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地雷系男子は××できない2
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「すんませんでしたぁぁぁっ!!!!」
「……うっさい」
ドアのない部屋にて土下座を見るのはこれで何度目であろうか。
「くそ、僕まで怒られたじゃん」
「すまんっ!」
「だからうるさいっつーの」
叶芽はうんざりしながら腕を組む。
「お前のせいで色々と台無しだ」
目の前の土下座男こと御影 光雄を睨みつけた。
「本当に申し訳ない」
大きな身体をしょぼんと縮める青年は昨日、隣に引っ越してきたらしい。
その挨拶に訪ねて来たところドアノブを破壊。テンパってインターホン連打からの大絶叫というむちゃくちゃなコンボをキメたと。
「ドアまで壊しやがって」
「いやだってお化けがって……」
「それはお前の事だバカ」
怯えた叶芽の声を聞いてドアに強烈タックル食らわせた結果、ノブだけでなく本体も破壊。仲良く大家に正座で説教食らったと。
「で、お前は」
「俺の事は光雄と呼んでくれ、叶芽」
「いや距離感エグいな」
出会って数十分でこれは無い。
ただでさえ叶芽は人見知り。こんな男相手だとなおさらだ。
――なにこいつ、無駄にいい身体しやがって。
白タンクトップから覗く腕も自分の何倍の太さだろう。
鍛え上げられた身体は性的には魅力的だ。
しかし黒の短髪は清潔感こそあるが童顔気味の顔は好みのタイプとはまるでかけ離れている。
「分かったからさっさと帰って」
ドアは壊れたままだが仕方がない。
叶芽は犬か猫でも追い払うような仕草で吐き捨てる。
「叶芽はどうするんだ」
「あ?」
「ドアが壊れているんだぞ」
だが別に跡形もなく吹き飛んだとかではなく、鍵が機能しなくなっただけだ。
そう答えるも。
「そんなの物騒だろ」
と首を横に振る。
「いやお前のせいな。あと僕がいいって言ってんの」
「でも」
「だいたい他人の家のドアぶっ壊した物騒な奴はどこのどいつだ」
「それは……」
「分かったら帰れ。目障りだ」
ピシャリと言い捨てて無理矢理追い出した。
「お、おい!」
最後は足で蹴り出す。さすがにここまで拒絶されては何も言えなかったのか、すぐに足音が遠ざかって行く。
「……ふぅ」
めんどくさい事になった。
壊れたドアを背にして叶芽は大きくため息をつく。
――それにしてもあのドア破壊野郎、身体だけは良かったな。
そんな場違いなことを考える。
「ああもう」
男に捨てられて三日。廃人のようになって精も根も尽き果たと思っていたけれど、まだそうでもないらしい。
「クソが」
毒づきながらも部屋に戻る。
生活感も何も無い、ガランとした場所には申し訳程度の毛布が一枚。これにくるまって三日間泣いて泣いて暮らしていたのだ。
空き巣だって強盗だって苦笑いして立ち去るレベルの空っぽ具合。
強盗だったらいっその事。
「レイプでもして殺してくれないかなァ」
無理矢理されるのも慣れているし、むしろそう躾られた身体は悦ぶだろう。
それに死ねるなら首をくくる手間も省けるというものだ。
「あはは……はは……あー……」
情けなくなって涙が滲む。どれだけ目を腫らして泣いても涙腺というのは枯れることを知らない。
「ちくしょう……」
また死にたくなってくる。もう邪魔は入らないだろう、と自身の希死念慮が囁く。
事故物件にしてしまう罪悪感がそれを止めるが、そんなもの些細な事だ知ったことかという思考。
「縄、しまわなきゃよかったな」
隣人や大家に見られたくなくて慌てて隠したが、やるなら今しかない気がしてくる。
手にした縄はずっしりと重い。
文字通り命の重さのような気がしてくる。
「でもこれ」
元カレ、とも呼びたくない男が持ち込んだものだ。
「これで散々嬲られたっけなぁ」
亀甲縛りにM字開脚縛り、蟹縛りで露出放置プレイからの集団でやりたい放題された事もあった。
思い出すのもはばかられるほどの変態行為と緊縛プレイこ数々が走馬灯のように――。
「いやいやいや。こんな走馬灯イヤすぎるだろ」
途端に荒縄が気色悪く思えて放り出す。
「ああもう、やめた」
明日新しい縄買ってこようか、それとも他の自殺方法を模索しにいくか。
ごろんと床に寝そべり考えていると。
「……」
身体の奥が疼いてきた。
特殊プレイの思い出がまた蘇ってくる。
「っ、くそ」
こんな時にムラムラしてしまうなんて、人間とはしょせん動物なのか。それとも自分が性にだらしがない淫乱なだけか。
『叶芽って顔と身体は最高だよな』
元カレとその前の男はよくそう言いながら彼を抱いた。
褒められていると自惚れることは無いが不思議だった。
それ以外に何が必要なんだ、と。
「んぅっ……く」
知らず知らずのうちに手が前をまさぐっていた。
衣服をくつろげ、手っ取り早く快感を拾おうとしごき始める。
――物足りない。
完全にネコ (受け)体質であるため、ペニスだけの刺激ではいまいち足りないのだ。しかし女と違い準備が必要だから、今日は我慢するしかない。
「はぁっ、ぁ……んんっ、あ……」
服の上から乳首までカリカリと軽く爪を立てて愛撫する。
「あっ、あっあっ」
ここでも野外でも、たくさん犯されてきた。
一晩で十人ほど受け入れさせられた夜も。さすがにイき過ぎて怖くなり泣き叫んだが気絶するまで止めてもらえなかった。
はした金で見ず知らずの男の相手をさせられて、曲がりなりにも愛した男に搾取されることも。
それでも事後は優しく身体を洗われて。
『お前は最高のオンナだよ、叶芽』
とこれだけは他所の男に許してなかった唇に、そっと口付けしてくれる。
それだけにすがって生きてきた。それなのに。
「うぅっ……ぁ、んんっ、ひぐ……ぅ」
また涙が溢れてくる。
泣きながらも昂っていく性感にどこか冷静であった。
――僕はどうしようもないビッチだ。
明日こそ死のう、そうぼんやり考える。
「……うっさい」
ドアのない部屋にて土下座を見るのはこれで何度目であろうか。
「くそ、僕まで怒られたじゃん」
「すまんっ!」
「だからうるさいっつーの」
叶芽はうんざりしながら腕を組む。
「お前のせいで色々と台無しだ」
目の前の土下座男こと御影 光雄を睨みつけた。
「本当に申し訳ない」
大きな身体をしょぼんと縮める青年は昨日、隣に引っ越してきたらしい。
その挨拶に訪ねて来たところドアノブを破壊。テンパってインターホン連打からの大絶叫というむちゃくちゃなコンボをキメたと。
「ドアまで壊しやがって」
「いやだってお化けがって……」
「それはお前の事だバカ」
怯えた叶芽の声を聞いてドアに強烈タックル食らわせた結果、ノブだけでなく本体も破壊。仲良く大家に正座で説教食らったと。
「で、お前は」
「俺の事は光雄と呼んでくれ、叶芽」
「いや距離感エグいな」
出会って数十分でこれは無い。
ただでさえ叶芽は人見知り。こんな男相手だとなおさらだ。
――なにこいつ、無駄にいい身体しやがって。
白タンクトップから覗く腕も自分の何倍の太さだろう。
鍛え上げられた身体は性的には魅力的だ。
しかし黒の短髪は清潔感こそあるが童顔気味の顔は好みのタイプとはまるでかけ離れている。
「分かったからさっさと帰って」
ドアは壊れたままだが仕方がない。
叶芽は犬か猫でも追い払うような仕草で吐き捨てる。
「叶芽はどうするんだ」
「あ?」
「ドアが壊れているんだぞ」
だが別に跡形もなく吹き飛んだとかではなく、鍵が機能しなくなっただけだ。
そう答えるも。
「そんなの物騒だろ」
と首を横に振る。
「いやお前のせいな。あと僕がいいって言ってんの」
「でも」
「だいたい他人の家のドアぶっ壊した物騒な奴はどこのどいつだ」
「それは……」
「分かったら帰れ。目障りだ」
ピシャリと言い捨てて無理矢理追い出した。
「お、おい!」
最後は足で蹴り出す。さすがにここまで拒絶されては何も言えなかったのか、すぐに足音が遠ざかって行く。
「……ふぅ」
めんどくさい事になった。
壊れたドアを背にして叶芽は大きくため息をつく。
――それにしてもあのドア破壊野郎、身体だけは良かったな。
そんな場違いなことを考える。
「ああもう」
男に捨てられて三日。廃人のようになって精も根も尽き果たと思っていたけれど、まだそうでもないらしい。
「クソが」
毒づきながらも部屋に戻る。
生活感も何も無い、ガランとした場所には申し訳程度の毛布が一枚。これにくるまって三日間泣いて泣いて暮らしていたのだ。
空き巣だって強盗だって苦笑いして立ち去るレベルの空っぽ具合。
強盗だったらいっその事。
「レイプでもして殺してくれないかなァ」
無理矢理されるのも慣れているし、むしろそう躾られた身体は悦ぶだろう。
それに死ねるなら首をくくる手間も省けるというものだ。
「あはは……はは……あー……」
情けなくなって涙が滲む。どれだけ目を腫らして泣いても涙腺というのは枯れることを知らない。
「ちくしょう……」
また死にたくなってくる。もう邪魔は入らないだろう、と自身の希死念慮が囁く。
事故物件にしてしまう罪悪感がそれを止めるが、そんなもの些細な事だ知ったことかという思考。
「縄、しまわなきゃよかったな」
隣人や大家に見られたくなくて慌てて隠したが、やるなら今しかない気がしてくる。
手にした縄はずっしりと重い。
文字通り命の重さのような気がしてくる。
「でもこれ」
元カレ、とも呼びたくない男が持ち込んだものだ。
「これで散々嬲られたっけなぁ」
亀甲縛りにM字開脚縛り、蟹縛りで露出放置プレイからの集団でやりたい放題された事もあった。
思い出すのもはばかられるほどの変態行為と緊縛プレイこ数々が走馬灯のように――。
「いやいやいや。こんな走馬灯イヤすぎるだろ」
途端に荒縄が気色悪く思えて放り出す。
「ああもう、やめた」
明日新しい縄買ってこようか、それとも他の自殺方法を模索しにいくか。
ごろんと床に寝そべり考えていると。
「……」
身体の奥が疼いてきた。
特殊プレイの思い出がまた蘇ってくる。
「っ、くそ」
こんな時にムラムラしてしまうなんて、人間とはしょせん動物なのか。それとも自分が性にだらしがない淫乱なだけか。
『叶芽って顔と身体は最高だよな』
元カレとその前の男はよくそう言いながら彼を抱いた。
褒められていると自惚れることは無いが不思議だった。
それ以外に何が必要なんだ、と。
「んぅっ……く」
知らず知らずのうちに手が前をまさぐっていた。
衣服をくつろげ、手っ取り早く快感を拾おうとしごき始める。
――物足りない。
完全にネコ (受け)体質であるため、ペニスだけの刺激ではいまいち足りないのだ。しかし女と違い準備が必要だから、今日は我慢するしかない。
「はぁっ、ぁ……んんっ、あ……」
服の上から乳首までカリカリと軽く爪を立てて愛撫する。
「あっ、あっあっ」
ここでも野外でも、たくさん犯されてきた。
一晩で十人ほど受け入れさせられた夜も。さすがにイき過ぎて怖くなり泣き叫んだが気絶するまで止めてもらえなかった。
はした金で見ず知らずの男の相手をさせられて、曲がりなりにも愛した男に搾取されることも。
それでも事後は優しく身体を洗われて。
『お前は最高のオンナだよ、叶芽』
とこれだけは他所の男に許してなかった唇に、そっと口付けしてくれる。
それだけにすがって生きてきた。それなのに。
「うぅっ……ぁ、んんっ、ひぐ……ぅ」
また涙が溢れてくる。
泣きながらも昂っていく性感にどこか冷静であった。
――僕はどうしようもないビッチだ。
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