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魔王様は平和に過ごしたい
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それが約束で、尊い犠牲の上に成り立っていたとして。
いや、だからって無抵抗主義でいられるか!
「っくぅ、んあっ、や、やめ」
「そろそろ素直になれよ」
「あっ♡ ん、や、やめて、って、や…………やめろっていってんだろぉぉぉッ!!!」
いつまでもいつまでもいつまでもっ!
僕の尻に指を突っ込んで弄くり回す男を蹴りつけた。
解すにしても時間かけすぎ。むしろもどかしくて死にたくなるっつーの。
オラオラなセックスから、最近妙な焦らしプレイを始めたコイツにイライラする。
「どうした? 生理前か」
「ちゃうわバーカ!」
色気もへったくれもない情事だけど、それだって仕方ない。
だって僕は別に好き好んでコイツに抱かれてるわけじゃないんだから。
――この男、アレスは自称勇者。
突然僕の寝室に全裸で飛び込んできたド変態の人間だ。
そして僕は魔王。めちゃくちゃ忙しい日々に疲弊して、まぁなんというか。ついついちょっとだけ羽目を外して自分を慰めてたっていうか……いや、プライベートだし咎められる理由なんてないんだけど。
とにかくあられもない姿を見られ、そのまま犯されたのか最初。
それから気がついた時には。アレスを僕の配下としてこき使い、夜はこうやって『ご褒美』と称して尻を差し出すことになったのだ。
「さっさと突っ込めよ。ウザいし、じれったい」
「そんなわけにいかねぇだろ」
僕の舌打ちしながらの悪態だって、こうだ。
『傷つけたくない』なんて、今まで散々人の身体食い散らかしてよく言うよ。
「キスしてやるから機嫌なおせ」
「っ、貴様がしたいだけ……っ、んぅ♡ ふぁ……♡」
ああもう、また誤魔化された。
コイツはキスも上手いからムカつく。分厚い舌で口の中探られると、もう頭がボーッとしてきた。合間に髪を撫でられるのも気持ちいい。
「ひっ……♡」
耳の穴に指を入れられると、ゾクゾクとしたものが背中を這い上がってきてやばい。
このまましばらくいたいと思う程度には、この男のキスに翻弄されてしまっている。
「蕩けた顔しやがって」
「ぁ……♡」
長くてねちっこいキスがようやく終わって、解放された後はもう頭の中がぐしゃぐしゃだ。脳みそが溶けたバターにでもなったんじゃないのって感じ。
おかしいよな。人間ごときが魔王である僕を、ここまでいいようにするんだから。
「続き、しような」
「ん……まっ、て……♡」
余韻がまだ。というか、今この状態でヤられたらまずい。間違いなくおかしくなる。
そんな危機感で顔を横に振ったけど、ニヤニヤと笑うだけでまたベッドに押し倒しやがった。
「ほら、アンタの魔力で俺のエクスカリバーはこんな状態だぞ」
聖剣 (巨根)で魔王討伐 (意味深)ってか。くだらねぇ下ネタだ。
でも、確かに文句なしにデカい。というか一応、同じ雄として愕然とするレベル。
そういえばアレスは魔法アレルギーだ。
魔法を一切受け付けない、回復魔法や薬草ですらコイツに効果はない。
しかも副反応として、受けた魔力を蓄積して腕力や『性欲』として発散してしまう。
腕力はいいとして、性欲て……。
魔法至上主義世界の魔界に、こんな男がいればたちまちフル勃起した剛腕の変態の出来上がり。
魔界はレイプ暴行事件が多発する騒ぎになるだろう。
そんなこと、魔王の僕が許せる訳がない。
つまり、この世界の平和のため。僕はアレスを魔物と偽り手元に置き、夜は身体を張っていると。
我ながら自己犠牲がすぎるんじゃないか。でも、魔王だもの。それが僕の仕事だ。
「お゙っ♡」
「喜んで飲み込むじゃねぇか」
「うぐっ、だ、だま、れぇ♡♡」
や、やっぱりデカい。本当なら痛くて辛いだけの大きさなのに。丹念にしつこいくらい解されたソコは、切れることなく彼を受け入れている。
しかも、みっちりと中を満たして僕の弱点を余すところなく責め立ててくるのがもう。
すぐに込み上げてくる射精感に、奥歯を噛みしめる。
「動くぞ」
「あ♡ ひっ♡ ちょ、まっ……あ゙ひぃッ♡♡♡」
もうだめ! そんないきなり激しくっ!?
脳天まで突き抜ける快感に口を閉じることすら忘れて喘がされた。
いくら慣れてきたとはいえ、こんなのひどすぎる。おかしくなれと言ってるものじゃないか。
おまけに激しく腰をぶつけられながらも、またキスされて本当無理。
「ん゙っ♡ んっ♡ ぉ♡」
狂う。狂わされる。性欲ぶつけられて、いいように尻をほじくられて。女みたいに抱かれて悦ばされる。
ああなんて情けない。でもなんて気持ちいいんだろう。
「ひぁ♡ あ゙ーっ♡♡ も、い、イく!」
「おいおい、早すぎやしねぇか」
「ん゙ぎッ!? あ゙、な゙にを」
コイツ、前を。僕のアレの根元を締め上げやがった。
これじゃあ出るもんも出せないし、熱が身体中にこもって辛い。こんなことされたら、本気で頭おかしくなっちまうじゃないか。
「くそっ、離せ! 離せってば……あ゙ァァァッ♡ 」
ダメだ。抵抗すらできない。別に縛られてるとかじゃないのに。
コイツの馬鹿力に加えて、イイトコロばかり責められる気持ちよさでどこにも力が入らないんだ。
「あっ♡ ああっ♡」
「もっとケツ振って媚びろよ、夫である俺に」
「っ、な……!?」
だれが貴様なんかの! と唾のひとつでも吐き捨ててやりたい。でも口を開けばだらしない喘ぎしか出せないのが現実で。
「あ゙ぁァッ、も゙っ、むり♡♡」
「イかせて欲しけりゃそう言えよ」
「だっ、だれが♡♡♡」
「じゃあこのままだな」
「ひっ……♡ そ、そん、なぁ♡♡」
ひどい、ひどすぎる。こんなにもどかしくてどうにかなってしまいそうなのに。
イきたいのにイけない。それがこんなに辛いなんて。
「あ、あ、あ、あ♡♡」
「ほら素直にならねぇと気が狂うぜ」
「んひぃぃぃ♡ あ゙っ、あぁっ♡♡」
容赦なく攻め込まれる。
この男、いっさい手加減しないじゃないか! 毎晩に近く、この性欲オバケみたいな奴の相手してやってるってのに。
でもいよいよヤバくなってきた。冗談じゃなく、本気で壊れてしまう。
だから内心、悔しさで歯噛みしながらもまた屈辱的な言葉を口にする羽目になる。
「い…………て」
「ん? なんて言った、ハッキリ言いやがれ!」
「いぎッ!? あ゙♡ わ゙、わがっ、た! いうっ♡ いう、から♡♡♡」
ひときわ強く打ち付けられて今宵も心が折れた。
「イかせろっ、イかせてくれ!」
「ふむ。えらそうだな」
「んひぃぃっ♡ イかせてくださいッ♡ おねがいっ、おねがいしますぅぅぅ♡♡」
ヘコヘコと無様な腰振りが止まんない。情けない、恥ずかしすぎる。人間の、しかも男の前で、イかせてとオネダリするなんて♡♡♡
でもしないと精子出させてもらえない♡ お尻だけで♡ ずっとズコズコ突かれて♡♡ メスイキさせられちゃう♡♡♡♡
「はぁ」
彼の呆れたようなため息に心がえぐられる。
ひどい……こんなにお願いしてるのに♡
「おい泣くな」
「へ?」
優しく言われて、初めて自分の目元と頬が濡れてることに気がつく。
泣いてる? 僕が? 魔王なのに?? 激務ですら、泣いたことないのに。
「シド」
「っ!」
ちゅ、とこめかみに温かいモノが触れた。たぶん、口付けられたんだろう。
心臓が跳ね上がった。
「愛している」
アイシテル? なんだ、それ。アイ、シテル?? アイ? シテル???
もう頭も視界もぼやけてきて、僕は目を閉じる。
それと同時に、意識が遠のいていくのが分かった。
「!」
あー、やばい。これ多分、過労だ。今日もずっと休憩なしで仕事してたから。
まだまだ処理が追いつかない書類の山。結論が出ない会議。次々と重なる案件。
どうしてこうも魔王って忙しいのだろう。
椅子に座ってふんぞり返って、美女でもはべらせるだけの簡単なお仕事なんじゃないのか。
少なくとも前任者はそうだったぞ。
いや。そう見えていただけで、実際はもっと大変だったんだろうか。今の僕だって、みんなからそう思われているのかもしれない。
こんな、人間の男に股を開いてるなんて思ってもみないだろうな。
ああそうだよ、僕は魔界のために身体使って仕事してんだ。クソッタレめ。
『……シド! おいっ、大丈夫か!?』
延々と無駄なことを考えながらも、意識は徐々にフェードアウトしていく。
そして完全に落ちる前、僕は遠くで男の声を聞いた――。
いや、だからって無抵抗主義でいられるか!
「っくぅ、んあっ、や、やめ」
「そろそろ素直になれよ」
「あっ♡ ん、や、やめて、って、や…………やめろっていってんだろぉぉぉッ!!!」
いつまでもいつまでもいつまでもっ!
僕の尻に指を突っ込んで弄くり回す男を蹴りつけた。
解すにしても時間かけすぎ。むしろもどかしくて死にたくなるっつーの。
オラオラなセックスから、最近妙な焦らしプレイを始めたコイツにイライラする。
「どうした? 生理前か」
「ちゃうわバーカ!」
色気もへったくれもない情事だけど、それだって仕方ない。
だって僕は別に好き好んでコイツに抱かれてるわけじゃないんだから。
――この男、アレスは自称勇者。
突然僕の寝室に全裸で飛び込んできたド変態の人間だ。
そして僕は魔王。めちゃくちゃ忙しい日々に疲弊して、まぁなんというか。ついついちょっとだけ羽目を外して自分を慰めてたっていうか……いや、プライベートだし咎められる理由なんてないんだけど。
とにかくあられもない姿を見られ、そのまま犯されたのか最初。
それから気がついた時には。アレスを僕の配下としてこき使い、夜はこうやって『ご褒美』と称して尻を差し出すことになったのだ。
「さっさと突っ込めよ。ウザいし、じれったい」
「そんなわけにいかねぇだろ」
僕の舌打ちしながらの悪態だって、こうだ。
『傷つけたくない』なんて、今まで散々人の身体食い散らかしてよく言うよ。
「キスしてやるから機嫌なおせ」
「っ、貴様がしたいだけ……っ、んぅ♡ ふぁ……♡」
ああもう、また誤魔化された。
コイツはキスも上手いからムカつく。分厚い舌で口の中探られると、もう頭がボーッとしてきた。合間に髪を撫でられるのも気持ちいい。
「ひっ……♡」
耳の穴に指を入れられると、ゾクゾクとしたものが背中を這い上がってきてやばい。
このまましばらくいたいと思う程度には、この男のキスに翻弄されてしまっている。
「蕩けた顔しやがって」
「ぁ……♡」
長くてねちっこいキスがようやく終わって、解放された後はもう頭の中がぐしゃぐしゃだ。脳みそが溶けたバターにでもなったんじゃないのって感じ。
おかしいよな。人間ごときが魔王である僕を、ここまでいいようにするんだから。
「続き、しような」
「ん……まっ、て……♡」
余韻がまだ。というか、今この状態でヤられたらまずい。間違いなくおかしくなる。
そんな危機感で顔を横に振ったけど、ニヤニヤと笑うだけでまたベッドに押し倒しやがった。
「ほら、アンタの魔力で俺のエクスカリバーはこんな状態だぞ」
聖剣 (巨根)で魔王討伐 (意味深)ってか。くだらねぇ下ネタだ。
でも、確かに文句なしにデカい。というか一応、同じ雄として愕然とするレベル。
そういえばアレスは魔法アレルギーだ。
魔法を一切受け付けない、回復魔法や薬草ですらコイツに効果はない。
しかも副反応として、受けた魔力を蓄積して腕力や『性欲』として発散してしまう。
腕力はいいとして、性欲て……。
魔法至上主義世界の魔界に、こんな男がいればたちまちフル勃起した剛腕の変態の出来上がり。
魔界はレイプ暴行事件が多発する騒ぎになるだろう。
そんなこと、魔王の僕が許せる訳がない。
つまり、この世界の平和のため。僕はアレスを魔物と偽り手元に置き、夜は身体を張っていると。
我ながら自己犠牲がすぎるんじゃないか。でも、魔王だもの。それが僕の仕事だ。
「お゙っ♡」
「喜んで飲み込むじゃねぇか」
「うぐっ、だ、だま、れぇ♡♡」
や、やっぱりデカい。本当なら痛くて辛いだけの大きさなのに。丹念にしつこいくらい解されたソコは、切れることなく彼を受け入れている。
しかも、みっちりと中を満たして僕の弱点を余すところなく責め立ててくるのがもう。
すぐに込み上げてくる射精感に、奥歯を噛みしめる。
「動くぞ」
「あ♡ ひっ♡ ちょ、まっ……あ゙ひぃッ♡♡♡」
もうだめ! そんないきなり激しくっ!?
脳天まで突き抜ける快感に口を閉じることすら忘れて喘がされた。
いくら慣れてきたとはいえ、こんなのひどすぎる。おかしくなれと言ってるものじゃないか。
おまけに激しく腰をぶつけられながらも、またキスされて本当無理。
「ん゙っ♡ んっ♡ ぉ♡」
狂う。狂わされる。性欲ぶつけられて、いいように尻をほじくられて。女みたいに抱かれて悦ばされる。
ああなんて情けない。でもなんて気持ちいいんだろう。
「ひぁ♡ あ゙ーっ♡♡ も、い、イく!」
「おいおい、早すぎやしねぇか」
「ん゙ぎッ!? あ゙、な゙にを」
コイツ、前を。僕のアレの根元を締め上げやがった。
これじゃあ出るもんも出せないし、熱が身体中にこもって辛い。こんなことされたら、本気で頭おかしくなっちまうじゃないか。
「くそっ、離せ! 離せってば……あ゙ァァァッ♡ 」
ダメだ。抵抗すらできない。別に縛られてるとかじゃないのに。
コイツの馬鹿力に加えて、イイトコロばかり責められる気持ちよさでどこにも力が入らないんだ。
「あっ♡ ああっ♡」
「もっとケツ振って媚びろよ、夫である俺に」
「っ、な……!?」
だれが貴様なんかの! と唾のひとつでも吐き捨ててやりたい。でも口を開けばだらしない喘ぎしか出せないのが現実で。
「あ゙ぁァッ、も゙っ、むり♡♡」
「イかせて欲しけりゃそう言えよ」
「だっ、だれが♡♡♡」
「じゃあこのままだな」
「ひっ……♡ そ、そん、なぁ♡♡」
ひどい、ひどすぎる。こんなにもどかしくてどうにかなってしまいそうなのに。
イきたいのにイけない。それがこんなに辛いなんて。
「あ、あ、あ、あ♡♡」
「ほら素直にならねぇと気が狂うぜ」
「んひぃぃぃ♡ あ゙っ、あぁっ♡♡」
容赦なく攻め込まれる。
この男、いっさい手加減しないじゃないか! 毎晩に近く、この性欲オバケみたいな奴の相手してやってるってのに。
でもいよいよヤバくなってきた。冗談じゃなく、本気で壊れてしまう。
だから内心、悔しさで歯噛みしながらもまた屈辱的な言葉を口にする羽目になる。
「い…………て」
「ん? なんて言った、ハッキリ言いやがれ!」
「いぎッ!? あ゙♡ わ゙、わがっ、た! いうっ♡ いう、から♡♡♡」
ひときわ強く打ち付けられて今宵も心が折れた。
「イかせろっ、イかせてくれ!」
「ふむ。えらそうだな」
「んひぃぃっ♡ イかせてくださいッ♡ おねがいっ、おねがいしますぅぅぅ♡♡」
ヘコヘコと無様な腰振りが止まんない。情けない、恥ずかしすぎる。人間の、しかも男の前で、イかせてとオネダリするなんて♡♡♡
でもしないと精子出させてもらえない♡ お尻だけで♡ ずっとズコズコ突かれて♡♡ メスイキさせられちゃう♡♡♡♡
「はぁ」
彼の呆れたようなため息に心がえぐられる。
ひどい……こんなにお願いしてるのに♡
「おい泣くな」
「へ?」
優しく言われて、初めて自分の目元と頬が濡れてることに気がつく。
泣いてる? 僕が? 魔王なのに?? 激務ですら、泣いたことないのに。
「シド」
「っ!」
ちゅ、とこめかみに温かいモノが触れた。たぶん、口付けられたんだろう。
心臓が跳ね上がった。
「愛している」
アイシテル? なんだ、それ。アイ、シテル?? アイ? シテル???
もう頭も視界もぼやけてきて、僕は目を閉じる。
それと同時に、意識が遠のいていくのが分かった。
「!」
あー、やばい。これ多分、過労だ。今日もずっと休憩なしで仕事してたから。
まだまだ処理が追いつかない書類の山。結論が出ない会議。次々と重なる案件。
どうしてこうも魔王って忙しいのだろう。
椅子に座ってふんぞり返って、美女でもはべらせるだけの簡単なお仕事なんじゃないのか。
少なくとも前任者はそうだったぞ。
いや。そう見えていただけで、実際はもっと大変だったんだろうか。今の僕だって、みんなからそう思われているのかもしれない。
こんな、人間の男に股を開いてるなんて思ってもみないだろうな。
ああそうだよ、僕は魔界のために身体使って仕事してんだ。クソッタレめ。
『……シド! おいっ、大丈夫か!?』
延々と無駄なことを考えながらも、意識は徐々にフェードアウトしていく。
そして完全に落ちる前、僕は遠くで男の声を聞いた――。
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