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第2章
50 ガラスのドーム
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「ねえユッフィー。アル知らない?」
「アル兄ならフェイト領に行くって言ってたよ」
「あ~ん。いないの~?頼みたい事があったのに……」
「ガラスのドーム使って、アル兄の所に行ってみれば?」
ガラスのドームとは、アルティスが転移魔法の使えない、フィオナ達の為に作った転送の魔道具だ。
昔の大賢者が作った、大規模な転送装置のミニバージョン。それがガラスのドーム。
直径3m程のドーム型装置。アルティスが魔法で強化したガラスで出来ている。
そのガラスは、アルティス以外では破壊する事が出来ない程の強度がある。
ミニバージョンとは言え、10人位なら転送出来る様だ。
ドームは透明なのだが、1箇所だけカインの作ったフェイト領の紋章が透かしの様に入っている。
アルティスが登録した者のみ、その手のひらサイズの透かしに触り魔力を通すと、青く光り、入り口が開き使える様になっている。誰の魔力かを魔道具が自分で感知し、判断するのだ。
アルティスは、これを各国の了解を得た主要な所、20箇所程に設置していた。
「あれ1人で使うの、なんか怖いのよね~故障でもしたらどうしようって……不安になるのよ」
「平気よ。アル兄が作った物なんだから。ドームに掛かる強力な魔法に耐える様に、アル兄が強化したガラスよ?何かあったら、あの中に逃げ込んで、入り口を閉めて避難しろって言ってた位でしょ。いざという時のシェルターだよって……」
「そうなんだけど……あっ、そうだ!ユッフィー、一緒に行ってくれない?」
「ダ~メ。これからお勉強なの。もうすぐ先生が来るんだから~」
「ゔぅぅっ……しょうがない1人で行くか?」
王城でもフェイト領の執務ができる様にと、一室を割り当てられているアルティス。
その執務室には、ハートが残り、書類を整理していた。
〝コンコン〝
「こんにちはハートさん。アルがフェイト領に行ってるって聞いたんですけど?」
「こんにちはフィオナ姫。ご機嫌いかがですかな?
アルティス様はバート様に誘われてフェイト領に行っております」
「やっぱ、そうなんだ」
「フィオナ姫は、ミーノータウロスをご存知で?」
「ああ、あれね?前にアルがバートさんの所で飼育し始めたやつでしょ?」
「そう、それでございます。カスタマイン魔国……バート様の所にしかいない、
上質な肉が取れる獣ですが、フェイト商会の立ち上げ当初、
そこに目をつけたアルティス様の提案で、飼育を始めた物です。
今回、最初の肉が獲れたとかで、バート様が、是非アルティス様にと言って、
お持ち下さっているとか」
フェイト商会とは、商売目的と言うより、アルティスが人族、魔族関係なく困っている所を都合よく援助する為に、ハートの助言で立ち上げた商会だ。
アルティスが立ち上げたと言えば、聞こえがいいが、全てハートに丸投げしている。
アルティスは、気の向くまま、思うまま、アイデアを出す。
その上、商会が投資する形をとって、お金や物資を惜しみなく投入していた。
商会の利益はもちろんだが、アルティスの私財も全て援助に使われていた。
「それでいないのね?お肉食べるだけだったら、わざわざフェイト領まで行かなくてもいいのに……」
「アルティス様は、フェイトの執務の館前の広場に、大きな調理場を作り、
いつも何らかの食事を用意し、誰がいつ来ても自由に食べれるフードヤードを作られたのです」
「そう言う事か……じゃあ、執務の館に行けば会えるのね?……」
「どうされました?何かお困り事でも?」
「うん、それもなんだけど……一人でガラスのドーム使った事なくて……ちょっと不安なの」
「それでしたら私も一緒に参りましょうか?」
「えっ!良いんですか」
「はい、私もミーノータウロスのお肉をと、あちらに呼ばれておりますので」
「は~~良かった~」
「こ~するんですよね?」
フィオナは、ガラスのドームの透かしの紋章に手のひらを乗せ、魔力を注ぐ。
先ずは透かしが光出し、そこから幾何学模様の光の線がドームいっぱいに広がる。
〝スゥ~~〝と、口が開き中に入れる様になる。
「後は、行き先を言葉にして頂ければ……」
「フェイト領……」
一瞬ドームが〝ピカッ!〝と光る。すると、閉じたばかりの入り口がまた開く。
「あ、あれ?どうしたのかしら?直ぐ開いちゃった」
「もう、着きましてございます」
よく見ればガラスの向こうの風景が変わっていた。まさに一瞬である。
「初めてお使いに?」
「一度だけ……これが出来た時に……自分で作動させた訳じゃないのだけど……
普段の移動はアルの転移魔法で一緒に移動してるから……」
「そうでございましたか。この装置は、大賢者様の転移装置と違って、
今の様に、作動も簡単で、時間も掛からずとても便利ですよ。
アルティス様も、最近忙しくなっておられるので、ご一緒でない時は、姫もお使いになると良いですよ?」
「うん、少し怖気なくなったかも?」
「それは、よございました。さあ、アルティス様は、外のヤードだと思いますよ?」
「アル兄ならフェイト領に行くって言ってたよ」
「あ~ん。いないの~?頼みたい事があったのに……」
「ガラスのドーム使って、アル兄の所に行ってみれば?」
ガラスのドームとは、アルティスが転移魔法の使えない、フィオナ達の為に作った転送の魔道具だ。
昔の大賢者が作った、大規模な転送装置のミニバージョン。それがガラスのドーム。
直径3m程のドーム型装置。アルティスが魔法で強化したガラスで出来ている。
そのガラスは、アルティス以外では破壊する事が出来ない程の強度がある。
ミニバージョンとは言え、10人位なら転送出来る様だ。
ドームは透明なのだが、1箇所だけカインの作ったフェイト領の紋章が透かしの様に入っている。
アルティスが登録した者のみ、その手のひらサイズの透かしに触り魔力を通すと、青く光り、入り口が開き使える様になっている。誰の魔力かを魔道具が自分で感知し、判断するのだ。
アルティスは、これを各国の了解を得た主要な所、20箇所程に設置していた。
「あれ1人で使うの、なんか怖いのよね~故障でもしたらどうしようって……不安になるのよ」
「平気よ。アル兄が作った物なんだから。ドームに掛かる強力な魔法に耐える様に、アル兄が強化したガラスよ?何かあったら、あの中に逃げ込んで、入り口を閉めて避難しろって言ってた位でしょ。いざという時のシェルターだよって……」
「そうなんだけど……あっ、そうだ!ユッフィー、一緒に行ってくれない?」
「ダ~メ。これからお勉強なの。もうすぐ先生が来るんだから~」
「ゔぅぅっ……しょうがない1人で行くか?」
王城でもフェイト領の執務ができる様にと、一室を割り当てられているアルティス。
その執務室には、ハートが残り、書類を整理していた。
〝コンコン〝
「こんにちはハートさん。アルがフェイト領に行ってるって聞いたんですけど?」
「こんにちはフィオナ姫。ご機嫌いかがですかな?
アルティス様はバート様に誘われてフェイト領に行っております」
「やっぱ、そうなんだ」
「フィオナ姫は、ミーノータウロスをご存知で?」
「ああ、あれね?前にアルがバートさんの所で飼育し始めたやつでしょ?」
「そう、それでございます。カスタマイン魔国……バート様の所にしかいない、
上質な肉が取れる獣ですが、フェイト商会の立ち上げ当初、
そこに目をつけたアルティス様の提案で、飼育を始めた物です。
今回、最初の肉が獲れたとかで、バート様が、是非アルティス様にと言って、
お持ち下さっているとか」
フェイト商会とは、商売目的と言うより、アルティスが人族、魔族関係なく困っている所を都合よく援助する為に、ハートの助言で立ち上げた商会だ。
アルティスが立ち上げたと言えば、聞こえがいいが、全てハートに丸投げしている。
アルティスは、気の向くまま、思うまま、アイデアを出す。
その上、商会が投資する形をとって、お金や物資を惜しみなく投入していた。
商会の利益はもちろんだが、アルティスの私財も全て援助に使われていた。
「それでいないのね?お肉食べるだけだったら、わざわざフェイト領まで行かなくてもいいのに……」
「アルティス様は、フェイトの執務の館前の広場に、大きな調理場を作り、
いつも何らかの食事を用意し、誰がいつ来ても自由に食べれるフードヤードを作られたのです」
「そう言う事か……じゃあ、執務の館に行けば会えるのね?……」
「どうされました?何かお困り事でも?」
「うん、それもなんだけど……一人でガラスのドーム使った事なくて……ちょっと不安なの」
「それでしたら私も一緒に参りましょうか?」
「えっ!良いんですか」
「はい、私もミーノータウロスのお肉をと、あちらに呼ばれておりますので」
「は~~良かった~」
「こ~するんですよね?」
フィオナは、ガラスのドームの透かしの紋章に手のひらを乗せ、魔力を注ぐ。
先ずは透かしが光出し、そこから幾何学模様の光の線がドームいっぱいに広がる。
〝スゥ~~〝と、口が開き中に入れる様になる。
「後は、行き先を言葉にして頂ければ……」
「フェイト領……」
一瞬ドームが〝ピカッ!〝と光る。すると、閉じたばかりの入り口がまた開く。
「あ、あれ?どうしたのかしら?直ぐ開いちゃった」
「もう、着きましてございます」
よく見ればガラスの向こうの風景が変わっていた。まさに一瞬である。
「初めてお使いに?」
「一度だけ……これが出来た時に……自分で作動させた訳じゃないのだけど……
普段の移動はアルの転移魔法で一緒に移動してるから……」
「そうでございましたか。この装置は、大賢者様の転移装置と違って、
今の様に、作動も簡単で、時間も掛からずとても便利ですよ。
アルティス様も、最近忙しくなっておられるので、ご一緒でない時は、姫もお使いになると良いですよ?」
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