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悪魔祓いの若輩神父2
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自分から肌を晒せと言われ、憤死しそうな顔でようやく全裸になった。
「くく……いい眺めだな」
「この変態め」
ひかえめだが、思わず罵倒の言葉が口の端にのぼる。
しかしそれも単なるスパイスにしかならないわけで。
「そんな顔したって可愛いだけだな」
「っ、う、うるさい」
赤面したアダムは、棒立ちになり股間を押さえていた。
部屋の隅の長椅子に放っておかれた少年も気になるが、なんといってもこの状況である。
ベッドに腰かけた悪魔に、一糸まとわぬ姿をみせるように強要されるなんて。
「生意気に隠してんじゃねぇよ。ほら、こっちにこい。おい、拒否したらどうなるか分かってるよな」
躊躇すれば嘲るような言葉が浴びせられる。
アダムは覚束無い足どりで、ベッドに近づく。かすかな軋みは床のそれか、ベッドのそれか。
「まどろっこしいな」
「あっ!?」
ふいに手をつかまれて、シーツに思い切り叩きつけられた。
「や、やめ」
男おろか、女とも性的な経験はない。潔癖であり純潔をまもってきた青年は、どうしていいか分からず目を伏せた。
自分を組み敷く男の、赤い爬虫類めいた視線から逃れるように。
「最初はとびきり優しく抱いてやる」
そしてサマエルは何事かつぶやいた。その瞬間。
「ぅっ!」
ドクンッ――、と心臓が大きく跳ねた。
「あ、あ、あ、あ、あっ……」
たちまち身体の熱が急激に上がる。息が乱れ、ゾクゾクとなんとも言えない感覚が背筋を這い上がってくる。
(なんかおかしい!?)
その身をくねらせて悶え始める彼に、サマエルは楽しげに説明した。
「知り合いの淫魔から教わった催淫魔法なんだが、なかなか強烈だろう?」
「さ、さい、いん……ひぁっ♡」
脇腹をするりと撫でられるだけでも、背を仰け反らせて感じてしまう。
「なん、で」
聖職者であるはずの自分が、あんな甲高い淫らな声をあげてしまうなんて。
もう泣き出しそうだった。しかし。
(耐えろ、耐えないと)
一ヶ月のあいだ、この身を汚そうにも心までは堕としてはいけない。
時折、うなされるようなうめき声が長椅子から聞こえる。
アダムは目を閉じた。しかしそれがいけなかったらしい。
「んひぃっ!? 」
キュッ、と胸の飾りを抓りあげられる。そのまま。
「んおっ、あっ、ひ、やぁ」
(なんでこんなとこが)
女とちがい、平らな肉付きの薄いそれを好き勝手に弄られて感じるなんて。これも媚薬に相当するこの怪しげな呪文のせいなんだろうか。
慌てて目を開けるも。
「!」
至近距離の男の顔に、息を呑む。恐ろしい程に美しい造形美。まさに人間を惑わし、堕落させる悪魔だ。
その容姿は、今までみたどんな素晴らしい宗教絵画より魅力的ですらあった。
(だめだ。そんな、悪魔になんて目を奪われては)
ハッとなり目を逸らす初々しい反応も、この男を楽しませるだけ。
「いい歳して、ガキみてぇな反応だな。仕方ねぇ。今日は仕込んでやるから、明日からちゃんと奉仕するんだぞ」
「あ、明日から!?」
つまりこんなことが毎日続くということだ。
絶望的な気分になって、口の端が震えた。その様子もまた嗜虐心をそそるらしく。
「ふふ、退屈しのぎにはなるな」
と悪魔サマエルは独りごちた。
※※※
「い゙ぃっ、あ゙、ぁ゙ァ、む゙、むり゙ぃ」
「なに泣き言いってんだ。まだ指二本程度だぜ」
最初は優しく抱く――その言葉は嘘ではなかったらしい。
それはもうゆっくりと。残酷なまでに丁寧に解される、青年の身体。
しかし彼のアヌスにまでそれが及ぶと、屈辱と圧迫感と異物感で泣きが入るのは仕方がない話だった。
(信じられない、こんなところに、あの悪魔のが)
排泄器官なんて自分ですら、ここまで執拗に触れることはなかろう。なのに香油を垂らされたそこは、男の指を浅ましく咥えこんでいるのだ。
発狂しないように自我を保つのも、難しいほどだった。
「ゔぐ……っ……あ……え゙!?」
突然、ビクリと身体をはねさせる。自らの意思ではない。サマエルの指の先がある一箇所をかすめた瞬間、今まで感じたことのない感覚が生まれたのだ。
その反応は見逃されるはずもなく。
「おお、ここか」
嬉しそうな声とともに。
「あぁっ、あ゙っ、ひぁ! や、やめ、それぇっ……!」
そこを集中的に責めたてられる。まるでスイッチ付きのおもちゃのように、彼の身体は激しい反応をみせる。
身悶え泣きながら、知らない快楽にはちみつ色の髪を振り乱す。
「へぇ。なかなか素質があるじゃないか。見た目より、かなり淫乱なんだな」
「なっ、ふ、ふざけるな……あ゙ぁぁぁッ!!!」
大きく足を開き、アヌスを晒してわめいた所で滑稽なだけだろう。
サマエルは、そっと頬をなでると。
「少し早いが、俺も忙しいもんでね。そろそろ頂くぜ」
「んんっ…………へ?」
言葉の意味を理解するより先に、それは行われた。
「あ゙がッ!? 」
(な、なんだ!)
重量感のあるモノがぴたりとあてがわれのは、アヌスから指が乱暴に引き抜かれた後。
そして数秒。
「ひぎっ……あ゙、ぁ、ぁ゙……な゙、や゙め゙」
身体が真っ二つに引き裂かれるんじゃないか、という痛みと圧力。そして焼けた鉄を押し付けられたかのような、熱。
溢れんばかりに見開いた瞳に映るのは、褐色の肌を晒した赤髪の男。
自分に覆いかぶさる、侵略者の姿だった。
「ぬ゙……ぬい゙、てぇ゙……む゙、り゙」
(死ぬ。死んでしまう)
命の危険さえ感じる。しかしこのまま、苦痛のうちに強姦され命を落とした方が良かったのかもしれない。
あとになって、そう思うだろう。
「チッ、やっぱりまだキツいか」
サマエルは顔をしかめるが、すぐにまた意地の悪い微笑みを浮かべる。
「最高の快楽を、アンタにやるよ」
そして、あの呪文を唱えた。
「!!!!」
心臓がまた大きく跳ねた。
そして内側から湧き上がる、熱い塊のようななにか。
「あ……あ……や、やだ……やめ……ぁ」
(おかしくされる)
あの催淫魔法だ。アダムは奥歯を噛み締めようとした。
しかしすべてが遅かった。
「あ゙ァァァ゙ぁぁぉぉぁぁ♡♡♡♡」
獣が歓喜するような声が、青年の口からほとばしる。
痛み、苦しみ、圧迫感、すべてがひとつの感覚に塗りつぶされた。
「ん゙ひぃぃぃっ、あ゙ーっ、あっ♡」
壮絶な快感。
暴力的ともいえるそれは、悪魔を名乗る男の男根が深々と突き刺さったアヌスから与えられている。
先程見つけられた、彼の弱点ともいえる前立腺を押しつぶされ続けているから。
「すげぇ反応だな」
サマエルは口元だけで笑い、軽く息を詰めた。
そしてゆっくりと男根を引き抜き始めるて。
「あ゙はっ!?」
激しく、叩きつけるようにまた突き入れた。
腹に薄ら浮き出るほどに、それは大きく彼の胎内を犯していく。
「んお゙っ、あ゙がッ……あ゙、ぎぃ゙……!」
(だめ、死ぬ、死んじゃうぅぅっ)
気持ちいい。なんてものじゃない。狂うほどの快楽に性的に未熟な身体が耐えられるはずもなく。
舌を出して喘ぐ姿に、神に仕える者の面影はない。
しかし。
「なかなかしぶといな」
サマエルの苦笑いまじりのつぶやきが、軋むベッドの音に掻き消えた。
「くく……いい眺めだな」
「この変態め」
ひかえめだが、思わず罵倒の言葉が口の端にのぼる。
しかしそれも単なるスパイスにしかならないわけで。
「そんな顔したって可愛いだけだな」
「っ、う、うるさい」
赤面したアダムは、棒立ちになり股間を押さえていた。
部屋の隅の長椅子に放っておかれた少年も気になるが、なんといってもこの状況である。
ベッドに腰かけた悪魔に、一糸まとわぬ姿をみせるように強要されるなんて。
「生意気に隠してんじゃねぇよ。ほら、こっちにこい。おい、拒否したらどうなるか分かってるよな」
躊躇すれば嘲るような言葉が浴びせられる。
アダムは覚束無い足どりで、ベッドに近づく。かすかな軋みは床のそれか、ベッドのそれか。
「まどろっこしいな」
「あっ!?」
ふいに手をつかまれて、シーツに思い切り叩きつけられた。
「や、やめ」
男おろか、女とも性的な経験はない。潔癖であり純潔をまもってきた青年は、どうしていいか分からず目を伏せた。
自分を組み敷く男の、赤い爬虫類めいた視線から逃れるように。
「最初はとびきり優しく抱いてやる」
そしてサマエルは何事かつぶやいた。その瞬間。
「ぅっ!」
ドクンッ――、と心臓が大きく跳ねた。
「あ、あ、あ、あ、あっ……」
たちまち身体の熱が急激に上がる。息が乱れ、ゾクゾクとなんとも言えない感覚が背筋を這い上がってくる。
(なんかおかしい!?)
その身をくねらせて悶え始める彼に、サマエルは楽しげに説明した。
「知り合いの淫魔から教わった催淫魔法なんだが、なかなか強烈だろう?」
「さ、さい、いん……ひぁっ♡」
脇腹をするりと撫でられるだけでも、背を仰け反らせて感じてしまう。
「なん、で」
聖職者であるはずの自分が、あんな甲高い淫らな声をあげてしまうなんて。
もう泣き出しそうだった。しかし。
(耐えろ、耐えないと)
一ヶ月のあいだ、この身を汚そうにも心までは堕としてはいけない。
時折、うなされるようなうめき声が長椅子から聞こえる。
アダムは目を閉じた。しかしそれがいけなかったらしい。
「んひぃっ!? 」
キュッ、と胸の飾りを抓りあげられる。そのまま。
「んおっ、あっ、ひ、やぁ」
(なんでこんなとこが)
女とちがい、平らな肉付きの薄いそれを好き勝手に弄られて感じるなんて。これも媚薬に相当するこの怪しげな呪文のせいなんだろうか。
慌てて目を開けるも。
「!」
至近距離の男の顔に、息を呑む。恐ろしい程に美しい造形美。まさに人間を惑わし、堕落させる悪魔だ。
その容姿は、今までみたどんな素晴らしい宗教絵画より魅力的ですらあった。
(だめだ。そんな、悪魔になんて目を奪われては)
ハッとなり目を逸らす初々しい反応も、この男を楽しませるだけ。
「いい歳して、ガキみてぇな反応だな。仕方ねぇ。今日は仕込んでやるから、明日からちゃんと奉仕するんだぞ」
「あ、明日から!?」
つまりこんなことが毎日続くということだ。
絶望的な気分になって、口の端が震えた。その様子もまた嗜虐心をそそるらしく。
「ふふ、退屈しのぎにはなるな」
と悪魔サマエルは独りごちた。
※※※
「い゙ぃっ、あ゙、ぁ゙ァ、む゙、むり゙ぃ」
「なに泣き言いってんだ。まだ指二本程度だぜ」
最初は優しく抱く――その言葉は嘘ではなかったらしい。
それはもうゆっくりと。残酷なまでに丁寧に解される、青年の身体。
しかし彼のアヌスにまでそれが及ぶと、屈辱と圧迫感と異物感で泣きが入るのは仕方がない話だった。
(信じられない、こんなところに、あの悪魔のが)
排泄器官なんて自分ですら、ここまで執拗に触れることはなかろう。なのに香油を垂らされたそこは、男の指を浅ましく咥えこんでいるのだ。
発狂しないように自我を保つのも、難しいほどだった。
「ゔぐ……っ……あ……え゙!?」
突然、ビクリと身体をはねさせる。自らの意思ではない。サマエルの指の先がある一箇所をかすめた瞬間、今まで感じたことのない感覚が生まれたのだ。
その反応は見逃されるはずもなく。
「おお、ここか」
嬉しそうな声とともに。
「あぁっ、あ゙っ、ひぁ! や、やめ、それぇっ……!」
そこを集中的に責めたてられる。まるでスイッチ付きのおもちゃのように、彼の身体は激しい反応をみせる。
身悶え泣きながら、知らない快楽にはちみつ色の髪を振り乱す。
「へぇ。なかなか素質があるじゃないか。見た目より、かなり淫乱なんだな」
「なっ、ふ、ふざけるな……あ゙ぁぁぁッ!!!」
大きく足を開き、アヌスを晒してわめいた所で滑稽なだけだろう。
サマエルは、そっと頬をなでると。
「少し早いが、俺も忙しいもんでね。そろそろ頂くぜ」
「んんっ…………へ?」
言葉の意味を理解するより先に、それは行われた。
「あ゙がッ!? 」
(な、なんだ!)
重量感のあるモノがぴたりとあてがわれのは、アヌスから指が乱暴に引き抜かれた後。
そして数秒。
「ひぎっ……あ゙、ぁ、ぁ゙……な゙、や゙め゙」
身体が真っ二つに引き裂かれるんじゃないか、という痛みと圧力。そして焼けた鉄を押し付けられたかのような、熱。
溢れんばかりに見開いた瞳に映るのは、褐色の肌を晒した赤髪の男。
自分に覆いかぶさる、侵略者の姿だった。
「ぬ゙……ぬい゙、てぇ゙……む゙、り゙」
(死ぬ。死んでしまう)
命の危険さえ感じる。しかしこのまま、苦痛のうちに強姦され命を落とした方が良かったのかもしれない。
あとになって、そう思うだろう。
「チッ、やっぱりまだキツいか」
サマエルは顔をしかめるが、すぐにまた意地の悪い微笑みを浮かべる。
「最高の快楽を、アンタにやるよ」
そして、あの呪文を唱えた。
「!!!!」
心臓がまた大きく跳ねた。
そして内側から湧き上がる、熱い塊のようななにか。
「あ……あ……や、やだ……やめ……ぁ」
(おかしくされる)
あの催淫魔法だ。アダムは奥歯を噛み締めようとした。
しかしすべてが遅かった。
「あ゙ァァァ゙ぁぁぉぉぁぁ♡♡♡♡」
獣が歓喜するような声が、青年の口からほとばしる。
痛み、苦しみ、圧迫感、すべてがひとつの感覚に塗りつぶされた。
「ん゙ひぃぃぃっ、あ゙ーっ、あっ♡」
壮絶な快感。
暴力的ともいえるそれは、悪魔を名乗る男の男根が深々と突き刺さったアヌスから与えられている。
先程見つけられた、彼の弱点ともいえる前立腺を押しつぶされ続けているから。
「すげぇ反応だな」
サマエルは口元だけで笑い、軽く息を詰めた。
そしてゆっくりと男根を引き抜き始めるて。
「あ゙はっ!?」
激しく、叩きつけるようにまた突き入れた。
腹に薄ら浮き出るほどに、それは大きく彼の胎内を犯していく。
「んお゙っ、あ゙がッ……あ゙、ぎぃ゙……!」
(だめ、死ぬ、死んじゃうぅぅっ)
気持ちいい。なんてものじゃない。狂うほどの快楽に性的に未熟な身体が耐えられるはずもなく。
舌を出して喘ぐ姿に、神に仕える者の面影はない。
しかし。
「なかなかしぶといな」
サマエルの苦笑いまじりのつぶやきが、軋むベッドの音に掻き消えた。
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