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第3章
78 龍神の力
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「チューしたのよ!チュー!どう思う?皆んな。何なのあの子?」
「もう良いじゃん?あれもフィオナなんだし」
「私じゃ無いわよ!自分のアルにしなさいよ!自分の……こっちのアルは私のアルなんだから!」
「自分にヤキモチ?」
「何それ?美味しいの?」
「うん、美味いぞ? って、前にこんな会話したな?」
「反対だけどね」
「チュウの話はもう良いではないか?それより……次元の穴か?
そんな物が、ぽこぽこ現れたらこの世界は大混乱だな」
「そうよね?あの時の穴は、封印の石とかで埋めたけど、
石は砕けて消えちゃったものね?あれ一つしかないんでしょ?」
「うん、でもたぶん大丈夫」
「何で?」
「穴を通り抜けた時、仕組みを理解した……たぶん」
「たぶんたぶんて、何か頼りないけど、本当に大丈夫なの?」
「たぶんね?あの石も真似て作ってみるよ。カインがそういうの得意だから話してみるよ」
「何なりとお任せ下さい。我が君」
「わ、びっくりした。いきなり出てこないでよ?カインさん」
「お~奥様。驚かせて申し訳ございません。お身体の加減は如何ですか?」
「うん、ありがと。カインさん。悪阻も終わって、今はとっても調子いいわよ」
「それは、ようございました。お腹のお子様も、お元気なようで」
「カインさんそんな事まで分かるの?」
「はい分かりま……ん?……これは……」
「な……何?お腹の子、どうかした?」
「…………あ、いえ、沢山の加護をお持ちだなと思いまして……」
(……これは……もしや……)
「沢山の加護?そうなの?」
「あ、はい。神々の……そして、龍神も……」
「そんなに?……龍神も……あ~!!思い出した。
アルティス、貴方あの顔は?龍のような顔の模様……龍神が乗り移った様なあの姿……あれは何?」
「ああ、そうだった。説明してなかったね?そう、あれは……
瘴気龍を助けたでしょ。あの時ね……
瘴気龍を覆ってたの膜が、吹き飛んで、眩い光に包まれたよね?
あの光が俺に届いた時、どこからか声が聞こえてきたんだよ。
〝我らが新たなる神よ。我が子をお救い下さり、心より感謝致します。
神に対し、烏滸がましい事とは存じますが。
貴方様は、今は未だ人の身。我が能力を貴方様に……
何かのお役に、たつやもしれません〝て……
そしたら体が熱くなってね……後でその力を試してみたら……
不思議なんだよ。もの凄い力が湧いてくるのに、魔力が全く必要ないんだ。
あれは、精霊に近い力……精霊の精神力なんじゃないかな?
そしてあの声は、2000年前に、命に変えて勾玉を作った龍王だったんじゃないかな……
魔法の使えない異世界で、あの力が、凄く助けになったよ」
「龍神が、乗り移ったたんじゃなく、龍神の力を授かったって事だと思うよ?」
「そう?あの時の顔は、乗り移られたって顔だったけど……」
「最初あの力を使った時は、鱗まで顔に出てきたから俺も驚いたよ。
興奮状態になったしね。あれでもだいぶ馴染んだ姿なんだよ?」
「そうなんだ。カッコ良かったけど、ちょっと怖かったな……いつもの貴方が一番良いから、
もっと、馴染むと良いな」
「一度だけ、おでこに龍の紋様が浮かんだだけの時が有ったな」
「それ位が良いわ」
「アルティス様。ザガール獣王国が、何やら不穏な様子にございます」
「あ、カイン。地上全ての国を把握してくれてるんだっけ?助かるよ。で、不穏な様子って?」
「島国であるザガール獣王国が、黒い雲にすっぽり覆われておる様です。
あの地を監視しておりました者によりますと、
黒い雲は、流れてきたのでは無く、空に突如湧いてきたとか。
獣人達も気分が悪いと言っている者が、多数出てきている様です」
「タマ達の所か……心配だね?行ってみるかな」
「アルティス様の、ご友人の猫族が大勢居りますから。
ですがそんな、お名前でございました?」
「タマ、みけ、トム、みい、しろ、だよ」
〝ドッカ~ン!〝
いつもの様に空間転移したアルティスだが、ザガールに着く寸前、何かに阻まれ海に落ちてしまった。
「いって~~ 弾かれた?何だ~? あ、あれか~、黒い雲?でも近くまでは転移出来たみたいだな」
ザガールの上空には、まさに暗雲が立ち込めていた。
「くっ、臭っ!何だ何だ~あんなに爽やかなザガールの空気が……
気持ち悪くなる程嫌な匂いと、この嫌な波動……どうなってんだ?悪魔の仕業か?」
「悪魔とは思えません。この不穏な気配は今まで感じた事がございません」
「カイン、ロト、来てくれたんだ」
「ん?何?創造神のじいちゃん?」
〝アルティス。これは、原初の生命。それが突然変異で怪物になってしまったものじゃ。
戦える、魔法神、大地神、武神、剣神の4神でも、どうする事も出来ず、
わしと12神の神聖力全てを合わせて、ようやく封印したのじゃが……
実はな、遥かなる昔……〝
「もう良いじゃん?あれもフィオナなんだし」
「私じゃ無いわよ!自分のアルにしなさいよ!自分の……こっちのアルは私のアルなんだから!」
「自分にヤキモチ?」
「何それ?美味しいの?」
「うん、美味いぞ? って、前にこんな会話したな?」
「反対だけどね」
「チュウの話はもう良いではないか?それより……次元の穴か?
そんな物が、ぽこぽこ現れたらこの世界は大混乱だな」
「そうよね?あの時の穴は、封印の石とかで埋めたけど、
石は砕けて消えちゃったものね?あれ一つしかないんでしょ?」
「うん、でもたぶん大丈夫」
「何で?」
「穴を通り抜けた時、仕組みを理解した……たぶん」
「たぶんたぶんて、何か頼りないけど、本当に大丈夫なの?」
「たぶんね?あの石も真似て作ってみるよ。カインがそういうの得意だから話してみるよ」
「何なりとお任せ下さい。我が君」
「わ、びっくりした。いきなり出てこないでよ?カインさん」
「お~奥様。驚かせて申し訳ございません。お身体の加減は如何ですか?」
「うん、ありがと。カインさん。悪阻も終わって、今はとっても調子いいわよ」
「それは、ようございました。お腹のお子様も、お元気なようで」
「カインさんそんな事まで分かるの?」
「はい分かりま……ん?……これは……」
「な……何?お腹の子、どうかした?」
「…………あ、いえ、沢山の加護をお持ちだなと思いまして……」
(……これは……もしや……)
「沢山の加護?そうなの?」
「あ、はい。神々の……そして、龍神も……」
「そんなに?……龍神も……あ~!!思い出した。
アルティス、貴方あの顔は?龍のような顔の模様……龍神が乗り移った様なあの姿……あれは何?」
「ああ、そうだった。説明してなかったね?そう、あれは……
瘴気龍を助けたでしょ。あの時ね……
瘴気龍を覆ってたの膜が、吹き飛んで、眩い光に包まれたよね?
あの光が俺に届いた時、どこからか声が聞こえてきたんだよ。
〝我らが新たなる神よ。我が子をお救い下さり、心より感謝致します。
神に対し、烏滸がましい事とは存じますが。
貴方様は、今は未だ人の身。我が能力を貴方様に……
何かのお役に、たつやもしれません〝て……
そしたら体が熱くなってね……後でその力を試してみたら……
不思議なんだよ。もの凄い力が湧いてくるのに、魔力が全く必要ないんだ。
あれは、精霊に近い力……精霊の精神力なんじゃないかな?
そしてあの声は、2000年前に、命に変えて勾玉を作った龍王だったんじゃないかな……
魔法の使えない異世界で、あの力が、凄く助けになったよ」
「龍神が、乗り移ったたんじゃなく、龍神の力を授かったって事だと思うよ?」
「そう?あの時の顔は、乗り移られたって顔だったけど……」
「最初あの力を使った時は、鱗まで顔に出てきたから俺も驚いたよ。
興奮状態になったしね。あれでもだいぶ馴染んだ姿なんだよ?」
「そうなんだ。カッコ良かったけど、ちょっと怖かったな……いつもの貴方が一番良いから、
もっと、馴染むと良いな」
「一度だけ、おでこに龍の紋様が浮かんだだけの時が有ったな」
「それ位が良いわ」
「アルティス様。ザガール獣王国が、何やら不穏な様子にございます」
「あ、カイン。地上全ての国を把握してくれてるんだっけ?助かるよ。で、不穏な様子って?」
「島国であるザガール獣王国が、黒い雲にすっぽり覆われておる様です。
あの地を監視しておりました者によりますと、
黒い雲は、流れてきたのでは無く、空に突如湧いてきたとか。
獣人達も気分が悪いと言っている者が、多数出てきている様です」
「タマ達の所か……心配だね?行ってみるかな」
「アルティス様の、ご友人の猫族が大勢居りますから。
ですがそんな、お名前でございました?」
「タマ、みけ、トム、みい、しろ、だよ」
〝ドッカ~ン!〝
いつもの様に空間転移したアルティスだが、ザガールに着く寸前、何かに阻まれ海に落ちてしまった。
「いって~~ 弾かれた?何だ~? あ、あれか~、黒い雲?でも近くまでは転移出来たみたいだな」
ザガールの上空には、まさに暗雲が立ち込めていた。
「くっ、臭っ!何だ何だ~あんなに爽やかなザガールの空気が……
気持ち悪くなる程嫌な匂いと、この嫌な波動……どうなってんだ?悪魔の仕業か?」
「悪魔とは思えません。この不穏な気配は今まで感じた事がございません」
「カイン、ロト、来てくれたんだ」
「ん?何?創造神のじいちゃん?」
〝アルティス。これは、原初の生命。それが突然変異で怪物になってしまったものじゃ。
戦える、魔法神、大地神、武神、剣神の4神でも、どうする事も出来ず、
わしと12神の神聖力全てを合わせて、ようやく封印したのじゃが……
実はな、遥かなる昔……〝
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