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第3章
79 ちょ〜かっけ〜!
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アルティス達の住まうこの星が、創造神により創造されるよりも、遥か昔の事だ。
ここから遥か遠い所で、その星を創造した創造神は、そこに原始的な生命を誕生させる。
長い年月をかけ、進化により哺乳類が誕生し、動物が繁栄するまでになったその星に、異変が起きる。
深海に眠っていた、初期の生命細胞が海上に浮かび上がり、水辺まで辿り着くと、
短い時間での環境の激変からか、突然変異を起こし、周りの生命体を捕食していった。
虫の幼虫の様な姿をしたその生命体が、捕食し続け、山より大きくなる迄に、そう時間を要さなかった。
やがてそれは冬眠したかの様に動きを止める。
それから100年。土色に変色し、上からは風で土が積もり、唯の山の様に見えていた。
〝ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ~~〝
その山が割れ、中から、地響きと共に100mも有ろうかという怪物が這い出て来た。
元の大きさに比べて、小さくなった様にも思えるが、
全てが凝縮された様に、その体には力が漲っていた。
全体的には四つ足のドラゴンの様なシルエットではあるが、長い首とその先の頭は9頭になっている。
それが又、捕食を始める。いつしか、その星から小動物以上の生命体が、いなくなってしまった。
〝グギャァァァァァ~~〝
怪物が雄叫びを上げると、背中が盛り上がってくる。
〝ズズズズ……〝
その盛り上がりはやがて、翼に変わる。
「不味く無いですか?創造神様」
「ちとまずいの」
「あれに、罪は無いのかもしれませんが、このままでは……」
「他の星にも、影響を与えそうじゃな?」
この怪物に罪はない。食欲は本能であるからだ。
そう思い、これ迄は、どうしたものかと思案はするものの見守ってきた。
「仕方ないのう。このまま放っておくわけにはいくまい。お前達、頼めるか?」
「お任せ下さい。戦かえる我ら4神で討伐して参ります」
そう言って、魔法神、大地神、武神、剣神の4神は怪物の元に向かうのだが、
少し判断が遅かった。ここまでの怪物になる前に、対処するべきだったのだ。
大地神が、大地を動かし怪物の足の動きを止める。
剣神が首を落としに切り掛かるが、その鱗は、傷一つ付かない。
武神が渾身の力で打つも、びくともしない。
魔法神が極大魔法を撃っても、全て弾き返される。
成すすべがなかった。
「仕方ない、12神とわしとで、全ての神聖力をもって、封印するしかあるまい」
魔法陣の刻まれた球型の障壁が12重に怪物を取り囲む。
最後に創造神の障壁を被せ、全員で縮小させていく。
形がわからなくなるまで縮め、10m程の球にまで凝縮させる。
それまで抵抗していた怪物が、やっと動きを止めた。それを確認すると、
何者も触れる事が出来ない様に、地中深く、埋めて封印するのだった。
〝それがこれ? あ、確かに黒い雲の中に18個の目が光ってるね〝
「カイン、ロト、この雲の中にはドラゴンに似た、9頭の怪物が居るらしい。
そして獣人族の生命力を吸っている様だ」
「本当でございますか?何故それを?」
「今、創造神のじいちゃんから聞いた。タマ達が危ない」
「生命力が消え入りそうな者もいる様です。急ぎましょう。ですがそんな名前でございました?」
「雲の下に結界を張るから、カイン達は中で救護してくれる?」
アルティスは、両手を広げ目を瞑り、静かに息を吹いた。
すると足元に、次々と青白く光る魔法陣が数え切れない程、浮かび上がる。
小さな島国の隅々にまで、何十万という魔方陣が広がり、
そこから空に向かって、青白く光る結界が浮かび上がる。
その様は美しく、幻想的だった。
「先ずは姿を現してもらおうか?」
先ほどの広げた腕の拳を握り、目を見開くと、今度は風がわき起こる。
やがてそれは大きな渦となり、更に広がり巨大な竜巻が数多く出来、
黒い雲を勢いよく吹き飛ばした。
雲がはれると中から黄金に光り輝く、ドラゴンに似た、9頭の怪物が顕現する。
「ちょ……」
「ちょ?」
「ちょ~かっけ~!それに綺麗!」
「あの……アルティス様?」
「ねえねえ?こいつキメラに似てない? あ、ごめん。2人はもう中に入ってくれる?」
アルティスはかっこいいと言うが、100mの巨体に、うねうねと蛇の様に動く9つの首と頭は、
息を呑む程の迫力が有り、不気味な怪物だった。
その一番上の一回り大きな頭の目が、アルティスに照準を合わせた。
アルティスを敵認定した様だ。
その口が光ったかと思うと、アルティスに向けて放射熱線をはいた。
〝ズッギャ~~~~ン!〝
〝バシッ!〝
片手で楽々とそれを弾き飛ばすアルティス。
「アッチチッ!」
手が熱い。弾き飛ばされた熱線が、月を掠めると端が欠けている。
軽くあしらったアルティスだが、その放射熱線の威力は、
月の形を変えてしまう程のとてつもない物だった。
「やばっ!あんなのが地上に堕ちたら大被害を負うぞ」
だが、怪物は容赦なく次から次へと9つの頭から放射熱線をはきだす。
〝バシッ!バシッ!バシッ!!〝
一方アルティスは、地上を守りながらで防戦一方となってしまう。
放射熱線を空へ空へと弾き飛ばす。
「不味く無いですか?アルティス様。押されてますよ?」
「問題ありません。上空をご覧なさい」
怪物の上空にはブラックホールの様な穴が出来つつあった。
「あれはアルティス様が?」
「異空間への入り口でしょうね。戦いながらあれを作る……余裕なのでは?
あの異空間で、戦うおつもりなのでしょう」
「よっしゃ~行け~!」
アルティスはキメラ擬きの胸元に滑り込み、大きな魔法陣を描きぶつけた。
キメラ擬きは、穴に向かって弾き飛ばされる。
追従する様に穴に飛び込むアルティス。穴はす~っと消えた。
ここから遥か遠い所で、その星を創造した創造神は、そこに原始的な生命を誕生させる。
長い年月をかけ、進化により哺乳類が誕生し、動物が繁栄するまでになったその星に、異変が起きる。
深海に眠っていた、初期の生命細胞が海上に浮かび上がり、水辺まで辿り着くと、
短い時間での環境の激変からか、突然変異を起こし、周りの生命体を捕食していった。
虫の幼虫の様な姿をしたその生命体が、捕食し続け、山より大きくなる迄に、そう時間を要さなかった。
やがてそれは冬眠したかの様に動きを止める。
それから100年。土色に変色し、上からは風で土が積もり、唯の山の様に見えていた。
〝ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ~~〝
その山が割れ、中から、地響きと共に100mも有ろうかという怪物が這い出て来た。
元の大きさに比べて、小さくなった様にも思えるが、
全てが凝縮された様に、その体には力が漲っていた。
全体的には四つ足のドラゴンの様なシルエットではあるが、長い首とその先の頭は9頭になっている。
それが又、捕食を始める。いつしか、その星から小動物以上の生命体が、いなくなってしまった。
〝グギャァァァァァ~~〝
怪物が雄叫びを上げると、背中が盛り上がってくる。
〝ズズズズ……〝
その盛り上がりはやがて、翼に変わる。
「不味く無いですか?創造神様」
「ちとまずいの」
「あれに、罪は無いのかもしれませんが、このままでは……」
「他の星にも、影響を与えそうじゃな?」
この怪物に罪はない。食欲は本能であるからだ。
そう思い、これ迄は、どうしたものかと思案はするものの見守ってきた。
「仕方ないのう。このまま放っておくわけにはいくまい。お前達、頼めるか?」
「お任せ下さい。戦かえる我ら4神で討伐して参ります」
そう言って、魔法神、大地神、武神、剣神の4神は怪物の元に向かうのだが、
少し判断が遅かった。ここまでの怪物になる前に、対処するべきだったのだ。
大地神が、大地を動かし怪物の足の動きを止める。
剣神が首を落としに切り掛かるが、その鱗は、傷一つ付かない。
武神が渾身の力で打つも、びくともしない。
魔法神が極大魔法を撃っても、全て弾き返される。
成すすべがなかった。
「仕方ない、12神とわしとで、全ての神聖力をもって、封印するしかあるまい」
魔法陣の刻まれた球型の障壁が12重に怪物を取り囲む。
最後に創造神の障壁を被せ、全員で縮小させていく。
形がわからなくなるまで縮め、10m程の球にまで凝縮させる。
それまで抵抗していた怪物が、やっと動きを止めた。それを確認すると、
何者も触れる事が出来ない様に、地中深く、埋めて封印するのだった。
〝それがこれ? あ、確かに黒い雲の中に18個の目が光ってるね〝
「カイン、ロト、この雲の中にはドラゴンに似た、9頭の怪物が居るらしい。
そして獣人族の生命力を吸っている様だ」
「本当でございますか?何故それを?」
「今、創造神のじいちゃんから聞いた。タマ達が危ない」
「生命力が消え入りそうな者もいる様です。急ぎましょう。ですがそんな名前でございました?」
「雲の下に結界を張るから、カイン達は中で救護してくれる?」
アルティスは、両手を広げ目を瞑り、静かに息を吹いた。
すると足元に、次々と青白く光る魔法陣が数え切れない程、浮かび上がる。
小さな島国の隅々にまで、何十万という魔方陣が広がり、
そこから空に向かって、青白く光る結界が浮かび上がる。
その様は美しく、幻想的だった。
「先ずは姿を現してもらおうか?」
先ほどの広げた腕の拳を握り、目を見開くと、今度は風がわき起こる。
やがてそれは大きな渦となり、更に広がり巨大な竜巻が数多く出来、
黒い雲を勢いよく吹き飛ばした。
雲がはれると中から黄金に光り輝く、ドラゴンに似た、9頭の怪物が顕現する。
「ちょ……」
「ちょ?」
「ちょ~かっけ~!それに綺麗!」
「あの……アルティス様?」
「ねえねえ?こいつキメラに似てない? あ、ごめん。2人はもう中に入ってくれる?」
アルティスはかっこいいと言うが、100mの巨体に、うねうねと蛇の様に動く9つの首と頭は、
息を呑む程の迫力が有り、不気味な怪物だった。
その一番上の一回り大きな頭の目が、アルティスに照準を合わせた。
アルティスを敵認定した様だ。
その口が光ったかと思うと、アルティスに向けて放射熱線をはいた。
〝ズッギャ~~~~ン!〝
〝バシッ!〝
片手で楽々とそれを弾き飛ばすアルティス。
「アッチチッ!」
手が熱い。弾き飛ばされた熱線が、月を掠めると端が欠けている。
軽くあしらったアルティスだが、その放射熱線の威力は、
月の形を変えてしまう程のとてつもない物だった。
「やばっ!あんなのが地上に堕ちたら大被害を負うぞ」
だが、怪物は容赦なく次から次へと9つの頭から放射熱線をはきだす。
〝バシッ!バシッ!バシッ!!〝
一方アルティスは、地上を守りながらで防戦一方となってしまう。
放射熱線を空へ空へと弾き飛ばす。
「不味く無いですか?アルティス様。押されてますよ?」
「問題ありません。上空をご覧なさい」
怪物の上空にはブラックホールの様な穴が出来つつあった。
「あれはアルティス様が?」
「異空間への入り口でしょうね。戦いながらあれを作る……余裕なのでは?
あの異空間で、戦うおつもりなのでしょう」
「よっしゃ~行け~!」
アルティスはキメラ擬きの胸元に滑り込み、大きな魔法陣を描きぶつけた。
キメラ擬きは、穴に向かって弾き飛ばされる。
追従する様に穴に飛び込むアルティス。穴はす~っと消えた。
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