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外堀を埋めに来た男
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あれから三日ほどカフェのバイトは休ませてもらった。
というのもやっぱり帰宅そうそう気が緩んだのか、また眩暈と軽い吐き気。あと発熱で寝込んでしまったから。
幸い熱は大したことなかったけど、やっぱり吐き気は辛い。
これが悪阻ってやつか、と改めて妊娠が怖くなる。
「お兄ちゃん、大丈夫そう?」
「ああ。もう平気」
朝食を作っていると美紅が心配そうな顔をしてキッチンに降りてきた。
「バイトも行けるし、今日帰りに母さんのところ行くから夕食だけは頼んでいいか?」
「それは全然いいけどさ……」
顔を覗き込んでくる妹の頭を軽くポンポンとする。
「大丈夫だってば。熱もないし、弁当も作れたから」
先に用意しといた弁当の包みを差し出すと、美紅はようやく納得したのか微笑んだ。
「お兄ちゃんのお弁当、前から可愛いし美味しそうって結構友達から人気なんだよ!」
「え、そうなのか」
女子高生に持たせるのにあんまり地味なのだと可哀想かなと、多少気はつけているけど。
「あとこれは内緒だったんだけど……」
イタズラを思いついたガキみたいな顔で。
「遼太郎ってばね。あたしの弁当箱すごいジッと見てくるんだよね。んで。いつもは誰が作ってるんだーって聞いてきたから、あたしも作るけどお兄ちゃんが多いって言った時にね」
あれは絶対に羨ましいって顔してたよ、とニヤニヤする美紅に苦笑いした。
そういやまだ、おばさんは不在なんだろうか。
明日から作ってやってもいいかもしれない。
深い意味はない。単なるお礼の気持ちだ。
というのも、オレが寝込んでた三日間も夕方よく来てくれたんだよな。ゼリーとかスポーツ飲料を差し入れてくれて。
『食べられそうなものないか』
って。
あと、どこから調べてきたやら、急に腰までさすってきて。
『痛くないか』
なんて言うんだぞ。
そりゃ陣痛中のことだろって思わずツッコミ入れちまった。
でもその優しさはすごく嬉しい。
優しさと言えばその逆に……まあ色々考えたよな。
もうひとつ、週末含めて四日ほど入ってた掛け持ち先の居酒屋バイト。そこに休みの電話をした。
『いやいや困るんだよねー。体調不良は分かるけどさぁ。そんなの自己管理でしょ? ほんと困るわー』
とすごく嫌そうに言われ、すみませんと謝り続けていたら。
『あー、はいはい。んじゃあ、すぐに治してきてよ。もー、困るんだから』
とガチャ切りされた。
クビにされないだけ有難い。それもこれも、オレがΩだとここでは申告してないからだな。
ちなみにΩだからって不採用になったり解雇される、なんてのは違法だ。でもそんなの建前なのはよく知ってる。
実際は適当な理由で辞めるように圧力かけられたり、バイトならシフトを入れてもらえなくなるのが現実。
そもそもΩはマトモな就職活動だと敬遠されがちだとも。
……分かってる。理不尽なのも、でもそれを不公平だの差別だのと喚いたって何も変わらないってことも。
一方て居酒屋の店長だって何度も困るっていうくらい人手不足なんだろうし、バックレるいい加減なバイトが多いって愚痴ってたからそういう苦労もあるんだろうし。
全部、分かってるさ。
そういうのひっくるめて、情緒不安定な時はしんどい。
――だからきっと気の迷いを起こしたんだな。
『瑠衣?』
そろそろ帰るという遼太郎の袖を思わず掴んでしまった。
そこから何か言えば多分泣いてしまうオレに、あいつは側で手をにぎってくれた。
肩も抱いてくれた、と思う。
ぎこちなく不器用な、遼太郎の体温に心の底から安心して眠りこけてしまった自分が恥ずかしい。
気づくと朝で、当然あいつはいなかった。
あとで美紅には。
『久しぶりに見る満面の笑顔で寝室から降りてきた遼太郎が、もう不気味で不気味で。夢に出るかと思った』
とガチで怪訝そうに言われて複雑な気分。
つーか、あいつの満面の笑顔ってほんと最後に見たのいつだろう。
不気味っていうの失礼だが気になる。
「なあ美紅」
行儀悪くパンにかじりつきながら身支度をする妹を振り返った。
「遼太郎に好き嫌いないか聞いといてくれ」
今日また買い物に行って、明日は二人分弁当作ってやろうかな。
でも美紅は肩をすくめて。
「そんなのお兄ちゃんが聞いてあげたらいいじゃん」
「え?」
「連絡先、知ってるでしょ。あたし、そうそう学校で遼太郎に声掛ける勇気ないよ」
αの。しかも顔面も成績も運動神経も申し分ない、いわゆる羨望の的というヤツ相手と気軽に話をすればどんな噂が立つかということらしい。
「そういうものなのか」
「ま、遼太郎本人は全然気にしてないみたいだけどね」
うるさいのはやはり多勢のβ女子たちなのだという。
「ほんとめんどくさいわ」
でもそれが社会よね、なんて一丁前な事をいいつつ美紅が軽く笑う。
「それに遼太郎だってその方が喜ぶよ」
「?」
「ほんとお兄ちゃんは鈍感だよねぇ」
「……」
いや、鈍感ってことはないだろ。
あいつが向けてくる愛情表現だってちゃんと分かってるつもり。
でもダメだ。遼太郎は多分オレがΩだから、あと一時期の気の迷いというか。
もっとあいつにふさわしいΩがいるはず。
玉の輿にのるために婚活しまくってるオレみたいのじゃない、可愛くて純粋で素敵な人が。
αやβ、Ωの性別なんてどうでもいいって思える相手と一緒になれるような、ってオレが一番夢見がちなのか。
「美紅、遅刻するぞ」
「え? やばっ! 行ってきます!!」
時計を見上げて慌てて出かけていく妹の背中を見送りながら、オレは小さく息を吐く。
「さて、今日も頑張るか」
体調は絶好調とまではいかないけど。数日かけた迷惑を取り戻さないとな。
「じゃ、オレも行ってきます」
テーブルの上の写真に声をかけた。
※※※
――ここへ来ると少しだけ呼吸が浅くなる、気がする。
うちの近くにある総合病院は、最近一部だけ改装工事をした。
とは言っても外来やらロビーとかだけで、病棟はまだ少し古めかしいままだけどな。
「どうぞ」
無言で扉をノックしたら、聞き慣れた声がこたえてくれる。
「あら」
優しく微笑む母さんがベッドに座ってた。
「瑠衣、来てくれたの。忙しいのにごめんね」
「いや別にいいよ。バイトも今日は一つだけだし」
居酒屋バイトの方は明日から。だから、今日はあと買い物くらいだ。夕食のことも美紅に頼んだと言うと、母さんは眉を下げる。
「ほんとに二人には迷惑かけるわね」
「いいんだってば。それより具合は大丈夫?」
「ええ、かなり良いのよ。お医者さんも、そろそろ一時退院の目処が立ちそうですって」
「そっか」
母さんの病気はそう珍しいものじゃない。日本人の多くが罹るものだ。
でもだからってすぐに治るものでもなくて。
「辛い時はちゃんと言いなよ」
「ふふ、分かってるわよ。母さん、そこまで我慢強くないから」
そう言っているけど、治療始めてから少しずつ痩せていっているのは知ってる。
元々白い肌だってもっと青白くなって。使っている薬を調整してもらってようやく、最近少しだけ良くなってきたとこの前聞いた。
「隣のベッドの人もね、すごくいい人なのよ」
今は談話室か売店にでも行っているのだろう。
嬉しそうに話をしてくれた。
「母さん」
そこで婚活のこと言おうかと思ったんだ。
Ωのオレがこの先、生きていくのを誰よりも心配してくれてるのは母さんだから。
でも。
「そうそう。遼太郎君の所も、今お母さんいないんですってね」
「あ、うん」
美紅から聞いたのかと思ってたら。
「この前ね。遼太郎君がお見舞いにきてくれたのよ」
「えっ!?」
マジかよ、聞いてないぞ。
驚くオレにかまわず、母さんはクスクス笑う。
「それでね。遼太郎君ったら、すごく緊張して病室に入ってくるのよ」
「へ、へぇ」
うわ。こりゃロクなこと言ってないパターンだ、これ。
ゲンナリしつつ先をうながすと。
「開口一番になんで言ったと思う? 『今日は外堀を埋めに来ました』なんて頭下げたのよ。ふふっ、もうおかしくってね」
「あいつ……!」
そのまま吹き出し笑いをしてる母さんに対し、オレは頭を抱えたくなった。
いや、なんだそれ。勝手に埋めてんじゃねーぞ、外堀。
まったくガキのくせに変に行動力️がありすぎる。あとで叱ってやらないと。
そのままニコニコとしてる母さんにとてもじゃないけど言えなかった。
青田買いじゃなくて。今すぐ玉の輿に乗るべく婚活してます、なんて。
というのもやっぱり帰宅そうそう気が緩んだのか、また眩暈と軽い吐き気。あと発熱で寝込んでしまったから。
幸い熱は大したことなかったけど、やっぱり吐き気は辛い。
これが悪阻ってやつか、と改めて妊娠が怖くなる。
「お兄ちゃん、大丈夫そう?」
「ああ。もう平気」
朝食を作っていると美紅が心配そうな顔をしてキッチンに降りてきた。
「バイトも行けるし、今日帰りに母さんのところ行くから夕食だけは頼んでいいか?」
「それは全然いいけどさ……」
顔を覗き込んでくる妹の頭を軽くポンポンとする。
「大丈夫だってば。熱もないし、弁当も作れたから」
先に用意しといた弁当の包みを差し出すと、美紅はようやく納得したのか微笑んだ。
「お兄ちゃんのお弁当、前から可愛いし美味しそうって結構友達から人気なんだよ!」
「え、そうなのか」
女子高生に持たせるのにあんまり地味なのだと可哀想かなと、多少気はつけているけど。
「あとこれは内緒だったんだけど……」
イタズラを思いついたガキみたいな顔で。
「遼太郎ってばね。あたしの弁当箱すごいジッと見てくるんだよね。んで。いつもは誰が作ってるんだーって聞いてきたから、あたしも作るけどお兄ちゃんが多いって言った時にね」
あれは絶対に羨ましいって顔してたよ、とニヤニヤする美紅に苦笑いした。
そういやまだ、おばさんは不在なんだろうか。
明日から作ってやってもいいかもしれない。
深い意味はない。単なるお礼の気持ちだ。
というのも、オレが寝込んでた三日間も夕方よく来てくれたんだよな。ゼリーとかスポーツ飲料を差し入れてくれて。
『食べられそうなものないか』
って。
あと、どこから調べてきたやら、急に腰までさすってきて。
『痛くないか』
なんて言うんだぞ。
そりゃ陣痛中のことだろって思わずツッコミ入れちまった。
でもその優しさはすごく嬉しい。
優しさと言えばその逆に……まあ色々考えたよな。
もうひとつ、週末含めて四日ほど入ってた掛け持ち先の居酒屋バイト。そこに休みの電話をした。
『いやいや困るんだよねー。体調不良は分かるけどさぁ。そんなの自己管理でしょ? ほんと困るわー』
とすごく嫌そうに言われ、すみませんと謝り続けていたら。
『あー、はいはい。んじゃあ、すぐに治してきてよ。もー、困るんだから』
とガチャ切りされた。
クビにされないだけ有難い。それもこれも、オレがΩだとここでは申告してないからだな。
ちなみにΩだからって不採用になったり解雇される、なんてのは違法だ。でもそんなの建前なのはよく知ってる。
実際は適当な理由で辞めるように圧力かけられたり、バイトならシフトを入れてもらえなくなるのが現実。
そもそもΩはマトモな就職活動だと敬遠されがちだとも。
……分かってる。理不尽なのも、でもそれを不公平だの差別だのと喚いたって何も変わらないってことも。
一方て居酒屋の店長だって何度も困るっていうくらい人手不足なんだろうし、バックレるいい加減なバイトが多いって愚痴ってたからそういう苦労もあるんだろうし。
全部、分かってるさ。
そういうのひっくるめて、情緒不安定な時はしんどい。
――だからきっと気の迷いを起こしたんだな。
『瑠衣?』
そろそろ帰るという遼太郎の袖を思わず掴んでしまった。
そこから何か言えば多分泣いてしまうオレに、あいつは側で手をにぎってくれた。
肩も抱いてくれた、と思う。
ぎこちなく不器用な、遼太郎の体温に心の底から安心して眠りこけてしまった自分が恥ずかしい。
気づくと朝で、当然あいつはいなかった。
あとで美紅には。
『久しぶりに見る満面の笑顔で寝室から降りてきた遼太郎が、もう不気味で不気味で。夢に出るかと思った』
とガチで怪訝そうに言われて複雑な気分。
つーか、あいつの満面の笑顔ってほんと最後に見たのいつだろう。
不気味っていうの失礼だが気になる。
「なあ美紅」
行儀悪くパンにかじりつきながら身支度をする妹を振り返った。
「遼太郎に好き嫌いないか聞いといてくれ」
今日また買い物に行って、明日は二人分弁当作ってやろうかな。
でも美紅は肩をすくめて。
「そんなのお兄ちゃんが聞いてあげたらいいじゃん」
「え?」
「連絡先、知ってるでしょ。あたし、そうそう学校で遼太郎に声掛ける勇気ないよ」
αの。しかも顔面も成績も運動神経も申し分ない、いわゆる羨望の的というヤツ相手と気軽に話をすればどんな噂が立つかということらしい。
「そういうものなのか」
「ま、遼太郎本人は全然気にしてないみたいだけどね」
うるさいのはやはり多勢のβ女子たちなのだという。
「ほんとめんどくさいわ」
でもそれが社会よね、なんて一丁前な事をいいつつ美紅が軽く笑う。
「それに遼太郎だってその方が喜ぶよ」
「?」
「ほんとお兄ちゃんは鈍感だよねぇ」
「……」
いや、鈍感ってことはないだろ。
あいつが向けてくる愛情表現だってちゃんと分かってるつもり。
でもダメだ。遼太郎は多分オレがΩだから、あと一時期の気の迷いというか。
もっとあいつにふさわしいΩがいるはず。
玉の輿にのるために婚活しまくってるオレみたいのじゃない、可愛くて純粋で素敵な人が。
αやβ、Ωの性別なんてどうでもいいって思える相手と一緒になれるような、ってオレが一番夢見がちなのか。
「美紅、遅刻するぞ」
「え? やばっ! 行ってきます!!」
時計を見上げて慌てて出かけていく妹の背中を見送りながら、オレは小さく息を吐く。
「さて、今日も頑張るか」
体調は絶好調とまではいかないけど。数日かけた迷惑を取り戻さないとな。
「じゃ、オレも行ってきます」
テーブルの上の写真に声をかけた。
※※※
――ここへ来ると少しだけ呼吸が浅くなる、気がする。
うちの近くにある総合病院は、最近一部だけ改装工事をした。
とは言っても外来やらロビーとかだけで、病棟はまだ少し古めかしいままだけどな。
「どうぞ」
無言で扉をノックしたら、聞き慣れた声がこたえてくれる。
「あら」
優しく微笑む母さんがベッドに座ってた。
「瑠衣、来てくれたの。忙しいのにごめんね」
「いや別にいいよ。バイトも今日は一つだけだし」
居酒屋バイトの方は明日から。だから、今日はあと買い物くらいだ。夕食のことも美紅に頼んだと言うと、母さんは眉を下げる。
「ほんとに二人には迷惑かけるわね」
「いいんだってば。それより具合は大丈夫?」
「ええ、かなり良いのよ。お医者さんも、そろそろ一時退院の目処が立ちそうですって」
「そっか」
母さんの病気はそう珍しいものじゃない。日本人の多くが罹るものだ。
でもだからってすぐに治るものでもなくて。
「辛い時はちゃんと言いなよ」
「ふふ、分かってるわよ。母さん、そこまで我慢強くないから」
そう言っているけど、治療始めてから少しずつ痩せていっているのは知ってる。
元々白い肌だってもっと青白くなって。使っている薬を調整してもらってようやく、最近少しだけ良くなってきたとこの前聞いた。
「隣のベッドの人もね、すごくいい人なのよ」
今は談話室か売店にでも行っているのだろう。
嬉しそうに話をしてくれた。
「母さん」
そこで婚活のこと言おうかと思ったんだ。
Ωのオレがこの先、生きていくのを誰よりも心配してくれてるのは母さんだから。
でも。
「そうそう。遼太郎君の所も、今お母さんいないんですってね」
「あ、うん」
美紅から聞いたのかと思ってたら。
「この前ね。遼太郎君がお見舞いにきてくれたのよ」
「えっ!?」
マジかよ、聞いてないぞ。
驚くオレにかまわず、母さんはクスクス笑う。
「それでね。遼太郎君ったら、すごく緊張して病室に入ってくるのよ」
「へ、へぇ」
うわ。こりゃロクなこと言ってないパターンだ、これ。
ゲンナリしつつ先をうながすと。
「開口一番になんで言ったと思う? 『今日は外堀を埋めに来ました』なんて頭下げたのよ。ふふっ、もうおかしくってね」
「あいつ……!」
そのまま吹き出し笑いをしてる母さんに対し、オレは頭を抱えたくなった。
いや、なんだそれ。勝手に埋めてんじゃねーぞ、外堀。
まったくガキのくせに変に行動力️がありすぎる。あとで叱ってやらないと。
そのままニコニコとしてる母さんにとてもじゃないけど言えなかった。
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