アイズwithスターダスト 〜神聖力(エーテル)に愛された神の継承者〜

優陽 yûhi

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第2章

53 私の将来の旦那様?

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「ようこそお越し下さいました。アルティス様。そしてリヴァルド王に、皆皆様方」
 片膝を着きこうべを垂れるコストコルのサンドラ王。
 今回の主賓はあくまでアルティス。大惨事から守ってくれた、お礼だからだ。
 挨拶を返すのもアルティスだった。
「お招き頂き有難うございます。膝などつけずにお立ち下さいサンドラ陛下。私達に上下はございません」

「何だこのイケメンは?私の将来の旦那様?猫は何処に?」
 ボソボソと呟くフィオナ。
「アル兄、カッコ良いね?フィナ姉?……」
「グッッ……」
「グッって何?」
「ホホホホ……」


「アルティス様、あの時は本当に驚きましたぞ?
 絶望し、生きる事を諦めかけていたその時……
 貴方様の放つ光が、赤龍から跳ね返るたび、当たった焼け崩れた大地が輝き、
 建物、道路全てが、何事も無かったかのように蘇る。
 初めは危ない物に見えた光でしたが……
 目が眩む程の美しい光に、心が躍りましたぞ。まさに神のみがなせる技。
 我々は間違っておりました。失礼な対応をしていたにもかかわらず、
 1番に助けに来て下さった。我が国は貴方様に全てを捧げる覚悟です」
「先ほども申し上げたではありませんか。我々に上下の関係は不要。
 お互い助け合いましょう。
 ただ一つ、私の願いを聞いて頂けるのであれば……
 魔族に対しても……今までの概念を捨て、
 彼らとも、お付き合い頂ければ……それが唯一の願いです。
 私を信じて、違うのは姿形だけと、その様に思って頂ければ幸いです」
「御意。貴方様を信じます。神の使徒様……いや、お孫様?」

「誰あれ?私の将来の旦那様?猫は何処に?」
「フィナ姉?……又?」

「ありがたきお言葉です。でも……御意とか辞めてね?もう友達……家族同様……そう思っても良いでしょ?」
「ホッ……いつものアルが戻ってきた……」
「それにしても、ここの南国果物は美味いですね。今ちょっと思いついた事があって……
 調子に乗ってもう一つお願いしても?」
「何なりと」

「カスタマイン魔国の魔王、バートランドって聞いた事ある?
 バートは俺の1番の友達で、兄弟みたいな付き合いしているんだけど……
 その国は魔国8国で、最小最弱国家なの。
 農業が最大の産業なんだけど、あまり上手くいってるとは思えないんだよね。
 そこでうちの商会も入って、酪農を始めたんだけど、軌道に乗るには、まだまだこれから。
 あいつのカスタマイン魔国も南国でね、ここに気象が良く似てるの」
「もしや、その魔国で、これらの南国果物の栽培を?」
「お~話が早くて助かります。で、どうでしょう?協力してもらえないかな?」
「我が国は果物を輸出しているとは言え、極少量。魔国で栽培されても何の支障もございません。
 アルティス様の、ご友人とあらば是非協力させて下さい。
 ましてや最小最弱国家とは、我が国と同じ。他人事とは思えませんですし……」
「本当?やった~ あの魔国でこの南国果物が栽培出来たら……って思うと楽しみ~バートもきっと喜ぶよ?」
「だんだん調子出てきたねアル……いつものアルだ」


「ところでコストコルの主産業って何?」
「これと言ったものはございません。外交が苦手な事もあり、内需で細々とやっております」
「ねえねえ、それじゃあ、鉱物の輸出とかしてみない?
 このコストコルの国、貴重な鉱物が沢山有りそうだったよ?ミスリルとかも」
「な、何とそれは本当ですか?何故その様な事がお分かりになるのです?」
「俺、地中のそういうのが感知出来るんだ。俺の領地もね、感知能力でミスリル見つけたんだよ?」
「ミスリル……それが本当ならどれだけ助かるか……
 街を見ていただいて、お分かりと思いますが、我が国民の家は粗末で、食べていくのもギリギリです」
「皆んながもう少し豊かになると良いよね?小さな子供がお腹を空かせているのは嫌だな」
「アルティス様のおっしゃる鉱物産業とかが上手くいけば、どれだけの助けになるか……
 しかし、道路やら何やら色々準備が必要でしょう。
 今直ぐに国民の生活を改善するのは無理としても、アルティス様のお力をお借り出来ればと……」
「もちろん!南国果物のお礼といってはなんだけど、何でも協力するよ」
「でもアルティス様の領地の産業と被るのではないですか?よろしいので?」
「平気平気、需要は十分に有るからね。家族、友人に助けは惜しまないよ?」
 鉱物の眠ってそうな場所は、日を改めて教えに来るね?
 今、大体の場所とか教えても良いんだけど、
 俺がコストコルの人と、直接行って魔力でトンネル掘ったりした方が早いからね」
「魔力でトンネルですか?そこまでして頂けるので?」
「道路も必要なら、簡素な物なら魔法でサクッと作っちゃうよ?
 だからむしろ、鉱物をそのまま輸出するんじゃなくて、
 この国で製材した方が、住民の仕事も増えて良いから、工場とかの準備してよ。
 お金はフェイト商会が出資するから安心して」
「何とありがたい……何とお礼を言ったら良いのか……何と何と……」
 涙ぐむサンドラ王。

「なあ?俺、影薄く無い?空気じゃ無い?」
「頼もしい息子が出来たんだから、良いじゃ無い」
「俺もう、あいつに王位譲りたい……」
 リヴァルド王、も少し頑張れ!
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