アイズwithスターダスト 〜神聖力(エーテル)に愛された神の継承者〜

優陽 yûhi

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第3章

76 フィオナ、くさっ

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「て事で、万事解決だよ。魔物の森も、障壁貼り直してきた」
「おおそうか?相変わらずお前は簡単に言うな。だがまあ……あれだ……ご苦労さん」
「うん、リヴァルド父さん。
 あ、あれ?どうしたフィオナ?顔色が悪いよ?未だ瘴気にあてられてる?」
「いいえ。貴方のバリア完璧だったわよ。大丈夫、多分……ちょっとだけ気持ち悪いだけよ」
「多分?じゃあ取り敢えずヒールする?」
「あ……いい」
「でも、顔色悪いぞ?」
「フィオナ!貴方?」
「うん……かも?」
「キャ~~!」
「エリザベス母さん、何喜んでんだ?」
「私、もうおばあちゃん?」
「あ~~!!フィオ姉のお腹からエーテルを感じる~」
「え、ほんと?この子エーテル宿してる?」
「え~。皆様の会話から察するに、私に子供が出来たという事で、よろしいです?」
「そうみたい」
「か、可愛い?猫耳は?尻尾は?」
「「「ある訳ね~だろ~~~」」」
「可愛い?」
「当たり前でしょ?私達の子よ」
「やりましたよ!リヴァルド父さん……あれ?父さん?」
 リヴァルドじいちゃんは、後ろで泡を吹いて、気を失っていた。


「ねえ、アルティス。今ひま?お買い物付き合ってくれない?」
「出歩いて大丈夫なの?悪阻つわりは? 安定期とかになるまでは、大人しくしてなよ?」
「大丈夫よ。最近食欲も出て来て、調子良いんだから」
「どこに買い物行きたいの?」
「生地屋さんとか手芸の店。ユッフィーが産まれた時、着ていたお包み、
 あれ可愛いくって、産まれてくる赤ちゃんにも着せたいの。
 でも中々ああいうの、お店では見つからなくって。
 仕立て屋さんに、デザイン話して、作って貰えば?って言われたんだけど。
 せっかくだから自分で作ろうと思うのよ。やる事無くて暇だしね?」
「ま、良いけどさ。今直ぐは出られないぞ。この書類、目を通して、サインしなきゃなんないからさ~」
「え~今しか時間ないんだけど……午後は先生が来てくれて検診なの」
「じゃあ、なるべく早く終わらせて、後から追いかけるよ」


 〝アル!助けてアルッ!〝
 〝ん?フィオナ?念話?出来る様になったの?〝
 〝そ、それどころじゃ。護衛の人やられちゃった……〝
 〝え!分かった。直ぐ行く!えっとどこだ?……あ、そこか?〝

「ハッハハハ!じゃあお前、もう死んでくれる?」
「な、なんなの一体!貴方誰?そのニヤけ顔、気持ち悪い」
「ハ?お前の愛するアルティス様だろ?」
「アルはそんな顔しない!」
 ねえ?早くやっちゃってよ?私とおんなじ顔、キモいよ」
「オウヨ。じゃあ……グエェェ。 いきなり後ろから何しやがる?」
「あれ?あれれれ?こいつ俺とおんなじ顔?そっちはフィオナが2人?なんだこれ?」
「「アル?」」
「俺の作ったコピー?いやフィオナ作ってないし……」
「ほ~ お前がこの世界の俺か~?」

 「こっちもフィオナ、こっちもフィオナ?あ~どうなってんだ?」
 〝クンクンクン〝
「くさっ!」
 〝クンクンクン〝
 アルティスの尻尾がブンブン振れる。
「あっ、こっちが本物!」
「「なんでよ!」」
「こっちは臭いし。こっちは良い匂いして尻尾が振れた。こっちが本物」
「「尻尾ないし」」
「でも振れたよ?ブンブン」
「「確かに尻尾が見えた気が……」」
「って、なんで私が臭いのよ?」
「クンクンクン……あ~良い匂い~いつものフィオナ」
 振り向いて。
「くさっ!こんなのフィオナの匂いじゃないし、香水臭いし」
「香水臭くないわよ!何なのよ、こいつ?」
「何なの?はこっちだろ?俺達と同じ顔して」
「ん?俺達か?分かんね~のか?別次元から来たお前達だよ。
 良いね~ここは。魔法とか使えるし。
 聞けば、お前もう直ぐ、この世界を、掌握しそうだって言うじゃないか?
 お前ら殺して、俺達がなってやるよ、お前達の代わりにさ」
「別次元?どうやってこっちに?」
「次元の穴からさ。最近何故か悪魔が消えて、邪魔しなくなったからな?」
「臭くないわよ私」
「未だ言ってる。お前の性格が匂いに出てるんじゃないの?後、香水つけ過ぎ」
「臭くないわよ私、早くやっちゃいなさいよ!アル」
 顔を、真っ赤にして怒る、偽フィオナ。

「おおよ!ファイヤ~」
 〝ボフッ〝
「弱っ!熱くも何ともない」
「く、くそっ!オリャ~」
 〝カンカンカン!バシュッバシュッ!カンカンカン!〝
 いきなり剣で切りつける偽アルティス。それを軽々と指一本で受ける。
「弱っ!」
「ば、馬鹿にしやがって!潜在能力は同じはずじゃ?
 だとすれば、俺の方が戦い慣れてる分、強いはず!」
「そうかな?お前、向こうでは魔法使った事無い様な事、言ってなかった?」
「ふん、こちに来た途端、何でも使える様になって、天才だって言われたんだぞ」
「て事は、魔法の戦い、全然慣れてないじゃん?何が〝慣れている分〝だよ?お前ら何時この世界に来たんだ?」
「ひと月ほど前だ……」
「ひと月前?気配を全然感じなかったな? あれ?お前、マナ量も多くて使いこなしてる様だけど、
 エーテルが宿ってないんじゃ?それじゃただの人だな。気配感じない訳だ」
「エーテル?何だそれ?」
「知らないんだ?それだと相手にならないな。未だ俺達を殺して成り代わるとか言ってると……」
「言ってると何だよ?」
「まあ、自分達そっくりな奴、殺すとかは俺には無理だけど。痛~い目はみてもらうかな?」
「殺せないだと?甘い奴だぜ!」
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