10 / 19
一触即発のβ
しおりを挟む
「どちらも危険人物じゃないか!」
親友の嘆きが教室に響く。
「αの住処で居候するなんて、噛んでくれというようなものだろう」
「そんな言い方……」
太郎はともかく、姉の仁子であればそんな事をしないのではないか。陸斗はそう口ごもりながら弁明した。
――昨晩のいきさつを話して聞かせれば、幸介は頭を抱えてしまったのだ。
彼が言うことには。
「あの男の姉だよ? しかもαだし。なぜボクを頼ってくれなかったのさ!」
「そ、それは……」
単純に心配をかけたくなかっただけ。
いつもそれとなく気づかいしてくれる、優しい親友。βである気安さと同じくらい、その隣は居心地がいい。
こうやって真剣に心配してくれるのも、彼だからだろう。
陸斗は困りながらも、そう解釈した。
「だいたい、家族にはどう説明したの?」
「母さんにはメッセージ送っといた」
簡素な言葉だ。
しばらくの間知り合いの世話になる、と。
「そしたら着信が止まんなくなってさ」
「当たり前だよ……」
今度は呆れたような声。
しかし。その電話に仁子が出て、何事か言葉を交わした途端。
「わかった、って」
それどころか上機嫌で何度も。
『先方にご迷惑かけないようにね』
なんて。
「奇妙だろ。聞いても、はぐらかされたんだけどさ」
「めちゃくちゃ怪しいじゃないか」
もう天を仰いで嘆く幸介に、少し悪いと思った。
しかしもう決めたのだ。
姉である仁子は、太郎よりαとしての立場が上だという。それはこの目にしたから、確実だ。
その彼女が言ったのだ。
太郎には手を出させない、と。
「それに彼女は――」
「陸斗様。少しよろしいでしょうか」
「!!」
不意に、後ろから声が。
まるで凪いだ水面のような、静かな声だった。
「お邪魔してしまい、申し訳ありません」
「和音、さん……」
それは影のようにたたずむ、色の白い少年だった。
柔らかく、くせのある髪も。大きく潤んだような瞳も、色素が薄い。
極めつけに髪はブロンドで、差し込む光にきらめいていた。
「仁子様からの伝言でございます。本日は、ご主人様が屋敷に戻られるのでお早めのご帰宅を、と」
同じ制服を着ているのもかかわらず、まるで目上の者にするように恭しく一礼する姿も可憐な美少年。
「ああ。はい」
ただよう色気とある匂いに顔しかめながら、陸斗は努めて平静を装って返事をする。
隣に立つ彼は気がつくだろうか。
怪訝そうに、心配そうに視線をよこす彼は。
「失礼致しました」
「和音さん」
綺麗に頭を下げる少年を呼ぶ。
彼は、人形めいた顔を少し傾けて。口元にだけ笑みを浮かべてみせる。
「なんでしょうか、陸斗様」
「その『様』ってのは、やめてください」
恐らくだが、そう歳は変わらない。
というか。よく見れば、制服のネクタイの色で一学年年上であることが分かる。
つまり先輩に、丁寧語をつかって話しかけられているということ。
教室はざわついて。
『またアイツか』
と、囁き合うクラスメイトにうんざりする。
(もう目立って仕方ないな)
この前の太郎がしでかした事といい、なぜ自分の周りはこうも派手な状態になるのだ。
ただでさえ悪目立ちする、Ωという存在であるのに。
軽い頭痛を感じて、ためいきをつくのも無理はない。
「陸斗……さん」
「そこは呼び捨てだろ」
ついつい普通にツッコミ入れてしまった。またヒソヒソ声。
もう教室を飛び出したくなる。
「しかし貴方は大嶌家の……」
「僕は、あの男とはなんの関係もない」
にべもなく、言い放つ。
別に困らせるつもりはないが。どうしても冷淡な口調になるのは、彼が大嶌家に関係する人間だからだろう。
――昨晩。
連れてこられたのは、大きな屋敷だ。
それは洋館とも言うべきか。しかもただ大きいだけでなく、一見して歴史深い建築物であるのが分かった。
美しく整えられている、広い庭。夜こそ艷麗なる闇に包まれてはいるが、ひとたび朝日を浴びれば色とりどりで華麗な花が咲き誇るだろう。
レンガ造りの。レトロさを残した、たたずまいはここが日本であることを忘れてしまう。
いや。ともすれば、現実離れした空間であった。
それは、屋敷に一歩足を踏み入れてからも同じこと。
(さすがα、しかも大嶌家といえばいいのか)
幾多のグループ会社を持つ、言わば国内有数。いや、世界有数の資産家がこの大嶌家だ。
この家は、それだけでなく政治家も多く排出している。経済と政治。この国の二つにくい込む、強大な力と言っても過言ではないのだ。
つまり、名だたるα達の頂点とも言えるのだ。
「分かりました、陸斗。学校では、そのように善処しましょう」
「まだなんか堅苦しいけど、まぁいいか」
この少年は、和音とだけ仁子に紹介された。
彼女の身の回りの世話をする、数多くの使用人の一人らしい。
今回、同じくらいの年頃ということで。急遽、この学校に転入させたという。
(手回しが早いというか)
簡単にいえば監視である、と陸斗は聞いていた。
しかも彼ではなく、太郎に対する。
『愚弟があなたに不用意に近付かないよう、ちゃんと保護するわ』
優しさと厳しさと色を滲ませて、彼女は微笑んだ。
特にこの前、教室でαフェロモンを撒き散らした件が響いているらしい。
エリートα様の息子が、不用意に庶民β達を威嚇して混乱に陥れたとなると問題なのだ。
この人間社会となれば、強ければいいものでは無い。品行方正や清廉潔白のイメージも大切だ。
いくら強かろうと。その言動が粗野であったりカリスマ性に欠けていれば、多くの者達はついて来ない。
本能と理性。
原始性と社会性。
これらが複雑に入り組む、この人類という生き物の永遠の課題なのである。
「そのご主人様ってのは、太郎や仁子さんの父親ってことですか」
「はい。太郎さまと仁子様の、でございます」
「あー、はいはい」
(いちいちコレだ)
この神経質そうな美少年は、やはり使用人であるからだろう。
陸斗が太郎をうとましげに見ることすら、眉をひそめる。
さすが家に仕える、使用人といったところか。
「早く帰ればいいんですね、先輩」
「!」
人形めいた容姿であるが、案外表情は変わるらしい。
陸斗はなぜか、少しおかしくて小さく笑った。
「……なにか可笑しいことでも」
「いえ。別に」
突然、連れてこられた屋敷。
異世界へ来たかと思ったほどの、別世界感に驚くとともに興味深かった。
まるでテーマパークへ来た子どものようにキョロキョロする彼に、仁子はころころと笑ったものだ。
翌朝、さっそく学校に高級車を横付けされてため息をつく。
庶民としては、かなり心臓に悪い。
やっぱり目立つし、となりにこんな美少年がいれば尚更だ。
ちなみに。
『Ωめ、今度は大富豪をたぶらかしたか』
なんて悪口を浴びせた同級生はまだマシな方だ。
つらいのはやはり、影でコソコソ言われることだから。
「帰りはボクも送っていくよ!」
――幸介が横から口を出した。
「え?」
「当たり前でしょ。ボクは君のなんだと思っているんだ」
「幸介」
しかめっ面しながらも、肩を抱く親友に心が熱くなる。
こうもめちゃくちゃな状況でも、なんとか自分を保っていられるのは、彼のおかげかもしれない。
「陸斗……いや、陸斗様。貴方はどう思われているのか存じませんが、これは仁子様からのご指示ですので」
冷ややかな物言いに、こちらも剣呑な気分になる。
「それは。僕ひとりで帰ってこい、ということですか」
「いいえ。わたくしが、ちゃんとご案内しますのでご心配なく」
勝手なことをするな、ということだろう。
言葉の端々、眼差しに見え隠れするのは苛立ちか嘲笑か。
(感じの悪いやつだな)
おおよそ。
庶民Ωが、α様に盾突くような態度とりやがって。
なんてことだろうか。
いわゆるα信望型だ。この身のすべてを、強い性である彼らに捧げるという。ある種やっかいなタイプである。
「親友と帰ることを強制的に邪魔されるいわれはないと思うけどね」
「……」
努めて穏やかに、しかし隠しきれない反抗心をにじませて。
幸介が言葉を紡ぎつづける。
「その仁子って人は、そこまで心が狭いのかな――」
「仁子様の悪口は許さない」
怒りを含んだ声。
和音が、唇をわななかせていた。
「お前が、あの方の何を知っているというんだッ!」
「ちょ……っ」
細腕が、幸介の胸ぐらをつかむ。
突然の激昂に、息をのんだのは本人たちだけではない。
クラスメイトはざわめく。しかし、止めに入る者はいない。
「お、和音さん!」
「あの方の事を悪く言う奴は、許さないッ!!」
「ぐっ……!?」
大きな瞳がさらに見開かれ、白かった頬は薄く染まっている。
もはや首をしめられている幸介。それに慌てた陸斗が、彼を羽交い締めに。
椅子がひっくり返り大きな音を立てた時、だった。
「ちょっとちょっとぉー、なにしてんのォ?」
「陸斗!」
のんびりとした声と、叫び声と。
二つのそれが響いた。
親友の嘆きが教室に響く。
「αの住処で居候するなんて、噛んでくれというようなものだろう」
「そんな言い方……」
太郎はともかく、姉の仁子であればそんな事をしないのではないか。陸斗はそう口ごもりながら弁明した。
――昨晩のいきさつを話して聞かせれば、幸介は頭を抱えてしまったのだ。
彼が言うことには。
「あの男の姉だよ? しかもαだし。なぜボクを頼ってくれなかったのさ!」
「そ、それは……」
単純に心配をかけたくなかっただけ。
いつもそれとなく気づかいしてくれる、優しい親友。βである気安さと同じくらい、その隣は居心地がいい。
こうやって真剣に心配してくれるのも、彼だからだろう。
陸斗は困りながらも、そう解釈した。
「だいたい、家族にはどう説明したの?」
「母さんにはメッセージ送っといた」
簡素な言葉だ。
しばらくの間知り合いの世話になる、と。
「そしたら着信が止まんなくなってさ」
「当たり前だよ……」
今度は呆れたような声。
しかし。その電話に仁子が出て、何事か言葉を交わした途端。
「わかった、って」
それどころか上機嫌で何度も。
『先方にご迷惑かけないようにね』
なんて。
「奇妙だろ。聞いても、はぐらかされたんだけどさ」
「めちゃくちゃ怪しいじゃないか」
もう天を仰いで嘆く幸介に、少し悪いと思った。
しかしもう決めたのだ。
姉である仁子は、太郎よりαとしての立場が上だという。それはこの目にしたから、確実だ。
その彼女が言ったのだ。
太郎には手を出させない、と。
「それに彼女は――」
「陸斗様。少しよろしいでしょうか」
「!!」
不意に、後ろから声が。
まるで凪いだ水面のような、静かな声だった。
「お邪魔してしまい、申し訳ありません」
「和音、さん……」
それは影のようにたたずむ、色の白い少年だった。
柔らかく、くせのある髪も。大きく潤んだような瞳も、色素が薄い。
極めつけに髪はブロンドで、差し込む光にきらめいていた。
「仁子様からの伝言でございます。本日は、ご主人様が屋敷に戻られるのでお早めのご帰宅を、と」
同じ制服を着ているのもかかわらず、まるで目上の者にするように恭しく一礼する姿も可憐な美少年。
「ああ。はい」
ただよう色気とある匂いに顔しかめながら、陸斗は努めて平静を装って返事をする。
隣に立つ彼は気がつくだろうか。
怪訝そうに、心配そうに視線をよこす彼は。
「失礼致しました」
「和音さん」
綺麗に頭を下げる少年を呼ぶ。
彼は、人形めいた顔を少し傾けて。口元にだけ笑みを浮かべてみせる。
「なんでしょうか、陸斗様」
「その『様』ってのは、やめてください」
恐らくだが、そう歳は変わらない。
というか。よく見れば、制服のネクタイの色で一学年年上であることが分かる。
つまり先輩に、丁寧語をつかって話しかけられているということ。
教室はざわついて。
『またアイツか』
と、囁き合うクラスメイトにうんざりする。
(もう目立って仕方ないな)
この前の太郎がしでかした事といい、なぜ自分の周りはこうも派手な状態になるのだ。
ただでさえ悪目立ちする、Ωという存在であるのに。
軽い頭痛を感じて、ためいきをつくのも無理はない。
「陸斗……さん」
「そこは呼び捨てだろ」
ついつい普通にツッコミ入れてしまった。またヒソヒソ声。
もう教室を飛び出したくなる。
「しかし貴方は大嶌家の……」
「僕は、あの男とはなんの関係もない」
にべもなく、言い放つ。
別に困らせるつもりはないが。どうしても冷淡な口調になるのは、彼が大嶌家に関係する人間だからだろう。
――昨晩。
連れてこられたのは、大きな屋敷だ。
それは洋館とも言うべきか。しかもただ大きいだけでなく、一見して歴史深い建築物であるのが分かった。
美しく整えられている、広い庭。夜こそ艷麗なる闇に包まれてはいるが、ひとたび朝日を浴びれば色とりどりで華麗な花が咲き誇るだろう。
レンガ造りの。レトロさを残した、たたずまいはここが日本であることを忘れてしまう。
いや。ともすれば、現実離れした空間であった。
それは、屋敷に一歩足を踏み入れてからも同じこと。
(さすがα、しかも大嶌家といえばいいのか)
幾多のグループ会社を持つ、言わば国内有数。いや、世界有数の資産家がこの大嶌家だ。
この家は、それだけでなく政治家も多く排出している。経済と政治。この国の二つにくい込む、強大な力と言っても過言ではないのだ。
つまり、名だたるα達の頂点とも言えるのだ。
「分かりました、陸斗。学校では、そのように善処しましょう」
「まだなんか堅苦しいけど、まぁいいか」
この少年は、和音とだけ仁子に紹介された。
彼女の身の回りの世話をする、数多くの使用人の一人らしい。
今回、同じくらいの年頃ということで。急遽、この学校に転入させたという。
(手回しが早いというか)
簡単にいえば監視である、と陸斗は聞いていた。
しかも彼ではなく、太郎に対する。
『愚弟があなたに不用意に近付かないよう、ちゃんと保護するわ』
優しさと厳しさと色を滲ませて、彼女は微笑んだ。
特にこの前、教室でαフェロモンを撒き散らした件が響いているらしい。
エリートα様の息子が、不用意に庶民β達を威嚇して混乱に陥れたとなると問題なのだ。
この人間社会となれば、強ければいいものでは無い。品行方正や清廉潔白のイメージも大切だ。
いくら強かろうと。その言動が粗野であったりカリスマ性に欠けていれば、多くの者達はついて来ない。
本能と理性。
原始性と社会性。
これらが複雑に入り組む、この人類という生き物の永遠の課題なのである。
「そのご主人様ってのは、太郎や仁子さんの父親ってことですか」
「はい。太郎さまと仁子様の、でございます」
「あー、はいはい」
(いちいちコレだ)
この神経質そうな美少年は、やはり使用人であるからだろう。
陸斗が太郎をうとましげに見ることすら、眉をひそめる。
さすが家に仕える、使用人といったところか。
「早く帰ればいいんですね、先輩」
「!」
人形めいた容姿であるが、案外表情は変わるらしい。
陸斗はなぜか、少しおかしくて小さく笑った。
「……なにか可笑しいことでも」
「いえ。別に」
突然、連れてこられた屋敷。
異世界へ来たかと思ったほどの、別世界感に驚くとともに興味深かった。
まるでテーマパークへ来た子どものようにキョロキョロする彼に、仁子はころころと笑ったものだ。
翌朝、さっそく学校に高級車を横付けされてため息をつく。
庶民としては、かなり心臓に悪い。
やっぱり目立つし、となりにこんな美少年がいれば尚更だ。
ちなみに。
『Ωめ、今度は大富豪をたぶらかしたか』
なんて悪口を浴びせた同級生はまだマシな方だ。
つらいのはやはり、影でコソコソ言われることだから。
「帰りはボクも送っていくよ!」
――幸介が横から口を出した。
「え?」
「当たり前でしょ。ボクは君のなんだと思っているんだ」
「幸介」
しかめっ面しながらも、肩を抱く親友に心が熱くなる。
こうもめちゃくちゃな状況でも、なんとか自分を保っていられるのは、彼のおかげかもしれない。
「陸斗……いや、陸斗様。貴方はどう思われているのか存じませんが、これは仁子様からのご指示ですので」
冷ややかな物言いに、こちらも剣呑な気分になる。
「それは。僕ひとりで帰ってこい、ということですか」
「いいえ。わたくしが、ちゃんとご案内しますのでご心配なく」
勝手なことをするな、ということだろう。
言葉の端々、眼差しに見え隠れするのは苛立ちか嘲笑か。
(感じの悪いやつだな)
おおよそ。
庶民Ωが、α様に盾突くような態度とりやがって。
なんてことだろうか。
いわゆるα信望型だ。この身のすべてを、強い性である彼らに捧げるという。ある種やっかいなタイプである。
「親友と帰ることを強制的に邪魔されるいわれはないと思うけどね」
「……」
努めて穏やかに、しかし隠しきれない反抗心をにじませて。
幸介が言葉を紡ぎつづける。
「その仁子って人は、そこまで心が狭いのかな――」
「仁子様の悪口は許さない」
怒りを含んだ声。
和音が、唇をわななかせていた。
「お前が、あの方の何を知っているというんだッ!」
「ちょ……っ」
細腕が、幸介の胸ぐらをつかむ。
突然の激昂に、息をのんだのは本人たちだけではない。
クラスメイトはざわめく。しかし、止めに入る者はいない。
「お、和音さん!」
「あの方の事を悪く言う奴は、許さないッ!!」
「ぐっ……!?」
大きな瞳がさらに見開かれ、白かった頬は薄く染まっている。
もはや首をしめられている幸介。それに慌てた陸斗が、彼を羽交い締めに。
椅子がひっくり返り大きな音を立てた時、だった。
「ちょっとちょっとぉー、なにしてんのォ?」
「陸斗!」
のんびりとした声と、叫び声と。
二つのそれが響いた。
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜
車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第二の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

エンシェントリリー
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
短期間で新しい古代魔術をいくつも発表しているオメガがいる。名はリリー。本名ではない。顔も第一性も年齢も本名も全て不明。分かっているのはオメガの保護施設に入っていることと、二年前に突然現れたことだけ。このリリーという名さえも今代のリリーが施設を出れば他のオメガに与えられる。そのため、リリーの中でも特に古代魔法を解き明かす天才である今代のリリーを『エンシェントリリー』と特別な名前で呼ぶようになった。


Ωの不幸は蜜の味
grotta
BL
俺はΩだけどαとつがいになることが出来ない。うなじに火傷を負ってフェロモン受容機能が損なわれたから噛まれてもつがいになれないのだ――。
Ωの川西望はこれまで不幸な恋ばかりしてきた。
そんな自分でも良いと言ってくれた相手と結婚することになるも、直前で婚約は破棄される。
何もかも諦めかけた時、望に同居を持ちかけてきたのはマンションのオーナーである北条雪哉だった。
6千文字程度のショートショート。
思いついてダダっと書いたので設定ゆるいです。
噛痕に思う
阿沙🌷
BL
αのイオに執着されているβのキバは最近、思うことがある。じゃれ合っているとイオが噛み付いてくるのだ。痛む傷跡にどことなく関係もギクシャクしてくる。そんななか、彼の悪癖の理由を知って――。
✿オメガバースもの掌編二本作。
(『ride』は2021年3月28日に追加します)

上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる