アイズwithスターダスト 〜神聖力(エーテル)に愛された神の継承者〜

優陽 yûhi

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第2章

67 パルガス王国エスティア

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「あんた、そんな事までやってたのか?誘拐しての奴隷商売、大掛かりな窃盗団。出るわ出るわ……
 フェイト伯爵……アルの両親の事は、直接は関わっておらん様だが……」
「ああ、それだったら、闇ギルドの拠点潰した時に、ギルド長?とか言うのが口を割ったけど、それによると、俺が地上に戻った頃、関わった全員、慌てて口封じで、始末したんだって」
「何と……我が身の為には、情け容赦ないな。アル、お前には複雑だろうが……」
「ん?良いの良いの。別に復讐しようとしてた訳じゃないから。両親がそれを望んではいないからね?」
「そうか……で、このランドルフ公爵はどうする?」
「ちょうど良いのが出来たじゃない」
「ちょうど良い?おお、あれか?国際裁判所か?」
「そ、初裁判だね。調印済んでて良かったよ。細かい法が決まってないけど、良心の裁きってやつでね?」


「パルガス公国……いえ、今は王国ですか?その新たな指導者の皆さん。
 私如きの召集に応じ、お集まり頂き有り難うございます。
 さて、今我が国で拘束されている、貴方方の国の犯罪者達は、公正な国際裁判で罰せられるでしょう。
 殺人、誘拐、違法薬物などなど。この国でも建て前上は犯罪ですね?」
「「「「……………………」」」」
「そして彼らは中心人物ではありますが、その犯罪で生計を成している、下部の人々が大勢この国には残っております。
 後は新たな指導者の皆さんの良心にお任せします。他の国と肩を並べ、発展出来るかは貴方方しだいです。
 勿論その上で、私は、フェイト商会共々、全力で援助、協力する事を約束します」
「「「「「「「「オオ~~~~~~!!!!」」」」」」」」
他人ひとを不幸にする事で生きるより、他人ひとを喜ばせる事で共に繁栄しましょう!」
 〝パチパチパチパチパチパチパチパチ〝
 盛大な拍手と歓声が湧き上がった。

「あの?アルティス王太子様」
 声を掛けてきたのは、ランドルフ公爵の失脚で急遽、パルガスの王位についたエスティアだ。
「あれ?貴方は確か……」
「殺された前王の長男エスティアでございます」
「ああ、新王になられたエスティア陛下ですね?何か?」
「我々、今後どの様にして、国を建て直したら良いのかと、途方に暮れておりまして……」
「今日皆さんにお会いして、驚いた事が有ります。陛下は、私が考えずとも、善人、悪人、それを自然に見分けられると、聞いた事が有りますか?」
「はい、存じ上げております」
「今日集まってくれた人は皆、善人でした。失礼に思われるかもしれませんが、それが私には驚きでした。
 大概、色んな人が混じっていますからね。ですから、この国は繁栄する条件が整っているのですよ?」
「……と、仰いますと?」
「フェイト商会が援助して繁栄する条件は、相手が善人だと言う一点だけです。
 そうでないと私が相手にしないからでもあるのですが」
「心強いお言葉です。私はまず何をしたらよろしいのでしょうか?」
「まずは先程お願いした件を、早急にお願いしたいのですが、もう一つ。
 今まで……こう言っては何ですが……信用がおけず、新しい小型転送装置、ガラスのドームを設置していませんでしたが、
 早急に設置し交流致しましょう。先ずは貴方と私が友になりませんか?」
「勿論です!願ったりもございません。本当に友人になって頂けるのですか?」
「ティアは、この中でも一番心が綺麗に見えたよ?」
「え、ティア?」
「友達になるんだろ?俺の事はアルって呼んでくれ」
「わ、分かりました」
「分かったよ……だろ?」
「わ……かっ……た……よ……」
 エスティア王は、涙でうまく喋れなかった。

「そうだ、パルガスの機械工作の職人を、ハルステインに何人か派遣してよ?
 時計とかいろんな機械を見たけど、あの技術はこの国が誇って良い物だと思うよ?
 俺、少し考えていた魔道具があるんだけど、この国の職人達と、それが完成出来たら、その魔道具をこの国で作ってみない?」
「どんな物です……じゃなかった、どんな物なの?」
「通信機だよ?遠くに居ても話が出来たら凄く便利じゃない?」
「大賢者様の通信魔道具の事?」
「遠くの者と話すのって、念話だと出来るんだよ。魔族が得意なんだけど。その念話の魔法を魔法陣に仕立てて、
 魔石に埋め込んで……そう言う仕組みなんだけど、
 大賢者のあれってめちゃくちゃ大きいし、お金も掛かって、幾つも作れるもんじゃないでしょ?
 それを小さくして、安く作れる様にして……」
「本当に、そんな凄い物出来るの?」
「今試作中なんだけど、幾つかは、試作品が出来ていて、もう既に俺の国で使ってみてるよ。
 この国の職人に助けて貰えばもっと小さく良い物が出来る気がする。これ世界中で、爆発的に売れるんじゃない?」
「それを、我が国で製造する? 良いの?ハルステインでやらなくて」
「もちろん!どう?やってみない?」
「うん!最高~!」
 あらら、もうどこから見ても仲の良い友達同士だね。
 この通信機は世界中で、大ヒットして、パルガスは機械大国になっていった。
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