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友情宣言2
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「……」
「……」
黙々とただひたすらに。
「……」
「……」
最初こそ指示を出して。しかしすぐにその作業にも慣れたのだろう、静かな時間が流れる。
「……」
「……なぁ」
「……」
敢えての黙殺。叶芽はこう見えて根を詰めるタイプだ。
それに対して光雄はどこか気もそぞろらしい。チラチラと彼を見ながらで作業にいまいち身が入らない。
「おい、叶芽」
「……なに」
「……」
「なんだよ」
大方終わりが見えてきたからだろう、振り返ると。
「叶芽ってカノジョいるの」
唐突な話題である。
「いないけど」
彼氏も、とは言わなかった。ゲイであることも言うつもりはない。
もしかしたら大家から聞いているかもしれないとは思ったが。
しかし叶芽は知らかった。彼女は口さがなく見えるが、アパート住人の個人情報を吹聴するほどモラルのない人間ではないのだ。
「じゃあ付き合ってた人は」
「なにそれ尋問?」
「質問だ」
「……いたけど」
そうすると小さく、そうかと呟いたのちに。
「なんで別れた」
とまた質問攻めである。
「なんなんだよ、もう」
「俺はこの歳になっても童貞だ。女性と付き合ったことすらない」
「はぁ?」
カミングアウトも唐突だ。
冗談かとおもったが目が真剣なので茶化すのもやめて肩をすくめた。
「まだ大学生なんてそんなもんだろ」
「叶芽もだ」
「違う、僕は二十三歳」
つまり歳上。
光雄が驚いたように目を見張る。
「え、ずっと同じ歳だとばかり。学生でもないのか」
「あいにくね、フリーターだよ」
「そうなのか」
しかしタメ口は直すつもりはないらしい。
少し顔をしかめる。
「俺、おまえのこと何も知らないんだな」
「当たり前だろ」
ただの隣人なのに、と口に出す前に。
「もっと叶芽のこと知りたい」
「え……?」
真剣な眼差しがこちらを向いてる。
「今度こそお隣さんと良好な関係築きたい」
「なんだそりゃ」
それにしても距離感がおかしい。それとも前回トラブルになったのは、この距離感のせいかもしれないと叶芽は思った。
「悪いけど僕は御免だね」
そこで立ち上がり、彼を睨みつける。
「成人したての大学生のガキと仲良しごっこなんて真っ平だ」
「そう変わんないだろ」
「変わるさ、全然違う」
――少なくとも境遇が違いすぎる。
実家に居場所すらなく、進学する余裕すら与えられず逃げるように出てきた人間と。恐らくだが、ぬくぬくと愛されて育ってきた彼とでは雲泥の差だ。
そこで湧き上がってくる己の感情に、唇を噛んでから。
「もういいだろ。あとは自分でやれよな」
「叶芽!」
「もうここに来ない」
「っ、なんでだよ」
冷たく吐き捨てて背を向ければ、戸惑ったような声がぶつけられる。
「大家さんに言うからな、薬のこと!」
「……言えばいい」
「えっ」
「言えばいいよ。出ていけと言われたらそうするし」
彼は絶句したのか返事がない。
そのまま足早に玄関まで歩く。
「じゃあな、お隣さん」
振り返ることなくドアを開け、外へ。
追いかけて来ないことに安堵しつつも、なぜか喉の奥がヒリヒリと痛む気がした。
「か、かな――っ」
バタンと扉が閉まる前、聞こえた声を振り切るように自分の部屋に戻る。
「ああくそっ!」
無性に苛立って仕方なかった。
勝手に踏み込んでくる光雄にか、それともそれに怯えている臆病な自分にだろうか。
「くそっ! くそっ!」
部屋に駆け込んだ叶芽はマットレスを拳でなぐりつける。
――なんでいつもこうなんだよ。
人を妬む自分が怖かった。これ以上心まで惨めになっていくのを認めたくない。
耳をふさぐような格好でうずくまり、少し泣いた。
『――お前が悪いんだよ』
彼の心の中で誰かが囁く。
『お前が悪い子だから』
『お前があの子を誘惑するから』
『お前のせいで廉太郎は死んだ』
「僕のせいじゃ、ない……っ」
かき消すように叫んだ。しかし声はやまない。
『妹を、彩芽を連れていけば母さんは幸せだったかもしれない』
叶芽は二卵性双生児の片割れ。両親の離婚で妹である彩芽は父親が引き取った。
離婚理由も聞かされず、ある日突然手を引かれ家を出たのだ。
能面のような無表情で歩く母親の顔を見上げるのも恐ろしく、ただうつむいて歩いた。
「……っ、う……ご、ごめん……なさぃ……」
それなのに再婚した相手の息子、つまり兄の廉太郎は死んだ。
叶芽が家出同然に上京してきた日から一年後に。
事故死だとだけ電話口で伝えられた。しかし母親の食いしばるような声で、そうでないことは明らかであった。
『あなたのせい』
会話の途切れ際、そんな呻き声は果たして幻聴だったのだろうか。
――どうすりゃよかったんだよ。
大人しく兄の慰み者として存在していれば良かったのか。
そんな葛藤もあり葬式には出なかった。それどころか実家との一切の連絡を絶つことになる。
「叶芽」
「!?」
名を呼ばれてハッと顔を上げた。
そこにはなぜか痛いような苦しいような表情の光雄が立っている。
「また鍵、かけてなかった」
勝手に入ってきたことへの言い訳だろうか。
ゆっくりと歩み寄ってきて、そっとしゃがみ目線を合わせる。
「ごめん」
その謝罪はなんの意味だろう。
叶芽は顔を背けた。
「俺、少し踏み込み過ぎたよな」
「……」
「うれしくて、つい浮かれた」
「……」
「傷つけたのを謝りたかったんだ」
「僕は傷ついてなんかいない」
泣きっ面を必死で隠しても説得力は皆無だろう。
しかし彼は指摘しなかった。
「こんなこと言うと誤解されるかもしれないけど」
そう前置きをしてから。
「昔から友達もすぐにできたし、人間関係で苦労した事なくて」
だろうな、と思った。
容姿も優れていて背も高い。男としてモテないわけがない。
そしてなによりコミュニケーション能力は高いのだろう。
叶芽にとって気難しい大家も、彼には孫娘を紹介したいと言うほどに。
「だから前のアパートを隣人トラブルで出ることになったのがショックで」
ふと恥じ入るように視線を落とす。
「自負っていうか、挽回したかったんだと思う」
「……」
「今まで上手くやってきたんだ。誰とでも仲良くできるのが俺の長所っていうか、今度こそって。自分勝手だよな」
学生時代、あの日からずっと教室のすみで息をひそめて生きてきた叶芽には理解出来なかった。しかしきっと彼もまた理解出来ないだろう。
お互いあまりにも違いすぎる。
「ええっと、上手く説明出来ないんだけどさ。やっぱり叶芽と仲良くなりたい」
「僕と?」
「ああ、放っておきたくないっていうか」
「……」
「分かってる! 俺のお節介だしウザいよな。でもさっき、もう来ないって言われた時にすごく悲しかったし苦しかったんだ」
また少し距離を近くして、さらに手まで握りながら見つめてくる彼を呆然と眺めた。
これではまるで。
「俺と親友になってくれないか」
「え?」
「年齢とか学生とか関係ない。俺の親友になってくれ」
「しん、ゆう??」
愛の告白か、なんならプロポーズかという熱量での迫り方に叶芽は目を白黒させる。
――こ、この男。やっぱりよく分からん!!
それでも包み込まれた両手を離せずにいた。
「……」
黙々とただひたすらに。
「……」
「……」
最初こそ指示を出して。しかしすぐにその作業にも慣れたのだろう、静かな時間が流れる。
「……」
「……なぁ」
「……」
敢えての黙殺。叶芽はこう見えて根を詰めるタイプだ。
それに対して光雄はどこか気もそぞろらしい。チラチラと彼を見ながらで作業にいまいち身が入らない。
「おい、叶芽」
「……なに」
「……」
「なんだよ」
大方終わりが見えてきたからだろう、振り返ると。
「叶芽ってカノジョいるの」
唐突な話題である。
「いないけど」
彼氏も、とは言わなかった。ゲイであることも言うつもりはない。
もしかしたら大家から聞いているかもしれないとは思ったが。
しかし叶芽は知らかった。彼女は口さがなく見えるが、アパート住人の個人情報を吹聴するほどモラルのない人間ではないのだ。
「じゃあ付き合ってた人は」
「なにそれ尋問?」
「質問だ」
「……いたけど」
そうすると小さく、そうかと呟いたのちに。
「なんで別れた」
とまた質問攻めである。
「なんなんだよ、もう」
「俺はこの歳になっても童貞だ。女性と付き合ったことすらない」
「はぁ?」
カミングアウトも唐突だ。
冗談かとおもったが目が真剣なので茶化すのもやめて肩をすくめた。
「まだ大学生なんてそんなもんだろ」
「叶芽もだ」
「違う、僕は二十三歳」
つまり歳上。
光雄が驚いたように目を見張る。
「え、ずっと同じ歳だとばかり。学生でもないのか」
「あいにくね、フリーターだよ」
「そうなのか」
しかしタメ口は直すつもりはないらしい。
少し顔をしかめる。
「俺、おまえのこと何も知らないんだな」
「当たり前だろ」
ただの隣人なのに、と口に出す前に。
「もっと叶芽のこと知りたい」
「え……?」
真剣な眼差しがこちらを向いてる。
「今度こそお隣さんと良好な関係築きたい」
「なんだそりゃ」
それにしても距離感がおかしい。それとも前回トラブルになったのは、この距離感のせいかもしれないと叶芽は思った。
「悪いけど僕は御免だね」
そこで立ち上がり、彼を睨みつける。
「成人したての大学生のガキと仲良しごっこなんて真っ平だ」
「そう変わんないだろ」
「変わるさ、全然違う」
――少なくとも境遇が違いすぎる。
実家に居場所すらなく、進学する余裕すら与えられず逃げるように出てきた人間と。恐らくだが、ぬくぬくと愛されて育ってきた彼とでは雲泥の差だ。
そこで湧き上がってくる己の感情に、唇を噛んでから。
「もういいだろ。あとは自分でやれよな」
「叶芽!」
「もうここに来ない」
「っ、なんでだよ」
冷たく吐き捨てて背を向ければ、戸惑ったような声がぶつけられる。
「大家さんに言うからな、薬のこと!」
「……言えばいい」
「えっ」
「言えばいいよ。出ていけと言われたらそうするし」
彼は絶句したのか返事がない。
そのまま足早に玄関まで歩く。
「じゃあな、お隣さん」
振り返ることなくドアを開け、外へ。
追いかけて来ないことに安堵しつつも、なぜか喉の奥がヒリヒリと痛む気がした。
「か、かな――っ」
バタンと扉が閉まる前、聞こえた声を振り切るように自分の部屋に戻る。
「ああくそっ!」
無性に苛立って仕方なかった。
勝手に踏み込んでくる光雄にか、それともそれに怯えている臆病な自分にだろうか。
「くそっ! くそっ!」
部屋に駆け込んだ叶芽はマットレスを拳でなぐりつける。
――なんでいつもこうなんだよ。
人を妬む自分が怖かった。これ以上心まで惨めになっていくのを認めたくない。
耳をふさぐような格好でうずくまり、少し泣いた。
『――お前が悪いんだよ』
彼の心の中で誰かが囁く。
『お前が悪い子だから』
『お前があの子を誘惑するから』
『お前のせいで廉太郎は死んだ』
「僕のせいじゃ、ない……っ」
かき消すように叫んだ。しかし声はやまない。
『妹を、彩芽を連れていけば母さんは幸せだったかもしれない』
叶芽は二卵性双生児の片割れ。両親の離婚で妹である彩芽は父親が引き取った。
離婚理由も聞かされず、ある日突然手を引かれ家を出たのだ。
能面のような無表情で歩く母親の顔を見上げるのも恐ろしく、ただうつむいて歩いた。
「……っ、う……ご、ごめん……なさぃ……」
それなのに再婚した相手の息子、つまり兄の廉太郎は死んだ。
叶芽が家出同然に上京してきた日から一年後に。
事故死だとだけ電話口で伝えられた。しかし母親の食いしばるような声で、そうでないことは明らかであった。
『あなたのせい』
会話の途切れ際、そんな呻き声は果たして幻聴だったのだろうか。
――どうすりゃよかったんだよ。
大人しく兄の慰み者として存在していれば良かったのか。
そんな葛藤もあり葬式には出なかった。それどころか実家との一切の連絡を絶つことになる。
「叶芽」
「!?」
名を呼ばれてハッと顔を上げた。
そこにはなぜか痛いような苦しいような表情の光雄が立っている。
「また鍵、かけてなかった」
勝手に入ってきたことへの言い訳だろうか。
ゆっくりと歩み寄ってきて、そっとしゃがみ目線を合わせる。
「ごめん」
その謝罪はなんの意味だろう。
叶芽は顔を背けた。
「俺、少し踏み込み過ぎたよな」
「……」
「うれしくて、つい浮かれた」
「……」
「傷つけたのを謝りたかったんだ」
「僕は傷ついてなんかいない」
泣きっ面を必死で隠しても説得力は皆無だろう。
しかし彼は指摘しなかった。
「こんなこと言うと誤解されるかもしれないけど」
そう前置きをしてから。
「昔から友達もすぐにできたし、人間関係で苦労した事なくて」
だろうな、と思った。
容姿も優れていて背も高い。男としてモテないわけがない。
そしてなによりコミュニケーション能力は高いのだろう。
叶芽にとって気難しい大家も、彼には孫娘を紹介したいと言うほどに。
「だから前のアパートを隣人トラブルで出ることになったのがショックで」
ふと恥じ入るように視線を落とす。
「自負っていうか、挽回したかったんだと思う」
「……」
「今まで上手くやってきたんだ。誰とでも仲良くできるのが俺の長所っていうか、今度こそって。自分勝手だよな」
学生時代、あの日からずっと教室のすみで息をひそめて生きてきた叶芽には理解出来なかった。しかしきっと彼もまた理解出来ないだろう。
お互いあまりにも違いすぎる。
「ええっと、上手く説明出来ないんだけどさ。やっぱり叶芽と仲良くなりたい」
「僕と?」
「ああ、放っておきたくないっていうか」
「……」
「分かってる! 俺のお節介だしウザいよな。でもさっき、もう来ないって言われた時にすごく悲しかったし苦しかったんだ」
また少し距離を近くして、さらに手まで握りながら見つめてくる彼を呆然と眺めた。
これではまるで。
「俺と親友になってくれないか」
「え?」
「年齢とか学生とか関係ない。俺の親友になってくれ」
「しん、ゆう??」
愛の告白か、なんならプロポーズかという熱量での迫り方に叶芽は目を白黒させる。
――こ、この男。やっぱりよく分からん!!
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