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大人の関係のパパ活利用♡
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「ひ、ひぃぃっ」
「やれやれ。怖がらないでくれ」
無茶言うな。オレは健全かつ、清い男子高校生だ。
唖然としていて、いつの間にやら連れ込まれたホテルの一室にて。
今にもオオカミに食べられる瞬間の草食動物みたいな状況に、怖がらないワケないだろ。
「あ、あ、あのっ」
「ン?」
ギシリ、とベッドが鳴った。
「ここここっ、ここっ……」
「ニワトリのモノマネか?」
ンなワケねぇだろっ、この残念なアホイケメンが!!!
そう怒鳴りつけてやりたい。マジで。
でも、その代わりにムダに広いベッドのシーツの上を後ずさった。
――あれよあれよという間に足を踏み入れた建物がいわゆる大人のホテル、通称ラブホっていうのを知らないほどマヌケだったのか。
いやいやそうじゃない。
外から見たら、普通のビルみたいだったんだ。
こじんまりとしてるけど、オフィスビルみたいな? だから、むしろちょっと安心してついて行った。なのに。
「ダマされたぁぁぁ」
「人聞きが悪いな。ここは、少し特殊な業務形態をしていてね」
「言い方っ、すごくコワイやつじゃないかよ!」
このアホ男がいうには。
普通のラブホだと、基本的には男女の利用のみ。交渉しても、女性同士の利用まで。
なのでここは。男性同士の利用がOKで、さらに言えば男性同士専用だったりもする。
「予約が決まりなのと、見た目がそれとは判りづらい造りになっているくらいだな。あとは普通のラブホテルと、そう変わらないさ」
「な、なるほど」
へぇ。色々と、知らない世界があるんだなぁ――じゃなくって。
「おっ、オジサン!」
「ン? 私のことかな」
キョトンと首を傾げてみせるの、あざといイケメン。
すぐに『ああ』とうなずいて。
「自己紹介がまだだったな。私としたことが……私の名は右京寺 嘉親だ」
「う、うきょうじ、さん?」
なんかすげぇ苗字と名前。時代劇とか小説みたいだ。あと、言いにくい。
今度はオレの方が首をかしげると、小さく笑われた。
「ふふ、嘉親でいい」
「よしちか、さん?」
「嘉親、だ」
「よ、よしちか……」
うーん。これも言いにくいな。でもまぁ仕方ない。頭の中ではヨッシーとかにしとこう。
ぜんぜん似合わないアダ名だけど。
「んで、嘉親はゲイなの?」
あ、少しストレートすぎたか。ヨッシーがなにやら困った顔をし始めたぞ。
さっきまでのオッサンの余裕はなんだったのか、視線を下に落としている。
「嘉親?」
「……」
「嘉親? 」
「おーい、嘉親ぁ?」
「……やばいな」
ポツリともらした言葉。
すっかり俯き気味になってた顔を、さりげなくのぞけば。
「えっ」
赤面しているイケメン。別にオヤジギャグじゃないぞ。
すごく真っ赤になっていたんだ。
「よ、嘉親。どうし――」
そこで視界が反転した。
ボフンッ、と音をたてて。オレは押し倒された、らしい。
「ほぇ?」
「可愛い声で何度も何度も」
「ひ、ひぇ……」
低い声と共に、綺麗な顔がオレを見下ろす。
事態がまったく飲み込めない。あれ? オレ、もしかしてヤバい?
「君は男を惑わす、小悪魔ちゃんだな」
その翠色の瞳はやっぱりキレイだ。
でも肉食獣がお食事するぞって、細めたみたいでとても怖かった。
「あ、あの」
「パパ活するんだろう? 」
パパ活ってそういう事なのか!?
普通に、金もらって一緒にメシ食ったりお茶したり。そういうモノだって聞いてたのに。
これじゃあ……。
「ハナコちゃん。いや、咲夜君」
「!!!」
バレてる!? なんで本名を。だってアレは彼女が――。
嘉親が微笑む。それはもう、幸せそうに。
めちゃくちゃ暴れて、逃げ出してしまいたい。なのに、手足が震えて言うことが聞かないんだ。
身体に軽く乗り上げられて、ビクともしない。
ああ、もうこれダメかも。
「あ……や、やだ」
「怖がらなくてもいい」
大きな手が、頬をなでる。猫をあやすみたいに。ゆっくりと優しく。
そして相変わらず、低くて渋いイイ声で言った。
「一緒に、気持ちよくなろう」
おでこに落とされた軽いキスにさえ、オレの心臓は跳ね上がる。
「やれやれ。怖がらないでくれ」
無茶言うな。オレは健全かつ、清い男子高校生だ。
唖然としていて、いつの間にやら連れ込まれたホテルの一室にて。
今にもオオカミに食べられる瞬間の草食動物みたいな状況に、怖がらないワケないだろ。
「あ、あ、あのっ」
「ン?」
ギシリ、とベッドが鳴った。
「ここここっ、ここっ……」
「ニワトリのモノマネか?」
ンなワケねぇだろっ、この残念なアホイケメンが!!!
そう怒鳴りつけてやりたい。マジで。
でも、その代わりにムダに広いベッドのシーツの上を後ずさった。
――あれよあれよという間に足を踏み入れた建物がいわゆる大人のホテル、通称ラブホっていうのを知らないほどマヌケだったのか。
いやいやそうじゃない。
外から見たら、普通のビルみたいだったんだ。
こじんまりとしてるけど、オフィスビルみたいな? だから、むしろちょっと安心してついて行った。なのに。
「ダマされたぁぁぁ」
「人聞きが悪いな。ここは、少し特殊な業務形態をしていてね」
「言い方っ、すごくコワイやつじゃないかよ!」
このアホ男がいうには。
普通のラブホだと、基本的には男女の利用のみ。交渉しても、女性同士の利用まで。
なのでここは。男性同士の利用がOKで、さらに言えば男性同士専用だったりもする。
「予約が決まりなのと、見た目がそれとは判りづらい造りになっているくらいだな。あとは普通のラブホテルと、そう変わらないさ」
「な、なるほど」
へぇ。色々と、知らない世界があるんだなぁ――じゃなくって。
「おっ、オジサン!」
「ン? 私のことかな」
キョトンと首を傾げてみせるの、あざといイケメン。
すぐに『ああ』とうなずいて。
「自己紹介がまだだったな。私としたことが……私の名は右京寺 嘉親だ」
「う、うきょうじ、さん?」
なんかすげぇ苗字と名前。時代劇とか小説みたいだ。あと、言いにくい。
今度はオレの方が首をかしげると、小さく笑われた。
「ふふ、嘉親でいい」
「よしちか、さん?」
「嘉親、だ」
「よ、よしちか……」
うーん。これも言いにくいな。でもまぁ仕方ない。頭の中ではヨッシーとかにしとこう。
ぜんぜん似合わないアダ名だけど。
「んで、嘉親はゲイなの?」
あ、少しストレートすぎたか。ヨッシーがなにやら困った顔をし始めたぞ。
さっきまでのオッサンの余裕はなんだったのか、視線を下に落としている。
「嘉親?」
「……」
「嘉親? 」
「おーい、嘉親ぁ?」
「……やばいな」
ポツリともらした言葉。
すっかり俯き気味になってた顔を、さりげなくのぞけば。
「えっ」
赤面しているイケメン。別にオヤジギャグじゃないぞ。
すごく真っ赤になっていたんだ。
「よ、嘉親。どうし――」
そこで視界が反転した。
ボフンッ、と音をたてて。オレは押し倒された、らしい。
「ほぇ?」
「可愛い声で何度も何度も」
「ひ、ひぇ……」
低い声と共に、綺麗な顔がオレを見下ろす。
事態がまったく飲み込めない。あれ? オレ、もしかしてヤバい?
「君は男を惑わす、小悪魔ちゃんだな」
その翠色の瞳はやっぱりキレイだ。
でも肉食獣がお食事するぞって、細めたみたいでとても怖かった。
「あ、あの」
「パパ活するんだろう? 」
パパ活ってそういう事なのか!?
普通に、金もらって一緒にメシ食ったりお茶したり。そういうモノだって聞いてたのに。
これじゃあ……。
「ハナコちゃん。いや、咲夜君」
「!!!」
バレてる!? なんで本名を。だってアレは彼女が――。
嘉親が微笑む。それはもう、幸せそうに。
めちゃくちゃ暴れて、逃げ出してしまいたい。なのに、手足が震えて言うことが聞かないんだ。
身体に軽く乗り上げられて、ビクともしない。
ああ、もうこれダメかも。
「あ……や、やだ」
「怖がらなくてもいい」
大きな手が、頬をなでる。猫をあやすみたいに。ゆっくりと優しく。
そして相変わらず、低くて渋いイイ声で言った。
「一緒に、気持ちよくなろう」
おでこに落とされた軽いキスにさえ、オレの心臓は跳ね上がる。
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