。
『変態ッ! 君なんて、いっぺん――いや、百回くらい死にちさこいッ!!!』
なんて喚き散らし、蹴りのひとつも食らわせるだろう。
それもそれでグッとくる、と内心独りごちる男はもう色んな意味で手遅れだ。
「アレン………………って。だれ?」
「!」
大きな黒目がちの目を開いて、そう問い返したのだ。
「し、知らないのか」
「うん。知らない。だれ? アレックスの友達?」
あっけらかんと訊ねてくるアクーの顔を、見返す。
嘘をついている様子はない。そもそも嘘をつく必要性もない。
アレックスの頭の中は『?』で埋め尽くされていた。
「アレックス? どうしたのさ」
「……いや」
別の名前を使っていたのか。いや。それこそ、そんな理由はない。
しかし勇者といえばアレン・カントールで、それ以外の名は聞いた事がないのだ。
「お前の言う『勇者』ってのは」
なんという名だ?
――と、問おうと口を開いたときだった。
「貴様ッ、何者だ!」
二人の背後から大声と、おびただしい人の気配。
ハッとなり、振り返る。
「み、みんな……」
アクーがつぶやいたを
そこに立っていたのは、鱗に覆われた身体を持つ一族だ。
半魚人達が数十人。怒りと不信感と警戒心をあらわに、アレックスを睨みつけていた。
「ゔぅぅぅぅっ、ボーリョクハンタイ」
頭にゲンコツ食らった少年は、恨めしげにつぶやく。
しかしアレックスの怒りも、もっともであった。いきなり槍や斧で襲いかかられるわ、応戦したらオッサン呼ばわり。挙句の果てに金蹴りまでかまされれば、子どもであろうがゲンコツの一つや二つ落とさねば気が済むまい。
「ったく、なんなんだ。お前は」
少年とガチムチ男が、浜辺に座って海を眺めている。
妙な哀愁漂う空気にもなりそうだが、アレックスの胸の内は焦りに満ちていた。
(くそ。めんどくせぇ)
こんなことをしているヒマはないのだ。
愛しのアレンを攫ったクソ野郎をぶちのめし、速やかに助け出さければならない。
(これはもう他の野郎にとられないよう、囲っとくのがいいのか?)
監禁のフラグが立つ。
この世界の男たちは、どうしてこうもヤンデレ思考に走るのか。そろそろアレン・カントールが不憫になってくる程だ。
しかし目の前でしょんぼりと視線を落とす少年は、そんなことつゆ知らず。
「オッサンのバカヤロ……俺の……『タ・ポーロ』が……ぐすっ……」
「おいおい。泣くな」
今度は顔をおおって震え始めた身体を、横目で見る。
服を纏わぬ身体は、やはり7歳ほどの男児に見受けられた。
「タ・ポーロってのは、この斧か?」
壊れたそれを見やる。
少年はうなだれ、蚊の鳴くような声で『うん』と返事をした。
どうやら彼オリジナルの名前らしい。
見た目はどう見ても斧で、その用途も木を切る為のものだ。
もちろん刃物である以上、武器としての使用方法もないことはないのだが。
剣や魔法、他にも有用な武器は腐るほど存在する世界。あえてこれをぶん投げたり、振り回して戦う者はあまりいない。
「これ、お前が作ったのか」
「ううん。これは貰ったんだ。勇者様に……」
「待て。勇者だと?」
眉間に深いシワがよる。
この少年は、もしかしてアレンと面識があるのだろうか。
(だとしても、アイツがガキに斧なんてものをプレゼントするのか)
「……」
そう思うと、なんだか腹立たしくなってきた。
理由は単純。嫉妬である。
非常につまらない話だが。自分が知らない時期に、好きな子が他人に対して贈り物をしていると。
しかも、その思い出を頬を染めてする者が目の前にいるなんて。
(もう一発、ぶん殴ってやろうか)
左の拳を、そっと握りしめるくらいの気分にはなった。
「……ねぇオッサン」
「うるせぇ」
くりくりとした目が、覗き込んでくる。
額の広い顔立ちは無邪気で無垢だ。都会にいる、こまっしゃくれた商人や貴族の子供達より純朴そうにに見える。
(だとしても許せん)
初対面でいきなり攻撃してくるより何より、やはりジェラシーが先にたつ。
なんて大人気ない大人なのだろう。しかし、元来から子供をチヤホヤしない。むしろ苦手な彼としては、当然の反応なのである。
「オッサンは人間?」
「オッサンはやめろ」
仮にもまだ、二十代だ。確かに、童顔ではない。しかしまだハゲてもいないし、シワだらけなわけでもない。
いたって健康的で平均的な青年だ。少なくとも彼にとっては。
「だって俺、オッサンの名前知らないもん。だから――」
「アレックスだ」
ぶっきらぼうに名を告げれば、少年はぱちくりとまばたきする。
「アレックス……なんか、すごくカッコイイ、名前だ……」
「ハァ? そうかよ」
予想に反して、小さな声で褒めてくるもので思わず視線を反らした。
褒められるのには、とことん慣れていないのだ。
「ねぇねぇ! アレックスは人間なの?」
「うるせぇな。クソガキめ」
好奇心にキラキラと輝く瞳。
そんな眼差しに見上げられれば、ついつい乱暴な言葉遣いになってしまう。
正直、この手の反応は苦手だった。
(懐かれたりなんかしたら、迷惑だ)
「ねぇねぇ」
「……人間だ。そういうお前は、水棲人か」
「スイセージン? なにそれ」
キョトンとした顔。
全身に鱗、水掻きのついた四肢。二本の足は付いているものの、魚の尾っぽのようなモノもぶら下がっている。
この姿は間違いなく水棲人、または半魚人だと思われるが。
少年は小さく首を傾げて口を開いた。
「人間は俺たちのことを、スイセージンって呼ぶの?」
「ああ、または半魚人だな」
「へぇ」
いまいちピンと来てないらしい。
かれらにとっては、この身体も水に住む暮らしも。全てが当たり前のことなのだ。
むしろそうでない彼が奇異に見える。
秘境とも言われるこの島であれば、尚更だろう。
ここから広い海に出ることも、大陸へ渡り広い世界を見ることもほとんどないのだから。
「アレックスは俺のことも、そのスイセージンってのに見えるの?」
「ああ。そうだな」
「そっかぁ……」
彼は小さな肩をすくめる。
そして寂しいような、おどけるように笑った。
「みんなとは、違うんだけどね」
「?」
それが何を意味するのか。アレックスにはわからなかった。
しかし何となくだが、聞かぬ方が良いだろうと思い口をつぐむ。
少年はそれ以上、この話題について触れる気はないらしい。
パッと表情をかえる。人懐こそうに、そっと彼の身体に触れてきた。
「ねぇアレックス」
「……なんだよ。ガキ」
「俺、ガキじゃないもん。アクー、って言うんだ」
「アクー、か」
「うん!」
少年、アクーは満面の笑みを浮かべる。
すでに打ち解けたような表情の彼を前に、アレックスは早くも後悔していた。
(なんかマズいぞ)
子ども嫌いが、子供に好かれる。
これほど気まずいことがあるだろうか。
しかも嫉妬の対象になりうる相手に。
「おい。ガキ――」
「ガキじゃないよ、アクーだよ!」
「……アクー。聞きたいことがあるのだが」
律儀に言い直しつつ、視線を海に向ける。
まだ空に高くあがる太陽。その光が、波間に反射してキラキラと眩しい。
「なぁに? アレックス」
「お前は、アレン・カントールのことを知っているのか」
知っているからと言って、どうということは無い。
ただ気になっただけだ。
そこらの男たちに軒並み狙われている魔性の男。それが恋人のアレンである (あくまでアレックス視点だ)
そんな彼の過去を気にしないとカッコつけられるのは、本人の前だけである。いくら異世界転生者で強かろうと、筋骨隆々なマッチョマンであろうと。恋をすれば、ただの男なのである。
つくづく恋は盲目というのは、全世界共通なのかもしれない。
「アレン……」
「そうだ」
(めちゃくちゃ可愛くてセクシーで、一目見たら恋に落ちちまうくらい魅力的な人間なのだ)
恐るべき思考力。
もうメロメロというレベルを超えている。今も、あの愛しい姿を思い出すだけでアレックスの股間は熱くなりつつあった。
きっと本人がいれば。
『変態ッ! 君なんて、いっぺん――いや、百回くらい死にちさこいッ!!!』
なんて喚き散らし、蹴りのひとつも食らわせるだろう。
それもそれでグッとくる、と内心独りごちる男はもう色んな意味で手遅れだ。
「アレン………………って。だれ?」
「!」
大きな黒目がちの目を開いて、そう問い返したのだ。
「し、知らないのか」
「うん。知らない。だれ? アレックスの友達?」
あっけらかんと訊ねてくるアクーの顔を、見返す。
嘘をついている様子はない。そもそも嘘をつく必要性もない。
アレックスの頭の中は『?』で埋め尽くされていた。
「アレックス? どうしたのさ」
「……いや」
別の名前を使っていたのか。いや。それこそ、そんな理由はない。
しかし勇者といえばアレン・カントールで、それ以外の名は聞いた事がないのだ。
「お前の言う『勇者』ってのは」
なんという名だ?
――と、問おうと口を開いたときだった。
「貴様ッ、何者だ!」
二人の背後から大声と、おびただしい人の気配。
ハッとなり、振り返る。
「み、みんな……」
アクーがつぶやいたを
そこに立っていたのは、鱗に覆われた身体を持つ一族だ。
半魚人達が数十人。怒りと不信感と警戒心をあらわに、アレックスを睨みつけていた。
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