2 / 7
罪2
しおりを挟む
人は見た目じゃないって言うけどさ。
それってもう、綺麗事通り越して詐欺だよな。
だいたい外見をみなきゃ、なにを見ろっつてんだよ。
「おい、晶。またやらかしただろ」
うんざりしたような表情つくってるけど、実は面白がってるのはこの男。
「ハァ? いきなりなんだよ」
伊織の無駄に高い位置にある顔を睨みながらも、オレだって別に怒ってるワケじゃない。
こんなのポーズだ。お約束のやつ。
「いつかお前、女に刺されるぞ」
マジな顔をしてオレに説教たれるコイツは同じバイト先で、大学も同じの一之瀬 伊織。こんな女々しい名前してて、めちゃくちゃマッチョなんだぜ。
身長も190を超える巨人。これはもう笑うしかないギャップだろ。
んでもって。妙に固いっつーか、真面目なのか。こうやってオレの女遊びを、うるさく言ってくるんだよなぁ。
これさえなきゃ、他は趣味も合うし悪い奴じゃないんだけど。
「聞いてんのか」
「はいはーい。今度、いい子紹介してあげよっか?」
「……」
あ、怒った? でも全然怖くねぇもん。
だってコイツ、こう見えて。
「合コン設定してやるって。S女子短大の子とか、どうよ」
こう見えてツテなら山ほどあるんだ。これも日々の努力 (?)のたまものよ。
手をのばして、やたらいかつい肩を抱く。
そしたら。
「清楚系なら」
「よし、まかせとけ!」
ほらな。コイツもしょせん男なんだよ。心の中で高笑いしながらもニンマリ笑うオレの視線の先には、へんな生き物がチラチラしている。
あ。あれって、この前の眉毛つながった女じゃん。
ええっと固有名詞なんだっけ。つまり、名前忘れちゃったな。
「新島くぅぅぅん♡♡♡」
うわ。こっち走ってきた。なんか肌の色がおかしい。
どうやらメイクしてるらしい。この前までスッピンだったブスが、ヘタクソな化粧品をぬりたくったブスになったじゃねぇか。
これだから、オタク女ってやつは。
「晶?」
途端、また機嫌最悪になった伊織の声。
……おいおい。まったく間の悪い女だ。
オレはとりあえず、逃げ出すことにした。
「あっ! 晶きゅんんんんっ♡」
うげぇ……名前で呼ぶな、妖怪みてぇな顔面しやがって。
つか、なんでこんなブス抱いたんだっけ。あ、そうそう。だってコイツ。
「おい、逃げんな」
「すまんッ、伊織。また後でLINEする!」
視界の端っこで、こちらを睨みつける数人の視線。
見てわかるほどの、オタクな格好をした陰キャ共。
そしてこのブス女の似合わないツインテールに、少女趣味の気色悪い服装。
オレが抱いたのは、いわゆるオタサーの姫。そしてヤツらは姫をヤリ捨てられて激おこの、アホなオタサーの騎士どもってワケ。
ちょっとしたゲテモノ食いの、ゲーム感覚。
ほら、こういうのも悪くないだろ?
それってもう、綺麗事通り越して詐欺だよな。
だいたい外見をみなきゃ、なにを見ろっつてんだよ。
「おい、晶。またやらかしただろ」
うんざりしたような表情つくってるけど、実は面白がってるのはこの男。
「ハァ? いきなりなんだよ」
伊織の無駄に高い位置にある顔を睨みながらも、オレだって別に怒ってるワケじゃない。
こんなのポーズだ。お約束のやつ。
「いつかお前、女に刺されるぞ」
マジな顔をしてオレに説教たれるコイツは同じバイト先で、大学も同じの一之瀬 伊織。こんな女々しい名前してて、めちゃくちゃマッチョなんだぜ。
身長も190を超える巨人。これはもう笑うしかないギャップだろ。
んでもって。妙に固いっつーか、真面目なのか。こうやってオレの女遊びを、うるさく言ってくるんだよなぁ。
これさえなきゃ、他は趣味も合うし悪い奴じゃないんだけど。
「聞いてんのか」
「はいはーい。今度、いい子紹介してあげよっか?」
「……」
あ、怒った? でも全然怖くねぇもん。
だってコイツ、こう見えて。
「合コン設定してやるって。S女子短大の子とか、どうよ」
こう見えてツテなら山ほどあるんだ。これも日々の努力 (?)のたまものよ。
手をのばして、やたらいかつい肩を抱く。
そしたら。
「清楚系なら」
「よし、まかせとけ!」
ほらな。コイツもしょせん男なんだよ。心の中で高笑いしながらもニンマリ笑うオレの視線の先には、へんな生き物がチラチラしている。
あ。あれって、この前の眉毛つながった女じゃん。
ええっと固有名詞なんだっけ。つまり、名前忘れちゃったな。
「新島くぅぅぅん♡♡♡」
うわ。こっち走ってきた。なんか肌の色がおかしい。
どうやらメイクしてるらしい。この前までスッピンだったブスが、ヘタクソな化粧品をぬりたくったブスになったじゃねぇか。
これだから、オタク女ってやつは。
「晶?」
途端、また機嫌最悪になった伊織の声。
……おいおい。まったく間の悪い女だ。
オレはとりあえず、逃げ出すことにした。
「あっ! 晶きゅんんんんっ♡」
うげぇ……名前で呼ぶな、妖怪みてぇな顔面しやがって。
つか、なんでこんなブス抱いたんだっけ。あ、そうそう。だってコイツ。
「おい、逃げんな」
「すまんッ、伊織。また後でLINEする!」
視界の端っこで、こちらを睨みつける数人の視線。
見てわかるほどの、オタクな格好をした陰キャ共。
そしてこのブス女の似合わないツインテールに、少女趣味の気色悪い服装。
オレが抱いたのは、いわゆるオタサーの姫。そしてヤツらは姫をヤリ捨てられて激おこの、アホなオタサーの騎士どもってワケ。
ちょっとしたゲテモノ食いの、ゲーム感覚。
ほら、こういうのも悪くないだろ?
0
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる